著者
岡崎 龍太 栗林 英範 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.335-343, 2016 (Released:2016-09-09)
参考文献数
24

Listening music with mobile devices is now a part of our daily life. With the aim of generating vibration-based feedback to enrich musical listening experiences with mobile devices, we have applied a frequency shifting method, which was proposed previously in the literature for mixer manipulation or cross-modal relationship between tactile and auditory stimuli. Experimental results showed that the proposed method significantly increased the listener's evaluation of sound consisting of high-frequency components.
著者
櫻木 怜 池野 早紀子 岡崎 龍太 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.133-136, 2014-09-12

近年視聴覚コンテンツの臨場感向上を目的とした全身触覚提示デバイスが数多く提案されている.こうしたデバイ スは共通して体格差による着脱の制限や煩雑さの問題を持つ.そこで本研究は身体に装着する振動子の数を可能な限 り減らし,かつ広範囲に振動を提示するため,ユーザの骨を介して身体広範に振動を提示することを試みる.本稿で は,身体広範囲に振動を伝達可能な骨部位の選定を行い,結果として選定された鎖骨に適した振動提示デバイスを製 作した.
著者
岡崎 龍
出版者
日本倫理学会
雑誌
倫理学年報 (ISSN:24344699)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.129-143, 2022 (Released:2022-07-11)

Dieser Beitrag rekonstruiert Hegels Darstellung des Konflikts in der religiösen Gemeinde zwischen deren Dogma und dem begrifflichen Denken des einzelnen Gemeindemitglieds in seiner Phänomenologie des Geistes. Entgegen dem Mystizismus-Vorwurf, der gegen Hegel angesichts seiner Religionsphilosophie oftmals erhoben wurde, wird in jüngeren Forschungen die gesellschaftstheoretische Tragweite seines Gemeindebegriffs betont, um diesen dann für eine intersubjektivitätstheoretische Deutung stark zu machen. Hegels Analyse eines Konflikts in der Gemeinde hingegen wird aber kaum beachtet. Ziel dieses Beitrags ist es daher, den aktuellen Stand der Forschung anhand einer ideengeschichtlichen Rekonstruktion, d. i. im Kontext der Diskurse über die Gemeinde in der Klassischen Deutschen Philosophie, zu überprüfen. Dazu sollen im zweiten Abschnitt Kants Religionsschrift und Schleiermachers Reden ausgelegt werden, wobei der Fokus auf möglichen Umgangsformen mit dem für Hegel so wesentlichen Konflikt der Gemeinde liegt. Bei Kant findet sich diesbezüglich der Anspruch, die Dogmen der Gemeinde einer vernünftigen Prüfung zu unterziehen und erst nach einer solchen als gültig anzuerkennen, wobei die vollkommene Realisierung ‚des ethischen Gemeinwesens‘ jedoch ins Jenseits geschoben wird; Schleiermacher hingegen geht von einem diesseitigen Charakter der wahren Gemeinde aus, in der die Mitglieder sich über ihr ‚Anschauen des Universums‘ austauschen. Konflikte sollen hierbei bereits durch formelle Bedingungen, wie etwa die Abwesenheit von Machtstrukturen in symmetrischer Kommunikation, ausgeschlossen werden. Während bei Schleiermacher so bereits die Möglichkeit des Konflikts in der diesseitigen Gemeinde durch ideale Kommunikation von vornerein ausgeschlossen wird und die Eschatologie der Gemeinde immer noch der kantischen Logik der Hinausschiebung ins Jenseits verhaftet bleibt, bietet Hegel, sowie sich im dritten und vierten Abschnitt ergibt, eine darüberhinausgehende Perspektive an. Indem Hegel in der diesseitigen Wiederherstellung des Reflexionsmediums durch ‚das innerste sich eindach Wissen‘ die eigentliche Bestimmung der Religion realisiert sieht, verteidigt er nämlich gegen das Dogma der Gemeinde, die Eschatologie, die Leistung jenes Wissens, durch welches zur Auffassung der Substanz als Subjekt gelangt wird, was die gesellschaftstheoretische Deutung der Gemeinde immer wieder übersieht.
著者
中井 優理子 岡崎 龍太 蜂須拓 佐藤 未知 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.50-54, 2014-09-12

ぬいぐるみに人とのインタラクション機能を付与する従来の提案の多くは,ぬいぐるみに音声や手足および眼球の動き,呼吸や心拍に伴う動き等を付与するものであったが,不完全に実現されたインタラクションはかえってぬいぐるみに対する没入感を損なう危険があった.今回我々はぬいぐるみに生き物感を付与する最小限の構成として,目の表面の涙のゆらぎを表現する手法を提案する.涙のゆらぎは鏡面反射によって拡大して知覚されるため,微小な動きで人に知覚させることが出来,また感情表現を行える可能性がある.今回は水中の気泡と振動子を用いるだけの簡易な手法で目のゆらぎを実装し,その効果を検証した.
著者
岡崎 龍太 櫻木 怜 Vibol Yem 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.645-655, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
26

There are numerous proposals of tactile displays that aim to improve music listening experiences. However, these devices commonly have problems, such as the heavy weight and large size of the device due to numerous actuators, which lead to long setup time and user confinement to the system. To address these issues, we proposed to present vibration via user's collarbone. In this paper, we first investigated whether presenting vibration to the collarbone really contributes vibration transmission to wider areas of a user's body. Then, we performed a psychophysical experiment to evaluate subjective vibration effect with actual music listening experience. Results suggest that presenting vibration through the collarbone induces vibration transmission to wider area, and contributes user's subjective music listening experience.
著者
ヤェム ヴィボル 岡崎 龍太 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.555-564, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Several kinds of vibration actuators were developed and widely used for haptic feedback and for simulating tactile experience. However, these actuators have certain design challenges, such as resonance via the spring attached to the vibration mass, and limited acceleration amplitude at low frequency because of the limited travel distance of the mass. In our study, we propose a new vibrotactile presentation method using the rotational motor's counterforce that occurs during acceleration or deceleration. This paper describes the effectiveness of a DC motor for high fidelity vibration and pseudo force presentation, and our design concept of a vibration actuator using a DC motor.
著者
大津山 彰 岡崎 龍史 法村 俊之
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第50回大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2007 (Released:2007-10-20)

p53遺伝子野生マウスでは、p53依存ならびに非依存性修復能により損傷DNAの修復が行われ、修復不能損傷はp53依存アポトーシスによって細胞ごと排除され、放射線催奇形の実験では低線量放射線(LDR)域でほぼ完全に奇形発生が抑えられる。一方p53遺伝子KOマウスではp53非依存性の修復しか働かず、LDR照射であっても奇形発生は完全に押さえられない。このp53による生体防御機構の一端は放射線での奇形発生のみならず、発がんにも関与すると考えられる。もし野生マウスで、LDR照射でがんが発生せず、KOマウスで高率に生じるとすれば、放射線発がんで常に問題となるしきい値存在の有無がこの機構によって解釈できる。p53遺伝子が野生、ヘテロ、KOマウスの背部皮膚を円盤型β線線源(15Gy/min.)で週3回反復照射をマウスの生涯に渡り行った。実験群は各マウス1 回当り照射線量2.5Gy群と5.0Gy群とした。発生した腫瘍は組織学検査ならびに、DNA抽出後p53遺伝子についてSSCPによる突然変異とLOHの解析を行った。KOマウスでは生存期間内に腫瘍の発生はなかった。ヘテロマウスでは2.5Gy群で8/21、5.0Gy群で25/45の腫瘍発生がみられ、野生マウスでは2.5Gy群で8/22、5.0Gy群で6/33の腫瘍発生がみられ発がん開始時期もヘテロマウスより約150日遅れた。ヘテロマウスの腫瘍のうち14/23例でLOHがみられたが、突然変異はなかった。野生マウスでは7/9例に突然変異がみられ、LOHは3/9例にみられた。p53遺伝子の存在状態は明らかに放射線による発がん率と発生時期に影響し、放射線で生じる変異の型がp53遺伝子の存在状態によって異なることが理由であると考えられた。
著者
岡崎 龍太郎
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

同時ペル方程式x^2-a z^2=y^2-b z^2=1の正の整数解の個数が2個以下だという定理を証明し, 雑誌論文として発表した. また, より一般的で, 代数的数体との関係の深い不定符号の一般化された同時ペル方程式|a_1 x^2-a z^2|=|b_1 y^2-b z^2|=4, (a_1, a, b_1, b : 正のパラメーター, x, y, z : 未知整数)を研究した. 不定符号の一般化された同時ペル方程式に適用できるようにYuanのp-進的な間隙原理を一般化した. 実複2次体の類群の研究の発展につながる研究であり, 8次以上のCM体の類群の構造の研究にフィードバックが期待される.導手が2の巾の円分体の実部文体の類数が常に1であるとのWeberの予想がある. Weberのこの予想の研究に単数の大きさの下からの評価が有効である. 類体論の計算的側面や不定方程式の研究で培った技術を応用することにより、次のような評価を得た : Kを該当する体の1つとし, その導手をfで表す. FをKの部分体のうち[K:F]=2を満たす唯一のものだとする. Kの単数εのFへのノルムが-1であるとの条件の下で, εの平方の有理数体へのトレースはf(f/2-1)/4以上である.
著者
岡崎 龍太
出版者
電気通信大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本課題の目的はポータブル環境において,聴覚を触覚刺激提示によって補助・向上させることである.最終年度である本年度は下に述べた2項目において,これまでの研究成果の取りまとめをおこなった.一つ目は,聴覚と触覚の知覚可能な周波数範囲の隔たりに着目した触覚提示手法である.触覚の知覚可能周波数範囲は0 Hzから高々1000 Hz程度であり,音波形をそのまま触覚提示に用いると,音周波数の上昇に伴って触覚刺激が消失する.この問題に対して,提示する振動を低音域にしぼって身体全体へ高強度で提示したり,音の高低を振動提示部位の高低に置き換えるなどの手法が提案されているが,提示振動の強度や範囲が制限されるモバイル端末においてはこのような提示は困難である.そこで本研究では提示する振動に対して,ピッチシフト処理を行い,オクターブ低い刺激を振動提示する手法を提案した.生成した振動を音楽と合わせて体験した際の主観的な音楽体験評価を行った結果,これまで振動提示が困難であった比較的周波数の高い音を含む音楽に対して提案手法を用いて触覚提示することで,音楽に対する主観的な評価が有意に向上することが明らかになった.二つ目は,全身体感音響装置のモバイル化を目的としたものである.従来の体感音響装置に共通の問題である装置の大きさ,重さ,拘束性といった問題を解決するため,ユーザの骨を介して身体の広範囲に振動を提示する手法を提案した.これまでに,鎖骨が最も簡便かつ効率よく振動を体内へ伝達可能であることを検証した.また提案手法と従来手法で用いられてきた部位に対して振動提示を行い,ユーザが主観的に知覚する振動の「心地よさ」および音楽コンテンツへの影響に関して検証を行った.その結果,提案手法は物理的にも主観的にも身体広範へ振動を伝搬可能であり,またそれによってユーザが知覚する主観的な音楽体験が向上することが明らかになった.
著者
中村 佳正 今井 潤 中山 功 代田 典久 近藤 弘一 岡崎 龍太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

Caratheodoryの補間問題などに登場するPerronの連分数についてはChebyshev連分数のqdアルゴリズムに相当する計算量O(N^2)の連分数展開算法は知られていなかった.これに対して,まず,単位円周上の直交多項式の理論を基礎として,直交多項式の3項漸化式をLax表示とする新しい可積分系Schurフローを導出し,その差分化によって離散時間Schurフローの漸化式を与えた.さらに,離散時間SchurフローによるO(N^2)の計算量のPerron連分数展開アルゴリズムと代数方程式の零点計算アルゴリズムを定式化した.これにより,1)古典直交多項式-Chebyshev連分数-Toda方程式,2)単位円周上の直交多項式-Perronの連分数-Schurフローという対応図式が完成した.Thronの連分数の計算アルゴリズムの開発にも取り組んだ.まず,双直交多項式の3項間漸化式をLax表示とする可積分系である相対論戸田方程式に注目し,その可積分な離散化によって離散時間相対論戸田方程式のタウ関数解を見い出した.さらに,このタウ関数解の漸化式を用いて,Thronの連分数をO(N^3)の計算量で計算する連分数展開アルゴリズムを定式化した.従来,Thronの連分数については離散可積分系に基づく算法は知られていなかった.通常のFGアルゴリズムでは分母が零となり計算できない場合でも本アルゴリズムによって連分数が求められることもわかった.また,第2種Painleve方程式PIIの解のBacklund変換をLax対の両立条件としで表し,さらに,Lax対のひとつを直交多項式の3項間漸化式とみて,直交多項式に関連した連分数の係数がBacklund変換により相互に代数的に結ばれることを示した.この連分数がAiry関数のLaplace変換の連分数展開を与えることを証明した.
著者
岡崎 龍史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.85-89, 2013-10-01

日本における放射線障害防止の法律は,昭和3O年に施行された「原子力基本法」が元となる.原子力の研究,開発及び利用の促進のために制定されたが,海外からの放射線同位元素の輸入の増加に伴い,昭和32年に科学技術庁所管で「放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律」,つまり「放射線障害防止法(障防法)」が制定され,昭和33年に施行された.平成24年原子力規制委員会が環境省の外局として発足し,管轄している.労働基準表の面からもさらに充実した規制が生じたため,昭和34年に労働省令第11号として「電離放射線障害防止規則(電離則)」が制定された.これまでにも何度も改正が行われたが,平成23年福島原子力発電所(福島原発)事故に伴い,新たに改正されている.障防法及び電離則を解説し,労災認定について述べる.
著者
岡崎 龍史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.27-31, 2014-03-01
被引用文献数
1

1895年にレントゲンがX線を発見した翌年には,手の皮膚炎が約60件,また脱毛の報告がされている.慢性放射線皮膚炎はX線管の製作者や医師・技師などX線を職業として扱う人に現れ,これが最初の職業被曝である.その後皮膚がんを含めた晩発障害の発生は医師・技師の深刻な職業病と捉えられている.1910年代に放射線を扱っている人の血液障害,特に白血病の発生が目を引くようになった.1914年頃からダイヤルペインターが夜光時計文字盤にラジウムを混ぜて塗布したことによる骨髄炎が生じている.その他放射線による障害は,1986年チェルノブイリ原子力発電所事故における放射線死や発がん,1999年東海村JCO臨界事故における放射線死などがある.2011年東京電力福島第一原子力発電所事故における放射線障害はまだみられていないが,今後のフォローは必要である.