著者
加藤 司 長山 格 玉城 史朗
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.70-75, 2020

<p> 水産高校には乗船実習等の長期の校外実習があり,その中では授業も行われる。この実習期間中,生徒は自習により学力を維持することになるが,容易なことではない。そこで我々は自習を支援するツールとして映像授業に着目し,水産専門科目の映像授業を開発した。この映像授業の学習効果を測るために,水産高校の分野の異なる2つのコースの生徒を対象に介入実験を行なった。各コースの生徒をくじにより映像授業を受ける群(映像授業群)と教師から直接講義を受ける群(講義授業群)に分け,授業後に記述式のテストを実施した。その結果にt検定を行ったところ,映像授業は講義授業と同等以上の学習効果があることが示された。これにより,開発した映像授業は生徒の自習を支援し,学習効果が高いことが分かった。</p>
著者
加藤 司 谷口 弘一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.158-167, 2009 (Released:2012-02-22)
参考文献数
44
被引用文献数
6 4

許しとは“自身の感情を害することを知覚し, それに向けられた否定的な感情, 認知, 動機づけあるいは行動が, 中性あるいは肯定的に変化する個体内のプロセス”である。本研究では, 許しの個人差を測定する許し尺度を作成した。研究1では, 先行研究などから, 許し項目を作成し, 691名の大学生によるデータを用い因子分析を行った結果, 恨みと寛容の2因子が抽出された。192名の大学生のデータを用いた, 4週間の間隔をあけた再検査法による信頼性係数は, 許しの否定では0.72, 許しの肯定では0.82であった。研究2では, 331名の大学生を対象に, 攻撃性, 怒り, 共感性, ビックファイブとの関連性を検討し, 許し尺度の構成概念妥当性を検証した。さらに, 研究3では, 特定状況における許し単一項目と許し尺度との関連性が検証され, 結果は仮説と一致していた。これらの結果から, 許し尺度の妥当性が保証された。
著者
加藤 司
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.18-29, 2007-12-25 (Released:2014-03-28)
参考文献数
28
被引用文献数
1 4

The relationships between cognitive appraisal, stress coping and stress-related emotions in interpersonal situations were investigated. Participants were 431 university students who completed questionnaires that measured stress/coping: appraisals (threat, importance, self-efficacy), coping strategies and emotions (good feelings, aversion, embarrassment). Overall, results supported the hypothesis that: (a) important appraisals were positively associated with reports of good feelings, (b) appraisal of threat was positively associated with reports of aversive feelings and (c) coping that was more oriented toward positive relationships was positively associated with reports of good feelings. Implications of these findings are discussed.
著者
加藤 司 長山 格 玉城 史朗
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.429-437, 2019
被引用文献数
3

<p> 近年,校務の多忙化や熟練教員の退職により,水産高校の技能教育における技能伝承に課題が出てきている。技能伝承には2つの課題があり,1つは教師間の技能伝承,もう1つは教師から生徒への技能伝承の問題である。その解決策のひとつは,熟練教員の技能を教材化することである。本稿では熟練教員の技能の暗黙知を形式知化し,映像教材を製作する方法を構築した。また,映像教材の効果を検証した結果,熟練教員による技能伝承と同等の教育効果を得ることができた。</p>
著者
加藤 司 長山 格 玉城 史朗
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
2019
被引用文献数
3

<p> 近年,校務の多忙化や熟練教員の退職により,水産高校の技能教育における技能伝承に課題が出てきている。技能伝承には2つの課題があり,1つは教師間の技能伝承,もう1つは教師から生徒への技能伝承の問題である。その解決策のひとつは,熟練教員の技能を教材化することである。本稿では熟練教員の技能の暗黙知を形式知化し,映像教材を製作する方法を構築した。また,映像教材の効果を検証した結果,熟練教員による技能伝承と同等の教育効果を得ることができた。</p>
著者
加藤 司 長山 格 玉城 史朗
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.139, no.2, pp.127-135, 2019

<p>We developed a mobile learning system for fishery and ocean techniques using video contents. The system aims to improve the current situation in the field of education on fishery and ocean for skill succession. The proposal is based on the industry-school education process for skill succession. By accessing the web site and watching practical videos, the users can learn methodologies on fishery and ocean. As a result, we showed that the system is effective for sharing and succession of techniques for the learner. Application of the proposed system in the class showed improvement in the students' autonomous learning.</p>
著者
石原 武政 石井 淳蔵 加藤 司 崔 相鐵 高室 裕史 坂下 玄哲
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、東アジアにおける小売商業の存立メカニズムを「家族従業経営」の視点を通して明らかにしていくことを目的に調査研究を進めた。具体的に行ってきた事項は主として次の4点である。第1が、「家族従業」を核概念とした中小小売商業研究の分析フレームの精緻化と仮説構築である。分析フレームと仮説構築に向けた作業は、このプロジェクトの準備段階で行われた高室・石井(2005)の研究枠組みを再検討することから開始された。経験的側面からは神戸及び韓国におけるプレ調査の分析と調査対象国の事例調査研究(後述)、また、理論的・歴史的側面からは日本の商業研究と東アジア各国の流通政策研究の整理を中心に作業を進めた。このプロセスの中、本研究の焦点が「家族従業」と「事業継承」の2つの課題に絞られると同時に、新たに「家業概念」を中心概念とした理論仮説を導出するに至った。第2が、東アジアの主要国における事例調査である。韓国、台湾、中国の主要地区の中小商業者を対象に、ヒアリング調査を中心とした事例調査研究を行った。なお、本調査研究については、上述のとおり本研究全体の分析フレームの構築に向けた予備調査の性質もあわせ持つものである。第3が、東アジアの主要国を対象とした質問票調査の実施である。まずは、これまでの調査研究及び分析フレームの構築のもとに国際比較に向けた質問票の枠組みを完成した。そして、日本・韓国・台湾・中国の4ケ国8地域、総配布数5722票、回収数3372票に及ぶ調査を実現し、東アジアの小売商業の分析の基礎となるデータベースを作成した。第4が、本研究に関連する学識者・実務家等を加えた約20名にわたる研究会の組織である。定例的に議論を行うとともに、関連領域の専門家や実務家の招聘による専門的知識の提供などを受けた。また、本組織を中心に各種学会等において研究成果の発信を行った。