著者
松尾 浩 小久保 光治 近藤 哲矢 三鴨 肇
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.827-830, 2003-07-31 (Released:2010-09-24)
参考文献数
10
被引用文献数
2 5

症例は43歳, 男性. 2001年3月22日午後9時頃より腹痛を自覚し, 腹痛が強度となり4時間後に救急車にて当院に緊急入院した. 腹部は軽度膨隆し, 全体に圧痛と筋性防御を認めた. 血液検査にてCRPは陰性であったが, 白血球の上昇を認めた. 腹部CT検査にてfree airと腹水, 骨盤腔にlow density areaを認めた. 肛門よりビニール製のひもが1mほど脱出しており, 出血を軽度認めた. 直腸異物による消化管穿孔の診断のもとに緊急手術を施行した. 開腹すると便汁を混じた腹水を認め, 骨盤腔に直径5.5Cm高さ19cmの哺乳びんを認めた. 腹膜翻転部から10cmの直腸前壁が長軸方向に10cmにわたり穿孔しており, 同部より哺乳びんが腹腔内に露出していた. 手術は同部を縫合閉鎖し, 横行結腸にて双孔式人工肛門を造設した. 経肛門的に異物が入った経過を何度も確認したが, 風呂場で転んだ拍子に哺乳びんが肛門から入ってしまったとのことであった. 術後6ヵ月後に人工肛門を閉鎖し経過良好である.
著者
青木 弘行 久保 光徳 鈴木 邁 後藤 忠俊 岡本 敦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.96, pp.47-54, 1993-03-01
被引用文献数
1

エレクトリックギター用材料に適した新しい材料選択基準を求めるため、音色に強い影響を与えるヤング率、振動損失、密度、そして周波数スペクトル分布に代表される物理特性と、エレクトリックギターの音色としての「ふさわしさ」に対する評価尺度である感覚特性との相関関係について検討した。木材、プラスチック、金属に対する打撃振動、および振動音測定実験を行い、物理特性および音響特性の解析を行った。感覚特性は、これらの振動音の、エレクトリックギターに対する、相対的な「ふさわしさ」であるため、一対比較法を用いた官能評価実験により解析を行った。本研究によって解析された物理特性と感覚特性との関係を明確にするため、典型的な楽器用材料選択基準による評価を行うと同時に、これらの特性の相関式を、重回帰分析法に従って求め、エレクトリックギター用材料選択基準の検討を行った。これらの検討より、選択基準の説明因子である密度、特にその値の対数値とヤング率の影響が重要であることが明らかとなった。さらに、密度やヤング率を操作できる材料である繊維強化複合材料(GFRP、CFRP)の、エレクトリックギター用材料としての有効性について検討し、高剛性、低密度であるCFRPの利用可能性を確認した。
著者
岡田 栄造 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.9-16, 2001-03-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
17
被引用文献数
3

本稿の目的は、明治時代半ばに学校用腰掛けの改善案のなかで提案された座面の昇降機構が、その後どのように展開し、結果、事務用椅子として普及したFK式回転昇降椅子が誕生した過程を明らかにすることにある。そのために、明治時代半ば以降昭和初期までに公示された椅子の昇降機構に関する工業所有権を調査し、FK式が生み出された詳しい経緯を考察した。最初にFK式の原案となった岩岡式以前の昇降機構の展開を調査し、次いで岩岡式の開発過程を、最後に寿商店によるFK式の開発経過を調査した。調査の結果、岩岡式が、それ以前に開発されていた7種類の昇降方式のうち「滑動式-単脚」の方式を参考に改善を進めたなかで生み出されたことが明らかとなった。そして、岩岡式において椅子の構造部材として鋳物が採用されたことが、金属加工業を椅子製造プロセスに介在させる必要を生じさせた点で、重要なポイントとなっていたことを指摘した。さらに、寿商店によるFK式の開発が、実際に金属加工業者の協力を得て進められたことを確認した。
著者
矢久保 空遥 田内 隆利 久保 光徳 寺内 文雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.2_81-2_88, 2015-07-31 (Released:2015-10-25)
参考文献数
12

本論文では,ロシア連邦サハ共和国で演奏されている伝統的な口琴であるKhomusとイタリア共和国シチリア島で演奏されているMarranzanuと呼ばれる口琴の2つをサンプルとして,これらの形態的な特徴,音響的な特徴,社会的な特徴の3つの側面から比較を行った. 形態的な特徴において両者を比較すると,Khomusの弁には均一な角度でエッジ加工が施されており,Marranzanuの弁にはエッジができるような加工は施されていないことが確認された. 音響的な特徴の比較では,自己相関関数の違いからそれぞれの周波数構造に着目し,一方が奇数倍音を多く含む矩形波に近い構造,他方が整数倍音を多く含むノコギリ波に近い構造をしていることを明らかにした. これは,音による印象そのものに影響を与えうるファクターであり,音に対する印象評価を行った先の研究と照らし合わせて考えると,特に「活発性因子」において大きな差があることわかった. 社会的な扱われ方の違いについては,それぞれの国での演奏されるシーンや,催事などの有無といった点から民族的な意味合いを強く持ったKhomusと民俗的な意味合いを強く持ったMarranzanuであると解釈することができた.
著者
寺久保 光良
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:18806775)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.21-30, 2006-03-15

本研究は、生活保護法およびその施行にあたる生活保護行政と、国民(要保護者)および利用者との間に乖離状況が生じていることに焦点を当て、乖離の状況、原因、理由、その克服の課題などを明らかにしようとするものである。本研究についての先行研究は、利用者の視点での裁判事例などに見ることはできるが、その他はほとんど無い。本論考では生活保護相談窓口職員が刺殺された事件を取り上げ、乖離状況の問題を探ろうとするものである。研究は緒についたばかりであり、資料などの少ない中での論考であるため試論と位置づけ、今後の研究への足がかりとする。
著者
寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行 橋本 英治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.45-52, 2005-03-31
被引用文献数
3

近年の環境問題において、モノを長く使うことに対する意識の低さが、問題解決に向けた障害の一つとなっている。本研究においては、モノの長期使用を念頭に置き、生活者の意識面における問題を解決するための方策として、モノに対して抱く愛着に着目した。そして、モノが有する様々な感性要素と愛着の発生に関わる因果モデルを、構造方程式モデリング手法を用いることにより構築した。また、モノに対する生活者の志向態度を因子分析とクラスター分析手法を用いてに四タイプに分類し、各タイプの因果モデルを検討することにより、その特徴と特質を明らかにした。最後に、これらの検討結果を踏まえて、愛着を誘発するための人工物設計指針6項目 : 完成度の高い造形処理、素材の特性を生かした質感表現、頭に馴染む使い勝手のよい機能、使い込むことによって見いだされる新たな仕組みの導入、愛着感構成要素の実現、本物感を満たすブランド価値の確立、を導いた。
著者
青木 弘行 久保 光徳 鈴木 邁 後藤 忠俊 岡本 敦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.96, pp.47-54, 1993-03-01 (Released:2017-07-25)

エレクトリックギター用材料に適した新しい材料選択基準を求めるため、音色に強い影響を与えるヤング率、振動損失、密度、そして周波数スペクトル分布に代表される物理特性と、エレクトリックギターの音色としての「ふさわしさ」に対する評価尺度である感覚特性との相関関係について検討した。木材、プラスチック、金属に対する打撃振動、および振動音測定実験を行い、物理特性および音響特性の解析を行った。感覚特性は、これらの振動音の、エレクトリックギターに対する、相対的な「ふさわしさ」であるため、一対比較法を用いた官能評価実験により解析を行った。本研究によって解析された物理特性と感覚特性との関係を明確にするため、典型的な楽器用材料選択基準による評価を行うと同時に、これらの特性の相関式を、重回帰分析法に従って求め、エレクトリックギター用材料選択基準の検討を行った。これらの検討より、選択基準の説明因子である密度、特にその値の対数値とヤング率の影響が重要であることが明らかとなった。さらに、密度やヤング率を操作できる材料である繊維強化複合材料(GFRP、CFRP)の、エレクトリックギター用材料としての有効性について検討し、高剛性、低密度であるCFRPの利用可能性を確認した。
著者
王 健 久保 光徳
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.4_1-4_10, 2021-03-31 (Released:2021-03-30)
参考文献数
20

本研究は,歴史的な彫刻形態からその造形傾向である「作風」を解明し,先人たちが生み出した造形に関するアイデアの言語化を試みると同時に,現代の造形教育,地域資源としての活用に資することを最終的な目標としている。 本報告では,江戸時代後期に千葉県を中心に活躍した彫物大工である武志伊八と後藤義光による代表的な社寺彫刻とされる「波」と「龍」の彫り物の特徴的な形態に注目し,3D 形状スキャンニングから得られるポリゴンモデルに対する形態分析を実施し,形態構成要素への分解を試みた。伊八の「波」の特徴は,層状に立体構成された「ラミネート層」的な造形傾向を示し,義光の「龍」は,骨格をイメージさせる「連続する球体」で構成される造形傾向を示していることを確認した。 形態構成要素によって「波」と「龍」の両形態を再構成し,彫物大工の作風を可視化するモデルの制作を試み,企画展で展示した。そのモデルによって両者の作風の相違が,鑑賞者に分かりやすく伝達されることの可能性を示唆することができた。
著者
劉 建中 久保 光徳 青木 弘行 寺内 文雄
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.29-38, 1996-02-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14
被引用文献数
4 3

本研究では, 5名の男子学生を被験者とし, 弛緩状態での座姿勢と仰臥姿勢において, 2-20Hzの垂直正弦振動を受ける人体の振動伝達特性を, 伝達率と位相差によって検討した. 伝達率は, 人体上の振動加速度実効値を振動台垂直加速度実効値に対する比率で表したものとし, 位相差は, 人体と振動台間の振動加速度の位相角で表した. また振動刺激に対する身体各部位の揺れの感覚について主観評価を行った. その結果, (1) 2Hzでは座姿勢, 仰臥姿勢ともに体全体が1つの剛体として, 振動台とほぼ同じ振幅と位相で振動した. (2) 5Hzと8Hzでは身体の振動が強くなって, しかも姿勢と被験者により各部位の振動状況がかなり異なった. (3) 11-20Hzの範囲では足部と頭部の振動を強く感じる一方, 腹部と胸部はほとんど減衰していることが明らかとなった. 本実験の結果から, 人体における振動の伝播は振動刺激の種類, 方向, 周波数, 強度のほかに, 被験者の体型と姿勢などから大きな影響を受けていることが明らかとなった.
著者
丸山 萌 田内 隆利 久保 光徳
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.3_41-3_50, 2020

<p>本研究の目的は,人形用キモノの形態学的特徴から衣服のデザイン要素としての「キモノらしさ」を明らかにすることである。人形用のキモノは,和裁の理論にとらわれない方法で,人のキモノをより特徴が際立つように簡略化し,再構成したものであると考えられる。人形用キモノの特徴を調査するため,1/6 スケールの着せ替え人形「ジェニー」用に作られた 17 点のキモノ作品例を収集し,分類した。実際にそれらの人形用キモノを再現し,制作過程の検証と形の観察を行った。各作品の特徴を人のキモノと比較し,材料と各パーツの構成の関係,制作の難易度,各部の幅の比率,人形の身体の形との関係に着目した。考察の結果,キモノらしさのデザイン要素は,人形用キモノ全体に共通する特徴としての一定の形の要素に加え,布幅に由来する各部の幅の比率,材料を無駄なく生かす使い方にあると結論づけた。また人形のキモノがこれらの要素を踏まえつつ,自由な解釈により制作された様子を示した。</p>
著者
松岡 由幸 谷郷 元昭 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.57-66, 1997
参考文献数
8

近年, 製品に対するニーズが多様化する傾向にあり, 製品開発においてユーザーの嗜好性の違いを考慮した設計方法の構築が望まれている。そこで, 嗜好性の違いを考慮する方法として, ロバスト設計の方法に注目した。ロバスト設計とは, 製品における機能のばらつきに対処する方法である。本研究では, この方法を基に, 機能のばらつきを人の嗜好性の違いに置き換えることで, 嗜好性の違いを考慮する設計方法の構築を図った。具体的には, 自動車用シートのギャザーパターンをケーススタディーとして, シート設計におけるいせ込み量と引張力を制御因子, ギャザーパターンの外観に対する嗜好性の違いを誤差因子とし, ロバスト設計の手順に従うことで設計方法の構築を試みた。また, 従来の設計方法と比較することにより, 本方法の有効性を検討した。その結果, 今回の方法が製品設計において嗜好性の違いを考慮する上で有効であることを示した。
著者
青木 弘行 久保 光徳 鈴木 邁 稲村 栄一郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.82, pp.65-72, 1990-11-30 (Released:2017-07-25)

電子レンジ加熱下における食品の温度分布を予測する昇温理論を適用して,均一加熱を目的とした容器形状の検討を行った。設計の対象としては一般的な角型容器を取り上げ,コーナー曲率半径・容器の深さ・半減深度をパラメータとして検討を行った。形状の決定は,容器形状をマイクロ波の入射数によって規定される領域に分割し,各領域における比電力を算出し,比電力の最大値と最小値の比をもとにした均一分布度を定義することにより実施した。・その結果,コーナー曲率半径の増大および容器の深さの減少にともなって,加熱むらが抑制される傾向にあることが明らかとなり,これらの結果をもとにして最適容器形状の提案を行った。また,本検討で実施した一連の手順を整理,体系化することにより,均一加熱を目的とした電子レンジ用容器の形状設計指針を作成した。
著者
大久保 光 野田 悠貴 田所 千治 平田 祐樹 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.850, pp.16-00543-16-00543, 2017 (Released:2017-06-25)
参考文献数
14

Lightweight Al-Si alloy is expected as a substitute material for the cast iron of engine parts to improve fuel consumption of automobiles. In this study, the tribological properties of Al-Si alloys against diamond-like carbon (DLC) films were examined to comprehend the influences of Si particles on Al-Si alloy surfaces under lubricated with a fully formulated oil. Sliding tests were performed with a hydrogenated amorphous carbon (a-C:H) film coated steel cylinder against the five kind of Al-Si alloy disks with different Si contents. Sliding tests and surface analysis results showed that the friction coefficient of a-C:H/Al-Si tribo-pairs depended on the exposure height of Si particles on the Al-Si alloy surfaces rather than the area ratio of Si particles. The exposure height of Si particles plays important roles in determining the frictional properties of a-C:H/Al-Si tribo-pairs under lubrication with the fully formulated oil.
著者
大久保 光 坪井 涼 田所 千治 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.81, no.824, pp.14-00656-14-00656, 2015 (Released:2015-04-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 5

This research studied the effects of Zinc Dialkyldithiophosphate (ZnDTP) additives on the tribological properties of a H-free Diamond-like Carbon (DLC) film under boundary lubrication with oils that contained organic friction modifiers (FMs). The tribological properties were evaluated using the reciprocating type cylinder-on-disk tribo-tester. ZnDTP and three types of organic additives (GMO, glycerol mono-oleoyl ether (GME), and tallow diethanol amine (TDEA)) were added to poly-alpha olefin (PAO). Friction tests were carried out for the DLC/Steel tribo-pair under lubrication with PAO and PAO-based oils containing GMO, GME, TDEA, ZnDTP, GMO + ZnDTP, GME + ZnDTP, and TDEA + ZnDTP additives. Raman spectroscopy, Scanning Electron Microscopy (SEM), energy-dispersive X-ray analysis (EDX) and X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) were used for analyses of worn surface on the H-free DLC film. The H-free DLC film lubricated with PAO + FMs reached an ultralow friction coefficient of 0.02 - 0.03. On the other hand, The H-free DLC film lubricated with PAO + FMs + ZnDTP had increased friction coefficients compared to the PAO + FMs oils. For the lubrication added ZnDTP additive, the surface analyses demonstrated that the chemical composition of the ZnDTP-derived tribofilm depended on the combination of ZnDTP and each FM. It was concluded that the chemical composition of the ZnDTP-derived tribofilm played an important role in the friction behavior of the H-free DLC films that were lubricated with PAO + ZnDTP and PAO + FMs + ZnDTP.
著者
大久保 光 福田 宙央 坪井 涼 田所 千治 佐々木 信也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.82, no.838, pp.15-00679-15-00679, 2016 (Released:2016-06-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Tribological properties of a diamond-like carbon film were investigated under lubrication with commercial fully formulated oils. Friction tests were carried out for a hydrogenated amorphous carbon (a-C:H)/steel tribopair under lubrication with the four types of fully formulated oil using a reciprocating type ball-on-disk tribo-tester. To clarify the friction and wear mechanisms, surface analysis, such as Raman spectroscopy, scanning electron microscopy (SEM), energy-dispersive X-ray analysis (EDS) and atomic force microscopy (AFM), were conducted on the wear tracks of a-C:H disks. The results of friction tests and surface analysis show that the properties of tribofilms on DLC films play important roles in determining the tribological properties of DLC films under lubrication with fully formulated oils.
著者
橋本 英治 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行 鈴木 邁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.28-29, 1998-10-30

In case of this study, as the means to fulfill the lifetime that object has, the affection for object was systematized. Fron the results of the questionnaire investigation and the interviewing investigation that uses the Repertory Grid Technique, the graph systematized was made. As a result, the four factors of occurrence of affection was found out. That factors is that object be equipped with the excellent structure and mechanism, that good materials be used for object, that object be equipped with the characteristic which isn't in the other object and that the new sense of value occurs to the object.
著者
寺内 文雄 大釜 敏正 増山 英太郎 久保 光徳 青木 弘行
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.7-12, 1995-07-31 (Released:2017-07-25)
参考文献数
2
被引用文献数
1

木目模様の方向の嗜好とその背景にある心理的要因を明確にするために,模様の方向の官能評価実験およびイメージの解析を行った。官能評価実験には(1)木目模様の複写,(2)木目模様を連想させる線模様,(3)山形模様の3種類の模様を用い,これらの方向の嗜好を一対比較法によって評価した。評価に寄与する心理的要因はカード間の評価の相関関係と,数量化理論III類によるイメージ構造の解析結果から検討を行った。その結果,木目模様では方向の嗜好が水平・垂直方向に偏り,なかでも上方向と右方向の評価が高いことが確認できた。また,数量化理論III類によって,模様イメージはI)緊張感,II)親近感,III)活動感の3要因で構成されることが明確となった。これらの結果を併せて検討したところ,模様イメージのI)緊張感とII)親近感が木目模様の方向の嗜好に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
松岡 由幸 谷郷 元昭 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.57-66, 1997-11-30 (Released:2017-07-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

近年, 製品に対するニーズが多様化する傾向にあり, 製品開発においてユーザーの嗜好性の違いを考慮した設計方法の構築が望まれている。そこで, 嗜好性の違いを考慮する方法として, ロバスト設計の方法に注目した。ロバスト設計とは, 製品における機能のばらつきに対処する方法である。本研究では, この方法を基に, 機能のばらつきを人の嗜好性の違いに置き換えることで, 嗜好性の違いを考慮する設計方法の構築を図った。具体的には, 自動車用シートのギャザーパターンをケーススタディーとして, シート設計におけるいせ込み量と引張力を制御因子, ギャザーパターンの外観に対する嗜好性の違いを誤差因子とし, ロバスト設計の手順に従うことで設計方法の構築を試みた。また, 従来の設計方法と比較することにより, 本方法の有効性を検討した。その結果, 今回の方法が製品設計において嗜好性の違いを考慮する上で有効であることを示した。