著者
和田 健太郎 野田 智之 槇 英樹 雄山 博文 鬼頭 晃
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.452-457, 2013 (Released:2014-01-29)
参考文献数
17
被引用文献数
1

A 49-year-old woman presented with a sudden onset of right hemiparesis and motor aphasia. Computed tomography (CT) and magnetic resonance imaging (MRI) showed subarachnoid hemorrhage (SAH) localized in the interhemispheric fissure and cerebral infarction in the territory of the left anterior cerebral artery (ACA). Digital subtraction angiography (DSA) demonstrated segmental narrowing and dilatation at the left A2 segment, leading to a diagnosis of ACA dissection. The day after the onset, we planed trapping of the dissecting portion and A3–A3 side-to-side anastomosis. As a result, we performed only the wrapping of the dissection portion, because the dissection was longer than we expected. Neither aneurysmal dilatation nor narrowing progressed almost six months after the operation. This case indicates wrapping is also effective as a treatment of dissecting aneurysms, and it is important to consider longer-than-expected ACA dissections.
著者
桑原 雅夫 和田 健太郎
出版者
一般財団法人 運輸総合研究所
雑誌
運輸政策研究 (ISSN:13443348)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.042-053, 2013-04-22 (Released:2019-03-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本研究は,東日本大震災後の緊急支援物資に関する定量的な記録の収集と分析を行ったものである.震災による構造物の損壊状況や津波については詳細な調査が行われている一方で,緊急支援物資の流れに関する定量的な記録は残されていない(あるいは,散在している).本研究では,国および県が取り扱った緊急支援物資を対象として,一次集積所の搬入量・搬出量の傾向比較,主要物資の供給状況,避難者1人当りの供給量の推移を分析する.また,岩手県と宮城県の物資取扱量,一次集積所で必要となった人員などを比較することにより,県における物資供給体制について考察を行う.最後に,今後の緊急支援物資ロジスティクスの構築に向けた課題を示す.
著者
和田 健太郎 邢 健 大口 敬
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.1-10, 2022-04-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
27

高速道路ボトルネックでは渋滞発生後の捌け交通量が渋滞発生時容量より低下する現象「Capacity Drop (CD)」が一般的に観測される.この現象は古くから知られているものの,そのメカニズムについては必ずしも明らかになっていない.本研究は,高速道路サグ・トンネル部を対象に近年提案された連続体交通流理論 (Jin, 2018; Wada et al., 2020) に基づき,CD 現象を実証的に分析する.具体的にはまず,従来の CD 現象の仮説と残された課題を明確化した上で,新たな理論の考え方,構成要素,予測される帰結を整理する.そして,理論的に予測される渋滞中の交通流特性と実観測データ(感知器および ETC2.0 データ)を定性的/定量的に照らし合わせることで,理論を検証するとともに,CD 現象に対する従来にない解釈が可能であることを示す.
著者
和田 健太郎 甲斐 慎一朗 堀口 良太
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.A_1-A_8, 2022-02-01 (Released:2022-02-18)
参考文献数
15

本研究は,高速道路サグ・トンネルボトルネックを対象として,渋滞発生後の捌け交通量が渋滞発生時容量より低下する現象「Capacity Drop (CD)」の影響を低減する走行挙動を考察する.具体的にはまず,近年提案された連続体交通流理論に基づき 2 種類の CD 回避運転挙動を提案し,その定性的特性について論じる.続いて,提案した挙動を実現する(自動運転)車両の混入率と捌け交通量の低下度合いの関係を理論およびシミュレーションにより定量的に分析する.そして,(i) CD 低減にはボトルネック区間の緩慢な追従走行(i.e., 勾配変化に対する補償遅れ)による速度回復遅れを防ぐことが肝要であること,(ii) ボトルネック下流における加速挙動の改善は一部車両のみではその効果が限定的であること,を明らかにする.
著者
甲斐 慎一朗 和田 健太郎 堀口 良太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.I_963-I_971, 2023 (Released:2023-05-12)
参考文献数
21

本研究は,高速道路サグ部における Capacity Drop (CD)現象を内生的に表現可能かつ操作性が高いミクロシミュレーションの開発を目的として,IDM+ (Intelligent Driver Model+)をベースとした 2 つの追従モデルを分析する.1 つは,近年の CD の理論に基づく安全車間時間を地点によって変化させるモデルであり,もう 1 つは,勾配項を追加する従来型のモデルである.具体的には,これらのモデルについて,CD 現象が発生するか否かを,モデルパラメータを網羅的に変化させたシミュレーション実験により検証する.そして,適切にパラメータを選べば,どちらのモデルにおいても CD 現象が再現できることを示す.
著者
金崎 圭吾 和田 健太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.I_911-I_918, 2023 (Released:2023-05-12)
参考文献数
20

本研究は,高速道路サグ・トンネル部における Capacity Drop (CD) 現象を内生的に記述する連続体交通流モデルに基づく待ち行列モデルを構築し,渋滞発生確率の特性を解析する.構築するモデルは,CD 現象の考慮に加え,到着需要のゆらぎと交通容量のゆらぎを区別して 2 段階で渋滞発生確率を記述するものである.それぞれの段階についてモンテカルロ・シミュレーションを行い,(i) CD 現象は渋滞発生確率の分布をより需要が低い範囲にシフトさせること,(ii) 渋滞発生確率の分布形状を主に決めるのは交通容量のゆらぎであること,を示す.
著者
和田 健太郎 岩見 悠太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.I_899-I_909, 2023 (Released:2023-05-12)
参考文献数
26

本稿は,都市における通勤ラッシュに関わる時間集積の経済・不経済にテレワークが与える影響を分析する.具体的には,時間集積の経済・不経済を扱う Takayama1) の通勤均衡モデルをテレワーク(特に在宅勤務)を含むモデルへと拡張し,その均衡状態と社会的最適状態を理論的・数値的に分析する.そして,(i) テレワークの普及は始業時刻の集積を引き起こす(時差出勤と整合しない)こと,(ii) テレワーク導入により各企業・個人の生産性が向上する状況では社会全体の厚生が導入前より低下しうること,を明らかにする.
著者
和田 健太郎 金崎 圭吾 西田 匡志 平井 章ー
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_326-A_334, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
10

本研究は,小仏トンネルに渋滞対策として導入された音声注意喚起(速度回復情報提供)システムによって,なぜ渋滞発生時交通量,渋滞発生後捌け交通量等の交通性能の改善がもたらされたのかを考察する.具体的には,近年提案された最新の交通流理論(Jin, 2018; Wada et al., 2020)に枯づく実証分析をシステム導入前後のデータに対して行い比較する.そして,(i) 渋滞発生時/渋滞発生後捌け交通量の改善はボトルネック区間における「安全車間時間の短縮」という共通のメカニズムにより説明できること,(ii) 渋滞中のボトルネック下流の加速度向上は必ずしも捌け交通量の改善には繋がっておらずさらなる改善の余地があること,を示す.
著者
甲斐 慎一朗 和田 健太郎 堀口 良太 邢 健
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_280-A_287, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究は,近年提案された連続体交通流理論に基づき,国内複数のサグ・トンネルにおける交通容量低下 (CD: Capacity Drop) 現象の分析を行ったものである.具体的には,高速道路会社が 2019 年の 1 年間で集計した渋滞イベントデータを参考に,渋滞区間(および渋滞イベント)を選定し,ETC2.0 プローブデータおよび車両感知器データを用いてモデルのキャリブレーションを行った上で,安全車間時間,ボトルネック下流端における加速度パラメータ等を推定する.そして,理論の汎用性を確認するとともに,推定されたパラメータの傾向を分析し,ボトルネック区間がサグのどこで顕在化するかはまちまちであること,安全車間時間の大小が概ね渋滞発生後捌け交通量 (QDF: Queue Discharge Flow rate) の絶対レベルを決めていること,を示す.
著者
澤 亮治 和田 健太郎 藤嶋 翔太 図斎 大 府内 直樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

限定合理的な人々が相互依存しあう社会における制度設計の分析手法の確立を目指す。制度設計の一手法であるEvolutionary Implementation(進化的制度設計)は、人々が相互作用しあう状況を進化ゲームによりモデル化し、人々の行動遷移を考慮した動的な制度の設計が可能である。大規模な社会システムの設計に適していると考えられるが、一様なプレイヤーの仮定など、手法の適用を困難とする制約がある。数理解析・シミュレーション技法により適用上の課題を解決し、この手法の汎用化を目指す。
著者
大澤 義明 城所 幸弘 栗野 盛光 小林 佑輔 櫻井 一宏 小林 隆史 和田 健太郎 高野 祐一
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

EVシフトが進めば、大幅な税収減となり新たな財源の確保が必要となる。一方で、インフラ維持管理費用が深刻な問題となる。走行距離など移動経路に応じて課税する受益者負担の考え方はわかりやすく身の丈にあったインフラ量を誘導する。道路修繕更新費用の一部が走行税で賄われる受益者負担課金を想定し、地方自治体まちづくりに与える影響を分析し、社会最適化などの理論モデルを構築する。
著者
岸川 知樹 和田 健太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.I_1109-I_1119, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
11

鉄道における保安装置・自動運転の性能向上により,今後極めて高速に車両同士の連結・解結が可能となることが期待される.本研究では,高速車両連結(解結)技術,つまり,柔軟に車両編成数を変えることができるシステムを前提として,新たな高頻度鉄道運行スキームを提案する.具体的には,郊外方向では急行列車が駅に停車する度に新たな各駅停車列車を生成(切り離し)する,その反対に,都心方向では多数の各駅停車列車が急行停車駅で 1 本の急行列車に連結される運行スキームを考える.この提案スキームを表現する連続体近似に基づく数理モデルを構築し,従来型運行スキームとの比較を通して,提案スキームの特徴や優位性を明らかにする.
著者
板橋 昂汰 和田 健太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.I_1045-I_1055, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
14

本研究は,ネットワークへの需要分布が上位選択(交通モード選択や住宅立地選択等)により内生化された,タンデムボトルネック・ネットワークにおける出発時刻選択問題の特性を理論的に考察する.具体的にはまず,上位選択に制約のない単純な同時選択均衡を考え,2 つのボトルネックに限定した均衡状態パターン(どの地点で需要・渋滞が発生するか)が上位選択固有の費用(効用)差,隣接ボトルネックの容量比によって分類できることを示す.そして,このパターン分類が,一般的なボトルネック数の問題や上位選択に制約を加えた問題の分類にも有用であることを明らかにする.また,均衡状態と社会的最適状態との関係についても議論を行う.
著者
和田 健太郎
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.368-375, 2016 (Released:2016-04-22)
参考文献数
37
被引用文献数
2
著者
和田 健太郎 臼井 健人 大口 敬 井料(浅野) 美帆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.85-96, 2017

本研究は,需要のランダム到着を考慮して,系統信号路線の総遅れ時間の期待値を評価する手法を提案する.この手法は交通流の変分原理(VT)に基づく.需要のランダム到着を考慮したVTでは,交通流ダイナミクスは時空間領域のネットワークにおける確率的な最短経路問題の解として記述されるが,その厳密な求解は困難である.そこで,以下の二つを組み合わせた近似解法を提案する:(i) 最短経路の持つ特性による解(経路)集合の縮小;(ii) Clark近似による多重積分の解析的な評価.モンテカルロ計算との比較を通して,提案手法が精度よく遅れ時間の期待値を計算できることを示す.また,提案手法の有用性を示す応用例として,駒沢通りにおける信号最適化のケース・スタディを示す.
著者
和田 健太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.I_21-I_39, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
83

本稿では,動的交通均衡配分モデルの解析理論の近年の進展について解説する.渋滞の時空間進展と利用者行動の相互作用から生じる,複雑な交通ネットワーク流の見通しのよい解析を可能とする移動座標系アプローチに対象を限定し,車両を流体近似する伝統的なモデルと最近進展している粒子型のモデルを対比的に紹介する.その中で得られる,それぞれのモデルの特徴や関係,均衡解の数理特性に関する成果を踏まえ,双方の優位性を活かした今後の発展の方向性について述べる.
著者
和田 健太郎 佐津川 功季
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.56-72, 2017 (Released:2017-03-20)
参考文献数
36

本稿は,1起点多終点ネットワークを対象に,動的配分理論に基づくMacroscopic Fundamental Diagram(ネットワークの車両存在台数とトリップ完了流率の関数関係)の解析法を構築する.具体的には,まず,渋滞パターンを与件とした動的利用者均衡モデルに対する逆問題を定式化する.逆問題は線形方程式系で記述されており,ネットワークのマクロな性能を表すトリップ完了流率と,よりミクロな状態である渋滞パターンとを解析的に関係づけることができる.この解析式の感度分析を行うことで,待ち行列の延伸によるトリップ完了流率の低下が生じる渋滞パターンとそのメカニズムを明らかにする.
著者
坂井 康一 和田 健太郎 小野 晋太郎 貝塚 勉 杉町 敏之 平沢 隆之 大口 敬 須田 義大 中野 公彦 大石 岳史
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.57-62, 2018-03-01 (Released:2018-03-30)
参考文献数
3

高速道路ネットワークの整備が進む中,道路を賢く使うには,ITS 技術を活用した運用施策の実施が求められている.一方で,実施例のない施策の場合,ドライビングシミュレータ等の仮想実験環境を用いて,施策の効果・安全性等の事前評価を行う必要がある.本研究では,高速道路ネットワーク機能を最大限利用するための運用施策の事前評価のため,道路運用施策,評価すべき項目,仮想実験環境に必要な機能・性能,要素技術・理論モデルについて検討を行った.
著者
和田 健太郎 瀬尾 亨 中西 航 佐津川 功季 柳原 正実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1139-I_1158, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
80

本稿では,道路上の交通流ダイナミクスを記述する標準的な枠組みであるKinematic Wave (KW)理論の近年の発展について解説を行う.具体的にはまず,KWモデルの従来の解析法を概説しその限界を述べた上で,交通流の変分理論(VT)を解説する.また,様々な座標系(Euler座標系,Lagrange座標系)で記述される交通流モデルがVTの枠組みにより相互に関係づけられることをみる.続く章では,上記の単一道路区間(リンク)でのモデルをネットワークに拡張するための理論について記述する.ここでは,多車線道路や交差点を対象に,複数のリンクの境界面における交通流を決めるための条件や手法を解説する.