著者
宇井 忠英
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.285-288, 2001-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
5
被引用文献数
3
著者
宇井 忠英 柴橋 敬一
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山.第2集 (ISSN:24330590)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.51-64, 1975-08-01 (Released:2018-01-15)

Volcanic activity at the snow-capped summit of Mt. Chokai was first noticed by the captain of scheduled airline on March 1, 1974. The activity began with swarm of volcanic earthquakes, succeeded by fumarolic activity and finally explosion took place and a few craters were formed at eastern (late February-early March) and western (late April) foot of 1801 lava dome (Shinzan). The ejecta were exclusively fine-grained air-fall ash and accidental blocks. The blocks, formed the mud flow mixed with melted snow, rushed down the slope of volcanic edifice. Essential materials, such as bombs, air-fall scoria, or lava flows were not erupted. Rapid melting of snow was supposed to have been triggered by the formation of fumaroles caused by ascent of hot magma and associated juvenile gas. Thermal energy consumed for melting and evaporating snow is calculated as 3×1021 ergs. Total volume of mud-flow deposit is around 3×104 cubic meters, and that of air-fall ash is an order of 105 cubic meters. The entire area which showed thermal activity is approximately 700×200 meters, elongated in east-west direction. Distribution of earthquake foci was also trending east-west just passing the prehistoric summit and parasitic vents. Direction of vent alignments is the same for the most volcanoes in northeastern Japan, and is supposed to reflect regional stress field.
著者
荒牧 重雄 宇井 忠英
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.337-349, 1966-07-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
31
被引用文献数
13 10
著者
佐藤 公 宇井 忠英
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

磐梯山ジオパークは5万年前と1888年の2回に発生した山体崩壊とそれに伴う岩なだれ(岩屑なだれ)で生じた地形や人々の営みに影響を与えた様子を来訪者に伝える狙いで作られた。磐梯山噴火記念館はその中核展示施設である。2018年は1888年の山体崩壊から130年、記念館の開館から30年という節目の年に当たっていた。岩なだれは日本では100年に1回程度しか発生しないため、市民にあまり知られていない。この岩なだれにスポットを当てた企画展を磐梯山噴火記念館で開催した。合わせて全国の火山系博物館でも巡回展示を行った。この巡回展を通して、参加したジオパークの連携と互いの理解が進むと考え、シンポジウムを開催したり、それらのジオパークに出向き出前講座も実施した。 この講演では企画展と出前講座の概要を紹介し、出前講座の際に実施した参加者アンケートから、地域による火山理解の違いなどを紹介する。
著者
岡田 弘 筒井 智樹 大島 弘光 宇井 忠英
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

フィリッピン・マヨン火山で1993年2月2日に発生した火砕流噴火は、事前の警告もなく70余名の犠牲者を出した。また、火山から6kmの永久居住禁止地区に加え、南東側では半径10km迄の数万人の地域住民が避難している。本研究班では、平成5年2月26日から3月5日の期間にフィリッピン火山地震研究所の協力を得て調査研究を実施した。地震記録、噴出物、過去の噴火記録などを手がかりに2月2日の火砕流の特性を解析した。爆発型で始まり、南東ガリーを崩落直進し屈曲点での破砕が、激しいサージと多数の死者の原因らしい。地震や空振の共同観測資料では、3月1〜4日にかけての火山灰噴出や小規模火砕流の実体を明らかにすることができた。マヨン火山はフィリッピンで最も活発な火山として噴火前から手引書の作成、観測所の整備、災害予測図の作成等注目する取り組みがなされていた。にもかかわらず、2月2日の噴火に先立ち直前前兆としての群発地震や徴動を時間・日単位で認めることは出来なかった。長期的には数ケ月単位の地震活動の衰勢、また顕著な前兆として周辺での井戸水位の低下があった。火山地震研究所は、二酸化硫黄放出量や地震徴動等の数値情報が盛り込まれた火山情報を発表し、5段階の警戒レベルを用いている。学ぶべき点も多い。避難所や大学での火山活動説明会や国際火山学会の映像ビデオの活用、更にマスメディアとの対応などに接する機会もあった。また、噴火直後から1ケ月間駐在し調査研究を行っていた米国の火山学者と、緊密な連絡をとると共に、調査における多大な授助を受けた。運転手付きの外交官車両や人工衛星通信設備の利用など、災害時の緊急調査研究の内容について、今後の教訓として得るものも多かった。
著者
宇井 忠英 柴橋 敬一
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山. 第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.51-64, 1975-08-01
被引用文献数
1 3

Volcanic activity at the snow-capped summit of Mt. Chokai was first noticed by the captain of scheduled airline on March 1, 1974. The activity began with swarm of volcanic earthquakes, succeeded by fumarolic activity and finally explosion took place and a few craters were formed at eastern (late February-early March) and western (late April) foot of 1801 lava dome (Shinzan). The ejecta were exclusively fine-grained air-fall ash and accidental blocks. The blocks, formed the mud flow mixed with melted snow, rushed down the slope of volcanic edifice. Essential materials, such as bombs, air-fall scoria, or lava flows were not erupted. Rapid melting of snow was supposed to have been triggered by the formation of fumaroles caused by ascent of hot magma and associated juvenile gas. Thermal energy consumed for melting and evaporating snow is calculated as 3×10^<21> ergs. Total volume of mud-flow deposit is around 3×10^4 cubic meters, and that of air-fall ash is an order of 10^5 cubic meters. The entire area which showed thermal activity is approximately 700×200 meters, elongated in east-west direction. Distribution of earthquake foci was also trending east-west just passing the prehistoric summit and parasitic vents. Direction of vent alignments is the same for the most volcanoes in northeastern Japan, and is supposed to reflect regional stress field.
著者
渡辺 輝夫 藤井 義明 播磨屋 敏生 福田 正己 川村 信人 宇井 忠英
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は1996年2月10日午前8時頃,国道229号線の豊浜トンネル古平側(西側)坑口上部の急崖が崩落し,バスの乗員,乗客と自家用車の運転手20名が圧死した事故に関係する斜面崩落とその災害に関する調査研究である.地質,地形,地球物理,凍結岩盤の物性,気象などに関する研究がまとめられた.すでに1996年9月14日に,豊浜トンネル崩落事故調査委員会が調査報告書を北海道開発局局長に提出しているため,本研究は,その報告内容をふまえ,1996年10月以降に実施した.研究は,復旧工事との関係で今後永久に観察出来なくなる崩落斜面下部の観察を最重点として行なわれた.岩盤表層の凍結深度の変化と気象の関係を岩盤の凍結前から観察することも重点的に行なった.さらに,岩盤崩落の機構に関する考察を深めた.その結果,岩盤下部の表面構造は上部とは違っていることを明らかに出来た.また,崩落面下部では火山レキの破断が特徴的に見られたが,岩石圧裂引張実験から,6MPaで破断することが明らかとなった.これは,岩石上部に少なくとも300mは累重しなければ破断が生じない圧力である.したがって,レキの破断は特殊に応力がかかるか,地質時代にさかのぼる長い時間の出来事であると考えられる.研究はハイアロクラスタイト中の火山岩の全岩化学組成やスメクタイトの鉱物組成も明らかにした.岩石の応力解析の研究は,崖の鉛直面では粘着力の失われたある長さ以上の初期不連続面が不安定に成長すること,水平面では2次連続面が生じ,自由面に達することを明らかにした.凍結一融解の実験は調査地域の気象が岩石の脆弱化を招くことを明らかにした.地質の研究は,地質構造に規制された地下水の浸透面と枝わかれパイプ状の流路と地下水圧が崩落面の形成に関係し,過去の落石も同様の経過で崩落したものと推測された.
著者
田中 淳 宇井 忠英
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

北海道駒ケ岳ならびに樽前山は、日本の活火山の中でも最も活動的な火山であるが、噴火の規模や推移は多様であり、迅速な避難が必要であることから、防災意識の涵養が求められる。そこで、住民意識調査と地域リーダーへの面接調査を実施した。駒ヶ岳調査は、駒ヶ岳周辺4町の住民から郵送法で439票(回収率=43%)の回答を、樽前山調査は、苫小牧市内危険の高い地区と低い地区2地区の住民から211票(回収率=42%)の回答を得た。地域リーダーへの面接調査は、12人を対象とした。主な知見を示すと以下の通りである。1.この15年間で防災意識も防災情報行動も向上している。2.駒ヶ岳小噴火ならびに2000年有珠山噴火への関心は高く、大半の人が周囲の人と話題にしているが、職場や同業者で話題になる率が高い。3.防災教育上の課題として、避難の判断を行政に依存していると思われる点、前回の噴火パターンへの拘泥や誤った周期説が流布してしまっている点等が見いだされた。4.防災情報行動にとって重要なのは、単に危険性を認知させたり、不安を高めるだけではなく、関心を高めることが必要である。5.防災情報行動は、噴火への関心の程度といった個人変数だけではなく、地域要因も関係していることを示している。6.地域凝集性の高い地区では、資源動員論でいうフレーム増幅戦略が、未形成な地域では、フレーム拡張戦略が採用されている。
著者
宇井 忠英 隅田 まり 大学合同観測班地質班 荒牧 重雄 大島 治 鎌田 桂子 小林 武彦 小屋口 剛博 佐藤 博明 中川 光弘 中田 節也 藤井 敏嗣 藤縄 明彦 古山 勝彦 三宅 康幸 横瀬 久芳 渡辺 一徳
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.45-52, 1993-07-01
被引用文献数
2

Small-scale pyroclastic flows due to the collapse of the lava dome have been frequently generated during the 1991-93 eruption of Unzen Volcano. We have recorded video footages which show the generation of pyroclastic flows during January-March 1992. Two types of phenomena have been observed : deformation of the lava dome due to flowage ; and a sudden discharge of gas and ash through fractures and peeling-off of rock fragments from the surface of cooling lava blocks. Pyroclastic flows were generated only in places on the lava dome where these precursory phenomena were frequently observed.