著者
嶋田 進 大澤 輝夫 往岸 達也 菊島 義弘 小垣 哲也 川口 浩二 中村 聡志
出版者
一般社団法人 日本風力エネルギー学会
雑誌
風力エネルギー (ISSN:03876217)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.A_29-A_35, 2014

Vertical wind speed profiles near the coast were observed using a Doppler Light Detection and Ranging (LIDAR) system at the Hazaki Oceanographical Research Station (HORS) from September 17 to 26, 2013. In order to investigate the impact of atmospheric stability, wind profiles observed at HORS were compared with a log profile model (theoretical wind profile model), which did not consider atmospheric stability. The wind shear was smaller in the observed profiles when the wind came from sea to land, and larger when it came from land to sea. It was also found that the wind profiles included an obvious diurnal cycle when the wind came from land to sea. The results for this study indicate that atmospheric stability is a significant factor when determining the coastal wind profiles, not only when the wind comes from sea sectors, but also from land sectors.
著者
鮫島 和範 仲井 圭二 内藤 了二 川口 浩二 額田 恭史 橋本 典明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_527-I_532, 2018 (Released:2018-09-12)
参考文献数
7

副振動について,これまで余り注目されなかった周期と振幅との関係に関する解析を行い,平均周期が大きい地点ほど,無次元振幅の散らばりが小さいことが分かった.また,無次元周期の出現頻度が高い階級では,無次元振幅の平均値は周期や地点に依らず1に漸近する.仲井ら1)2)は,気象庁の振幅5 cm以上の観測資料を用いて,個々の副振動の出現特性を示す確率密度関数の形等により,全国の地点を3種類に分類した.本研究では,港湾局の5地点において観測されたデータを対象に確率密度関数を算出したところ,気象庁のA群の形とほぼ一致した.平均振幅が小さい地点について,5 cm以上のデータだけを用いて確率密度関数を計算すると,真の確率密度関数からずれるということを仲井ら2)は指摘していたが,このことが港湾局のデータにより確認できた.
著者
北風 浩平 川口 浩太郎 山田 哲 日高 正巳 和田 智弘 島田 憲二 福田 能啓 道免 和久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ca0258, 2012

【はじめに、目的】 膝に問題をかかえる患者の臨床所見の一つとして腸脛靭帯(iliotibial tract:以下ITT)の硬さが報告されている。ITTと外側広筋(vastus lateralis:以下VL)の硬さの関係について生体で検証した報告はなく、下腿内旋可動域(以下:下腿内旋)との関係を検証した報告もない。本研究では、健常男子大学生のITT・VLの組織硬度と下腿内旋を測定し、ITTの硬さならびに下腿内旋に影響を及ぼす因子について検討することを目的とした。【方法】 対象は、本研究の目的、測定方法に同意の得られた健常男子大学生12名(年齢21.4±1.0歳)の左右2膝、計24膝とした。また、対象者の膝関節に整形外科疾患、関節不安定性、関節弛緩性がないことを確認した。ITT、VLの硬さは組織硬度計OE-210(伊藤超短波株式会社)を用いて測定した。測定肢位は検査側下肢が上方の安静側臥位(膝関節伸展位)とし、測定部位をITT:大腿長遠位5.0%、VL:大腿長遠位67.1%とした。ITT、VLは触診及び超音波画像診断装置HS-2000(本多電子株式会社)を用いて確認した。測定中の筋収縮による影響を除外するため、表面筋電図計TELEMYO2400Tv2(Noraxon社)を用い、筋活動の有無を確認した。下腿内旋はMuaidi Q.Iら(2007)の方法を参考に下腿内旋測定装置(以下:装置)を作製し、他動運動を行った。大腿骨内・外側上顆、下腿近位1/3の脛骨粗面にマーカーを貼付し、大腿骨内・外側上顆マーカーを結ぶ線と脛骨粗面マーカー(棒状)のなす角度の内旋トルクを加える前後の差を下腿内旋角度と定義した。測定肢位は端坐位(両上肢腕組み、体幹・骨盤中間位、股関節屈曲90°・内外旋0°・内外転0°、膝関節屈曲90°、足関節底・背屈0°)とし、足関節内・外果を結ぶ線の中点を装置の回転軸上に設置し、距骨中間位で距骨関節面の前縁を結んだ線が装置に対して平行になるようにした。測定前にゴニオメーターを用いて測定肢位、口頭指示・触診により筋収縮の有無を確認し、2.548N/mの内旋トルクを代償運動・摩擦抵抗に注意して加えた。下腿回旋運動軸上1.37mの位置にデジタルカメラOptio M30(PENTAX社)を固定し、内旋トルクを加える前後に撮影を行った。膝関節周囲軟部組織の粘弾性の影響を考慮し内旋トルクを加え、装置の数値が一定になった後、 10秒間その位置を保ち撮影を行った。組織硬度は各部位3回測定し、3回の平均値を代表値とし、単位は%10Nとした。下腿内旋は測定画像を画像処理ソフトウェアImageJ1.34(NIH)に取り込み、角度を求めた。10回施行中、中間4回の平均値を代表値とした。統計処理として各々の代表値からITTとVL組織硬度の関係、下腿内旋とITT組織硬度の関係、下腿内旋とVL組織硬度の関係をPearsonの相関係数(r)を求め検証を行った。尚、有意水準は5%(p<0.05)とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には文書を用いて研究の趣旨を十分説明し、同意を得た。本研究は兵庫医療大学倫理審査委員会の承認(第10025号)を受け、実施した。【結果】 ITT組織硬度は71.7±3.2%10N、VL組織硬度は61.4±3.3%10N、下腿内旋は1.5±1.6°であった。それぞれの結果からPearsonの相関係数(r)を求めた所、ITTとVL組織硬度はr=0.169(p=0.429)、下腿内旋とITT組織硬度はr=-0.028(p=0.448)、下腿内旋とVL組織硬度はr=-0.079(p=0.357)となり全て有意な相関関係は認められなかった。【考察】 本研究の結果より、健常男子大学生では、ITTの硬さに対するVLの硬さの影響は少なかった。ITTの硬さに影響を与える因子として、先行研究の結果から股関節周囲筋等の影響も考えられており、今後検討する必要がある。また、ITTならびにVLの硬さは、下腿内旋にもあまり影響を及ぼさないことが明らかとなった。下腿内旋に影響を与える因子としては、kwak S.Dら(2000)はITT以上に下腿に直接付着している外側ハムストリングスの影響が強いと報告しており、今後さらなる検討が必要である。本研究の限界として、除外基準を設定したものの、関節の硬さには個人差があるため、対象者によっては十分な内旋トルクが加えられなかったことも考えられる。今後、実際にITTやVLのタイトネスを抱えた対象者に対する検討、さらに動作時もしくはVLの筋収縮時に検討が必要である。【理学療法学研究としての意義】 臨床場面で様々な部位に痛みを誘発したり、大腿と下腿のニュートラルなアライメントを阻害する腸脛靭帯付近の硬さの原因を探ることで、迅速かつ効果的な理学療法アプローチの立案につながる。
著者
川口 浩
出版者
Japanese Society for Joint Diseases
雑誌
日本関節病学会誌 (ISSN:18832873)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-9, 2016 (Released:2017-03-31)
参考文献数
8

There are three representative international treatment guidelines for osteoarthritis (OA), each of which has different characteristics. These include the Osteoarthritis Research Society International (OARSI), the National Institute for Health and Clinical Excellence (NICE) from the National Health Service in the United Kingdom, and the American Academy for Orthopaedic Surgeons (AAOS). Among them, the OARSI guidelines are the most frequently revised with new evidence. Besides these international guidelines created by Western countries, there are Japanese OA treatment guidelines which were created by the Japanese Orthopaedic Association based on the OARSI guidelines (part Ⅱ). In some aspects, both guidelines are very similar. However, there are substantial differences, especially with respect to hyaluronic acid injection and supplements including glucosamine and chondroitin sulfate. In this paper, the newest 2014 OARSI treatment guidelines (part Ⅳ) are introduced in which the Author was a committee member as the Asian representative. There is also discussion about the present status of OA treatment in Western and Asian countries, especially when comparing between corticosteroid and hyaluronan intraarticular injections, and that between non-selective non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) and cyclooxygenase-2 inhibitors, and the recent status of acetaminophen and topical NSAIDs.
著者
岡部 眞典 福田 圭介 川口 浩 河野 知記 中島 与志行 広木 忠行 荒川 規矩男 菊地 昌弘
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.1140-1150, 1990-10-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
27

従来の報告に類をみない,明らかなリンパ球集籏を伴う慢性心筋炎の3剖検例を経験した.3症例は全て50歳台の女性で,互いに類似した臨床像と病理形態を呈した.2例は心不全,1例は伝導障害で発症したが,いずれも主徴候は治療抵抗性の心不全であった.これら3例では発症から3~6年の経過を観察できたが,心不全が入院加療を要する程度にまで進行した後,約3年で全例が死亡した.剖検心の重量は,それぞれ480・530・430gと増大.肉眼的には,心室壁の菲薄化を伴う左右両室の拡張を認めた.組織学的には,多数のリンパ球の集籏をみたことがきわめて特徴的で,一部では活動性炎症,すなわち心筋細胞の破壊像を認めた.心筋線維症は,左室中輪状筋層を中心に帯状ないしは不整斑状に認め,膠原線維は密で成熟しており慢性の経過を裏付けた.このような臨床経過と,特異的な病理組織所見より,我々はこれら3例に関して“慢性活動性心筋炎(chronic activemyocarditis)”という新しい概念を提唱した.
著者
川口 浩太郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.227, 2008-03-15

エンドフィールとは,関節を他動的に動かした時に最終域で感じられる抵抗感である.エンドフィールは正常関節でも感じられるものと,痛みや関節可動域制限に関連した異常なものに分けられる.この概念はイギリスの整形外科医Cyriax1)により軟部組織損傷の診断手技の1つとして紹介され,その後,徒手療法を行う理学療法士によりいくつかの分類がなされている2).本稿ではMageeによる分類3)に従って解説する.
著者
倉地 洋輔 枡本 愛 井出 善広 本宮 幸治 政信 博之 大下 ゆり 猪本 祐里 岡本 健 川口 浩太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C1034, 2004 (Released:2004-04-23)

【目的】変形性膝関節症(以下,膝OA)において肥満は症状を進行させる重要な因子である。しかし,減量による膝関節への機械的圧迫の軽減が,疼痛の軽減に効果があるか探った研究は少ない。そこで今回,減量の程度と痛みの改善度が相関するという仮説のもと,一般的治療に平行して減量を目的とした運動療法(以下,Ex.)を行ない,減量と痛みとの関連について検討した。【対象と方法】対象は,2003年1月初めから9月末までの間に膝OAの診断で治療を受け,従来の治療に加え減量を目的としたEx.が2ヶ月間継続できたもの20名(女性17名・男性3名、年齢58.3±10.4歳,身長155.8±6.8cm,体重67.8±8.1kg,OAG-I:15人,OAG-II:3人,OAG-III:2人,BMI肥満度標準:4人,肥満1度:10人,肥満2度:6人)とした。初診時に身長・体重・体脂肪測定およびCOMBI社製エアロバイク75XLを用いた運動負荷試験を行ない,運動処方を作成した。運動負荷強度は40~60%最大酸素摂取量および自覚的運動強度の「ややきつい」レベルの有酸素運動(自転車駆動)とし,運動頻度は週3回,1回につき15~40分間行った。Ex.と平行して物理療法およびROM ex.は全例に行い,ヒアルロン酸ナトリウム関節内注射も1回/週で平均5回施行した。また,消炎鎮痛薬(内服薬)も処方され,栄養士による栄養相談も行なった。痛みの評価として,初診時の主観的な痛みを「10」,全くなしを「0」とし,Ex.開始後2カ月の時点で痛みがどの程度になったか確認した。統計学的検定にはスピアマンの順位相関係数を用い,有意水準は5%とした。【結果】全症例において痛みが軽減し,半減したものは20名のうち17名であった。体重変化率でみると,体重が減少した18名の減少率は-0.1%~-13.5%であり,体重が増加した1名の増加率は2.7%であった。体脂肪率変化率では,体脂肪率が減少した15名の減少率は-1.4%~-22.3%であった。増加した5名では1.2%~12%であった。体重変化率と痛みの改善度の間に相関関係は認められず(ρ=0.33),体脂肪率変化率と痛みの改善度との間にも相関関係は認められなかった(ρ=0.18)。【考察】膝OAによる痛みの原因は種々のものが考えられ。今回,膝関節にかかる機械的な刺激としての重量を減らすことが痛みの軽減につながるという仮説を立てたが,体重減少の割合と痛みの変化とは一致しなかった。今回の調査では,それぞれの介入による疼痛軽減効果を検討することはできないが,SLRなどによる筋運動が膝の痛みを軽減するとの報告もあり,今回,自転車をこぐという膝関節の屈曲・伸展交互運動が膝OAによる痛みの軽減に関与した可能性もある。今後は,各介入方法間の痛みの改善度についても検討を加えていきたい。
著者
関 克己 河合 弘泰 川口 浩二 猪股 勉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_965-I_970, 2012

全国港湾海洋波浪情報網(NOWPHAS)は,1970年に5地点で波浪観測を開始し,現在では20地点以上で30年以上のデータを蓄積している.このデータから気候変動の検出も試みられてきたが,地点毎の解析では統計的なバラツキが大きいこともあって気候変動指標との明確な相関性を捉えられなかった.そこで本研究では,日本海側を3海域,太平洋側を4海域にまとめ,季節毎に気候変動指標との相関性を調べた.その結果,(1)平均有義波高と最も相関性の高い気候変動指標は海水温である,(2)平均有義波周期は平均有義波高に比べて気候変動指標との相関が高く,特にNPIとの相関性は全海域を通じて高い,(3)最大有義波高と最大有義波周期は台風上陸個数との相関が最も高い,(4)高波擾乱回数は台風上陸個数やSOIとの相関が高い,ことが分かった.
著者
小林 正夫 川口 浩史
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.7, pp.1639-1644, 2014-07-10 (Released:2015-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
3

自己免疫性好中球減少症は主として好中球抗原に対する自己抗体が産生され,好中球の破壊亢進による好中球減少症である.好中球抗原はHNA-1,HNA-2など数種類が同定されているが,Fcγ receptor IIIb(FcγRIIIb,CD16b)上に存在するHNA1系に対する抗体が原因となることが多い.成人領域では他の自己免疫性疾患に合併してFcγRIIIbに対する抗体が認められることが多い.抗体の同定はFACSを用いた間接免疫蛍光法での半定量を利用している.