著者
中村 純一
出版者
一橋大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は、1990年代以降の日本経済の長期低迷の原因とも指摘された、いわゆる「ゾンビ企業(金融支援を受けて存続している企業)」の発生・復活の実態とその影響について実証的に分析・考察した。その結果、(1)ゾンビ企業の多くは2000年代前半に復活したが、リストラに依存した縮小均衡であったこと、(2)その傍ら「優良企業」の側の投資行動には、ゾンビ企業の復活後も企業統治要因と関連した過小投資・過大投資の共存など固有の歪みがあったことを示し、それぞれがマクロ経済の本格回復の妨げとなった可能性を指摘した。
著者
丸山 公一 中村 純也 吉見 享祐
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.100, no.3, pp.414-420, 2014 (Released:2014-02-28)
参考文献数
22
被引用文献数
2

Conventional time-temperature-parameter (TTP) methods often overestimate long-term creep rupture life of high Cr ferritic steels. The cause of the overestimation is examined paying attention to temperature and stress dependence of creep rupture life of Gr.91, 92 and 122 steels. In stress-rupture data of all the three steels there are four regions with different values of stress exponent n for rupture life. Activation energies Q for rupture life in the regions take at least three different values. The values of n and Q decrease in a longer-term region. The decrease in Q value is the cause of the overestimation of long-term rupture life predicted by the conventional TTP methods unable to deal with the change in Q value. Therefore, before applying a TTP analysis to stress-rupture data, the data should be divided into several data sets so that Q value is unique in each divided data set. When this multi-region analysis is adopted, all the data points of the steels can be described with higher accuracy, and their long-term rupture life can be evaluated more correctly.
著者
中村 純作
出版者
全国英語教育学会
雑誌
全国英語教育学会紀要 (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.186-200, 1990

In the field of computerized English teaching, whether CAI, CALL or CMI, there arises the problem of representing numerical data in a form which can be easily grasped by both students and teachers. This is because the amount of accumulated data becomes so huge that it sometimes is very difficult to discover the tendency hidden in the data. In this article, some ways of graphically representing numerical data already installed in the CMI system developed by the author are reviewed, and the possibilities of a new method called Chernoff Faces, introduced to deal with the problem of representing the results of questionnaires, are explored.
著者
中村 純 松香 光夫
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.45-57, 2005
被引用文献数
3 2

ミツバチの生産物の一つであるプロポリスは,ミツバチが植物の防衛物質である樹脂などを集めて,巣の補強,保持に供するものである.また民間医療薬として用いられてきた歴史があり,昨今の日本では健康食品として普及している.各種の生理活性が報告されているが,本稿では 163編の文献を引用しながら,プロポリスの由来,研究の概況,化学成分について略述し,補完代替医療素材としての観点から幅広い生理活性について,その活性成分の検討,作用機作,また実際の効果試験についての研究成果を紹介した.取り上げた生理活性は,抗微生物(細菌,真菌,原虫,ウイルス)活性,抗酸化作用,抗炎症作用,抗腫瘍活性,抗肝毒性,とその他の作用である.また,利用に当たっての注意事項も付した.<br>
著者
山田 弘文 南出 章幸 竹俣 一也 中村 純生
出版者
金沢工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

グローバル化の進む21世紀において国際的に活躍できる技術者を育成するには、専門知識に加えて、外国人とのプロジェクトを円滑に推進するためのコミュニケーション能力が必要である。そこで、本研究では、学生がWeb上の共同実験施設を外国人とチームを組んで利用し、プロジェクト活動を推進する国際交流型の工学教育を実践できる教育ネットワークを構築することを目的とし、Webブラウザでコントロールできる遠隔操作ロボットシステムの開発を試みた。開発したシステムの有効性を検証するためシステムー式を協力機関に設置した結果、本システムが使えそうであることを明らかにできた。
著者
入澤 篤志 高木 忠之 渋川 悟朗 佐藤 愛 池田 恒彦 鈴木 玲 引地 拓人 佐藤 匡記 渡辺 晃 中村 純 阿部 洋子 二階堂 暁子 宍戸 昌一郎 飯塚 美伸 鈴木 啓二 小原 勝敏 大平 弘正
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.29-36, 2011 (Released:2011-03-07)
参考文献数
27
被引用文献数
2

慢性膵炎の予後は芳しくなく,より早期での慢性膵炎診断の重要性が認識されていた.早期慢性膵炎は微細な膵実質・膵管変化のみが伴うと考えられ,従来の画像診断(体表超音波検査,CT,内視鏡的逆行性胆膵管造影:ERCP,など)では異常を捉えることは困難であった.近年,超音波内視鏡(EUS)による慢性膵炎診断が提唱され,その有用性は高く評価されてきた.EUSは経胃もしくは経十二指腸的に,至近距離から高解像度での観察が可能であり,他の検査では捉えられない異常が描出できる.2009年に慢性膵炎診断基準が改定され早期慢性膵炎診断が可能となり,この診断基準にEUS所見が明記された.より早期からの医療介入のためにも,慢性膵炎診療におけるEUSの役割の理解はきわめて重要である.特に,上腹部痛や背部痛を訴える患者で,明らかな消化管異常が認められず慢性膵炎が疑われる症例においては,積極的なEUS施行が推奨される.
著者
稲垣 知宏 中村 純 隅谷 孝洋 長登 康 佐々井 祐二 深澤 謙次
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

最先端の研究で利用される数値シミュレーションを通じて自然科学を学習していくための新しい教育について企画し、必要な電子教材の作成支援システムを開発することを目的に,計算機シミュレーションをテーマにした教育コースを作成すると共に電子教材開発を進め,これを利用した教育を実践した。教育の現場と研究の現場の連携とこれを支援するシステム,学問の新たなパラダイムに根ざした新しい教育の中で先端科学に対する社会的関心を引き出す可能性,教育に必要な電子教材開発について明らかにした。(稲垣、中村、隅谷、長登、佐々井、深澤)計算機シミュレーションを利用しようとする場合,必要に応じて電子教材を開発するところから出発することになる。扱いやすい教材開発環境が整ってきたことで,現在いろいろな形で教材開発が進められているが,今回の開発ではFlash(Macromedia社)上のActionScriptを利用して電子教材開発を進めた。数名の大学院生に対する90分程度の講習会から出発して教材開発者を育成し,約1年間の開発期間で70以上の教材を作成することができた。このような開発は大学院生の教育にも効果を上げている。(稲垣、中村、佐々井、深澤)電子教材開発コラボレーションの基盤環境としてWikiを利用したサイトを構築しその役割と可能性について調べた。容易にサイト構築が可能で,情報の掲載,修正方法を簡単にするツールは他にもあるが,Wikiは,普及状況,無料利用可能な事からも,教育現場に導入し易いツールである。Wikiサイト上では,気軽に情報を掲載できることから,従来までとは異なり開発途上にある動的な情報を蓄積することが可能になった。今後,コラボレーション全体の輪を広げることで,継続的な教材開発の道が開けると考えている。(稲垣、隅谷、長登)なお、これら研究成果については、国内の研究会等で報告している。