著者
森川 輝一 福島 清紀 奥田 太郎 佐藤 啓介 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智道 福野 光輝 近藤 智彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究課題について、各メンバーが様々な分野の学会で研究発表を行なったほか、仏教学、社会心理学、古代ギリシア思想の研究者を研究協力者として招き、意見交換を実施した。また、それぞれのメンバーが研究課題についての論文や著書を刊行した。代表的なものとして、宮野真生子『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版、2014年)、森川輝一他『政治概念の歴史的展開・第八巻』(晃洋書房、2015年)が挙げられる。
著者
西村 昌也 大槻 暢子 篠原 啓方 岡本 弘道 三宅 美穂 宮嶋 純子 熊野 弘子 氷野 善寬 佐藤 実
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
周縁の文化交渉学シリーズ1 『東アジアの茶飲文化と茶業』
巻号頁・発行日
pp.1-20, 2011-03-31

東アジアの核地域(中国,朝鮮,日本,琉球,ベトナム)では,非常に長期に亘っ て茶飲が行われ,それぞれの文化伝統に根ざした茶飲文化が発展してきた。本稿は, 文化のハードとソフトの相関性( 1 .現代社会における茶飲の軽便化, 2 .9-10世紀の 茶器(中国・越州窯製品など)の輸出期にともなう茶飲文化の伝播, 3 .17-18世紀の 煎茶文化の世界的普及),茶産業が起こした文化変化,言葉と茶あるいは茶器の関係, 茶導入時の在地文化の反応,茶と宗教あるいは儀礼,女性とお茶などをテーマに,東 アジア各地域を中心に一部は東南アジアやヨーロッパも含めて行った文化比較論である。
著者
佐藤 啓介 福島 清紀 奥田 太郎 森川 輝一 宮野 真生子 佐藤 実 新田 智通
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、幸福概念を思想史的・文化史的な重層性をふまえて考え直すことによって、幸福概念が、第一に、個人の主観的な幸福感には限定されない社会性・集団性を有した倫理的地平において考察されるべきものであることと、第二に、その幸福は、個人の次元を超えた社会的時間性や、ひいては形而上学的な世界の時間性にまで及ぶような多層的な時間論のなかで考えられるべき余地があることが明らかになった。以上の成果は、近年の社会心理学的な幸福論を補完し修正しうる意味を有していると思われる。
著者
佐藤 実
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

金天柱が著した『清真釈疑』の内容を分析した結果、以下のことがわかった。イスラーム教徒である金天柱から見ると、漢民族は儒教の教義にしたがっておらず、仏教や道教の習慣に染まっている。それに比べるとイスラーム教徒は日々の礼拝を実践している。神に祈りを捧げることは、儒教の最高神である上帝に祈りを捧げることと同じであり、イスラーム教徒のほうが漢民族よりよっぽど真摯に儒教の教義に忠実ししたがっている。金天柱はそう述べることで、漢民族からイスラーム教徒にむけられた疑いの目を払拭しようとした。
著者
谷口 和也 佐藤 実 吾妻 行雄 伊藤 絹子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

岩礁生態系を構成する生物は、食物だけでなく、生産者である海藻が生産するアレロケミカルによっても結ばれている。本研究においては、海藻がアレロケミカルによって植食動物幼生や付着珪藻を排除するとの仮説を、新たな実験系を考案して実証した。海中林構成海藻が夏〜秋に大量死亡し、冬〜春に成長阻害と死亡によって海中林の再生が阻害されることによって起こる磯焼けは、高水温よりも栄養塩不足がもっとも主要な要因であることが初めて明らかになった。海中林を構成する褐藻アラメ・クロメが生産し、海水中に分泌するブロモフェノールは、ウニとアワビ幼生の変態を1ppmで阻害し、10ppmで死亡させることを、既知の変態誘起物質であるジブロモメタンを同時に作用させる実験系によって初めて明らかにした。またブロモフェノールは、藻体表面に着生する付着珪藻の増殖を1〜5ppmの低濃度で阻害することも明らかにした。海藻のアレロケミカルの研究は、主にコンブ目褐藻を対象に進められてきた。今回、ヒバマタ目褐藻11種と潮間帯の褐藻マツモを培養し、得られた培養海水をガス質量分析器GC-MSで分析した結果、11種のヒバマタ目褐藻のうち5種とマツモがブロモフェノールを分泌すること、さらにヒバマタ目褐藻10種が植食動物幼生に高い毒性をもち、紅藻無節サンゴモが生産するトリブロモメタンを生産、分泌するという驚くべき事実も明らかになった。本研究によって得られた知見は、岩礁生態系の動的安定性の機構を解明し、高い生産力のもとに安定的に維持・管理できる生態系管理技術体系の確立に寄与する。
著者
川内 浩司 村本 光二 RAND Weaver 佐藤 実
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、成長ホルモン(GH)と、これと同族のプロラクチン(PRL)をモデルとして、アミノ酸配列に基づいて分子系統樹を作成し、動物の類緑関係を定量化することを目的とした。一次構造に関する知見は哺乳動物に偏っているため、先ず、系統分類上主要な水生動物のホルモンを単離し、一次構造を決定した。爬虫類:クロコダイルおよびウミガメ、両生類:ウシガエル、軟質類:チヨウザメ、真骨魚類:太西洋タラ、ナマズ、ヒラメ、軟骨魚類:ヨシキリザメなど8種の動物の全一次構造を決定した。その他、肺魚類:ハイギョ、全骨魚類:アミア、真骨魚類:ハゼのGHの部分構造を決定した。また、哺乳類:イワシクジラ、マッコウクジラ、爬虫類:アリゲ-タ-、クロコダイル、ウミガメ、両生類:ウシガエル、肺魚類:ハイギョ、真骨魚類:ナマズ、ヒラメなど9種の動物の全一次構造を決定した。GHの一次構造の変異は、四足動物よりも真骨魚類において著しい。そのためGHの分子系統樹は、真骨魚類と四足動物の2本の幹からなるが、系統樹上の位置は従来の形態分類とよく符合する。従って、枝の長さ、すなわちアミノ酸残基の変異数は類緑関係を表わすといえる。一方、PRLはGHと同様に四足動物と真骨魚類の2本の幹からなるが、魚類の類緑関係の評価は、デ-タ不足である。この研究過程で、真骨魚類の脳下垂体中葉からGHーPRL分子族の新規のホルモンを発見し、ソマトラクチン(SL)と命名した。太西洋タラ、ヒラメおよびシロサケのSLを単離し、全一次構造を決定した。SLのアミノ酸配列は、これら魚類のGHよりも四足動物のGHに類似性が高い。一方、GHとPRLに対する類似性は、ほぼ等価である。従って、GH/PRL/SLは、共通の祖先遺伝子からほぼ同時に重復して分岐したと推定した。
著者
脇田 亮 佐藤 実 鈴木 広隆 岩月 尚文
雑誌
日本歯科麻酔学会雑誌 (ISSN:03865835)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.232-236, 2000-04-15
被引用文献数
7
著者
佐藤 実
出版者
関西大学
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.277-291, 2008-03-31

This paper takes an overview of the features of the concept Chinese Muslim piety from the Chinese Islamic classics written in the early modern age, and considers the relationship between Chinese Islam and Confucianism, the traditional thought of China. Chinese Muslims value piety, but in accordance with the traditional Confucianist scriptures of China, especially "The Doctrine of the Mean". At that time, Islam replaces the Heaven expounded by Confucianism with God. I have pointed out the fact that their valuing of piety comes from a consciousness of being the people who carry on Chinese tradition. I have also submitted the hypothesis that, although ancestral rituals and religious services were performed in a manner that lacked a mortuary tablet, might not China- Arabia calligraphy have been used as a substitute for that tablet?
著者
佐藤 実
出版者
大妻女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では近世における中国ムスリムの人生儀礼研究の具体的な分析として、劉智が著した『天方典礼』の婚姻篇、喪葬篇を検討した。まず『天方典礼』は朱熹『家礼』の構成にならって書かれていることがわかった。劉智は儒教儀礼について真っ向から否定することはなく、逆に儀礼にたいする考え方はイスラームと儒教とでは共通していると主張している。そしてそうした人生儀礼を実践することによって、中国ムスリムじしんが中華の秩序をになっていると認識していたことを明らかにした。