著者
舟山 直治 村上 孝一 尾曲 香織 為岡 進 竹田 聡
出版者
北海道博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、旧暦6月晦日の大祓に関わりの深い北海道南西部の川下・川裾・川濯神社の祭祀について、本州からの伝播、伝承ルートを明らかにするため、北前船の寄港地がある瀬戸内海沿岸から日本海沿岸の地域で分布と祭祀形態の調査を行った。川下・川裾・川濯神は、岡山県、鳥取県、兵庫県、京都府、滋賀県、福井県、石川県の7府県で祭祀されている。特に、福井県西部の祭祀は、水無月神社を「川すそ神」と呼称していることに加えて、1河川の河口を中心に祭神を祀る形態が、北海道の祭祀形態に類似している。
著者
岡 進 中嶋 義三
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.457-460, 1993-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
5

冷え症24人に対して当帰四逆加呉茱萸生姜本湯を投与しその効果を検討した。本剤は苦みが強く7日目までに3人が服用中止したので, 21人で効果判定を行った。著効は手と足の両者とも冷感が消失したもので5例, 23.8%。有効は手か足の一方の冷感が消失したもので13例, 61.9%。著効, 有効を合せた有効率は85.7%であった。効果発現時期は平均36日目で最短7日目, 最長105日目であった。投与期間は著効例で7.8ヵ月, 有効例で5.8ヵ月であった。無効例は3例, 14.3%であった。効果判定は平均19日目で無効の判定を下し, 投与期間は3.6ヵ月であった。本剤投与著効例では, まず手の冷感が改善し, ついで足の冷感が改善した。それにともない四肢末端の色調の改善, 爪変形の改善がみられた。本剤は「苦み」があり服用しにくいことを訴えるが, 効果があれば長期服用もいとわない漢方薬であり, 冷え症に対して有用である。
著者
吉岡 進
出版者
大東文化大学
雑誌
大東文化大学法学研究所報
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-7, 1988-02-01
著者
今岡 進 舩江 良彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.23-31, 1998 (Released:2007-01-30)
参考文献数
45
被引用文献数
4 6

Arachidonic acid is metabolized to biologically active substances by three major enzyme systems including cyclooxygenases, lipoxygenases and cytochrome P450s. The third pathway, P450-dependent pathway, includes allylic oxidation, ω-hydroxylation, and epoxidation of arachidonic acid. Of these metabolites, the physiological role of 20-hydroxyeicosatetraenoic acid (20-HETE) produced by CYP4A isoforms has been extensively studied. 20-HETE affects ion transport, constricts blood vessels and participates in tubuloglomerular feed back. Increased production of 20-HETE is a major factor in elevating blood pressure in spontaneously hypertensive rats (SHR). We have found that CYP4A2 level in SHR is much higher than that of normotensive rat. Recently, factors of endothelial origin other than nitric oxide and prostaglandins were reported. Inhibitors of P450-dependent arachidonic acid metabolism greatly reduce the vasodilator effect and this factor is speculated to be an epoxide of arachidonic acid. We have isolated CYP2C23 from rat kidney and have found that it produces arachidonic acid epoxides. We have investigated changes in the CYP2C23 levels in physiological and pathophysiological conditions. Multiple pathways of arachidonic acid metabolism by P450 have been reported and the diverse properties of these metabolites and the wide distribution of the P450 system make them prime candidates for participation in regulatory mechanisms of the circulation and transporting epithelia.
著者
福岡 進 岡田 匡史 亀山 顕太郎 石井 壮郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0926, 2014 (Released:2014-05-09)

【目的】近年,野球選手にフィジカルチェックを行い,早期に予防策を講ずる取り組みが広く行われるようになってきた。しかし,実際に障害予防に対する選手の意識を高めて有病率を低下させるには数多くの課題がある。その中で特に重要だと考える4つの課題を列挙する。1.障害に対する選手の予防意識を十分に高められないため,予防効果があがらない。2.フィジカルチェックにおいて,どの項目を優先的に調べていくべきかという基準が曖昧である。3.フィジカルチェック後,選手へフィードバックするまでに時間がかかる。4.データを取得してもそれを蓄積していないため,良質なエビデンスを構築できない。こうした課題を解決するためには新しいシステムの開発が必要である。そこで本研究の目的は,必要最低限のフィジカルチェックを行うことにより,投球障害肩・肘に関する近未来の発症確率を予測し,リアルタイムに選手にフィードバックを行うことで選手の予防意識を向上させるシステムを開発することとした。【方法】高校野球部員30名に対し無症候期にフィジカルチェックを行い,その後の半年間にどの選手が投球障害肩・肘を発症したかを1週間毎に前向きに調査した。フィジカルチェックデータと発症データをロジスティック回帰分析することで発症に有意に関連する危険因子を同定し,それらから発症確率を予測する回帰式を算出した。算出した回帰式にフィジカルチェックデータを代入することにより,選手一人一人の近未来の発症確率を予測するシステムを構築した。その後次シーズンに本システムを活用して,選手一人一人に発症確率と危険因子を伝え,予防策を指導した後,アンケートにて予防意識に関する調査を行った。【説明と同意】選手にはヘルシンキ宣言に基づき研究の主旨を説明し同意を得た上で研究を行った。また,「参加の自由意志」を説明し,協力・同意を得られなかったとしても,不利益は生じないことを記載し文書にて配布した。【結果】調査期間中に33%(10/30例)の選手が投球障害肩・肘を発症した。発症に有意に関連性のあった項目は挙上位外旋角度,肩甲帯内転角度,踵殿部距離であり,これらの因子を用いて発症確率を高精度に予測する回帰式を算出した(判別的中率87%)。算出した回帰式をExcelに組み込み,Excelのマクロ機能を活用することにより,上記3つのフィジカルチェックデータをパソコンに入力するだけで,リアルタイムに発症確率を表示するシステムを構築した。また,入力データは自動的にデータベースに組み込まれ,労せずデータを蓄積できるようにした。システム構築後の次シーズンに,本システムを導入したところ,96%の選手の予防意識は向上し,79%の選手に実際に予防に取り組む姿勢がみられた。【考察】本研究で発症に関連のある項目は,挙上位外旋角度,肩甲帯内転角度,踵殿部距離であった。これらの機能低下は発症に対する危険因子であり,優先的にチェックしていくことが重要であると考える。これら3項目は簡便であるため,現場の指導者や選手も行うことができると思われる。本システムではExcelのマクロ機能を活用したため,フィジカルチェックの結果をその場でフィードバックできた。今回,ほとんどの選手の予防意識は向上し積極的に予防に取り組むようになった。その理由として以下の2つのことが考えられた。1発症確率という具体的な数値を用いて選手一人一人の近未来を予測したこと。2フィジカルチェック後すぐにフィードバックしたことで,その結果が選手の印象に残りやすかったこと。我々のデータベースの規模はまだ小さいため,今後もデータの集積が必要である。しかし,本システムのマクロ機能により,入力されたデータは自動的にデータベースに蓄積されるため,今後システムの効果や妥当性の検証にかかる労力はかなり軽減される。したがって,本システムは,現場の選手のために効率的なフィジカルチェックを行うことができ,リアルタイムにフィードバックを行うことで選手の予防意識の向上を図ることができる。また,データも蓄積できることから,多方面からのデータ集積も簡便であると考える。【理学療法学研究としての意義】高校野球選手を対象に,必要最低限のフィジカルチェックを行うことで,投球障害肩・肘に関する近未来の発症確率を予測し,リアルタイムに選手にフィードバックできるシステムを開発した。理学療法士が臨床での経験を生かし,このようなシステムを構築することで,選手を障害から予防できると考える。今後,本システムを活用しデータベースを拡張していくことで,現場に良質なエビデンスを供給できるとともに普遍的な障害予防法の確立に寄与できるものと思われる。
著者
舟山 直治 為岡 進 佐藤 一志
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究課題は、北海道における民俗芸能の伝承者や伝承・保存会の活動など無形民俗資料について調査し、それぞれのデータを集積し、分類した。また、民俗芸能に係わる道具類など有形民俗資料調査を道内の神社および博物館で実施した。これら道内の民俗芸能にかかわる有形・無形のデータを時系列に整理し、伝承の系統図を作成するための基礎資料を作成した。あわせて成果を公開するためのデータベース構築に向けて調査を行った。
著者
五十嵐 辰男 村上 信乃 富岡 進 阿部 功一 井坂 茂夫 岡野 達弛 島崎 淳松 嵜 理
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1310-1315, 1989-09-20
被引用文献数
7 1

1978年1月より,1988年7月までに,千葉大学および旭中央病院泌尿器科で腎摘除術を施行した151例を集計した.偶然に発見された腎癌(「偶然発見癌」)は41例であり,受診動機としては他疾患治療中が28例,人間ドックが10例,集団検診3例であった.このうち,34例(82.9%)が超音波断層法で,4例がCTスキャンで,3例が排泄性腎盂造影で最初に発見された.「偶然発見癌」の腎癌全体に占める割合は,年次を経るにつれて有意に増加した(p<0.001).初診時または発見時,顕微鏡的血尿を認めたのは8例(19.5%)に過ぎず,スクリーニングとして検尿のみでは不十分で,超音波断層法も必要であると思われた.なんらかの症候を有する「症候癌」は102例,転移巣が最初に診断される「オカルト癌」は8例であった.「偶然発見癌」はこれらに比し有意にlow stage(p<0,001),low grade(p<0.001)であった.さらに,pT1〜2b,または長径10cm以下の症例において「偶然発見癌」の生存率は「症候癌」より良好であり(p<0.05),このような症例では腫瘍の早期発見による治療効果があったと思われた.