著者
荒堀 拓哉 片上 大輔 角所 考
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.179-186, 2013 (Released:2013-02-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

In this research, we develop the operation information dissemination agent "smart caster 24 (TWENTY FOUR)" for the purpose of the design of the expressional model as a life-like agent which enables to watch for a long time. The smart caster 24 is a life-like agent who disseminates news information on the Internet in the form of human newscaster. We analyzed total of 90 news reading motions of 18 human active newscasters and designed the nonverbal expression model for the smart caster. In the results of news reading experiments, we found that the smart caster 24 presented same impression with human newscasters in some evaluation items.
著者
村上 正行 丸谷 宜史 角所 考 東 正造 嶌田 聡 美濃 導彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.299-307, 2010
被引用文献数
6

本稿では,授業映像シーンへのコメントの付与及び授業映像の要約が可能なシステムSceneKnowledgeを開発し,本システム及び授業デザインの有効性を明らかにするために,2年間の授業に対して,質問紙調査を行った.その結果として,(1)授業映像がシーンに分割されていることによって,受講生が授業に関するコメントをを読み書きする際や授業映像の要約を作成する際に有用だった(2)受講生は,コメントを書くことを通して,授業内容を振り返り,自分の意見について考えることができた.また,他人のコメントを読んで,自分の考えと相対化させ,より深く考えることによって,授業に対する関心が高まった(3)授業映像の要約を作成することを通して,新しい観点を発見し,自分なりの考えをまとめることによってモチベーションを高めていた,の3点が分かり,高次な学習活動に結びついていると考えられる.
著者
山肩 洋子 正司 哲朗 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.433, pp.55-60, 2005-11-17
参考文献数
5
被引用文献数
5

調理者の調理を知的に支援するスマートキッチンの研究を通じて, 調理観測機能や音声対話機能を持つキッチンシステムを構築した.本稿ではこのキッチンシステムを用いて, 一般の調理者が自分の考案したレシピのマルチメディアコンテンツを作成するというタスクにおいて, (i)カメラやマイクにより調理者の調理行動を認識し, レシピに基づき調理進行を把握し, (ii)アシスタントエージェントが調理者と音声対話することにより言語的な情報を追加して, (iii)レシピに対し冗長な映像部分を削除編集して, 視聴者に分かりやすいマルチメディアコンテンツを自動生成するための枠組みと, 作成したコンテンツに対する考察について述べる.
著者
浜田祥太郎 角所考 岡留剛
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

Twitter上の書込み内容が特異な日を、トピックモデルを用いたアプローチで検出する。Tweetsを確率分布として表現し、それらの中から文書間距離や異常値検知の手法を用いて特異日を検出する。
著者
大村 政博 角所 考 岡留 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.105, pp.17-22, 2013-06-15
被引用文献数
1

実世界での動向を「リアルタイム」に捉えることを目的として,感情表現に関係した形容詞を含むtweetsを時間単位で区切り,それを1つの文書とみなして,Latent Dirichlet Allocation (LDA)により,社会的感情を分析する手法を提案する.その手法では,常識的な社会的感情のほか,直感的には意味が不明確な「感情」も取り出される.ただし,抽出された社会的感情の日々の変動に対する感度が低い.この低感度性を回避すべく,多数の形容詞を代表的少数の形容詞に縮約し,それ以外の語を除いて縮約された形容詞を残して「文書」としLDAを適用する手法を提案する.その手法により抽出される社会的感情の時間的変動に対する感度は縮約なしの分析により抽出される感情よりも高く,社会的感情を入力とする入力つきARモデルによるDJIA(ダウ平均株価)の予測は,通常のARIMAモデルによる予測よりも平均予測誤差が小さい.
著者
近藤 崇 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.40, pp.23-30, 1999-05-13
参考文献数
6
被引用文献数
2

遠隔地間のコミュニケーションなどにおいて表情情報を送る際、匿名性を保ちたい場合や複数の大きな実画像の表示が困難な場合、ユーザの表情を合成顔画像で送る必要が生じる。しかし、顔の造作や各部位の変化には個人差があるため、実画像のユーザの表情変化に忠実に顔画像を合成してもユーザの意図した合成顔画像と必ずしも一致しない。このだめ、ユーザの表情の実画像と合成顔画像との対応を定める表情表現モデルが必要となる。本研究では、合成顔画像に対してユーザが実際に表出する客観的な表情画像の事例をユーザとのインタラクションを通じて対話的に獲得し、得られた事例集合を利用して、この表情表現モデルを作成する。
著者
中井 大貴 河南 壮太 田原 映理 山本 有貴 福山 尚 五味 文 角所 考 岡留 剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J106-D, no.8, pp.419-430, 2023-08-01

非侵襲な検査を可能にする光干渉断層計(OCT: Optical Coherence Tomography)によるスキャン画像において,網膜の層の厚みと,視力や病状との関係性を捉えるためには,画像における網膜の層を抽出する必要がある.本研究では,網膜剥離を伴う眼科疾患におけるOCTスキャン画像で網膜の層を抽出する手法を提案する.その手法では,各層に対し,それぞれの特徴を反映したコスト関数の最小化により層の境界を決定し,とりわけ,治療後視力と相関があると考えられる厚みを求めるために必要な網膜剥離領域の輪郭線と内境界膜・外境界膜が抽出できる.その応用として,得られた境界から層の厚みに関する特徴量を算出し,中心性漿液性脈絡網膜症の治療後視力を予測するARDガウス過程回帰を構築し,予測に有意な特徴量が,中心窩における内境界膜から外境界膜までの長さと,外境界膜から網膜色素上皮までの長さの剥離前後での変化度であることを明らかにした.
著者
五味 文 岡留 剛 荒木 敬士 福山 尚 角所 考 井村 誠孝 小椋 有貴
出版者
兵庫医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)は元来予後良好な疾患とされていたが、病状が遷延し、重篤な視力低下に至ることもある。さらに近年ではCSCと加齢黄斑変性との関連が示唆されてきており、実際一部のCSC例は滲出型加齢黄斑変性に移行することがわかってきている。本研究の目的は、CSC症例における遷延・加齢黄斑変性移行例のリスク因子を見出し、早期の介入を促すことで更なる病状進展、視力低下を抑制することである。具体的には、①眼科画像検査、②身的・外的ストレス評価、③視覚異常のシミュレーション、の3つのアプローチで、ハイリスクCSC症例の早期発見を試みる。
著者
須藤 克仁 角所 考 美濃導彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3632-3642, 2002-12-15

仮想物体操作におけるユーザへのリアルな視覚フィードバックの実現を目的として,仮想柔軟物体のモデルパラメータを,現実物体の観測結果から獲得する手法について議論する.従来から,mass-springモデル等を用いて,布をはじめとする様々な柔軟物体がモデル化されているが,このようなモデル化では,モデルパラメータの値は,人間がモデルの形状を確認しながら手動で設定する必要があり,労力が大きい.また,モデルパラメータの値は通常,物体全体にわたって同一であると仮定されるため,実現された形状が均質すぎてリアリティに欠ける場合も多い.本研究では,仮想物体に対する操作を現実世界において実行し,その観測結果に基づいて,現実物体と同一の見え方を再現できるようなモデルパラメータの値を求めることにより,ユーザによる物体操作に対してリアルな視覚フィードバックを実現できる仮想物体モデルを獲得することを目指す.このための第1歩として,本稿では,線状の柔軟物体の2次元平面上での操作に対する静止形状を再現する処理について述べる.具体的には,線状の柔軟物体の伸びや曲げに対する特性を1次元mass-springモデルを用いて表現し,モデルが観測形状を静止・安定状態として持つようにモデルパラメータの値を定める.本手法を用いて実際のひもの形状を再現する実験を行い,適切なパラメータが獲得できることを確認した.
著者
村上 正行 丸谷 宜史 角所 考 東 正造 嶌田 聡 美濃 導彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.299-307, 2010-12-01 (Released:2016-08-07)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本稿では,授業映像シーンへのコメントの付与及び授業映像の要約が可能なシステムSceneKnowledgeを開発し,本システム及び授業デザインの有効性を明らかにするために,2年間の授業に対して,質問紙調査を行った.その結果として,(1)授業映像がシーンに分割されていることによって,受講生が授業に関するコメントをを読み書きする際や授業映像の要約を作成する際に有用だった(2)受講生は,コメントを書くことを通して,授業内容を振り返り,自分の意見について考えることができた.また,他人のコメントを読んで,自分の考えと相対化させ,より深く考えることによって,授業に対する関心が高まった(3)授業映像の要約を作成することを通して,新しい観点を発見し,自分なりの考えをまとめることによってモチベーションを高めていた,の3点が分かり,高次な学習活動に結びついていると考えられる.
著者
八代 武大 森村 吉貴 西口 敏司 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.236-246, 2009-02-01
被引用文献数
1

大学の講義を撮影,配信する講義アーカイブに対する試みが盛んになっている.このときの配信映像として,カメラを自動制御することによって適当な構図の映像を撮影するアプローチもあるが,すべての視聴者の視聴要求を満足することができないため,視聴者が自由に注視対象を選択できるようにするためには講義中のすべての注視対象を含んだ広視野画像を獲得できることが望ましい.このような画像を安価かつ簡易に獲得するために,複数のカメラで撮影された画像を合成するための研究が従来から行われているが,本論文では,講師を追跡撮影する1台の視点固定型パンチルトカメラと黒板やスクリーンなどの平面を撮影する複数の固定カメラの画像を組み合わせることで,原理的にはひずみの全く生じない講義室の広視野高解像度画像を合成する手法を提案する.実験により,提案手法を用いてひずみのない講義室画像が合成できることを確認した.
著者
丸谷 宜史 杉本 吉隆 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.10, pp.2775-2786, 2007-10-01
被引用文献数
12

講義を撮影した映像(講義映像)が遠隔講義や講義アーカイブなどで利用されるようになってきたのに伴い,講義を自動撮影する研究が行われるようになっている.講義映像は講義内容を理解するためのものであるため,自動撮影では適切な撮影対象を選択することが重要である.本研究では,講義内容を理解するために映すべき被写体の組合せを規定する状況を講義状況と定義し,適切な撮影対象をとらえた講義映像を作成するために各時刻での講義状況の認識に取り組む.従来の講義自動撮影の研究では講義状況として講師位置や講師行動を考え,各時刻または決まった時間区間の画像などの観測情報から一意に講義状況を認識してきた.しかしながら本研究で想定するような講義状況では,同じ講義状況でも講師行動や講師位置は様々であるため,従来のような観測情報から講義状況を一意に決定する手法では講義状況を高い精度で認識することが難しい.そこで本研究では講師行動の頻度,講義状況間の遷移確率という統計的性質に着目し,この統計的性質を表現したHMMに基づく講i義状況認識手法を提案する.実験では実際に行われた講義を対象として,提案手法の有効性を確認するとともに,本研究で想定する講義状況に基づいて講義映像を作成し,従来までの講義映像との比較を行う.
著者
美濃 導彦 馬場口 登 谷口 倫一郎 角所 考
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.156-161, 2006-03-01
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
舩冨 卓哉 飯山 将晃 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1530-1538, 2005-08-01
参考文献数
8
被引用文献数
3

光切断法による人体の三次元形状計測では, 人が完全に静止できないことに起因する計測形状のひずみを軽減するため, 計測の高速化が図られてきた. これに対し, 本研究では, 形状計測中の体の揺れである身体動揺を部位ごとに計測し, これに基づいて計測形状を補正することにより, 計測の高速化をしなくても計測精度を向上させる手法を提案する. 実験により, 光切断法による計測精度が1mm以下であっても, 身体動揺の影響で計測形状の誤差が10程度になること, 提案手法では2mm程度の計測精度を達成できることを示した.
著者
村上 正行 西口 敏司 亀田 能成 角所 考 美濃 導彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.253-262, 2005
被引用文献数
7

本稿では,講義自動撮影システムを用いて行っている講義アーカイブ実践において,(1)講義を撮影されることによる講師や受講生への影響,(2)講義アーカイブを理解するために重要な情報,(3)自動的に作成された講義アーカイブの有効性,の3点を明らかにすることを目的として,質問紙調査及びインタビュー調査を実施し,分析及び考察を行った.その結果, (1)授業を撮影されることによって,当初講師や受講生には心理的な負担が若干かかるものの,経験によってその負担は減少していくことが分かった.(2)講義アーカイブを見る際に受講生が重視しているのは,音声情報と教材情報であること,アーカイブ化される授業においては「教材への適切な指示」が非常に重要であることが示唆された.(3)作成された講義アーカイブについては画質や音質の面では十分高い評価を得ることができ,FDに役に立つ可能性があることが分かった.