著者
中田 愛理 平山 拓 大菅 直人 宮本 真理子 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1177-1185, 2003-04-15
被引用文献数
5

コンピュータの低価格化,小型化,無線通信技術の発達により,モバイルコンピューティングやユビキタスコンピューティングに注目が集まっている.会議室など人が集まる場にはコンピュータやコンピュータ以外の様々なモノが存在しており,複数の端末や情報処理能力を持つモノでネットワークを構成し,情報の交換や共有を行うような協同作業支援システムの必要性が高まってきている.しかし,現状では数人でグループを作り,その場でネットワークを構築するためには,既存のネットワーク設備との接続に構造上/運用上の制約があったり,グループ加入のためのコンピュータ操作を行わなければならないといった手間が生じたりする.また,コンピュータ以外のモノとの情報交換はシームレスに行われていないという現状がある.そこで本稿では,近づくことにより自動的に集まったことを認識し,その距離に基づいてグループを構築し,情報共有を支援するシステムDistance Aware Collaboration System(DACS)を提案する.そして,DACS上で動作するプロトタイプのアプリケーションを実装し,評価を行った.ユーザはDACSを通じて,持ちよった様々な情報や機器を協同作業の場で利用することが可能となる.Along with the development of wireless communication technologies andthe miniaturization/low cost of computers, the mobile and ubiquitouscomputing have now become the focus of public attention.However, in the present condition, in order to make a group from severalpersons and to build a network on that spot, the time and effort thatconnection with the existing network equipment must have therestrictions on employment on structure, or computer operation for groupsubscription must be performed arises.Therefore, in this paper, we proposed DACS (Distance Aware CollaborationSystem) which makes it possible to automatically create a collaborationenvironment between users, or between a user and object, based onphysical distance between them, and implemented a prototype of someapplications. We also carrid out some experiments to evaluate DACS. Asa result, users can share information and objects, and get or use themseamlessly.
著者
増田 研 波佐間 逸博 宮地 歌織 山本 秀樹 野村 亜由美 宮本 真二 田川 玄 田宮 奈菜子 佐藤 廉也 野口 真理子 林 玲子
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究課題は日本のアフリカ研究者による初めての高齢者研究であり、かつ、人類学と公衆衛生学・保健学を組み合わせた方法論を採用したため、期間を通じてそのアプローチのあり方について模索を続けた。成果として書籍(編著)を公刊したほか、日本アフリカ学会におけるフォーラムの開催、日本アフリカ学会の学術誌『アフリカ研究』に特集を組んだことがあげられる。検討を通じて、都市部貧困層高齢者の課題、アフリカにおける高齢者イメージの解体、生業基盤によるケアのあり方の違いといった探求課題を整理できたことも成果である。
著者
大菅 直人 中田 愛理 平山 拓 宮本 真理子 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.97, pp.119-124, 2002-10-24
被引用文献数
2

近年 生活環境のいたるところに情報処理能力を持った様々な機器が存在するようになった.協調作業を行う場でも様々な情報機器が利用されている. 本論文では 携帯端末などの情報機器が存在する協調作業の場において プロジェクタをメンバ間で円滑に共用することを可能とする プロジェクタシステムを提案する.本システムは場に存在するメンバを自動的に認識し 各メンバに対し仮想的にプライベートな画面をプロジェクタ投影画面内に生成する.各メンバはそれぞれが持ち寄ったデータを与えられたプライベート画面内に表示することができ 作業を行う上で自由に利用する事ができる.In recent years, many machines in our life environment are capable of information processing. In this kind of situation, various information technology devices are used in cooperation working scenes. In this paper, we propose a system, which enables smooth operation between the users when a single projector is shared, in a cooperation working scene where information technology devices are used. Each of users in the cooperation working can use the system to show their own data which is stored by a computer.
著者
中田 愛理 大菅 直人 平山 拓 宮本 真理子 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.31, pp.121-126, 2002-03-22
被引用文献数
2

コンピュータの低価格化,小型化,無線通信技術の発達により,モバイルコンピューティングやユビキタスコンピューティングに注目が集まっている.しかし,現状では数人でグループを作り,その場でネットワークを構築するためには,ケーブルで端末同士をつないだり,グループ加入のためのコンピュータ操作を行わなければならないといった手間が生じる.そこで,本稿では人と人 人とモノがある距離内に集まったとき,コミュニケーションの場を形成すると考え その場に存在する人やモノから情報を取得し,共有を支援するシステムDistance Aware Collaboration System: DACSを提案した.そして,DACS上で動作するプロトタイプのアプリケーションを実装し,評価を行った. ユーザはDACSを通じて,持ちよった様々な情報や機器を協同作業の場で利用することが可能となる.Along with the development of wireless communication technologies and the miniaturization/low cost of computers, the mobile and ubiquitous computing have now become the focus of public attention. However, under the existing conditions, in order to form a group consisting of several users and to provide computer network on the spot between them, it is necessary to physically connect each user's one with a network cable, and to set up a configuration manually. Consequently, this procedure takes plenty of time. Therefore, in this paper, we proposed DACS (Distance Aware Collaboration System) which makes it possible to automatically create a collaboration environment between users, or between a user and object, based on physical distance between them, and implemented a prototype of some applications. We also carrid out some experiments to evaluate DACS. As a result, users can share information and objects, and get or use them seamlessly.
著者
柳井 清治 永田 光博 長坂 有 佐藤 弘和 宮本 真人 大久保 進一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.4, pp.340-346, 2001-11-16
参考文献数
23
被引用文献数
4

北海道南西部を流れる積丹川において, 冬期間のサクラマス幼魚の生息環境と河畔植生の関係を1995年と1996年の2ヵ年にわたって調査した。調査方法として, 河川を1 m四方のメッシュに区切り幼魚の分布と物理環境を調べたところ, 川岸よりの流れが緩く積雪により押しつぶされた植生下で多く捕獲された。具体的な越冬環境の物理条件としては流速が0.2 m/s以下で高いカバー被覆率がある細粒の底質が好まれており, 水深に関しては一定の深さを好む傾向が見られなかった。さらに越冬時のサクラマス幼魚の胃内容物を調べたところ, 夏と比べて胃内容物指数が小さく, 周辺に生息する小型の水生昆虫をわずかに摂食しているにすぎなかった。メッシュを幼魚の密度により3タイプに分類し判別分析を行なったところ, 水中カバー, ついで表面流速などの環境因子が越冬場を決定する重要な要因として選択された。以上のことから, 冬季間サクラマス幼魚は流速の緩い積雪に覆われたカバー下を主に利用しており, こうした環境を創る上で倒木や河畔林から伸びる枝はきわめて重要な要素となることがわかった。