著者
護山 真也 小野 基 稲見 正浩 師 茂樹 桂 紹隆 船山 徹 早坂 俊廣 室屋 安孝 渡辺 俊和
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は,インド・チベット仏教における仏教認識論・論理学研究の成果と東アジアで展開した因明学の成果とを架橋することで,言語や文化の壁を越えて継承・変容した仏教認識論・論理学の特質を明らかにすることを目的とした。その主たる成果は,第18回国際仏教学会(IABS)のパネル“Transmission and Transformation of Buddhist Logic and Epistemology in East Asia” での発表と討議に結実しており,近くWiener Studien zur Tibetologie und Buddhismuskund シリーズから出版予定である。
著者
下田 正弘 小野 基 石井 清純 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 Muller Albert 苫米地 等流 船山 徹 高橋 晃一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

本研究事業は、永続的に利用可能な仏教学の総合的知識基盤を日本に構築し、世界の仏教研究におけるウェブ知識拠点(ハブ)を構築することで次世代人文学のモデルを提供することを目的とする。これを達成するため、(1)大蔵経テキストデータベース(SAT-DB)を継続的に充実発展させ、(2)有望な新規国際プロジェクトを支援し、連携してSAT-DBネットワークを拡充し、(3)人文学の暗黙的方法の可視化を図って人文学テクストの適切なデジタル化を実現するためTEIと連携してTEI-Guidelinesを中心とするテクスト構造化の方法を精緻化し、(4)ISO/Unicodeとの連携し、国内のデジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)に関する研究教育の環境向上を図り、人文学国際化を支援する研究環境を整備する。これらの成果はSAT大蔵経テキストデータベースにオープンアクセスのかたちで反映させることをめざす。本年度は、James Cummings(Newcastle University, UK)、Paul Vierthaler(Leiden University, NLD)を迎えた国際会議「デジタルアーカイブ時代の人文学の構築に向けて」をはじめ、国際会議とワークショップを3回主催し、国内外で招待講演を行うとともに、東大から2度のプレスリリースを行って、当初の研究計画を大きく進展させた。その成果は、次世代人文学のモデルとなる新たなデジタルアーカイブSAT2018の公開となって結実した。SAT2018は、直接の専門となる仏教研究者にとって実用性の高い統合的研究環境を提供するばかりでなく、人文学研究のための専門知識デジタルアーカイブのモデルになるとともに、人文学の成果を一般社会に利用可能なかたちで提供する先進的事例となった。
著者
吉水 千鶴子 佐久間 秀範 小野 基
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、チベット人シャン・タンサクパ著『中観明句論註釈』の写本解読により、インドからチベットへ、チャンドラキールティの帰謬論証を用いる中観思想がインドの仏教論理学と融合しながら伝承された11~12世紀の時代思潮を明らかにした。すなわちチャンドラキールティ自身が先行するディグナーガの論理学を取り入れており、中観派によって他者に真実を知らしめるための命題と論理の使用は是認される。この新しい知見により、本研究は中観仏教思想史を見直し、論理学との融合過程に焦点をあてて再構築した。
著者
下田 正弘 小野 基 落合 俊典 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 鶴岡 賀雄 中村 雄祐 MULLER Albert 苫米地 等流 三宅 真紀 田畑 智司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究成果の概要(和文):知識の蓄積・発信の手段が紙からデジタル媒体へと大規模に移行し、ウェブをとおして知識が世界規模で連結されつつある現在、研究資源と研究成果の双方を適切に継承する知識の枠組みを構築することは、人文社会学における喫緊の課題となっている。本研究は、国内の学会や機関、およびドイツ、アメリカ等で進める関連諸事業と連携して、仏教研究の知識基盤をSATデータベースとして構築し、次世代人文学の研究モデルとして提供するものである。http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/参照。