著者
宮田 裕章 大久保 豪 吉江 悟 甲斐 一郎
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.83-94, 2011 (Released:2011-02-25)
参考文献数
69
被引用文献数
1 3

Debate about the relationship between quantitative and qualitative paradigms is often muddled and confusing and the clutter of terms and arguments has resulted in the concepts becoming obscure and unrecognizable. In this study we conducted content analysis regarding evaluation methods of qualitative healthcare research. We extracted descriptions on four types of evaluation paradigm (validity/credibility, reliability/credibility, objectivity/confirmability, and generalizability/transferability), and classified them into subcategories. In quantitative research, there has been many evaluation methods based on qualitative paradigms, and vice versa. Thus, it might not be useful to consider evaluation methods of qualitative paradigm are isolated from those of quantitative methods. Choosing practical evaluation methods based on the situation and prior conditions of each study is an important approach for researchers.

3 0 0 0 OA NCDとがん登録

著者
友滝 愛 宮田 裕章 岩中 督
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.29-33, 2014 (Released:2014-04-30)
参考文献数
11

医療の質向上を目的とした臨床データベース事業として,2011年から外科専門医制度と連携したNational Clinical Database(NCD)が始動した。NCDは開始当初より,一部の臓器がんに対してはがんの詳細情報が登録され,2012年からは乳癌登録・膵癌登録も開始された。NCDデータは,がん診療の質を評価する指標の開発やがん医療の均てん化の取り組みなど,様々な活用が期待される。一方,がん情報の症例登録では,登録の悉皆性や予後情報の追跡調査などデータの質の担保が重要である。個人情報保護や倫理的側面に配慮したうえで,他のがん登録との連携も見据えたデータ収集の効率化を検討している。さらに,医療現場にリアルタイムで直接情報をフィードバックする仕組みを構築し,患者の術後死亡や合併症の予測率を計算する機能の開発や,NCDデータを基盤とした臨床研究などにも取り組んでいる。NCDは患者視点に立ち,医療従事者が理解・納得して参加できる事業として,さらに発展を目指している。
著者
大久保 豪 宮田 裕章 友滝 愛 岩中 督
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.435-450, 2012

目的:近年,医療水準の評価を目的として,現実に行われた医療に関するデータを収集し,実証的な分析を行う,大規模臨床データベースが構築されるようになっている。本研究の目的は医療水準の評価を目的とした臨床データベースの正当性を明らかにすることである。<br>方法:BeauchampとChildressの生命倫理の4原則(自律尊重原則,無危害原則,仁恵原則,正義原則)に基づいて,臨床データベースの正当性を分析した。分析にあたっては,既存の資料や現在実施されている臨床データベースに関する資料を参考にした。<br>結果:自律尊重原則に基づく方法として≪データ登録に関する患者意思の尊重≫と≪登録目的,登録情報の開示≫が挙げられた。仁恵原則に基づく方法として≪登録情報の漏洩予防≫と≪登録される情報の匿名化≫が挙げられた。正義原則に基づく方法として,≪参加に係わるコストの削減≫,≪参加条件の設定≫,≪データ利用の受付条件の設定≫,≪データ分析結果の公表内容の吟味≫,≪データ分析の限界に対する配慮≫,≪データ分析結果の公表対象の吟味≫,≪資金提供元の明示≫といった方法が重要であると考えられた。一方で,臨床データベースは現実に行われた医療をそのまま記録するものであり,無危害原則に基づいて正当性を高める必要性は低いと考えられた。<br>結論:臨床データベースの構築,運営にあたっては,正確性,有用性,実現可能性を鑑みながら,本研究で明らかになった方法によって正当性を高めていくことが求められる。正当性の確保に当たっては,継続的な検証が重要である。
著者
宮田 裕章 大久保 豪 望月 美栄子 蓑輪 裕子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.213-223, 2010

精神障害者グループホームの現状と開設・運営の困難とそれに対する取り組みを明らかにするため,インタビュー調査の結果を踏まえて,全国の運営法人に対する質問紙調査(N=453)を行った。全グループホームの87%が1人部屋である一方,77%が玄関を共有するタイプであった。グループホームの継続運営や新規開設に,大きな影響を与えていたのは,開設・運営資金の確保,入居者の確保,及び地域との友好的な関係作りであった。これらの課題に対して自治体の補助金を活用や,入居者募集の広報,地区の行事への参加など様々な取り組みが行われていた。今後は取り組みの有効性を確認するとともに,ノウハウを広く共有することが有用である。
著者
野村 周平 田淵 貴大 橋爪 真弘 大田 えりか 渋谷 健司 坂元 晴香 鈴木 基 齋藤 英子 米岡 大輔 井上 真奈美 宮田 裕章 西浦 博
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、with/postコロナ時代の保健医療政策の課題に対する実証的分析に疾病負荷を活用する我が国で初めての試みである。具体的には、新型コロナウイルス感染症の疾病負荷および関連するリスク要因の寄与割合の推定(将来予測含む)、新型コロナ含む傷病別の疾病負荷の将来シナリオ分析、新型コロナウイルス感染拡大による保健医療ニーズ・保健システムへの影響(健康格差・医療費)の推定を行う。
著者
瀬戸 卓弥 竹内 優志 橋本 正弘 伊藤 惟 市原 直昭 川久保 博文 北川 雄光 宮田 裕章 陣崎 雅弘 榊原 康文
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

食道癌は10年生存率が20%前後の癌であり、膵臓癌や肝細胞癌と並んで致死率の高い癌である。また、食物を運ぶ蠕動運動による狭窄と癌による狭窄の判別が難しく診断の難しい癌であることも知られている。そこで本研究では、過去に食道癌と診断された患者のCT画像を用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と 再帰型ニューラルネットワークの学習を行うことにより、新規のCT画像に食道癌が存在するか否かを判別するシステムの構築を目的とした。結果として、CNNとLSTMを用いた診断支援システムの構築に成功し、80%を超える精度で分類を行うことができた。