著者
高橋 淑郎 中島 範昭 佐藤 真実 藤盛 啓成 石田 孝宣
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.203-208, 2019 (Released:2020-02-21)
参考文献数
45

近年,世界的に甲状腺微小乳頭癌に対する過剰診断・過剰治療が問題視されている。欧米のガイドラインでは過剰診断にならないよう1cm以下の結節に対するFNAを推奨しない方向に進んでいるが,我が国では世界に先駆けて微小癌に対する非手術・経過観察(active surveillance)の前向き試験が行われ,この結果,本邦のガイドラインでは微小癌に対するactive surveillanceが認められるようになった。本邦からの微小癌に対するactive surveillanceのエビデンス発信により,諸外国でもactive surveillanceが受け入れられつつあるようであるが,微小癌の治療選択を標準化するために克服しなければならない課題は残っており,そのためには我が国だけでなく諸外国からのエビデンスの蓄積,医療者および一般社会への教育,啓蒙も必要である。
著者
薩摩 雅登 竹内 順一 稲葉 政満 薩摩 雅登 横溝 廣子 古田 亮 佐藤 真実子 松村 智郁子 竹内 順一
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

東京藝術大学大学美術館では、明治期の音楽録音資料・蝋管を212本所蔵している。しかしながら、経年変化とカビにより保存状態が悪く、音楽資料としての価値を失いつつある。そのため、その保存体制として、アモルデン水溶液による蝋管の洗浄、収納棚やトランクの薫蒸、針接触方式のデジタル再録音機・アーキフォン(Archeophone)により124本の音源の再録音を行った。また、蝋管の基礎調査として、国内や海外の各機関や個人コレクターを対象としたアンケート調査および実地調査にて、収蔵環境や音源のデジタル化、蝋管の公開の手法、関連する最先端の情報を収集した。さらに、明治期の蝋管や蓄音機に関する新聞記事および広告を調査し、当時の社会状況を把握した。現在に至るまで断片的な研究しか行われていなかったが、本研究において、蝋管に関する情報を集約した。
著者
佐藤 真実 森 恵見 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】本州の中央部にあり,日本海に面す福井県は,嶺北と嶺南地区に分けることができる。嶺北は,平野を中心に米づくりが盛んであり,嶺南は,海に面して滋賀,京都に隣接する。日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」で実施した聞き取り調査に基づき,昭和30〜40年代の福井県における家庭料理「副菜」の特徴を明らかにし,現在でも作られている家庭料理について紹介することを目的とした。</p><p>【方法】聞き取り調査の結果および福井県の食に関する出版物から副菜を抽出し,特徴および地域性についてまとめた。</p><p>【結果および考察】県内の聞き取り調査によると,昭和30〜40年代の海岸地域を除いた福井県の日常食としては,3食ともに米飯,野菜や山菜料理が主なものであった。日本海に面することから海からの恵みもあったが,魚介類は時々食べるご馳走であった。春には,山菜を収穫し,保存する。秋冬には,だいこんや芋を用いた料理を作った。これらの野菜には,大豆・大豆加工品(打ち豆,油揚げ,豆腐),北前船の影響で入荷される乾燥ニシンなどが組み合わせ食材として使用された。中でも,だいこんは,葉っぱを「あえもん飯」,根を「から大根」「たくあん・たくあんの煮たの」「長寿なます」「こじわり」「みがきかぶし」などに利用した。「だいこんおろし」は,おろしそばや油揚げ飯にも利用される。山菜は,「こごみ」「わらび」「ぜんまい」等を「こごみの胡麻和え」「わらびのおひたし」「ぜんまいの煮物」「ぜんまいの白和え」「にしんと水ぶきの煮もの」などに利用した。とくに「ぜんまい」は現在でも高価であり,ごちそうとして,春祭り,秋祭り,報恩講などに利用される。</p>
著者
佐藤 真実 森 恵見 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2019年度大会(一社)日本調理科学
巻号頁・発行日
pp.214, 2019 (Released:2019-08-26)

【目的】本州の中央部にあり,日本海に面す福井県は,嶺北と嶺南地区に分けることができる。嶺北は,平野を中心に米づくりが盛んであり,嶺南は,海に面して滋賀,京都に隣接する。日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」で実施した聞き取り調査に基づき,昭和30〜40年代の福井県における家庭料理「副菜」の特徴を明らかにし,現在でも作られている家庭料理について紹介することを目的とした。【方法】聞き取り調査の結果および福井県の食に関する出版物から副菜を抽出し,特徴および地域性についてまとめた。【結果および考察】県内の聞き取り調査によると,昭和30〜40年代の海岸地域を除いた福井県の日常食としては,3食ともに米飯,野菜や山菜料理が主なものであった。日本海に面することから海からの恵みもあったが,魚介類は時々食べるご馳走であった。春には,山菜を収穫し,保存する。秋冬には,だいこんや芋を用いた料理を作った。これらの野菜には,大豆・大豆加工品(打ち豆,油揚げ,豆腐),北前船の影響で入荷される乾燥ニシンなどが組み合わせ食材として使用された。中でも,だいこんは,葉っぱを「あえもん飯」,根を「から大根」「たくあん・たくあんの煮たの」「長寿なます」「こじわり」「みがきかぶし」などに利用した。「だいこんおろし」は,おろしそばや油揚げ飯にも利用される。山菜は,「こごみ」「わらび」「ぜんまい」等を「こごみの胡麻和え」「わらびのおひたし」「ぜんまいの煮物」「ぜんまいの白和え」「にしんと水ぶきの煮もの」などに利用した。とくに「ぜんまい」は現在でも高価であり,ごちそうとして,春祭り,秋祭り,報恩講などに利用される。
著者
佐藤 真実 榎波 清美 田畑 聖香 松井 理佳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】食育に関する意識調査では約三割の人が日本の食文化を受け継いでいないと回答している。本調査では、福井の食文化を守るための基礎調査として年中行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率について明らかにする。<br />【方法】平成28年7月に福井県在住の782人を対象に自記式質問紙法によるアンケート調査を行った(回収率71.6%)。内容は、行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率、後世に残していきたい行事とその理由などである。昭和57年、平成8年、平成18年の行事の実施については、谷ら<sup>1)</sup>の調査結果を用いた。<br />【結果】現在も行事食を喫食している行事は、「正月」(94.9%)、「大晦日」(80.7%)、「クリスマス」(70.3%)、「冬至」(63.1%)、「半夏生」(49.8%)となった。行事の実施率の変化としては、「正月」、「節分」がほぼ横ばい、「七夕」、「お盆」、「秋祭り」、「報恩講」が年々下降した。後世に残していきたい行事としては、「正月」(96.5%)、「大晦日」(82.4%)、「ひな祭り」(63.9%)、「お盆」(60.9%)であった。後世に残していきたい理由としては、「季節が感じられるから」(71.5%)、「日本の伝統だから」(57.0%)が高かった。一方、後世に残さなくていいと考える理由としては、「元々、実施していないから」(34.6%)、「行事を知らないから」(33.2%)であった。とくに子世代では、後世に残していきたい理由として「楽しいから」(55.9%)、残さなくていいと考える理由として「行事を知らないから」が親世代、祖父母世代に比べて有意に高かった。行事食の喫食率は、「冬至のかぼちゃ」、「半夏生の焼き鯖」、「天神講の焼きカレイ」が高くなった。これらの料理は、店で入手しやすく、家庭で作りやすいことから喫食率が高くなったと考えられる。<sup>1)</sup>谷洋子ら:仁愛女子短期大学卒業論文集より
著者
佐藤 真実
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.89, 2016 (Released:2016-08-04)

目的 日本の食生活が洋風化し、食料自給率、食品群別摂取量、家計支出は年々変化している。本研究では、消費に関わる食品や料理の嗜好度について性別、年齢、世帯構成別に違いを明らかにする。また1975年からの食嗜好の変遷について明らかにする。  方法 平成26年7月より県内の10歳代から80歳代までの男女1650名を対象にアンケート調査を行った(有効回答率89.1%)。調査項目は、119食品の料理や食品の嗜好度と摂取頻度、属性(性別、年齢、世帯構成)などについてである。嗜好度は9段階(1:もっとも嫌い~9:もっとも好き)の尺度を用いた。  結果 全体では、ごはん(7.47)、焼肉(7.27)、味噌汁(7.25)、みかん(7.23)などの嗜好度が高く、これらの料理や食品は性別、年齢別、世帯構成別で有意差が認められなかった。性別では、男性がラーメン(7.31)、刺身(7.31)、そば(7.07)、焼き魚(7.03)などの麺類、肉・魚料理で嗜好度が高かった。年齢別では、若年層の嗜好度が全体的に高く、とくにアイスクリーム(7.47)、鶏のから揚げ(7.44)などで嗜好度が高かった。年齢が高くなるほど焼き魚、野菜煮物、コーヒーなどの嗜好度が高くなった。世帯構成別では、一人暮らしの嗜好度が全体的に低かった(いずれも有意水準5%以下)。1975年と比較して、肉料理や魚料理の嗜好度はやや上昇、果物、嗜好飲料の嗜好度は減少傾向であった。平均嗜好度はどれも「少し好き」な状況であり、かつてのような料理や食品ごとの嗜好度の差は小さかった。
著者
佐藤 真実 村上 亜由美 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.159, 2005

<br>【目的】福井県における魚介類の利用状況と調理について調査を行い,とくに県内で使用される地方独特の魚の種類や行事などに利用する魚の調理方法について明らかにすることを試みた。<BR>【方法】越前(海岸部,主に漁業)10名,奥越(山間部,主に農業)10名,坂井(海に面した平野部,農業と漁業)11名,福井(地方都市)12名,嶺南(海岸部,漁業と商業)9名の5地域,計52名の20歳代から70歳代の居住者を対象に,アンケート調査及び聞き取り調査を行った。とくに地方独特の魚の種類や調理方法についてまとめ,写真撮影を行った。<BR>【結果】福井県で食べられる地方独特の魚の種類としては,みずべこ,がまえび,みずだこ,せいこがになどがある。みずべこはかに漁の底引き網にかかる深海魚であるが,吸い物や味噌汁に,がまえびは味が甘えびに類似しており刺身やフライに,みずだこは刺身に,せいこがにはゆでて卵やかにみそをそのまま食べる。行事などで食べられる地方独特の調理法としては,まさばの丸焼き(越前や嶺南では浜焼き鯖,奥越では半夏生の鯖と呼ばれる),へしこ(さばやいわしの糠漬け),まがれいの塩焼き(天神講に食べられる),身欠きにしんの昆布巻き(正月,盆,祭りに食べられる),にしんの麹漬け(12月から正月にかけて食べられる),だだみ(たらの精巣)の味噌汁,かつお節をもりつける雑煮などがみられた。
著者
南 アイコ 橋本 明子 佐藤 真実 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.12, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 すでに食品特性にはテクスチャーおよびフレーバーの次に食品の色が強い影響を示すことがいわれ、さらには食欲の増進や減退には色が関わることが報告されている。前報ではコロッケの盛り付けについて色と嗜好の関係について報告した。本研究においては、ハンバーグを盛り付ける際の付け合せの色と嗜好の関係について検討を行った。【方法】 日常的に食べられる料理としてハンバーグを選んだ。料理本などにある盛り付け方をまとめ、実際に盛り付けと写真撮影を行った。その写真を提示しながら、視覚情報による盛り付けのイメージ調査を行った。調査対象は本学学生181名の女子とした。調査項目は、(1)ハンバーグのイメージ、(2)料理本にみる付け合せの色と嗜好、(3)付け合せの色と組み合わせによる嗜好についてである。因子分析を行い、盛り付けによる色と嗜好に関するイメージについて検討した。【結果】 料理本にみるハンバーグの盛り付けは、皿が白、テーブルクロスが洋風であると緑系色、和風であると青系色が多く使用され、付け合せとしては、洋風であるとブロッコリー(緑)、にんじん(赤)、じゃがいも(白)の3品、和風であるとブロッコリー(緑)の1品が多くみられた。ハンバーグのイメージとしては、ハンバーグの種類によって異なり、洋風ハンバーグの場合には「家庭食」、煮込みハンバーグの場合には「外食」のイメージであった。ハンバーグの付け合せとしては、付け合せの種類が3種類まで増えると高級感や濃厚さが強調されることがわかった。料理の盛り付けにおいては、家庭の食習慣による盛り付けの色や嗜好によるイメージを配慮していかなければならないことが示唆された。
著者
佐藤 真実 谷 洋子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.133, 2003

目的 福井県の銘菓である羽二重餅は織物の一つである「羽二重」を由来にするとされ、主材料はもち粉や白玉粉であり、なめらかな舌触りが特徴である。福井県内では羽二重餅を食べたことのない人はほとんどなく、女性や高齢者に好まれる傾向がみられるが、その購入回数などは低く、羽二重餅が嫌いな人の理由は比較的明確であるに関わらず、おいしさについては詳細な報告がみられない。本研究では羽二重餅のおいしさについて官能検査を行い、材料の配合割合などについて検討した。方法 福井県内で売られている市販羽二重餅7種類を購入し、標準試料に対する相対評価として官能検査を行い、好まれる羽二重餅の特性について考察した。標準試料は本学調理室で白玉粉、上白糖より調製し、さらに材料の配合やもち粉、白玉粉、牛皮粉、羽二重粉などの材料の種類を変えた羽二重餅について、色差測定、レオメータによる力学的測定、官能検査を行い、好まれる羽二重餅の調製法について検討した。結果 市販羽二重餅は材料がもち粉、砂糖、水飴の他に乳化剤の添加したものが好まれ、外観の透明度、きめの細かい食感をもつことから総合評価が高くなった。水飴の添加は透明度が増し、卵白の添加は白さ、弾力性が増し、砂糖はグラニュー糖を使用したものがやわらかく、しなやかな食感で、甘味も上品となった。
著者
森 恵見 佐藤 真実 岸松 静代 谷 洋子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】福井県は、本州の中央部にあり、嶺北と嶺南地区に分けることができる。嶺北は、平野を中心に米づくりが盛んであり、嶺南は、海に面して滋賀、京都に隣接する。平成28年家計調査年報では、福井県での「菓子類」の年間支出金額は全国ランキングが30位とやや低い。今回は、福井県のおやつについて家計調査年報を参考にしながら、「水ようかん」、「かきもち」、「羽二重もち」について紹介する。<br />【方法】平成28年家計調査年報を用いて、菓子類の年間支出金額と消費傾向について明らかにする。また、「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」聞き書き調査において、聞き書きしたおやつについて紹介する。また、「水ようかん」、「かきもち」、「羽二重もち」について詳細に紹介する。<br />【結果】平成28年家計調査年報では、福井県の「菓子類」の年間支出金額は全国30位(82,954円)とやや低い。その中で「ようかん」が全国5位(1,270円)、「他の和生菓子」が6位(11,886円)と全国的に支出額が高い。一方、「まんじゅう」は47位(677円)で最下位である。福井県のようかんの特徴としては、夏ではなく、冬に食べるのが定番である。あん、砂糖が貴重だった昔、丁稚が冬の味覚として水を多めにいれて作ったようかんが今に伝わったという説もある。県内では、黒砂糖やコーヒーなどを入れた水ようかんが店に並ぶ。「羽二重もち」は明治38年、羽二重織物のような薄くてしなやかな手触りをイメージさせた菓子として登場した。「水ようかん」も「羽二重もち」ももっぱら購入するものであるが、県民が大好きなおやつである。聞き書き調査の中では「かきもち」が各地域で食べられているおやつとしてあがった。寒の頃にもちをつき、乾燥させて一年分のおやつにする。
著者
佐藤 真実 谷 洋子 清水 瑠美子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.110-116, 2010 (Released:2010-09-10)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2 2

現在,嚥下障害をもった施設高齢者の食事は基準化されたものがない。そこで,私たちは福井県内の高齢者施設における嚥下食の食事の種類とその内容について調査を実施し,嚥下食を「噛む力」と「飲み込む力」の組合せによって分類を行なった。本研究では,嚥下障害をもつ高齢者の食事の基準化について検討し,統一化にむけた基礎資料を作成することを目的とした。嚥下食の食種は41種類があげられた。中でも多くの施設が使用する嚥下食の呼称は,「キザミ食」であり34施設が使用していた。1施設しか使用しない食種は,27種類もあった。嚥下食の種類とその内容は,施設によって異なり,明確に区分されていなかった。しかし,「噛む力」と「飲み込む力」の組合せで分類すると高齢者施設における嚥下食は,概ね最低3種類に分類された。その3種類としては,食事の対象者が噛む力がある場合にはキザミ食,噛む力および飲み込む力がやや低下している場合にはゾル状調製食,噛む力および飲み込む力が低下している場合にはゲル状調製食である。これらの3種類の食事を基準化すれば各施設で対応できるのではないかと提案したい。(オンラインのみ掲載)
著者
佐藤 真実 江口 雅美 丸山 悦子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-32, 2007-02-20

若年層が白飯のおいしさを評価するために重視している要素として,白飯自体がもつ要素と評価する側がもつ心理的,社会的影響をうけたおいしい白飯に関するイメージについて調査を試みた。白飯自体がもつおいしさの要素は,15項目の項目をあげ,それぞれの項目の必要度の高さをSheffeの1対比較法を用いて解析を行った。評価する側がもつおいしい白飯に抱いているイメージの調査は,20項目の項目をあげ,SD法を,さらに因子分析を行い,イメージ因子の抽出をおこなった。自飯自体がもつおいしさの要素はうま味,甘味,飯粒がやわらかいが必要度が高くなった。とくに女子は噛んだときの粘り,つや,透明感などの味以外の食感や外観の必要度も高くなる傾向がみられた。おいしい白飯に必要な要素を化学的,物理的要素に分類したところ,化学的要素は39.6%,物理的要素は60.4%となった。おいしい白飯のイメージ因子は4つ抽出された。第1因子は健康,第2因子は親近感,第3因子は郷愁感,第4因子は環境が抽出された。