著者
山中 弘
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.255-280, 2017-09-30 (Released:2017-12-30)
被引用文献数
1

本稿は、現代社会に大きな影響を与えている消費という問題に注目して、マーケット論的視点から消費社会における現代宗教の変容を理論的に論ずることを目的としている。まず、宗教社会学理論において著名なR・スタークの経済的マーケットモデルを批判的に検討する。その上で、彼のモデルに代えて、ベビー・ブーマーたちの宗教意識とアメリカの宗教状況を明らかにしたW・ルーフの「スピリチュアル・マーケットプレイス」という概念と「探求」という心理的な志向性に注目する。次いで、現代社会の消費をめぐる議論を紹介しながら、「セラピー的な自己」とそれをターゲットとした聖地巡礼ツーリズムを検討する。最後に、宗教的マーケットと世俗的なそれとの融合という状況において出現している「軽い宗教」の存在が示すように、世俗化か再聖化か、という二項対立的な理論的議論は消費社会における宗教の変容の理解には有益でないことを示唆したい。
著者
鈴木 陽代 山中 弘次 藤田 雅司 野上 尊子
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成20年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.737-740, 2008-08-08 (Released:2017-08-31)

We have developed the pure water and functional water system for household use that provides pure water by RO and saves water consumption by producing mild alkaline and acidic water with electrolysis of rejected water from RO. Pure water shows excellent abilities in scale inhibition and reducing the amount of detergent in laundry washing. Natural detergent, less than a half of standard amount, has still demonstrates sufficient cleaning ability when it has used with pure water, which suggests the decrease of burdens on the environment. Alkaline and acidic water has shown effective decomposition of alkaline degradable agrichemical and sufficient sterilization abilities, respectively.
著者
山中 弘
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.149-159, 2016 (Released:2020-01-13)

聖地を訪れることが流行している。この流行は宗教の復興と見るよりも、宗教ツーリズムの流行と理解すべきだろう。なぜ、今日、宗教がツーリズムの資源として積極的に評価されるようになったのだろうか。この問題を考える手がかりは、ツーリズムそのものよりも、後期近代における宗教の変化の中にあるように思われる。本稿の目的は、「長崎の教会群」の世界遺産化に伴う巡礼の商品化の展開の事例を通じて、マクロな宗教社会学的視点から聖地や巡礼の観光資源化、商品化が意味しているものを、後期近代における現代宗教の特質との関連で検討することにある。以下、本稿ではまず、日本における宗教の観光資源化の動向に触れながら、「長崎の教会群」の世界遺産化に伴う巡礼の観光商品化の展開について具体的に紹介する。次いで、こうした事態の意味を理解するために、従来の聖地研究や宗教社会学の理論の若干の検討を行い、「マーケット・モデル」の重要性を指摘する。さらに、S. バウマンを参照して私が「軽い宗教」と呼んでいる現代宗教のいくつかの特質を論じ、最後に、これらの宗教の特質が宗教ツーリズムの流行と深く関わっていることを示唆したいと考えている。
著者
浜渦 敬三 山中 弘雄
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.357-363, 1997-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
13

ブリの成長や生理に及ぼす不稔性アオサ添加飼料の効果をみる目的で, ブリ0歳魚で添加率を検討したのち, 0歳魚と1歳魚を, 0および3%不稔性アオサ添加飼料で長期間飼育を行い, 成長, 飼料効率, 体色, 低酸素耐性などを比較した。1) 不稔性アオサ3%添加区で最大の成長と飼料効率がみられ, それ以上の添加区では, 添加率の増加とともに飼育成績は低下した。2) 0歳魚の長期飼育では, 3%不稔性アオサ添加により成長が若干劣ったものの, 飼料効率, タンパク質効率, エネルギー効率, タンパク質蓄積率およびエネルギー蓄積率が向上し, 過剰な脂質の蓄積が抑制された。さらに, 不稔性アオサ添加により, 体色の明化と連鎖球菌症に対する抗病性の増大も観察されたが, 低酸素耐性の向上は認められなかった。3) 1歳魚の長期飼育では, 不稔性アオサの添加により摂餌活性が低下し, 0歳魚でみられたほどの顕著な差異は認められなかった。
著者
山中 弘次
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.504-509, 2014-09-10 (Released:2014-09-27)
参考文献数
8
被引用文献数
3

The definition, property, application fields and purification facilities of ultra pure water are overviewed with the recent achievements in the technologies of water recycling and reductions in chemical consumption at first. Then the ion adsorption filter for removing ppt level of ionic impurities from ultra pure water, and the functionalized ultra pure water for precision cleaning in the fields of semiconductor and flat panel displays are described as the recent achievements in ultra pure water technology.
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、宗教の適応的変容と再構築の側面を教会や社寺、自然的景観、迫害や殉教が起こった場所など、様々な「トポス」がもつ「聖性」に焦点を当せながら、その変容を、それを促す大きな要因の一つと考えられる「ツーリズム」との関わりのなかで明らかにしようというものである。近代社会における、交通網の発達、テクノロジーの飛躍的発展は、本来的に「聖なる場所」がもっていた限定性、秘匿性を無意味化し、だれでもがそこにアクセスすることを可能にした。とくに、ツーリズムの発展は「場所の聖性」の性格やあり方に容赦ない変更を加え、それを観光の新たな「商品」に仕立て上げようと試みている。長崎県の外海、平戸、五島列島といった地域において、これまでごく少数の人々にとってしか特別な意味をもっていなかったキリシタンの殉教地や聖地さえも、容赦なく「観光のまなざし」に曝されることになったのである。しかし、その過程で、教会や社寺、殉教地などの「場所」をめぐる新たな「語り」や「伝統」を再構築させる契機となっているようにもみえる。それは、沖縄のように、場所の聖性のもっともアーカイック形態である「御嶽」を、沖縄の根本的な宗教・伝統文化という「語り」のなかに包摂することで、自らの文化的アイデンティティを積極的に構築していこうとする試みにもつながっていく。もちろん、ツーリズムはつねに伝統的な聖地を変化させるわけではなく、ツーリズムに密接に関わる関連産業が聖地のもつ「真正性」、「歴史性」を利用して、伊勢神宮の参道に誕生した商店街のように、新たなマーケットの開拓をおこなう場合もある。さらにまた、出雲地域の「神在祭」のように、現代的ツーリズムの影響とは直接関わりなく、祭りとその場所が様々な要因によって歴史的に変化している場合もあり、「場所の聖性」の変容は必ずしも近代的現象でないことは注意する必要があろう。
著者
山中 弘
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
山中 弘次
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.265-272, 2010 (Released:2010-05-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

超純水の定義,性質,利用分野,製造方法を概観した後,ppq(pg/L)レベルに迫る超純水の超高純度化を可能にしたイオン吸着膜を紹介する.また,超純水製造システムにおける水の再利用,薬品使用量低減技術について述べ,更に,超純水の新しい可能性として,洗浄能力を高めた水,機能水についても紹介する.
著者
山中 弘 木村 勝彦 木村 武史 笹尾 典代 寺石 悦章 松井 圭介 平良 直
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、特定の場所をめぐる宗教的集合記憶と観光的文化資源との多様な関係の在り方を検討するために、長崎県の平戸市根獅子町、新上五島町、山形県出羽三山、沖縄、中米グアテマラを対象とした調査を実施した。伝承された宗教的集合記憶は、ツーリズムを梃子にした集落の再生の試みの進展に伴って再編成されつつあり、その動きに大きな影響を持っているのがメディアと世界遺産指定である。また、聖地の持続的な管理とツーリストの倫理的行動を要請している。