著者
加藤 浩徳 城山 英明 深山 剛
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.147-158, 2009
被引用文献数
2

本研究は,LRTの導入を10年近くの期間にわたって検討してきている,宇都宮市を事例として取り上げ,LRT導入に関わる問題の構造を,関係者へのインタビュー調査によって分析し,今後の導入に向けた検討に資することを目的とする.具体的には,まず,導入を巡る議論の経緯を整理し,関係主体に対するインタビュー調査を実施した.次に,インタビュー調査の結果から,関係主体の問題構造認識を分析し,各主体の関心の違いや問題の認識の違いを比較した.インタビュー結果から,導入に関わるファクターとドライバーを抽出し,LRT導入にかかわるイシューの整理を行った.さらに,関係主体間の相互期待表を整理することを通じて,LRT導入に向けた関係主体間の連携の可能性を検討した.
著者
児矢野 マリ 高村 ゆかり 久保 はるか 増沢 陽子 島村 健 鶴田 順 堀口 健夫 北村 喜宣 遠井 朗子 山下 竜一 佐古田 彰 藤谷 武史 坂田 雅夫 亘理 格 城山 英明 加藤 信行 郭 舜 小林 友彦 藤谷 武史 坂田 雅夫 及川 敬貴 梅村 悠 村上 裕一 伊藤 一頼
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

地球温暖化、海洋汚染、生物多様性の減少等、グローバル化した現代社会の環境問題に対処するためには、環境条約と各国の国内法・政策との連結と相互浸透が不可欠だが、その適正な確保は必ずしも容易ではない。本研究はこの問題に対処するため、国際法学、行政法学、行政学、環境法政策論を含む学際的研究として、地球温暖化、オゾン層の破壊、廃棄物・化学物質の規制、海洋汚染、生物多様性・自然保護、原子力安全規制を含む主要問題領域について、日本における多国間環境条約の国内実施及び環境条約の定立と発展に対する国内法・政策の作用の動態を実証分析し、その結果を統合して日本の特徴を解明するとともに、その課題と将来展望を探った。
著者
菅原 慎悦 城山 英明
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.368-383, 2010 (Released:2012-02-08)
参考文献数
35
被引用文献数
2 2

In France, there exist organizations called “Commission Locale d'Information” (CLI) in all the siting areas where nuclear facilities located. Previously, the CLI organizations were established voluntarily by some local governments or nuclear utilities. Since 2006, however, the Nuclear Transparency and Safety Act has obliged the establishment of CLI in all the siting areas in conjunction with reforming the nuclear regulatory agencies. This means that the concerned local governments are officially part of nuclear safety regulation. In this study, we investigated present conditions of the CLI organizations through some interviews in France and consider their roles from the standpoint of nuclear regulatory governance. As a result, we found that the CLI plays the following roles: (1) medium of communication among concerned parties (not only between nuclear utilities and local habitants but also between the national nuclear regulatory agency and various local governments) and (2) implementing various activities in accordance with each local condition through the participation of local assembly members. In addition, we clarified that CLI's activities are supported by related institutional infrastructures, such as cost burden between central and local governments, and some other systems of citizen participation in building or expanding nuclear facilities.
著者
菅原 慎悦 城山 英明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.441-454, 2011 (Released:2011-11-18)
参考文献数
47
被引用文献数
1

本研究では,フランス地域情報委員会(CLI)関係者へのインタビュー調査に基づき,原子力施設をめぐる日本とフランスの自治体関与のあり方を整理した上で両国の比較分析を行い,フランス事例の日本への示唆となる点を指摘する.その結果,両国ではローカル・コンテクストの差が大きいものの,それを考慮した上でなお参照に値する示唆として,(1)原子力規制体系への自治体の位置づけの明確化,(2)事業者及び規制機関と自治体との双方向コミュニケーションの回路の確保,(3)規制目的としての「透明性確保」の明示化,という3点を得た.
著者
大上 泰弘 神里 彩子 城山 英明
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.132-142, 2008
被引用文献数
1

イギリスにおける動物実験の規制では,包括的な法律に基づき国家が一元的に,動物実験を行う人,施設,実験内容を管理する.アメリカでは,分立的な法制度の下で,機関内動物実験委員会を中心とした各研究機関の自主規制を基盤としている.そして,この自主規制を監督する制度が法律とガイドラインで規定されている. これらの規制に関する比較分析を踏まえて,日本の動物実験規制のあり方に関する二つの提案を行った.一つは,日本において動物実験規制ガイドラインを作成する場合,その規制原理 (理念) を「愛護」ではなく「尊重」とすべきであるという点,もう一つは,一定の担保された実効的な自主的規制メカニズムを構築するとともに,信頼に足る研究者の資質を研究者サイド自らが養成・保証する仕組みを構築し,一般社会に示す必要があるという点である.
著者
大上 泰弘 神里 彩子 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.132-142, 2008 (Released:2009-07-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1

イギリスにおける動物実験の規制では,包括的な法律に基づき国家が一元的に,動物実験を行う人,施設,実験内容を管理する.アメリカでは,分立的な法制度の下で,機関内動物実験委員会を中心とした各研究機関の自主規制を基盤としている.そして,この自主規制を監督する制度が法律とガイドラインで規定されている. これらの規制に関する比較分析を踏まえて,日本の動物実験規制のあり方に関する二つの提案を行った.一つは,日本において動物実験規制ガイドラインを作成する場合,その規制原理 (理念) を「愛護」ではなく「尊重」とすべきであるという点,もう一つは,一定の担保された実効的な自主的規制メカニズムを構築するとともに,信頼に足る研究者の資質を研究者サイド自らが養成・保証する仕組みを構築し,一般社会に示す必要があるという点である.
著者
鈴木 達治郎 城山 英明 武井 摂夫
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.161-168, 2006 (Released:2008-02-29)
参考文献数
3
被引用文献数
3 2

安全規制に対する社会的信頼の確保を目的として,安全規制体制に一定の「独立性」を付与する試みが行われる.独立性は,様々な文脈における政治的独立性と技術的独立性に分けて理解することができる.本研究では,米国における原子力規制委員会における独立性の制度設計とその運用を分析し,我が国における原子力安全規制体制と比較することを通して,社会的信頼を確保するためには政治的独立性だけではなく技術的独立性が重要であるという示唆を得た.
著者
諸葛 宗男 城山 英明 交告 尚史 寿楽 浩太 鈴木 達治郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

巨大化技術の安全システムは現代社会が抱える大きな課題である。本研究では巨大化技術の代表例として原子力を取り上げ、その安全法システムの問題点を摘出しその解決方策を検討した。本研究の半ばの2011年3月11日に東京電力福島第一発電所事故が発生したため、事故で露呈した原子力法システムの問題点の検討を追加した。解決策の検討ではしたがって、事故前の研究で抽出した問題点と併せ、包括的に解決する解決方策を検討した。
著者
古場 裕司 畑中 綾子 横山 織江 村山 明生 城山 英明
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.285-292, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
参考文献数
12

医療における安全・質の向上は, ここ数年世界的に重要なテーマとして認識されつつある. 本研究では, 日本における医療の安全・質向上のための法制度設計の参考とするため, 米国の医療制度に関して, 特に安全・質向上に関する法システムの検討を行った. 国内文献調査及び現地ヒアリング調査を通じて, 政府機関, 病院団体, 質改善機関, 消費者団体など連邦及び州 (ニューヨーク州) レベルで活動する様々な関連機関の安全・質向上活動に関して, システムとしての全体像を把握し, その上で, 日本との比較整理を行い, 日本における今後の制度設計における示唆を得た. 具体的には, 事故報告制度と情報開示からの保護, 医師の資格管理制度, 医療の質評価と情報公開などに関する制度のあり方について焦点を当てた.