著者
渡辺 正仁 由留木 裕子 有末 伊織 藤田 浩之 出田 めぐみ 西井 正樹 築山 邦男 渡辺 克哉
出版者
保健医療学学会
雑誌
保健医療学雑誌 (ISSN:21850399)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.160-174, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)
参考文献数
40
被引用文献数
1

今日,一般に「酸化ストレス」と言われる活性酸素種による障害が種々の疾患に関与することが明らかになってきている.生理学的に酸素を使う中で,活性酸素種は発生する.他方,これまで生体にとって不活性で機能を持たないと考えられてきた分子状水素がヒドロキシラジカルやペルオキシナイトライトなど,特定の活性酸素種と反応することが発見されて以来,多くの研究成果が蓄積されつつある.本稿では活性酸素種と水素療法に関するこれまでの知見を概観し,水素療法理解の基礎としたい.
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
筒井 優 中俣 恵美 有末 伊織 酒井 菜美 糸乘 卓哉 中村 達志 峯林 由梨佳
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.G-62_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【目的】 超高齢社会を迎える日本では、在宅医療・介護が推進され地域包括ケアシステムの構築や健康日本21(第二次)に代表される疾病・介護予防など予防施策に力が注がれている。先行研究において、機能維持と身体活動量には密接な関係があると指摘されており、身体活動量を把握し、維持・向上を目指すことで、生活習慣病や自立度の低下など将来的な疾病の予防も可能であると考える。現在、身体活動量を評価する指標としてLife space assessment(以下LSA)や歩数計が広く用いられている。本研究では、LSAと腕時計型歩数計を用い身体活動量を評価し、両者のメリット・デメリットを検証するとともに両者を補填できる新たな評価指標の検討を目的とした。 【方法】在宅脳卒中患者12名(男性9名・女性3名、平均年齢68.1±9.9歳、発症後の経過年数15.6±7.5年)を対象に、LSAによる身体活動量の調査に加え、腕時計型測定装置ChargeHR(fitbit社製)を使用し、1週間装着(入浴時除外)を依頼、1日の歩数を調査をした。LSAと歩数の関連性は統計解析ソフトSPSSを用い、Spearmanの順位相関係数による解析を行った。さらに、アンケートを作成し、移動手段・活動内容・歩行時間を個別調査し身体活動量との関係を検討した。 【結果】LSA平均値が59点±29、歩数平均値が6367±3994歩であった。LSAと歩数に関する解析結果では相関係数r=0.618、有意確率p=0.043となり中等度の正の相関が認められた。しかし、LSAが51点と同得点の対象者間でも歩数に約5000歩の差異があるなど、LSAの得点と歩数に大きな差が生じた対象者もいた。LSAと歩数に差がみられた対象者3名をアンケートにて個別分析すると、歩行時間が長くその主な内容は近隣の散歩であった。  【考察】LSAと歩数には相関がみられるが対象者間で差異が生じていることが明らかとなった。その要因として①LSAは歩行補助具を用いると点数が低値となる②LSAが同程度であっても介助者による車での送迎より公共交通機関を利用する事で活動量が高値となるなど移動手段により歩数に差異がでる③日課として近隣を散歩しているなど移動先での活動内容や活動習慣が影響した事が考えられた。これらの事よりLSAは、生活の広がりを把握する事が可能だが、歩数には歩行時間・移動手段・活動内容が影響する為、実際の身体活動量とするには課題がある事が明らかとなった。一方腕時計型歩数計は、詳細な身体活動量の調査をする事が可能であり具体的な数値としてフィードバックが可能である為、意欲向上に繋がるメリットがあったが、アプリとの連動など管理が複雑なうえ機器が高価であり、データ収集には人的・時間的・金銭的に負担が大きく、個別調査には有用だが大規模調査を行うのは困難である。今後大規模調査を行うには、LSAで把握できない身体活動量に影響を及ぼす因子である歩行時間・移動手段・活動内容を聴取し点数化できる評価指標を検討する必要がある。 【倫理的配慮,説明と同意】本人に十分な説明のうえ、研究協力の同意を文書で得た。また、研究に参加しなくても何ら不利益を受けないこと、一旦承諾してもいつでも中断できることを保証した。関西福祉科学大学倫理審査委員会の承認を得た。承認番号【1601】
著者
田巻 加津哉 多田 知史 田村 將悟 有末 伊織 米田 弘幸 米田 俊一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.E-212_2-E-212_2, 2019

<p>【はじめに・目的】</p><p>渡邊は、前頭葉症状ともいわれる社会への不適応行動は社会復帰を阻害する大きな問題となると述べている。今回、自己抑制が不十分であった急性期の脳卒中患者2名に対して行動変容療法を実施し、前頭葉機能検査や高次脳機能検査などの客観的な評価を示すことにより、早期からの介入方法の一助とすることを目的とする。</p><p>【症例紹介】</p><p>症例A:50歳代前半、男性、仕事は輸入商社事務。X日に右被殻出血、血腫脳室穿破にて救急搬送、入院となる。入院時(X日)はJCS100、左上下肢BRSⅠ。同日内視鏡下血腫除去術施行し、X+5日にドレナージ抜去となる。合併症として急性水頭症、症候性てんかん、不安神経症等がみられた。</p><p>症例Bは40歳代前半、男性、仕事は税理士。Y日に飲酒後階段から転落され、頭蓋骨骨折、外傷性クモ膜下出血にて入院となる。入院時(Y日)はJCS100、左上下肢BRSⅣであった。Y+4日に右前頭側頭開頭術・脳内血種除去術施行。合併症としては脳浮腫がみられた。</p><p>【経過】</p><p>症例A:X+2日に理学療法開始し、JCS2~3、BRS左上下肢Ⅴ、バレー徴候陽性、感覚障害なしであった。X+14日頃より、出勤を希望する旨の訴え頻回にあり。これに対し、病状の説明と短期目標の明示の反復や、アンガーマネジメントを参考にした指導を行うことによって、適応行動が増えるように試みた。X+21日にHDS-R27点、FAB16点、浜松式高次脳機能検査(以下、浜松式)は全領域で軽度低下、T字杖歩行軽介助であった。X+28日に浜松式で即時記憶・注意障害等で改善傾向であったが、夜間無断外出の未遂や不穏行動がみられた。その後徐々に減少し、X+32日より病棟内独歩が可能となった。X+51日に他院の回復期へ転院し、X+70日頃より徐々に職場復帰した。</p><p>症例B:Y+1日に理学療法開始し、JCS20、左上下肢BRSⅣ、遂行機能障害・注意障害等がみられた。Y+7日に独歩は困難で、「海外に友達がいるので大丈夫」など、状況にそぐわない言動が多く見られる。Y+14日にHDS-R20点、FAB11点、浜松式はdual taskや概念化等が低下し、歩行軽介助であった。この頃より、病状の説明と短期目標の明示の反復や、オセロ他の決められたルールに則る作業を通して、適応行動が増えるように試みた。Y+20日に、HDS-R24点、FAB15点、浜松式は語想起等が改善した。Y+38日では不適応行動の減少みられ、語想起改善の著明となる。Y+46日に自宅退院し、徐々に職場復帰を開始し、Y+100日頃からフルタイム勤務となった。</p><p>【考察】</p><p>今回、行動変容療法として急性期から可能な範囲で自己抑制課題を提供し、それに対して適切なfeedbackにより正の強化因子を提供した。行動変容療法を行ったことに加え、本症例2名は年齢が若く、FABがカットオフ値の11点(長船ら、2014)よりも高い値であった。そのため、病棟内の不適応行動の減少がみられ、最終的に高度な処理や管理を必要とする職場復ヘ帰を果たすことができたと考えた。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は脳神経外科 日本橋病院の倫理審査の承認を得ている.カルテや画像所見等から知り得た個人情報は、個人が特定できないように配慮した。 また個人情報に関するデータを院外に持ちだす際には、パスワードを掛けるなどの配慮を行った。本研究は後ろ向き研究であり、退院した2名の対象者には研究の趣旨や内容を電話と書面にて説明し,今回発表することの同意を書面にて得た。</p>