著者
伊藤 修 森 信芳 上月 正博
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

Wistar-Kyotoラット(WKY)と高血圧自然発症ラット(SHR)において、長期的な運動による大動脈のnitric oxide (NO)合成酵素(NOS)発現増強効果はNADPH oxidase依存性であり、腎のNOS発現増強効果はWKYではNADPH oxidase依存性、SHRではxanthine oxidase依存性であることを明らかにした。食塩感受性高血圧ラットにおいても、長期的な運動は腎保護作用を有することを明らかにし、その作用機序は 血圧とは独立したものであり、運動による酸化ストレスの軽減、NO産生系、腎アラキドン酸代謝の改善が関与している可能性が示唆された。
著者
菊地 茂 洲崎 春海 青木 彰彦 伊藤 修 野村 恭也
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.41-47, 1991
被引用文献数
41 27

Twenty six adult patients with chronic sinusitis who had undergone Caldwell-Luc operation and received conservative therapy for a long time, but still complained of nasal symptoms, were treated with 400-600mg of erythromycin (EM) per day for 7.9 months on the average.<br>1) Rhinorrhea was reduced in 60.0%, postnasal drip in 50.0%, nasal obstruction in 60.0%, hyposmia in 11.8% and sense of dullness in the head in 100%.<br>2) Rhinoscopy showed reduced mucosal swelling in 10.5%, lower volume of rhinorrhea in 80.0%, better quality of rhinorrhea in 70.0% and reduced postnasal drip in 85.7%.<br>3) This therapy was effective even when EM-resistant bacteria such as Hemophilus influenzae were present.<br>4) No significant side effects were noted in any of the patients during this therapy. Long-term low-dose EM therapy is useful in the treatment of chronic sinusitis. We consider that its effect is not due to its antibacterial activity but to some as yet unknown mechanism.
著者
米田 一裕 木下 こづえ 林 輝昭 伊藤 修 大峡 芽 奥田 和男 川上 茂久 谷口 敦 奥田 龍太 石川 達也 佐藤 梓 池辺 祐介 只野 亮 都築 政起 国枝 哲夫 楠 比呂志
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.133-141, 2010-05-25

動物園などでの飼育環境下にある動物の遺伝的多様性を維持することは重要な課題である.本研究では,イエネコのマイクロサテライトマーカーを用いて,飼育環境下の62個体のチーターの遺伝的多様性と血縁関係を解析することを試みた.チーターのDNAより17座位のマーカーの増幅を試みた結果,すべてのマーカーで増幅産物が認められ,そのうちの15座位はチーターにおいても多型性が確認された.これらの座位における平均の対立遺伝子数は4.65,ヘテロ接合度は0.6398,多型情報量は0.5932であり,本集団の遺伝的多様性は,野生のチーターの集団と比べて大きな違いは無かった.また,総合父権否定確率は0.999733であり,実際にこれらのマーカーを用いて正確な親子判別が可能であることが確認された.各マーカーの遺伝子型を基に62個体のクラスター解析および分子系統樹の作成を行ったところ,これらの個体は,いくつかの集団に分類され,各集団は基本的に家系と一致していた.以上の結果は,今後わが国のチーター集団の遺伝的多様性を維持する上で重要な知見であると考えられた.
著者
林 〓 江本 祐子 福田 五月 伊藤 修宏
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.117-130, 1987-12-25
被引用文献数
1

都市近郊里山地帯の土地利用については,利用内容の設定,維持管理手法の策定いずれの面からも,在来型の農林業の枠では律し切れない現実にある。各都市において都市化の進展度,パターンの相違はあっても,それぞれ里山森林地帯の維持管理に,新しい試みか行い,定着させる必要性に,共通して直面している。本報告では里山地帯の農業の安定形態と森林利用の高度化を達成するための方式を明らかにするために,鶴岡市,山形市,栃木市,尾道市,高松市,宇和島市,日田市,長崎市の8都市について分析した。その結果,森林のみに限れば,利用・保全の基本的枠組みは,(1)区域設定のもとに基本的な枠組みがされる,(2)条例制定による制度体系により枠組みがされる,(3)市街地緑化と連動して里山森林地帯の保全を図る,という3方式を確認し得た。
著者
林 〓 江本 祐子 福田 五月 伊藤 修宏
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.93-116, 1987-12-25
被引用文献数
1

都市近郊の里山地帯は,都市成長のインパクトによって変貌させられて行くが,森林及び農地としての利用と都市化のベクトルとは,相互に交錯する場合と,画然と区分されて働く場合と,二通りのタイプがある。前者の場合は,両ベクトルの連関を調整し,どのように併存ネットワークを形成するか他都市空間構成上の問題となるのに対して,後者の場合は,両者の均衡点をどう設定するのかが問題となる。本研究では,鶴岡市・山形市(山形県),栃木市(栃木県),尾道市(広島県),高松市(香川県),宇和島市(愛媛県),日田市(大分県),長崎市(長崎県)の8都市を選んで,都市域内における土地利用の変化,農地及び森林の減少過程,土地利用パターン,都市域発展ベクトルの解析を行った。その結果,土地利用区分の配置モデルとして,次の5モデルを設定し得た。(1〜3は従来得ていたモデルである)1.森林と農地とが大きく2分割され,その間に混在地が介在する。3.森林と混在地とが2分割されて配置される。3.新興住宅地が広く配置され,高密な都市化が進展し,森林はその外側に残置される。4.市街地・混在地・新興住宅地(都市部)を農地が囲み,その外側を森林が囲む。5.都市部を森林が囲む。以上の5つのモデルによって,わが国の都市の空間構成の典型を示すことができよう。
著者
伊藤 修 中谷 智良 須藤 晴彦 神崎 克也 渋田 博士
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.195-204, 1995-02-15
被引用文献数
1

オープンショーケースの蒸発器に付着する霜の状態をファジィ推論により推定する方法を開発した。オープンショーケースの蒸発器の除霜制御は真夏時の環境を想定した定時間間隔で行われているのが一般的である。しかし、その着霜量は季節などの外的要因により大きく変化し、従来方法では不必要な除霜操作により庫内温度を上昇させ、商品鮮度の劣化をもたらすなどの問題点を有していた。そこで、我々は蒸発器への霜の付着特性を実験的に解析し、オープンショーケースのインナーダクト内空気温度と蒸発器出口空気温度の差が重要な判断要因となることを解明した。更に、蒸発器への着霜状態を評価するルールを設計した。そして、フィールドテストにより、本方法は着霜状態の通常、異常を明確に評価でき、かつ霜質の変化へも対応可能なことを確認した。