著者
佐々木 剛 猿渡 敏郎 渡邊 精一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.117-118, 2002-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

The Strontium: Calcium (Sr: Ca) ratio from an otolith section of three-spined stickleback, Gasterosteus aculeatus (L.) was examined in samples taken from the Hei River mouth, and the Gensui district of Otsuchi in the coast of Iwate, Japan. The samples were analyzed using an electron probe X-ray micro analyzer (JEOLJXA 8600) . While the otolith from the Hei River showed a high Sr : Ca ratio, those from the Gensui district showed a low value and little fluctuation. We can conclude from these findings that G. aculeatus (L.) collected from the Hei River is an anadromous type, whilst G. aculeatus (L.) collected from the Gensui district is a fresh water type.
著者
和久 大介 佐々木 剛 米澤 隆弘 甲能 直樹 佐々木 浩 安藤 元一 小川 博
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;ニホンカワウソは環境省発行の第 4次レッドリスト(2012)で絶滅が宣言された.しかし,本種の分類学的位置づけは混乱したままである.本種は,大陸に現存するユーラシアカワウソ <i>Lutra lutra</i>と近縁種であることは複数の先行研究で認められているが,日本固有種 <i>Lutra nippon</i>かユーラシアカワウソの亜種なのか意見が分かれている.そのため,環境省のレッドリストで本州以南の個体群について <i>Lutra lutra nippon</i>と記載しているが科学的根拠があるわけではない.そこで我々研究グループは,神奈川県城ヶ島産のニホンカワウソ標本に残存していた筋組織から DNAを抽出し,ミトコンドリアDNAに基づいてカワウソ亜科と系統解析を試みた.標本サンプルから抽出した DNAは,薬品や長期保存による DNAの断片化とその量の減少が予想された.そこで,Multiplex PCR法により約 350-500塩基の断片を増幅し,ダイレクトシーケンシング法で配列を決定した.この方法でニホンカワウソの配列を 7,325塩基決定した.また,同じ方法でサハリン産ユーラシアカワウソと中国・重慶由来の飼育下繁殖ユーラシアカワウソのミトコンドリア DNA全長配列を決定した.決定したニホンカワウソ配列を,サハリン /中国 /韓国の 3地域のユーラシアカワウソの配列と ClastalW2.1でアライメントしたところ,ニホンカワウソに特徴的な塩基サイトがND1,co2,co3の 3つのアミノ酸コード領域で7塩基認められた.これらのニホンカワウソに特徴的な塩基サイトを含む配列データを系統樹推定に用いた.推定は RAxML ver.7.2.8プログラム上において進化モデル GTR+I+Gを用いておこない,ニホンカワウソとサハリン /中国 /韓国のユーラシアカワウソの系統類縁関係を評価した.
著者
佐藤 睦智 佐々木 剛 山田 博之 下村 浩一 矢嶋 航 丸谷 良 山内 伸二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.293-298, 2012-04-01

司会は昨年に引き続き嵐のみなさんと連続テレビ小説「おひさま」のヒロイン役を務めた井上真央さん.出場者は55組で随所に5ヵ所の中継や企画コーナーが加わる内容である.放送時間は19時15分から4時間25分(途中ニュースで5分間中断)の生放送で,総合テレビとラジオ第一が同時放送された.舞台セットは,点と点が繋がりみんなが一つになっていくことをコンセプトとした三角形の骨組みと映像を映し出すLEDスクリーンが基本セットである.前回から始まったテレビ副音声での「裏トーク」は,NHKホールの2階席に実況席が設けられ,生のステージを見ながらテリー伊藤さんと,神田愛花アナウンサがゲストを交えながら自由に話すというコンセプトで放送された.その他,3Dやスーパーハイビジョンの制作も平行して行った.
著者
佐々木 剛
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.43-55, 2012-12-25 (Released:2013-01-09)
参考文献数
78

1990年代以降大きく発展してきた航空機LiDAR(レーザ画像検出と測距)技術は,上空から地上に向けて多数のレーザを発射し,3次元位置情報を直接的に取得する測量技術である.森林のモニタリングにおいては林冠の表面だけでなく,林冠の隙間を透過したレーザにより,樹林内部の構造の推定が可能と期待される.本論では,航空機LiDARを用いて森林構造を推定したこれまでの研究事例について紹介し,近年の研究の動向や今後の課題について論じた.既往研究では,LiDARデータを用いて樹高や林冠高,樹冠直径,バイオマス,幹材積,植被率,葉面積指数,3次元葉群分布の推定や,樹種の分類などが行われてきた.近年の研究で関心が持たれている事項としては,LiDARの仕様の違いなどに影響を受けにくい,より頑健性の高い推定方法の開発や,光学センサなど他のタイプのデータと組み合わせた解析,野生動物のハビタットとしての森林構造の解析などが挙げられる.LiDARデータの利用にあたっては,その取得にかかるコストがしばしば問題となるが,既存のLiDARデータセットの共有化や公開が進みつつある.今後はLiDARデータの実用化に向けて,多様なタイプの森林の構造を高い精度で推定する手法の確立が望まれる.
著者
山田 大介 佐々木 剛 ヤマダ ダイスケ ササキ ツヨシ
出版者
東京海洋大学水圏環境教育学研究室
雑誌
水圏環境教育研究誌
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.38-64, 2011-03-15

日本の水産教育は,水産の担い手を対象とした職業人教育を中心に行われ,水産業界の発展に寄与してきた。しかし,現在,水産物の価格や消費の低迷,魚食文化の衰退等水産に関わる諸問題が起きている。このままでは水産技術者と一般市民の水産に対する理解の隔たりが広がり,水産の未来が危惧される。そこで,水圏環境教育,中でも,一般市民の水産の理解を目的とした水産のリテラシー教育の推進が必要である。本研究では,多様な利点をもつ海藻(コンブ)に着目し,教材の開発及び学習会を行い,学習の記録を通して得られた学習意識や学びの広がりを明らかにし,本プログラム内で行った4 つの海藻教材のアクティビティがもたらす水圏環境教育の有効性について考察した。学習会は平成22 年7 月から9 月にかけて,計3 回実施した。具体的には,1 回目として平成22 年7 月23 日(以下,プログラム1)・24 日(以下,プログラム2)において,江東区深川スポーツセンターとの産学連携による小学校1 年生(28 名)を対象とした「深川っ子わくわく体験隊」の一環として学習会を実施した。さらに,2 回目として平成22 年8 月8 日,三陸鉄道㈱,さんりくESD 閉伊川大学校が主催した「三陸鉄道・特別列車で行くさかなクンと海の科学を学ぼう!!」内で,小学校1-6 年生24 名(19 組)を対象にプログラム1 及び2 を実施した。3 回目として平成22 年9 月12 日,岩手県宮古市が主催した「森・川・海体験交流事業『川の体験活動』」内で,小学校1-6 年生20 名を対象にプログラム1 及び2 を行った。各学習会に参加した児童の会話・映像データ及び児童が記入した学習の記録を基に考察を行った。これらにより,プログラム内のアクティビティは,諸感覚を使うことで自然事象に対する感性の醸成を促し,水産物としてのコンブの認識を強め,表現力の育成,環境教育で育成したい能力と態度の養成に効果があると考えられた。また,コンブを用いた生態系を学ぶための教材としての可能性が示唆された。しかし,各アクティビティの関連性に課題が残り,学習会後の児童の自発的な取り組みを促すプログラム作りが必要である。このような学習会が幅広く継続的に実施されることで,持続可能な海洋の利用につながることを期待する。
著者
安藤 元一 小川 博 佐々木 剛 大岩 幸太
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.150-156, 2014-09-19

イノシシ肉とブタ肉の味について,大学生を対象とした官能検査を行った。両者を焼き肉の形で比較したところ,柔らかさではブタが,香りではイノシシが勝っていた。イノシシ肉各部位(ロース,バラ,モモ)間に有意な味の差は見られなかったが,夏肉の評価は冬肉よりも有意に低かった。ブタ肉価格を100としたときに,回答者が妥当と思うイノシシ肉の価格は平均112-138,中央位100-120,最頻値80-100の範囲にあった。このようにイノシシ肉とブタ肉の評価額に大きな差は無かったが,イノシシ肉をブタ肉の2〜4倍に高く評価した回答者も一部に見られた。回答者の性別による差のみられた項目はなかった。野生動物肉を食べることへの抵抗感はみられなかった。現在のイノシシ肉は家庭消費肉としての価格競争力は有していないので,消費拡大には価格以外の訴求力が必要と思われる。
著者
佐々木 剛 猿渡 敏郎 渡邊 精一
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.924-926, 2006 (Released:2006-09-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

遡河回遊型ワカサギの回遊履歴を解明するため,耳石核から縁辺部まで Sr, Ca の X 線強度の線分析を行い,Sr:Ca 比を求めた。耳石の形成時期と Sr:Ca 比の変化から,淡水域と海水域を交互に回遊することが示唆された。すなわち,ふ化直後から 5~7 月まで淡水域から海水域へ移動する「海水移動期」,5~8 月まで淡水域に移動する「淡水移動期」,7~9 月から産卵遡上時まで「海水移動期」となる。2 年魚は,海水域から淡水域へ移動する「淡水移動期」,その後海水域へ移動する「海水移動期」となる。
著者
佐々木 剛 戎 達生 飯田 正博 垰田 嘉一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.431, pp.7-11, 2005-11-17

CGアニメーションを駆使したスタジオ番組制作が多くなり、演出手法も多様化している。3次元バーチャルシステムを使用した撮影・収録において、CGと照明効果を連動させることで実写映像とCG画像の合成における違和感を少なくすることや、照明灯体の照度・動き・色変化に対し、CGオブジェクトをリアルタイムで変化・追従させることは、テレビ制作だけでなく、新たな映像表現として期待できる。本報告では、照明コンソールから出力されたDMX512信号をもとに、照明の変化に対応してリアルタイムでCGを変化させるハイビジョン映像効果システムの開発について、番組での使用例を紹介すると共に、今後の展望・課題について述べる。