著者
新井 映子 高塚 千広 川上 栄子 市川 陽子 伊藤 聖子 神谷 紀代美 清水 洋子 竹下 温子 中川 裕子 村上 陽子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2021年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.161, 2021 (Released:2021-09-07)

【目的】 静岡県に伝承されてきた家庭料理の中から、行事食として食されてきた料理を東部、中部、西部に分け、各地域別に明らかにすることを目的とした。【方法】「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の調査ガイドラインに基づき、静岡県東部(富士宮市、伊東市)、中部(静岡市、焼津市、藤枝市)および西部(浜松市、湖西市)の各地域において居住歴が30〜81年の男女61人を対象に聞き書き調査を実施した。【結果】歴史的、地理的にもそれぞれの特徴を持つ東部、中部、西部の3地域について、各地域に特有の食材を生かした行事食やそれらの調理法について示す。東部の富士宮では、富士山の火山灰土壌で落花生栽培が盛んなため、おせちのなますには粗くすりつぶした落花生を入れる「落花生なます」が作られる。伊豆半島の主要な漁港である伊東では、祭りなどの行事食として鯖のそぼろをのせた「鯖の箱ずし」が作られる。中部は正月に黒豆、田作り、数の子を用意し、里芋やごぼう、椎茸の「煮しめ」、大根と人参の「なます」にいかやしめ鯖を加える。かつおだしに大根と里芋、角餅の「雑煮」やまぐろの「にぎりずし」を作る。おせちに練り製品を入れる。クチナシで色づける「菱餅」や「染飯」がある。西部の湖西市は「新居の関所」がある町で、東海道を往来する旅人によって「すわま」という波形をあしらった餅菓子が伝承され、上巳の節句に作られている。浜松市山間部の水窪周辺では、雑穀を中心とした食文化があり、4月8日(花祭り)に大豆、そば粉、小麦粉で「とじくり」いう団子をつくって仏壇にお供えしている。以上のことから、静岡県では東部、中部、西部の各地域に特有の食材が、行事食にも生かされていることが明らかとなった。
著者
中川 裕志
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2021-DPS-188, no.11, pp.1-6, 2021-09-02

死後の個人データの扱いは個人の尊厳の維持,あるいは生前の意思にできるだけ沿うことが重要である.この観点から,本報告では故人に永遠の生命をディジタルな形で与える不死のディジタル人格に関して,そのビジネス化あるは商業利用の実情を述べる.故人の顔画像の福笑いのような行き過ぎた,あるいはエンターテイメント化した故人の個人データのビジネス化などにみられる問題点を指摘して,故人の個人データのビジネス化のあるべき姿を模索する.
著者
中川 裕之
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, 2020

この取り組みは,「十勝"夢"プロジェクト真冬のマンゴーづくり大作戦」と題し,平成22年より地域おこしの為に経済人11名で始まった事業です。何もない北海道十勝の冬に亜熱帯果実を産地化できたらとの思いで始まり,当初から栽培にあたっては地産地消型の再生可能エネルギーの有効活用を重視しています。特に,十勝地域は太平洋型の気候なので冬も好天が続き,広大な雪原に真っ青な空に輝く太陽の光が燦々と降り注ぐという冬だからこその明るく綺麗な景色が楽しめます。一般的に北国の冬は,演歌の「津軽海峡冬景色」や,映画の「北の零年」等に代表されるように曇天で雪が毎日降っている暗く辛いイメージがあるが,十勝の冬の好天を正確に伝える事で,真冬の十勝のイメージを180度変えさせ,今は閑散期となっている冬期間の観光客増につなげていくことを考えました。同時に,農業において収穫及び収入の無い時期に新たな収入をもたらす事業を展開することによって,冬期間の地域の新たな雇用の創出につなげていくことを考えています。さらに,マンゴーの収穫時期を真冬にシフトさせながらも,化石エネルギーに頼らず,自然エネルギーで栽培する仕組みを確立することで農業生産の新たな可能性を見出しています。
著者
林 裕樹 金城 達也 西垣 大志 宮城 良浩 中川 裕 高槻 光寿
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.293-301, 2021

<p>症例は26歳の女性で,妊娠を契機に径10 cm大の骨盤内腫瘍を指摘され,試験腹腔鏡検査にて後腹膜腫瘍の診断となった.囊胞成分のほかに充実成分を伴っており悪性疾患の可能性が示唆され,加療目的で当院紹介となった.腹部造影CTおよびMRIにて仙骨前面に多房性囊胞性腫瘍を認め,腫瘍背側には造影効果を有する小結節が存在した.腫瘍摘出術を施行し,病理組織学的診断では後腹膜成熟囊胞性奇形腫であり,小結節は神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor;以下,NETと略記)の診断であった.術後経過は良好で術後7日目に退院となった.成人発症の後腹膜成熟囊胞性奇形腫はまれな疾患であり,年齢とともに悪性化の頻度が高くなるとされている.悪性化すると予後不良であるため,早期手術が推奨されている.今回,我々は極めてまれなNETを併存した成人後腹膜成熟囊胞性奇形腫の1例を経験したので報告する.</p>
著者
名取 貴光 中川 裕子 桜林 ひかる 福井 智 野田 聖子 窪島 愛華 戸澤 一宏 仲尾 玲子
出版者
日本食品保蔵科学会
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.91-102, 2015 (Released:2015-11-24)

野山に自生する山菜の多くは古くより食用として好まれてきた。また,これら山菜は様々な効能をもつことから民間療法として薬用にも用いられている。山菜由来成分には,抗腫瘍効果や抗酸化作用,抗菌活性,抗肥満作用などが報告されており,多種多様な生理活性物質が含まれている。本研究では,山梨県内で採取される山菜の機能性成分と生理活性について検討を行った。試料は,山梨県総合農業技術センター,八ヶ岳薬用植物園で採取した山菜を使用した。14種類の山菜の総ポリフェノール量およびDPPHラジカル消去活性を測定したところ,ミツバアケビ,ワレモコウ,メグスリノキにポリフェノールが多く含まれており,抗酸化活性が高いことが確認され,ポリフェノール含量と抗酸化活性に高い相関がみとめられた。次に,これらサンプルのC6 glioma株に対する抗腫瘍効果について検討を行ったところ,アケビ,ワラビ,ツリガネニンジン,モミジガサ,ギヨウジャニンニク,オオバギボウシ,ヒメツルニチニチソウ,メグスリノキに濃度依存的な抗腫瘍効果が認められた。特に,オオバギボウシとヒメツルニチニチソウにおいては低濃度で顕著な抗腫瘍効果が確認された。また,カルセイン-AMおよびプロピディウムイオダイドを用いた生死細胞の判定を行ったところ,アケビおよびワラビ,メグスリノキにおいて顕著な細胞死が誘導されており,アポトーシスの指標であるCaspase-3の活性の上昇や細胞膜成分の転移が確認されたことから,これら山菜による抗腫瘍効果はアポトーシスであると考えられる。一方,ギョウジャニンニク,オオバギボウシ,ヒメツルニチニチソウにはG2/M期における細胞周期に異常がみとめられた。今回供試した山菜による抗腫瘍効果はアポトーシスおよび細胞周期の異常であると考えられる。
著者
中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2B4OS15a4, 2014

<p>ビッグデータとりわけパーソナルデータの活用が2013年6月に政府指針として打ち出されたが、前後してJR東のSuicaデータの扱いを巡る騒動が起こった。この状況を踏まえて、政府のパーソナルデータに関する検討会の技術検討ワーキンググループ報告が12月10日に公表された。この報告から明らかになった匿名化を現実社会で使うにあたっての制度設計提言に基づく技術課題について述べる。</p>
著者
和泉 潔 池田 翔 石田 智也 中嶋 啓浩 松井 藤五郎 吉田 稔 中川 裕志 本多 隆虎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第25回全国大会(2011)
巻号頁・発行日
pp.2H1OS186, 2011 (Released:2018-07-30)

本研究では,新聞記事データを用いた業種別株価指数の分析の新たな手法を提案した.本手法を用いて,2009年の1 年間を対象に外挿予測精度を評価した結果,予測精度の目標とした52%を超えた業種は,19 業種中11業種(57.8%) であった.また,予測正答率は時期・業種によって予測正答率の季節性が見られた.これにより,期間毎のテキストマイニングによる予測の信頼度を測る指標になることが期待できる.
著者
中川 裕志 杉本 雅則 渡部 聡彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.339-344, 2000-06-01 (Released:2017-05-25)
被引用文献数
1

東京大学に1999年度に設立された情報基盤センターの図書館電子化部門および同研究部門は図書館の電子化ならびに将来像を検討するために新設された部門である。設立以来の短い期間に部門のメンバーが考えてきたことは, 必ずしもまだまとまっているわけではないが、いくつかの有力なアイデアも提案されてきているので報告する。まず, 図書館の概念に対するアンチテーゼ的な見方を述べ, 次に情報基盤センター図書館電子化部門で近未来にどのようなサービスを企画しているかを述べる。最後に, 将来, アカデミックな共有の場としての図書館において有望なユーザインターフェース技術の紹介をする。
著者
滝澤 修 松本 勉 中川 裕志 村瀬 一郎 牧野 京子
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.1977-1979, 2004-08-15

プライバシ保護などに利用できるステガノグラフィ(秘匿通信)は,情報の埋め込み媒体が持つ情報の冗長性を利用するため,画像や音響信号など冗長度の高い媒体について多く提案されてきた.本論文では,ディジタルドキュメントを埋め込み媒体とし,文書内に挿入された改行コードの位置を秘匿情報とするテキストステガノグラフィを提案する.提案手法はドキュメントのレイアウト情報を利用しないため,電子メールのようなプレーンテキストに対しても秘匿情報の埋め込みが可能で,文字通信においてプライバシを保つ手段として利用できる.
著者
中川 裕三
雑誌
語研ニュース
巻号頁・発行日
no.1, pp.5-6, 1999-04
著者
佐倉 統 福住 伸一 中川 裕志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4Rin138, 2019

<p>この論文の目的は,人とAIが一緒に写っている写真を対象にしてそれらの構図を分析すること(図像分析)が,人−AI関係の文化的相違の解明に資すると示すことである.試行的に得られたインターネット上の画像から,日本由来の写真では人とAI/ロボットは横並びに位置してこちらを見ていることが多く,欧米由来の写真では人とロボットがお互いに向き合っている構図が多いことがわかった.共視論研究(北山,2005)によれば,日本の浮世絵の母子像は何か別の物(第三項)を一緒に注視していることが多く,西洋の絵画ではこのような共視は少ないという.このような"共視"は人では生後9か月から見られるようになる.浮世絵の母子関係と同じパターンが人−AI関係にも見られるのだとすると,それはAIやロボットが人間の子供と同じく何物か(第三項)を共同注視することのできる存在,それだけの認知能力をもった存在として日本では無意識に認知していることを示唆する.欧米ではAI/ロボットはもっと人に従属する存在として位置づけられているのではないか.今後より体系的な図像分析をおこない,東アジア内での国際比較(日韓台)をおこなう必要がある.</p>
著者
中川 裕志 湯本 紘彰 森 辰則
出版者
言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-46, 2003-01

本論文では,専門用語を専門分野コーパスから自動抽出する方法の提案と実験的評価を報告する.本論文では名詞(単名詞と複合名詞) を対象として専門用語抽出について検討する.基本的アイデアは,単名詞のバイグラムから得られる単名詞の統計量を利用するという点である.より具体的に言えば,ある単名詞が複合名詞を形成するために連接する名詞の頻度を用いる.この頻度を利用した数種類の複合名詞スコア付け法を提案する.NTCIR1 TMREC テストコレクションによって提案方法を実験的に評価した.この結果,スコアの上位の1,400 用語候補以内,ならびに,12,000 用語候補以上においては,単名詞バイグラムの統計に基づく提案手法が優れていることがわかった.
著者
佐貫 浩一 松岡 彰 中村 克巳 中川 裕二 新庄 信英 国司 善彦 河合 伸也
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.517-518, 1990-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

Pyarthrosis of the knee was treated in 11 patients by arthroscopic lavage and debridement. There were 4 men and 7 women patients whose ages raged from 8 months to 80 years. Staphylococcus aureus was cultured in 5 knees. Four patients were caused by the injection of steroids. There were no recurrences. Arthroscopy can aid in establishing the diagnosis and implementing the appropriate treatment when a septic knee is suspected.