著者
中尾 優奈 堀内 博皓 町田 大輝 松井 勇起
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.143-148, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
19

本稿では、日本においてメタバースが「キャズム」を越えられるかという問題に対し考察する。具体的には、メタバース(VRSNS)の代表的なプラットフォームであるVRChat を、メタバースとしばしば混同され既にキャズムを越えているバーチャルYouTuber と、「『遊び』の性質という視点から分析・考察する。分析結果として、VRChat の『遊び』としての本質は「起業家精神」であり、社会的に高い価値を持つ一方で、本質的にVRChat はマジョリティ向けに設計されていないことが判明した。しかし、バーチャルYouTuber の訴求力・認知的にメタバースと混同しやすい点を活かすことで、周囲の影響を受けやすいレイトマジョリティ層から迂回的にアーリーマジョリティ層にVRSNS を普及させる戦略を提案できた。
著者
塚越 大智 山本 周平 和田 洋典 寺島 さつき 大澤 竜司 松森 圭司 伊藤 駿 中村 幸男 長峰 広平 池上 章太 堀内 博志
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.20042, (Released:2022-01-14)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Coronavirus disease 2019 (COVID-19) has been spreading globally since 2019;however, comprehensive rehabilitation of elderly patients with COVID-19 pneumonia remains a challenge. A 76-year-old American woman with COVID-19 pneumonia was admitted to our hospital. Because her disease was complicated by acute respiratory distress syndrome (ARDS), she was treated with intensive care, including invasive ventilation and extracorporeal membrane oxygenation (ECMO). During and after intensive care, she exhibited physical symptoms such as weakness, pain, shortness of breath, and difficulty in movement and exercise. Furthermore, during approximately 3.5 months of hospitalization, she received swallowing and speech therapies along with physical therapy. These rehabilitation therapies enabled her to get home in the United States. Her rehabilitation schedule had to be carefully planned according to her symptoms and infectiousness of COVID-19. This paper highlights few important points regarding the difficulty in rehabilitation including that of physical function, mental health, and cognitive function of patients with COVID-19. Furthermore, this report provides a problem-solving approach for long-term rehabilitation in elderly patients with COVID-19 pneumonia.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 堀内 博志 村岡 尚 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.197-204, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
20

急性期脳卒中患者5名に対し,実生活での非麻痺手の抑制を行わず,補助的手段を併用した上肢集中練習を1日2時間,平均3週間実施した.本研究では,麻痺手の機能と生活における使用の改善での有用性と安全性を検討した結果,集中練習が麻痺側上肢機能と実生活における麻痺手の使用頻度および質を有意に改善させることを確認した.加えて,急性期における集中練習介入期間中に有害事象は認めなかった.これらの結果は,急性期における短時間の集中練習のプロトコルが,意味のある方法である可能性を示唆した.しかしながら,急性期の集中練習の効果を実証するためには,今後,対照群をおいたランダム化比較試験による検証を行わなければならない.
著者
石田 ゆず 池上 章太 古田 大樹 小野 千恵 片井 聡 堀内 博志
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.36-44, 2023 (Released:2023-08-29)
参考文献数
18

背景:訪問リハビリを必要とする高齢者は年々増加しており,訪問リハビリの質の向上と自立に向けた取り組みが求められている.目的:訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の質の向上と自立に向けて,訪問リハの現状を把握し,効果的な介入を検討する.方法:長期に訪問リハを利用する 332 名の基本情報,1 年間の Barthel Index(BI)・Frenchay Activities Index(FAI)変化を調査した.結果:対象者全体で BI は有意に低下し,FAI は有意に改善を認めた(相関係数:0.25).急性発症型疾患では IADL が改善し,内部障害・神経筋疾患では,ADL は悪化したが IADL は維持されていた.結論:訪問リハにおいては疾患の特徴を踏まえ IADL に注目して生活行為向上に向けた包括的な介入をすることが重要である.
著者
塚越 大智 山本 周平 和田 洋典 寺島 さつき 大澤 竜司 松森 圭司 伊藤 駿 中村 幸男 長峰 広平 池上 章太 堀内 博志
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.92-98, 2022-01-18 (Released:2022-04-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Coronavirus disease 2019 (COVID-19) has been spreading globally since 2019;however, comprehensive rehabilitation of elderly patients with COVID-19 pneumonia remains a challenge. A 76-year-old American woman with COVID-19 pneumonia was admitted to our hospital. Because her disease was complicated by acute respiratory distress syndrome (ARDS), she was treated with intensive care, including invasive ventilation and extracorporeal membrane oxygenation (ECMO). During and after intensive care, she exhibited physical symptoms such as weakness, pain, shortness of breath, and difficulty in movement and exercise. Furthermore, during approximately 3.5 months of hospitalization, she received swallowing and speech therapies along with physical therapy. These rehabilitation therapies enabled her to get home in the United States. Her rehabilitation schedule had to be carefully planned according to her symptoms and infectiousness of COVID-19. This paper highlights few important points regarding the difficulty in rehabilitation including that of physical function, mental health, and cognitive function of patients with COVID-19. Furthermore, this report provides a problem-solving approach for long-term rehabilitation in elderly patients with COVID-19 pneumonia.
著者
小渕 浩平 竹林 崇 松井 克明 堀内 博志 中村 裕一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.222-229, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
18

中等度の上肢麻痺を呈した脳卒中患者に対し,急性期よりCI療法(量的練習,課題指向型練習,介入で獲得した機能を生活に転移するための戦略)と,電気刺激療法を併用した複合的な上肢集中練習を実施した.さらに,退院後,長期的効果を調査するため1年後の経過を追った.その結果,介入直後および介入から1年後に,麻痺側上肢機能と,実生活における麻痺手の使用の頻度および質の改善を認めた.したがって,我々はCI療法を急性期より実践することで,長期的にも好影響を及ぼす可能性を示唆した.ただし,今回の結果は一症例の経過に過ぎない.今後,多数の症例で同様の疑問を明らかにする必要がある.
著者
飯山 正夫 吉田 和史 堀内 博
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.166-172, 1999-06-28
参考文献数
17
被引用文献数
6

本研究の目的は,デジタル画像解析を用いて歯肉発赤状態認識を解明し,歯肉発赤状態の自動認識アルゴリズムの開発のための基礎データを得る事である。10年以上の臨床経験を有する歯科医師9名に対し歯肉デジタル画像4枚を順にモニター画面で提示し,健全/概ね健全,軽度の炎症,発赤状態の著しい重度炎症の3つのカテゴリーに相当する範囲を指定させた。画像は,RGBカラー画像(Red,Green,Blue 各 8 bits)で画素数は2,268×1,764 pixels,記憶容量は約11MBであった。範囲選択の際,形態にはとらわれず歯肉色だけで判断するように確認した。指定された範囲の画素数,R,G,Bそれぞれの平均グレーレベル値を測定し記録した。カテゴリー間の有意差の検定には,Student's t-testを用いた。また,発赤の顕著な歯肉デジタル画像を三原色それぞれのグレーレベルで表示する3枚の画像(R,G,B画像)に分離し,肉眼でみた発赤状態との比較を行った。その結果,R,G,B値での健全/ほぼ健全群と軽度炎症群間でのt値(P値×10つは,それぞれ3.12(2.3),4.16(0.65),3.29(1.4)であり,軽度炎症群と重度炎症群間は,4.45(0.2),9.18(-0.00001),9.45(-0.00001)であった。また,歯肉各所の発赤状態のコントラストで原画像と最もよく相関した画像は,三原色分離画像の中でG画像であり,歯肉発赤状態の視覚認識においてG値の関与が高い事が明らかになった。今後,修正を加えたG値を用いて歯肉発赤認識アルゴリズムの開発を行う予定である。
著者
鈴木 辰四郎 堀内 博
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Journal of Antibiotics, Series B (ISSN:04478991)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.61-64, 1955-03-25 (Released:2013-05-17)

1952年に国立予防衛生研究所梅沢浜夫博士は, 鎌倉の土壤中から分離したStreptomyces erythrochromogenes Krainsky-W 155 C株の培養液中から1種の抗生物質を精製抽出し, 抗腫瘍性のあることから, これをSarkomycinと命名した。その後, Sarkomycinは動物実験の段階を経て臨床実験に移されたが, その結果に就いては昭和29年5月の第54回日本外科学会総会の席上, 関東逓信病院外科の石山博士等が報告した。石山博士の症例は90例に達したが, 概ね悪性腫瘍の末期症状を呈するものが多かつた関係上, 効果は著明とは言い難かつた。しかし, 臨床的並びに病理組織学的に効果の確認されたものがあり, しかも副作用の皆無に近いと云う事実から, 悪性腫瘍に対する化学療法剤としての期待が大いに持たれた。従来, 悪性腫瘍に対する化学剤としてはNitrogen mustard N-oxide (Nitromin) あり, 近くは8-Azaguanin (Azan) が登場して来ているが, 前者はもちろんのこと, 後者に就いても吾々の使用経験では副作用を認め, 治療の続行を不可能にすることがあつた。私は遇然の機会を得て, 梅沢博士から供与されたSarkomycinを腹腔肉腫と診断された1患者に, 相当の長期間にわたり連続使用し, その臨床的経過を詳細に観察することが出来たので報告する。