著者
岡井 治 多気 昌生 望月 篤子 西脇 仁一 森 卓二 藤尾 昇
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.271-278, 1979-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21
被引用文献数
5 1

低周波音 (8~50Hz; 105dB) における人体の反応を評価した. 低周波音は, 直接外気に接する聴覚器, 前庭器, 呼吸器に作用するものと思われる. そこで, 低周波音に全身曝露して人体反応を調べ, 次の結果をえた.i) 低周波音に敏感な人は, 閾値が低くかった. もっとも, 多くの人では, 他の報告と同じ閾値をもっていた.ii) 閾値付近で脳波の振幅が減少した.iii) 心拍数, 呼吸数は減少傾向を示した. 肺循環脈波は振幅が増した.iv) 血圧および身体の動揺は一定の傾向を示さなかった.
著者
信岡 祐彦 望月 篤 伊野 美幸
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.17-18, 2016

<p></p><p> シネメデュケーションの題材として, 落語を取り入れることの可能性について検討した. 医学部学生を対象としたプライマリ・ケアに関する授業の中で落語「死神」を鑑賞し, 人の寿命をどう考えるかを中心に考察してもらった. 授業後の印象では, 学生にある程度のインパクトを与え, 将来の診療に役立つような考察ができていると推察され, 導入した目的はおおむね達せられていると考えられた. 今回の経験から, 落語は演目を選べばシネメデュケーションの題材としてその効果を十分期待できるものであり, 今後試みてもよい手法と思われた.</p>
著者
清水 潮 相磯 和嘉 清水 亘 望月 篤
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.109-115, 1969-01-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1

Microbiological examination of a curing brine of Kusaya showed that a species of halophilic corynebacteria which was given the name Corynebacterium kusaya predominated in the brine. A description of the species was given. An experiment with an artificial Kusaya brine suggested that the preserving effect of the Kusaya brine could be ascribed to the presence of this organism.
著者
日本医学教育学会 卒後・専門教育委員会 安井 浩樹 青松 棟吉 石原 慎 小西 靖彦 清水 貴子 高橋 弘明 高橋 誠 中川 晋 望月 篤
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.207-211, 2018-06-25 (Released:2019-05-23)
参考文献数
16

地域医療研修は2004年に卒後臨床研修制度が開始されて以来, 必修分野として現在に至っている. 研修の現場は, へき地や遠隔地の診療所から市街の保健所まで多岐におよんでいる. 地域医療研修を充実させ, よりよい研修医を育てるためには, プログラム責任者の役割が重要である. 震災被災地での地域医療研修や, 北海道と鹿児島の研修医の交換研修などユニークな研修も行われている. 充実した地域医療研修は, 地域でもとめられ世界的にも注目される, 持続可能で新しい日本の保健医療システムをつくるための人材育成に不可欠である.
著者
濱 侃 田中 圭 望月 篤 鶴岡 康夫 近藤 昭彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<b>Ⅰ</b><b> はじめに</b><br> 現在,農地を小労力,低コスト,低環境負荷で適切に管理するための作物の生育に関するデータの取得方法として,Unmanned Aerial Vehicle(UAV)を利用した近接リモートセンシングの活用が検討されている。そこで,衛星(特に光学衛星)を用いたバイオマス計測をはじめとした植生モニタリングの知見が応用され,施肥量の調整といった実利用を目的とした研究が進められている。これらのUAVを用いた観測データは,農家にとっては生育調整などに利用でき,同時に,搭載するセンサー次第で任意のデータを高頻度に取得可能なオンデマンド型リモートセンシングとして植生モニタリングに利用することができる。<br>本研究では,水稲を対象にUAVを用いた植生モニタリングを行い,高い時間および空間分解能の画像の取得に基づくフェノロジー観測,生育量の推定を試みた。<br><b><br> Ⅱ</b><b> 研究手法</b><br><b>☐</b><b> </b><b>フィールド観測</b><br> 千葉県農林総合研究センターの水稲試験場において,2014年,2015年の2年間,水稲の生育期間を中心におおむね週1回間隔で観測を行った。試験圃場は,2筆の水田を48区画に細分し,移植時期(全4期),品種(コシヒカリ,ふさおとめ,ふさこがね),施肥量(3~10gN/m&sup2;)を変えている。観測には,小型UAV(電動マルチコプター),可視光撮影用と近赤外撮影用のデジタルカメラ(可視画像:RICOH社 GR,近赤外画像:BIZWORKS社 Yubaflex)を用いて対地高度50mから空撮を行った。水稲の生育状況の実測データは,千葉県農林総合研究センターの観測値を使用した。<br><b>☐</b><b> </b><b>画像解析</b><br> オルソモザイク画像,3次元地表面モデルは,複数枚の重なり合う画像から自動でオルソモザイク画像,3次元地表面モデルを作成可能なSfM/MVSソフトウェアPhotoScan<br>Professional v1.2(Agisoft社)を用いて作成した。なお,近赤外撮影用カメラで撮影した画像は専用ソフト(Yubaflex2.0)で放射輝度に変換後,SfM/MVSソフトウェアを使用した。その後,植生指数(正規化差植生指数(NDVI)など)を計算し,植生活性度の計測および生育パラメーターの推定に使用した。なお,これらの情報をGIS(地理情報システム)上に集積し,時空間変化の解析を行った。<br><br><b>Ⅲ</b><b> 結果・考察</b><br> NDVIpvの時系列変化は,移植から出穂にかけて値が上昇し,その後登熟にかけて下降を示し,ピークの時期はほぼ出穂期と一致する。また,移植時期の差によるフェノロジーの差も,時系列変化に表れた。移植時期が遅いほど,出穂までの生育期間が高温になることで生育速度が早くなり,移植からNDVIpvのピークまでの期間が短くなった。移植時期が4月初旬と6月初旬で,その差は最大で24日となった。また,移植時期が遅いほどNDVIpvの最大値も高くなり,植生の活性度は高くなった。しかし,収量は増加せず,それらの区画では,重度の倒伏が確認され,過剰な生育の影響が示唆された。<br> 植生指標を用いて,出穂前(追肥の適期)の水稲の生育パラメーター(草丈,LAI)の推定を行った結果,草丈では特に推定精度が高く,平均二乗誤差は約5cmとなった。また,3次元地表面モデルから求めた草丈と実測した草丈を比較した結果,決定係数(R<sup>2</sup>)は0.82と高く,3次元地表面モデルを草丈の計測に使用できることがわかった。これらの草丈計測・推定手法の応用としてコシヒカリにおける倒伏予測を行った結果,予測エリアと実際の倒伏エリアは概ね一致した。
著者
清水 亘 望月 篤 清水 潮 相磯 和嘉
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.1143-1146, 1967-12-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
2

Kusaya is a special salted-dried fish originated a few hundred years ago in the island of Niizima, off the south coast of Izu Peninsula, Japan. A peculiar feature of the product is long, successive use of its curing brine with occasional addition of concentrated salt solution: some of the brines are said to have been used for more than four hundred years. Although Kusaya (lit. smelt fish) has a strong, fermentation odour, its excellent taste has been much prized by consumers. The chemical analyses of a brine revealed that it contains less than 4% salt and 490mg% volatile basic nitrogen. The pH value of the brine was 7.80. In spite of the low salt concentration of the brine, filleted jackmackerel which had been dipped in the brine for 24 hours showed a marked delay in the development of volatile basic nitrogen during subsequent storage. A mild taste and good texture of the product owing to the low salt concentration would be responsible for the appraised quality of Kusaya. The possibility of the occurrence of special microorganisms which might contribute the preserving effect of the brine was discussed.