著者
斎藤 馨 中村 和彦 渡辺 隆一 藤原 章雄 岩岡 正博 中山 雅哉 大辻 永 小林 博樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

「インターネット森林観察サイト」は、森林の現在の様子、過去の様子をインターネットから提供するサイトで、誰もが、遠隔の森林情報に容易に接しながら、森林の季節や経年変化に気づき、興味を持って森林の観察ができ、しかも観察継続がしやすくなるサイトを目的に開発した。対象の森林は遠隔の天然林で、 かつ長期映像記録のある東京大学秩父演習林(埼玉県奥秩父:過去15 年間記録)と信州大学志賀 自然教育園(長野県志賀高原:過去20 年間記録)とした。森林の様子を映像と音によりリアルタ イム(ライブ)でインターネット上に配信し、同時に配信データを録画・録音・公開し、配信後 にも観察できる森林観察サイトを開発し、継続的な運用試験を可能にした。例えば、フェノロジーに着目すると過去の映像と同じショットの画像が毎日配信されることで、日々や季節の変化を見ることが出来、ふと気づいたときに数年から十数年を遡って確認することが出来る。しかもインターネット上で共有されているため、SNSとの親和性も高いことを確認した。
著者
青木 隆行 宮内 邦雄 西村 光彦 中村 和彦
出版者
The Japan Society for Technology of Plasticity
雑誌
塑性と加工 (ISSN:00381586)
巻号頁・発行日
vol.48, no.555, pp.308-312, 2007
被引用文献数
1

A both-sided ironing process for simultaneous ironing of the outer and inner wall surfaces of deeply drawn cans has been developed successfully. The new process produces ring grooves in the can wall by vibrating the inner die along the ironing direction. The up-and-down motion of the inner die changes the ironing condition between the inner die and the outer die to continuously form ring grooves in the wall of ironed cans. The frequency of the vibration of the both-sided ironing process is set at about 4∼6 c⁄min. The profile of ring grooves in the ironed can wall is found to be influenced by the height difference between the outer and inner dies and the amplitude of the vibration. In particular, the greater the amplitude of vibration, the greater the depth of the ring grooves. The bent part of the ring grooves formed by the both-sided ironing process using vibration is the unique point of lowest strength. An ironed can with ring grooves in the wall can be easily squashed by a relatively small force.
著者
中村 和彦 斎藤 馨
出版者
一般社団法人 日本環境教育学会
雑誌
環境教育 (ISSN:09172866)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.3_81-92, 2014 (Released:2016-03-25)
参考文献数
26

Existing learning tools involving images have a risk of creating false perceptions due to inappropriate editing. This problem can be resolved by using unprocessed and unedited image archives openly available on the Internet. However, there is still no proven approach for providing learning tools using such image archives. The objective of this study was to examine the development of phenology observation learning tools using unprocessed and unedited image archives. For this study, learning tools using unprocessed and unedited image archives collected since 1995 in the University Forest in Chichibu (the University of Tokyo) were used on a trial basis for phenology observation studies at three elementary schools. The reactions of the pupils were videotaped, and the resulting responses of the teachers and pupils were analyzed. We also performed textual analysis of the pupils’ post-lesson statements about their impressions. As a result, the following three development courses were revealed. First, over a time scale of one year, learning tools that asked pupils to observe more detailed changes based on their previous experience were recommended. Second, in expanding the time scale from one to two years, it was found desirable to include learning that supported the expansion of a time scale including immediate experience. Finally, for multi-year phenology observation, we found it necessary to clearly convey to teachers and pupils that inter-annual variations of phenology were observable, and that long-term trends were not evident.
著者
竹内 義喜 中村 和彦 岩橋 和彦 三木 崇範 伊藤 正裕
出版者
香川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

発達障害誘導因子として放射線とアルコールを取り上げ、脳組織のうちとくに海馬領域のニューロンネットワーク形成を対象として研究を行った。妊娠動物(ラット)に放射線を照射し、生後6週で脳組織を検索したところ、海馬に対する影響は0.6Gy以上から現われ、錐体細胞の脱落および層構造の乱れがCA1領域よりCA3領域でより顕著であった。また、CA3領域では異所性mossy fiberの終末がstratum orienceに存在するのが特徴的であった。一方、生後ラットへのアルコール投与実験では、まず小脳のプルキンエ細胞を研究対象とした。プルキンエ細胞は生後4-9日でアルコール高感受性であり、樹状突起の発育不全を示した。しかしながら、生後10日以降の脳組織においてはプルキンエ細胞をはじめとする他の神経細胞には何ら変化が認められないという実験結果を得た。次に、このような生後早期における神経細胞のアルコール感受性に関し海馬で行なわれた研究では、歯状回門領域の顆粒細胞や錐体細胞にも小脳組織と同様神経細胞の発育不全が認められ、海馬領域においても高感受性であることが明らかになった。さらに、マウスに対する短期アルコール投与実験をおこなったところ、海馬領域においてcalbindin D28k免疫反応陽性細胞の数が減少した。しかしながら逆にGFAP反応陽性細胞の数の増加が認められ、神経細胞とグリア細胞の変化が形態学的に非常に対照的なものとなった。このようなニューロンとアストログリア細胞の脳組織における変化は、海馬に起因する神経症状発現メカニズムにこれら細胞相互の働きが深く関与することを示唆するものであると考察される。
著者
石原 融 武田 康久 水谷 隆史 岡本 まさ子 古閑 美奈子 田村 右内 山田 七重 成 順月 中村 和彦 飯島 純夫 山縣 然太朗
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.106-117, 2003

<b>目的</b> 思春期の肥満は成人肥満に移行することが多く,学童期あるいは,それ以前の肥満の対策が重要とされている。本研究は,縦断研究により思春期の肥満と幼児期の生活習慣,家族関係および体格等との関連を明らかにすることを目的とした。<br/><b>対象と方法</b> 1987年 4 月から1991年 3 月に山梨県塩山市で出生した児を対象として,1 歳 6 か月,3 歳児健康診査時の質問票とその時の身長,体重の実測値,また,思春期は2000年 4 月の健康診断時の身長,体重の実測値を解析に用いた。平成12年度の学校保健統計調査結果の年齢,性,身長別の平均体重を標準体重として,肥満度を算出し,20%以上を肥満と判定した。1 歳 6 か月,3 歳時の体格についてはカウプ指数を用い,生活習慣については健康診査時の調査票の生活習慣項目を用いて,思春期の肥満との関連について解析した。<br/><b>結果</b> 1 歳 6 か月児健康診査時の質問票の回収数は883人で,思春期まで追跡可能であった児が737人であった(追跡率83.5%)。平均追跡期間は10年11か月であった。<br/> 1 歳 6 か月時と 3 歳時のカウプ指数高値群において有意に思春期の肥満者が多くオッズ比はそれぞれ2.61 (95%信頼区間:1.11-6.12)と5.34 (2.54-11.23)であった。また,母親の肥満群において有意に思春期の肥満者が多く,オッズ比は5.32 (2.67-10.60)であった。<br/> 生活習慣項目では,1 歳 6 か月時の「室内で一人で遊ぶことの多い」のオッズ比が3.01 (1.01-8.99),また,3 歳時の「おやつの時間を決めずにもらっていた」のオッズ比が2.12 (1.25-3.61)で思春期の肥満のリスクであった。食品項目では,「牛乳」摂取頻度のみが思春期の肥満と有意な関連を示し,オッズ比0.63 (0.41-0.95)であった。<br/> 共分散構造解析を行い逐次因果最適モデルを求めた。3 歳時の体格,母親の体格,遊び方,おやつの取り方,牛乳摂取は思春期の体格に影響を与えていた。また,母親の体格は子どもの要求の応じ方に影響しており,子どもの要求の応じ方はおやつの取り方に影響を与えていた。<br/><b>結論</b> 思春期の肥満は,1 歳 6 か月と 3 歳時の体格,母親の体格,幼児期の遊び方,おやつの取り方,牛乳摂取と関連があった。遺伝要因が強いことが確認されたが,幼児期の生活習慣も思春期の肥満と関連していることが示唆された。
著者
高貝 就 中村 和彦 鈴木 勝昭 岩田 泰秀 尾内 康臣 竹林 淳和 森 則夫
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高機能自閉症者にみられる「タイムスリップ現象」に代表される記憶再構築障害に果たすドパミン系の役割を、ポジトロン断層法(PET)を用いて検討した。すなわち、定常状態とタイムスリップ現象を誘発するようなcueを負荷した状態とにおいて、ドパミンD1受容体密度を特異的トレーサー[llC]SCH23390とPETで計測した。現在、その結果について解析中である。
著者
西山 繁 中村 和彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は有用な薬剤の開発に資することを最終目的として、有機電気化学的手法とタリウム(III)塩の双方からフェノール酸化反応を検討し、これを鍵反応として天然有機化合物を含む生物活性物質の合成を行ったものである。以下、その概略を述べる。ユーリパミド類の合成海洋生物由来の環状イソジチロシン類ユーリパミドA、B、Dの合成を行った。鍵となるジアリールエーテルの構築は、硝酸(III)タリウムを活用した。ユーリパミドAの構造訂正を含めて、目的を達成することが出来た。さらに、ユーリパミド誘導体に新たな抗MRSA活性を見出すことが出来た。現在さらなる高活性の誘導体を求めて研究を続けている。ジャーマクレンDの臭素化反応ジヤーマクレンDに電極酸化により発生させたブロモカチオンを反応させ、主生成物として2環性化合物が得られることが判明した。ヘリアヌオール類の合成と生物活性独自に開発したフェノール類の陽極酸化で生成するスピロ化合物か6クロマン誘導体への変換反応を活用して、ヒマワリのアレロパシー物質ヘリアヌオールEの構造訂正を含めて全合成を達成した。また、本合成における転位反応の選択性は芳香環上の置換基の立体化学と電子的性質に依存することを見出した。合成途上で得られたクロマンおよびベンゾオキセピン誘導体について植物に対する成長阻害活性を調べたところ、より単純な構造についても天然物と同様の活性を有することを明6かにした。海洋生物由来のスピロイソキサソール型天然物の合成と反応スピロイソキサソール骨格の合成を陽極酸化と水素化ホウ素亜鉛の還元による改良合成法を確立するとともにスピロイソキサソール環の選択的な開環反応を行い、新しいアエロプリシニン-1の合成を達成した。カラフイアニンは、ジエノン部分にエポキシ環が存在するスピロイソキサソール関連物質であり、本研究において従来提唱されていた構造を訂正するとともに全合成を達成した。ベルベナカルコンの合成神経芽成長促進因子活性化作用を示す植物成分ベルベナカルコンの合成において、混合ハロゲン化フェノールの陽極酸化反応を鍵反応として全合成を達成した。さらに、この全合成の知見を活用して活性試験を行い、新たな知見を得た。