著者
岩崎 匠史 金井 理 伊達 宏昭 金子 俊一 谷口 敦史 前田 俊二 宮本 敦 田中 麻紀
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2013年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.881-882, 2013-02-27 (Released:2013-08-27)

本報告では,産業部品をレーザスキャナ等で計測した多数の計測点群に対する効率的な同時レジストレーション手法を提案する.本手法では,計測機構造を参照したラフレジストレーションを行った後,スクリュー座標による3次元剛体変換の線形近似を活用し,複数計測点群の同時位置合わせを連立1次方程式に帰着させて解く.また信頼性の低い計測点の排除を行い,レジストレーション精度の向上を図った.
著者
谷口 敦夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.330-334, 2010 (Released:2010-12-06)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

かつて日本では痛風はまれな疾患であった.しかし,現在では日本での痛風の有病率は欧米に匹敵する.高尿酸血症も成人男性の20~30%に達する.このように痛風・高尿酸血症は日常診療で遭遇することの多い疾患であり,充分なコンセンサスの得られた治療ガイドラインが必要である.そこで,2002年に日本痛風・核酸代謝学会は高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを作成し,標準的な治療法を示した.第2版は2010年1月に発刊され,第1版で示された高尿酸血症・痛風治療の基本を踏襲しつつ,第1版発刊以後の新たなエビデンスが加えられている.高尿酸血症には尿酸塩沈着による合併症と,尿酸塩の沈着が直接関連しない合併症がある.痛風は前者であり,このほかに痛風結節,痛風腎,尿路結石がある.一方,後者には生活習慣病あるいはメタボリックシンドロームがある.痛風では痛風発作と称される激しい関節炎や組織障害をきたす痛風結節が注目されがちである.しかし,痛風はあくまで高尿酸血症の合併症の1つであり,全身的な代謝異常としての認識が必要である.尿酸塩の組織沈着という観点から,高尿酸血症は血清尿酸値7.0 mg/dlを超える場合と定義されているが,第2版では最近の疫学調査の結果も重視し,血清尿酸値7.0 mg/dl以下であっても血清尿酸値が上昇する場合には生活習慣病のリスクが高まることに留意すべきであることが加えられた.一方,高尿酸血症・痛風の治療においては,基礎療法として生活指導が重要である.薬物治療では痛風関節炎(痛風発作)の治療と高尿酸血症の治療を区別する必要がある.高尿酸血症の治療については,痛風あるいは痛風結節の有無・高尿酸血症に伴う合併病態の有無・高尿酸血症の程度を考慮して治療方針を立てていく.このガイドラインが,高尿酸血症・痛風の臨床において有効に活用されることを期待する.
著者
山中 寿 田中 榮一 中島 亜矢子 古谷 武文 猪狩 勝則 谷口 敦夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.2638-2644, 2017-12-10 (Released:2018-12-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

日常診療に基づくreal world data(RWD)に基づくreal world evidence(RWE)は,良質な日常診療のために近年,その必要性がますます高まっている.Real world dataの1つである関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者の大規模コホートIORRA(Institute of Rheumatology,Rheumatoid Arthritis)は,2000年以来17年間に亘る患者調査を行い,診療実態の変遷,治療薬の変化,合併症の状況,薬剤経済学的検討,ゲノム情報の影響等多岐にわたる研究を行い,既に123編の英文論文を発表してきた.その結果,臨床医が日常診療で感じていることを経時的に定量的に示すことができ,多くが臨床医の実感を裏付けるものであった.多くの内科医が日常遭遇する慢性疾患の長期的アウトカムを示すことのできる観察研究データベースは,ますます重要性が増すものと考えられ,多くの疾患分野において同様の研究が行われることを期待する.
著者
谷口 敦夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.10, pp.2500-2505, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
12
被引用文献数
2

シクロホスファミドとアザチオプリンは膠原病領域の重篤な病態を中心に用いられることが多い.シクロホスファミドはDNAなどを架橋することにより作用を発揮する.経口投与,あるいはパルス静注療法が用いられる.総投与量が多くなると悪性腫瘍の発生が増加する.アザチオプリンはプリンヌクレオチド合成経路を抑制し,活性代謝物がDNAなどに組み込まれることで作用を発揮する.副作用では消化器障害が最も多く,アロプリノールとの薬物相互作用に注意する必要がある.
著者
井門 彩織 足立 樹 楠田 哲士 谷口 敦 唐沢 瑞樹 近藤 奈津子 清水 泰輔 野本 寛二 佐々木 悠太 伊藤 武明 土井 守 安藤 元一 佐々木 剛 小川 博
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.257-264, 2014 (Released:2015-01-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

チーター(Acinonyx jubatus)において,種を保存するうえで飼育下個体の繁殖は極めて重要である.しかし,飼育下での繁殖は困難とされ,繁殖生理の解明が重要となっている.本研究では,飼育下での環境変化がチーターの発情に与える影響と要因を探ることを目的として,4頭の飼育下雌チーターの行動観察及び糞中エストラジオール-17β含量の測定を行った.各放飼場には,1日に2~3個体を交代で放飼し,雄の臭いや鳴き声などが雌の行動と生理にどのような影響を与えるのか調べた.その結果,4頭中1頭で,放飼方法を雌2頭交代から雌雄2頭交代に変化させることによって,行動の増加と糞中エストラジオール-17β含量の上昇が見られた.また,一部の雌の繁殖状況が同時に飼育されている他の雌の発情に影響を与えるのかを調査するため,育子中個体の有無で期間を分け,各期間で行動数と糞中エストラジオール-17β含量を比較した.その結果,同時飼育の雌に育子中個体がいた期間では,行動数と糞中エストラジオール-17β含量が発情と共に増加した.しかし,育子中個体の育子が終了した後の期間では,糞中エストラジオール-17β含量の変化と関係なく行動数に増減が見られた.以上のことから,雌チーターにおいては雄との嗅覚的接触が発情を誘発するとともに,同一施設で飼育される雌の繁殖状況が他雌個体の繁殖生理と行動に影響を与えている可能性が考えられた.
著者
樋口 寛 藤井 浩光 谷口 敦史 渡辺 正浩 山下 淳 淺間 一
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.222-232, 2018 (Released:2018-05-15)
参考文献数
21

This paper presents an effective 3D measurement method from the inside of large structures such as railway vehicles, elevators, and escalators. In our proposed method, images are captured by a moving measurement device, which is composed of a ring laser and a camera, from the inside of the target object. Structures of the target are reconstructed from these images by integrating cross-section shapes, obtained by the light-section method, into unified coordinate by pose changes estimated by Structure from Motion (SfM). We focus on the method to extract information necessary for the light-section method and SfM from the captured images which contain both laser light and texture information. A color filter used in the proposed method enables to extract areas irradiated by the laser for the light-section method. Further, a new block matching technique is introduced to avoid the influence of the laser light, which causes to detect wrong corresponding points. In experiments, we confirmed the validity of the proposed 3D measurement method.
著者
立石 睦人 谷口 敦夫 森口 正人 原 まさ子 柏崎 禎夫
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.152-158, 1997-06-30
参考文献数
19
被引用文献数
4 1

ループス腎炎以外の膠原病難治性病態に対するシクロホスファミド大量静注療法(CYパルス)の有用性を検討した.対象はステロイド薬をはじめとした従来の治療法に抵抗性を示した各種膠原病35例であった.著効ないし有効と判定し得たのは35例中20例(57.1%)であり,その病態は全身性エリテマトーデス(SLE)の中枢神経症状2例,血管炎2例,慢性関節リウマチ(RA)の間質性肺炎2例,血管炎2例,関節炎2例,血小板減少症1例,多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)の筋炎2例,間質性肺炎2例,強皮症(PSS)の間質性肺炎1例,抗リン脂質抗体症候群(APS)の血小板減少症2例,若年性関節リウマチ(JRA)の皮膚血管炎1例,ベーチェット病(BD)の中枢神経症状1例であった.一方,副作用は35例中9例(25.8%)に認められた. CYパルスは膠原病の難治性病態,特に中枢神経症状,血管炎,間質性肺炎,自己免疫性血小板減少症などに対して試みる価値のある治療法と考えられた.
著者
谷口 敦夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.330-334, 2010-12-01
参考文献数
20
被引用文献数
1

かつて日本では痛風はまれな疾患であった.しかし,現在では日本での痛風の有病率は欧米に匹敵する.高尿酸血症も成人男性の20~30%に達する.このように痛風・高尿酸血症は日常診療で遭遇することの多い疾患であり,充分なコンセンサスの得られた治療ガイドラインが必要である.そこで,2002年に日本痛風・核酸代謝学会は高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを作成し,標準的な治療法を示した.第2版は2010年1月に発刊され,第1版で示された高尿酸血症・痛風治療の基本を踏襲しつつ,第1版発刊以後の新たなエビデンスが加えられている.高尿酸血症には尿酸塩沈着による合併症と,尿酸塩の沈着が直接関連しない合併症がある.痛風は前者であり,このほかに痛風結節,痛風腎,尿路結石がある.一方,後者には生活習慣病あるいはメタボリックシンドロームがある.痛風では痛風発作と称される激しい関節炎や組織障害をきたす痛風結節が注目されがちである.しかし,痛風はあくまで高尿酸血症の合併症の1つであり,全身的な代謝異常としての認識が必要である.尿酸塩の組織沈着という観点から,高尿酸血症は血清尿酸値7.0 mg/dlを超える場合と定義されているが,第2版では最近の疫学調査の結果も重視し,血清尿酸値7.0 mg/dl以下であっても血清尿酸値が上昇する場合には生活習慣病のリスクが高まることに留意すべきであることが加えられた.一方,高尿酸血症・痛風の治療においては,基礎療法として生活指導が重要である.薬物治療では痛風関節炎(痛風発作)の治療と高尿酸血症の治療を区別する必要がある.高尿酸血症の治療については,痛風あるいは痛風結節の有無・高尿酸血症に伴う合併病態の有無・高尿酸血症の程度を考慮して治療方針を立てていく.このガイドラインが,高尿酸血症・痛風の臨床において有効に活用されることを期待する.
著者
米田 一裕 木下 こづえ 林 輝昭 伊藤 修 大峡 芽 奥田 和男 川上 茂久 谷口 敦 奥田 龍太 石川 達也 佐藤 梓 池辺 祐介 只野 亮 都築 政起 国枝 哲夫 楠 比呂志
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.133-141, 2010-05-25

動物園などでの飼育環境下にある動物の遺伝的多様性を維持することは重要な課題である.本研究では,イエネコのマイクロサテライトマーカーを用いて,飼育環境下の62個体のチーターの遺伝的多様性と血縁関係を解析することを試みた.チーターのDNAより17座位のマーカーの増幅を試みた結果,すべてのマーカーで増幅産物が認められ,そのうちの15座位はチーターにおいても多型性が確認された.これらの座位における平均の対立遺伝子数は4.65,ヘテロ接合度は0.6398,多型情報量は0.5932であり,本集団の遺伝的多様性は,野生のチーターの集団と比べて大きな違いは無かった.また,総合父権否定確率は0.999733であり,実際にこれらのマーカーを用いて正確な親子判別が可能であることが確認された.各マーカーの遺伝子型を基に62個体のクラスター解析および分子系統樹の作成を行ったところ,これらの個体は,いくつかの集団に分類され,各集団は基本的に家系と一致していた.以上の結果は,今後わが国のチーター集団の遺伝的多様性を維持する上で重要な知見であると考えられた.
著者
佐藤 和人 宮坂 信之 谷口 敦夫 西岡 久寿樹
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.659-659, 1988-07-25

第6回学内病理談話会 昭和63年4月16日 東京女子医科大学中央校舎1階会議室