著者
澤村 匡史 則末 泰博 美馬 裕之 植田 育也 重光 秀信 大野 美香 牧 盾 伊藤 香 植村 桜 上澤 弘美 丸藤 哲 藤野 裕士 西田 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.509-510, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
被引用文献数
2 4

日本集中治療医学会臨床倫理委員会は,日本COVID-19対策ECMOnet(代表 竹田晋浩)(日本集中治療医学会,日本呼吸療法医学会,日本救急医学会)ならびに厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」分担研究班と合同で,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019, COVID-19)流行に際しての医療資源配分の観点からの治療の差し控え・中止の考え方を提言する。提言は,非常事態にあっても臨床倫理の原則を守りつつ,医療資源を公正に配分するために適切な議論を経て行われるべきことを骨子としている。
著者
田中 雄太 加藤 茜 伊藤 香 五十嵐 佑子 木下 里美 木澤 義之 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.129-136, 2023 (Released:2023-05-10)
参考文献数
24

【目的】緩和ケアの実践には,現場の医療者の認識や受容性などを考慮することが重要である.本研究の目的は,救急・集中治療領域の医師の緩和ケアに対する認識や緩和ケア実践の障壁を明らかにすることである.【方法】集中治療室および救命救急センターに勤務する医師を対象に緩和ケアに関する質問紙調査を実施し,自由記述データを質的に分析した.【結果】873名に質問紙を送付し,436名から回答を得た(回収率50%).そのうち,自由記述欄に回答した95名(11%)を分析対象とした.【結論】本研究の結果から,わが国における救急・集中治療領域の医師は緩和ケアを自らの役割と捉え,日常的なケアの一部と考えて実践している一方で,緩和ケア実践の難しさや不十分さを感じていることが推察された.実践の障壁として,緩和ケアチームのマンパワー不足と利用可能性,救急・集中治療領域における緩和ケアに対する認識が統一されていないことなどが存在していた.
著者
伊藤 香織 青野 貞康 大森 宣暁
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.873-878, 2013-10-25 (Released:2013-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
4 5

本研究は,東日本大震災時の首都圏における帰宅行動,特に帰宅までの立ち寄り行動とその内容に着目し,発災から帰宅までの間にどのような人にどのようなサービスニーズがあり,どのような施設がどのように帰宅行動を支えたのかを明らかにする.2011年3月11日の首都圏での帰宅行動に関するwebアンケート調査の回答をデータとして,まず立ち寄り施設で受けたサービス内容についてロジスティック回帰分析を行うことで,どのような人にどのようなニーズがあったかを明らかにする.続いて,立ち寄り時にどのような状況に接してどのような心理変化が引き起こされたのかを明らかにするためにアンケートの自由回答をテキストマイニングで分析する.サービスの分析からは,出発時刻や性別などによってニーズが異なること,また,職場・通学先・家族宅等以外で地震に遭った者が特に帰宅支援サービスを必要としていたことが明らかになった.心理・状況の分析からは,人々は安否確認,飲食物入手,鉄道運行,待機行列,帰宅行動などを気に掛けていたこと,飲食店,小売店,職場,友人・家族宅などで安心感を得ており,ある種の共助的な支援があったことも確認できた.
著者
伊藤 香織
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.124, no.1595, 2009-10-20
著者
岡村 隼多 伊藤 香織 高柳 誠也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.812, pp.2789-2796, 2023-10-01 (Released:2023-10-01)
参考文献数
14

The purpose of this study is to present the factors behind the slow progress of renewal of super-aged condominiums and the clues to the solution. We conducted a simulation of rebuilding and sale of the site, using super aged condominiums in Nagoya city. It became clear the current situation and measures to make it difficult to renew due to the lack of surplus floor-area ratio.
著者
松下 耕太 伊藤 香織 高柳 誠也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1199-1206, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
9

首都圏郊外の駅周辺小売業は複雑に構成される鉄道網によって駅間ネットワークを形成し,さまざまなまちが繋がっている.近年では幹線道路沿道の大型商業施設の台頭やイーコマスなどの要因によって従来から駅周辺に商業集積を見せてきた市街地では衰退傾向がみられる.このような背景から,様々な要因に曝されている駅周辺小売業についてその構成や動向を首都圏郊外部のネットワークに着目し,明らかにすることを目的とする.また,対象を広範囲に設定し,小地域を対象とした研究では明らかにされていない現象を炙り出す.まず,施設規模と業種構成のデータを収集し,駅をクラスタリングした.その結果,小売業において拠点性が高い駅とそうでない駅で機能を分担している様子が可視化された.その上で,食品関係の店舗がコンビニやドラッグストアに代替される傾向や拠点性が高い駅の隣接駅やその周辺の駅に大型商業施設が立地する傾向を実データより捉えることができた.さらに業種別の店舗数によって空間的自己相関分析を行った.Global Moran's Iから首都圏郊外部の駅間で全体として機能分担が進んでいる様子を定量的に示した.また,Local Moran's Iからそれらを定量的かつ局所的に捉え,これらの結果を人々の購買行動や現行施策等に位置付け総括とした.
著者
伊藤 香織 德永 景子 前橋 宏美 結城 和佳奈 髙栁 誠也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1570-1577, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
9

本研究では,「唐桑町屋号電話帳」から作成した旧唐桑町全体の屋号語彙地理空間データに含まれる4600余語の屋号語の分布を地理的観点,社会的観点から定量的に分析し,屋号が人の認識を通して地域のどのような性質を表しているのかを探る.分析で得られた主な知見は,以下の通りである.(1)職業や家,分家,位置関係などを表す屋号語は出現頻度が高く,満遍なく分布しており,旧唐桑町全体に共通する共同体や位置関係の認識を表していると考えられる,(2)山,海,川,田,船,店,道など立地の地理的条件や人の活動を反映していると考えられる屋号語彙が多い,(3)特定の地区に集中する屋号語や特定の屋号語に偏った屋号語彙構成をもつ地区などが共同体の社会的条件を反映していると考えられる.
著者
前田 旭陽 伊藤 香織 高柳 誠也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1578-1583, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
13

歩きやすい街を実現するためには、空間のデザインや配置、人々の活動が重要な要素と考えられている。さらに人間の表情も街並みの重要な要素となり得ると考える。本研究の目的は、人々のアクティビティと表情の関係を調査し、表情、アクティビティ、歩行者量が街並みの印象に与える影響を明らかにすることである。調査及び実験の結果、会話というアクティビティは、他の行動に比べて幸福な表情が増え、観察者に活気があり居心地良い印象を与えることがわかった。一人でのアクティビティは、悲しげな表情が増える傾向があり、観察者に活気のない印象を与える。また歩行者が多いと、観察者に活気のある印象を与えるが、居心地の良い印象にはならない。人が多いと活気はあるが居心地が悪い印象を与える一方、人が少なくても活気はないが居心地の良い印象を与える。そのため、1人でも複数人でも思い思いに活動できる公共空間の実現には、人が多く「活気」を感じる「賑わい」ある空間だけでなく、多様なアクティビティを許容する「居心地良い」空間が必要であると言える。
著者
伊藤 香織
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1268-1275, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
29
被引用文献数
12 2

質の高い都市環境はシビックプライドを高めると言われているが,その仕組みは明らかになっていない.また,日本の都市に対するシビックプライドのありようは,イギリスをはじめとしてシビックプライドが重視されてきた地域とは異なる部分があると考えられる.そこで,本研究では,シビックプライドの多面性,特に日本の都市・市民のシビックプライドの構成を明らかにすることを第一の目的とし,都市環境の評価とシビックプライドとの関係を明らかにすることを第二の目的とする.まず,シビックプライドの概念を整理してシビックプライド尺度を作成し,事例として今治市の都市環境に関する市民アンケート調査を行い,シビックプライドの構成及び,都市環境の評価がシビックプライドに及ぼす影響構造を明らかにする.分析の結果,今治市の事例では,シビックプライドには「アイデンティティ」「参画」「愛着」「持続願望」の因子があることがわかった.また,中心市街地の評価が参画と持続願望に影響し,高評価有名地の評価が愛着に影響する他,回答者属性では居住年数がアイデンティティと愛着に影響していることなどがわかった.
著者
常泉 佑太 伊藤 香織 高柳 誠也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.665-672, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
21

公共空間の多様性を考える上で、個人の表現活動であるアートと公共空間の公共性はどのように両立するのだろうか。近年のアートプロジェクトの増加によって、アートと地域をつなぐ中間組織の役割が期待される。本研究の目的は、公共空間を利用してアートプロジェクトが行われる際に中間組織にどのような役割が求められるのかを明らかにし、中間組織が関与することによる公共空間でのアートの可能性について考察することである。東京アートポイント計画TERATOTERAを事例とした資料調査、インタビュー調査によって、中間組織の役割を明らかにする。結果として、公共空間を利用する際には、中間組織のアートマネジメントの専門性によるアーティストの作品の本質をできるだけ担保する調整、空間の管理者毎に文化的意義の共有を図る交渉、中間組織による責任の所在の明確化がアーティストの表現の創造性を担保することがわかった。さらに、ギャラリーとは異なりアートに対する基礎知識や前提についての知識を有していない市民の目にも触れる公共空間の環境がアートによる新たなコミュニケーションの可能性を広げていることがわかった。
著者
奥山 慎 伊藤 香里 阿部 史人 齋藤 綾乃 奈良 瑞穂 小松田 敦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.5, pp.986-991, 2019-05-10 (Released:2020-05-10)
参考文献数
5

症例1:14歳,女性.初潮1年後より,月経のたびに38℃以上の発熱,腹痛を認め,月経終了とともに自然軽快していた.症例2:41歳,女性.2年前より,月経4日目から39℃の発熱,筋肉痛,頭痛を繰り返していた.いずれも家族性地中海熱の診断で,コルヒチン内服により発熱エピソードは消失した.女性の月経周期に一致する発熱には,家族性地中海熱が潜んでいる可能性がある.
著者
西山 貴史 伊藤 香織 丹羽 由佳理
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.48-54, 2017-04-25 (Released:2017-04-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

近年,市民ロードランナーの拠点であるランニングステーションが増加している.本研究では,皇居周辺の5施設の利用者へのアンケート調査によりランニングステーションの利用実態を把握し,利用満足度を構成する要因を明らかにする.因子分析によって[イベント],[快適性],[利用満足度],[機能性],[交流],[ショップ],[交通利便性]の構成因子が抽出され,共分散構造分析によって6つの因子がどのように[利用満足度]を構成するのかを明らかにした.得られた主要な結果は,(1)[快適性]が[利用満足度]と最も関連が強い,(2)[イベント]は[交流]を介して間接的に[利用満足度]を構成する,(3)自宅アクセスは施設利用者の満足度評価との関連が弱い,(4)利用頻度の高い利用者,若い世代,同伴者のいる利用者では[交流]が[利用満足度]を構成する重要な要素である.
著者
西山 貴史 伊藤 香織 丹羽 由佳理
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.48-54, 2017
被引用文献数
1

近年,市民ロードランナーの拠点であるランニングステーションが増加している.本研究では,皇居周辺の5施設の利用者へのアンケート調査によりランニングステーションの利用実態を把握し,利用満足度を構成する要因を明らかにする.因子分析によって[イベント],[快適性],[利用満足度],[機能性],[交流],[ショップ],[交通利便性]の構成因子が抽出され,共分散構造分析によって6つの因子がどのように[利用満足度]を構成するのかを明らかにした.得られた主要な結果は,(1)[快適性]が[利用満足度]と最も関連が強い,(2)[イベント]は[交流]を介して間接的に[利用満足度]を構成する,(3)自宅アクセスは施設利用者の満足度評価との関連が弱い,(4)利用頻度の高い利用者,若い世代,同伴者のいる利用者では[交流]が[利用満足度]を構成する重要な要素である.
著者
櫻井 優子 皆川 さおり 大滝 智子 伊藤 香代子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.145, 2005

【はじめに】新潟県中越地震での栄養科としての対応について、地震発生直後から、日常の業務が行なえる状況になるまでを振り返り、災害時のマニュアル作成を検討してきた。地震発生直後の病院全体の動向と、対応や行動について検討した。<病院全体での動向>地震発生直後、対策本部が設置され、入院患者様を避難誘導した。病院の破損状況が明らかになるとともに復旧作業が開始される。<栄養科>地震発生直後に栄養科職員はガスの元栓を締めて避難した。落ち着き始めた頃に病院の調理室に戻った。地震発生が夕食時間であったため、夕食を食べていない患者様がいることを報告し、栄養科としてどのような対応をしたらよいか、指示をあおいだ。安全な使用が確認できたのは、電気のみ。水道水の供給があったので、水を確保した。電気炊飯器にてご飯を炊いて、食事をしていない患者様へのおにぎりの提供を始めた。軽食程度の食糧(クラッカー、パック牛乳、パックジュース、食パン等)も避難している患者様へ提供した。インスリン注射している患者様は食事を済まされていた。栄養科の事務室は本棚が倒れ、数台のコンピューターのラインが外れていた。バックアップしてあるMDを持ち出した後、コンピューターのラインを接続してなんとか稼動できることを確認した。災害時のマニュアルを探し出すことができず、他の栄養科の職員とも連絡が取れない状況だった。しかしながら、食事が提供できないという状況は避けなければならない。患者様にはもちろんのこと、徹夜で働いている病院職員の方々にも朝食を提供するために、電気炊飯器でご飯を炊いておにぎりを作ることとした。備蓄されていた食料品を全て倉庫から出して、翌日の昼食までの献立を考えた。食糧の援助を頂ける契約をしていた業者も被害にあっているために、充分な食糧の援助は困難な状況だった。蒸気の安全が確認できたので、蒸気釜でご飯を炊いて味噌汁を作ることができたが、通常通りの食事を提供できる状況ではなかった。都市ガスの安全供給が確認できるまで、プロパンガスを手配して頂き、通常の業務に戻ることが可能になったのは地震発生から4日目だった。このような状況であったことから、今後の課題と対策について検討を行っている。<今後の課題>1、「非常時持ち出し品」としてリュックサック等に用意してはどうか? →ラジオ、懐中電灯、タオル、軍手、ウエットティッシュ等2、災害時のマニュアルは書棚に入れず、見えるところに置いておいたほうが良い? →地震が発生した時に、書棚が倒れて書類を捜すことができなかった。3、備蓄食糧については、災害時のマニュアルに掲載した献立に従って最低でも2日_から_3日は必要ではないか? →支援物資が届くまでの間、ライフラインが使用できなくても入院患者様に提供できるものがよい。4、災害時マニュアルの充実 →ライフラインの利用可能な状況やその場合の対処方法など、実際の行動に即したマニュアルであれば、非常時でも迅速な対応が可能だと思われた。