著者
ますとみ けい 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.1D3OS29b3, 2017 (Released:2018-07-30)

物語の基本構造を抽象化するため、星新一のショートショート200作品のオチを分類し、逆転的事象の種類と要因を記述したデータ構造を作成した。オチの分類タグとして[状況設定判明][正体判明][利益喪失]など20前後、逆転のタグとして[人物の立場:被害者>加害者]など10前後を用意し、ケーススタディ分析を行った。今後タグの内容を精査し物語自動生成プログラムの基礎データとする。
著者
村井 源 松原 仁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本論文では将来的な人工知能による自動的な物語生成のために,機械可読な形式での物語構造のデータベース化のためのデータ構造とその活用法について検討する.データの構造化にあたっては,物語の展開の巧みさによって面白さを感じさせる,物語構造を活用したオチの記述とデータ化を中心とする.ケーススタディとして星新一のいくつかのショートショートの物語構造を記述し,アルゴリズムでのオチ抽出が可能か検討する.
著者
松原 仁 佐藤 理史 赤石 美奈 角 薫 迎山 和司 中島 秀之 瀬名 秀明 村井 源 大塚 裕子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

人工知能の新しいグランドチャレンジとしてコンピュータに星新一のようなショートショートを創作させるプロジェクトを開始した。知性を理性と感性とに分けるとこれまでの人工知能はもっぱら理性を対象としていたが、ある程度理性はコンピュータに扱えるようになってきた。芸術作品の創作ができればコンピュータにも感性が扱えると示せたことになると考える。ここでは本プロジェクトの概要について述べる。
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.23-43, 2012-03-26 (Released:2012-06-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.総合的芸術作品である映画と演劇の批評文を対象として,抽出対象を人名と作品名に絞り分析を行った.結果として頻度分析とネットワーク分析で批評における人物の重要性やグループの傾向,他分野との関わりの相違が明らかとなった.またスタッフのデータベースの利用により,語られる固有名詞の批評文中での意味と機能の傾向が抽出された.
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.279-284, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.本研究では批評文中の人名と作品に絞り,総合的作品である映画と演劇の批評において,誰についてどの作品について中心的に語られる傾向があるのかを計量し,カテゴリー分類と共起分析を行った.結果として演劇批評は集中的であり,映画批評は分散的・個別的であること,また演劇批評は強い芸術的指向性を持つことが明らかになった.
著者
河瀬 彰宏 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.138-143, 2009-05-16
参考文献数
4
被引用文献数
1

音楽の様式は刻一刻と連続的な変化を遂げていくため,これらに対して,音楽美学や音楽史学において議論されるような区分,例えば,古典主義音楽,ロマン主義音楽といった確定的な定義を与えることは難しい問題である.しかしながら,時代によって特徴や差異が確認されることは否めない.本研究では,音楽概念を構造的に抽出・体系化することで,音楽概念がどのような差異・変遷をもつものか検討する.具体的には,音楽評論雑誌『ポリフォーン音楽評論の開かれた場』全13冊から,言及対象が20世紀以前の西洋音楽に該当する記事と,20世紀以後の西洋音楽に該当する記事とに試験的に分類し,ネットワーク分析を用いて語彙間の共起関係からそれぞれの音楽評論の思考の中心概念を構造的に抽出する.結果,前者は「世紀」「時間」,後者は「音」「主義」を音楽概念の中心性に強く据えていることが確認された.
著者
徃住 彰文 村井 源 井口 時男 モートン リース 高岸 輝
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

人類が蓄積してきた膨大な知識資源を効果的に利用する方策のひとつとして,人間の知的活動や感性的活動にできるだけ近似した知識表現形を機械可読な形で提供したい.文学,芸術,政治,宗教といった,人間の能力の最高の活動場面で流通している言語テキストを対象としてオントロジーの構築を試み,多分野,多言語における検討をおこなった.
著者
河瀬 彰宏 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.138-143, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)

音楽の様式は刻一刻と連続的な変化を遂げていくため,これらに対して,音楽美学や音楽史学において議論されるような区分,例えば,古典主義音楽,ロマン主義音楽といった確定的な定義を与えることは難しい問題である.しかしながら,時代によって特徴や差異が確認されることは否めない.本研究では,音楽概念を構造的に抽出・体系化することで,音楽概念がどのような差異・変遷をもつものか検討する.具体的には,音楽評論雑誌「ポリフォーン 音楽評論の開かれた場」全13冊から,言及対象が20世紀以前の西洋音楽に該当する記事と,20世紀以後の西洋音楽に該当する記事とに試験的に分類し,ネットワーク分析を用いて語彙間の共起関係からそれぞれの音楽評論の思考の中心概念を構造的に抽出する.結果,前者は「世紀」「時間」,後者は「音」「主義」を音楽概念の中心性に強く据えていることが確認された.
著者
大田 翔貴 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.301-306, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
5

物語研究は従来,幅広く行われており,物語の一ジャンルである怪談に関する研究も,書籍を対象として実施されてきている.近年,怪談は書籍作品だけではなく,インターネット上に投稿されるWeb作品としても流布されている.そこで本研究では,インターネット上に投稿されている怪談に着目して,物語構造分析を行った.また,先行研究で分析が行われた書籍怪談の物語構造と比較を行うことで,媒体の違いにおける怪談の物語構造の差異を明らかにした.
著者
森本 大翔 村井 源
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.123-128, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
33

従来のゲームの種々の要素に関する自動生成技術は,研究段階にとどまらず商品化などにも応用されてきている.しかし,既存の物語の続編を自動生成する試みはゲームにおいても他のメディアにおいてもほとんど行われていない.本研究では,人気のある続編の共通性や,ユーザーが前作の続き として続編を受け入れる条件などを明らかにした.具体的には,続編に評価軸を設け,選定した作品に対し評価軸が前作とどの程度合致するかを問うアンケートを行い,その結果によって続編の基準を設定し,続編と認められた作品に関して分析を行った.また,ロールプレイングゲームとシューティングゲームの続編のそれぞれの特徴を分析し,その違いを明らかにした.
著者
大田 翔貴 村井 源
雑誌
じんもんこん2022論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, pp.85-90, 2022-12-02

怪談作品は古くから存在し、 怪談にまつわる研究もまた古くから存在している. 本研究は, 怪談 を読むことで感じる奇妙さや怖さの要因を解明するため, 怪談に登場する怪異という特徴的なキャラ クターに着目して怪異の特徴分析を行った. また, 分析の一つとして怪異特徴について Web上に投稿 されている怪談と書籍として販売されている怪談の比較も行った. 分析には,N-gram 統計や因子分析 を利用し、結果として怪異の行動パターンやメディア間で生じる怪異特徴の差異が明らかになった.
著者
中村 祥吾 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.1P1GS1005, 2022 (Released:2022-07-11)

物語の自動生成では計量的な構造分析に基づく手法などが試みられてきた.しかし従来の対象は短い物語パターンのみであり,複数の起承転結のパターンを複合した複合的構造の分析とその応用は,ロールプレイングゲーム(RPG)のジャンルを除きほとんど行われておらず,また複合的構造の多様性や時系列的変化は明らかになっていない. 本研究では,高評価のRPGシリーズを対象として,物語構造分析と並行して物語中の複数の起承転結のパターンの連続・入れ子・並列関係のデータ化を行った.シリーズ間を比較した結果,ドラゴンクエストは、人物変化、世界設定開示など冒険型の展開が多く,ポケットモンスターは能力向上、障害撤去、戦いなど戦闘型の展開が多かった。一方でファイナルファンタジーは能力低下、逃亡、災難などネガティブイベントが多く対象年齢の高さがうかがわれた。 複合的構造の時系列的変化はシリーズ共通で序盤・中盤・終盤に3構造に分かれ,中盤では多段の入れ子や並列構造によって複雑かつ自由度の高い物語を提示する特徴が明らかになった.本研究の成果はユーザー層に合わせた長編作品の自動生成などの基盤として活用可能と考えられる.
著者
村井 源
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.157-164, 2020-12-05

複雑な物語構造をもった物語ジャンルに対して,基本的な物語のパターンの重ね合わせとして物語構造をデータ化する手法を提案した.また提案手法を用いてブラック・ジャック98話の構造を43種類のパターンで記述し,パターンの共起から7つの因子を抽出した.さらにこれらの抽出結果に読者の人気投票を合わせて用いることで,読者の評価に強く影響する物語の要素を計量的に特定した.
著者
松田 雛乃 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.289-296, 2020-05-23 (Released:2020-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では日記の重要性に着目し,書き手の属性による文体特徴の差異の分析を行った.ブログから文章を収集し,文体特徴を示す単語を抽出した.tf-idfを用いて作成した単語ベクトルで因子分析を行い,老年男性・老年女性・若年男性・若年女性の4カテゴリの文体特徴を分析した.その結果,属性による文体の差異が判明した.また,全カテゴリ共通の文体特徴などが見られた.
著者
逢坂 駿也 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.283-288, 2020

<p> 本研究では,物語から登場人物の感情状態を抽出するため12 種類の感情に分類した感情語の辞書を構築した.分析対象として「キノの旅-the Beautiful World-」という小説を選択し,辞書を用いて感情語を抽出した.感情語の抽出回数を多次元データとして扱い因子分析をかけた結果,皮肉な物語の因子・意外性の強い物語の因子・悲喜劇的な物語の因子の3 つに分類された.また各因子での登場人物の役割ごとの感情の差異を抽出した.</p>
著者
村井 源 松本 斉子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
2022

<p> 本研究では日本語の自称詞,対称詞の表現の多様性に着目し,話し言葉と書き言葉でどのような用いられ方をするか統計的な分析を行った.また,自称詞,対称詞が発話文中で果たす役割を調査するため発話文の語用論的機能を分類し,呼称との関係を分析した.結果として,書き言葉では呼称の頻度が高くまた語彙も豊富であるが,呼称利用のパターンと役割に関しては話し言葉と書き言葉の発話文で大きな違いないことが明らかになった.</p>
著者
山内 拓真 根本 さくら 長野 恭介 中村 祥吾 斉藤 勇璃 宇田 朗子 村井 源 迎山 和司 田柳 恵美子 平田 圭二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

本論文では,与えられたゲームシーンに対し自動的にBGMを選曲するシステムについて述べる.本システムは,RPG自動生成システムの一部として機能することが想定されており,自動生成されたゲームシナリオが入力されると,各ゲームシーンの感情状態に合致したBGMをデータベースから選択する.まず,既存RPGにおける各シーンにユーザが感情状態をタグ付けして訓練データを作成する.各シーンに付与されているBGMの音響特徴量を算出し,ニューラルネットワークを用いて,その音響特徴量と各シーンの感情状態の対応関係を学習する.シーンの感情状態を表す指標にはHevnerが定義した音楽心理カテゴリを用いた.予めBGM候補となる楽曲群データベースを用意し,それらの音響特徴量を算出しておく.ゲームシナリオで指定されたシーンの感情状態がニューラルネットワークに入力されると,対応する音響特徴量が得られ,音響特徴量の類似した楽曲がBGM候補群の中から選択される.現在,RPG自動生成システムに組み込んで全体動作を確認しており,被験者実験の準備を進めている.
著者
豊澤 修平 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.3D4OS12c02, 2021 (Released:2021-06-14)

物語の自動生成にはその物語を構成するプロットを作成し,それを元に文章を生成する必要がある.また,物語のプロットを自動生成する段階で意味の通る内容にする必要もある.物語の面白さの一つとして意外性のあるオチが挙げられる.意外性のあるオチを生成するにはプロット作成する段階でオチをプロットに組み込まなければならない.意外性のあるオチを含む作品として星新一のショートショートが挙げられる.星作品に関してはいくつかのテーマにおいてオチの詳細なパターンが明らかになっている.加えて,パターンを構成する要素の分類やその要素の持つ機能・文脈依存性・文章表現を構造化されたデータとして抽出可能であることも明らかになっている. 本研究では先行研究で明らかになったオチのパターンと要素を利用してオチを含む物語プロットの自動生成を行った.具体的には「強盗・泥棒・詐欺・囚人」のテーマから2つのパターンを利用し,それらパターンに代入可能な要素168個のデータを利用して自動生成するアルゴリズムを作成した.今後,星新一の代表的なジャンルであるSFのパターンに代入可能な要素のデータ化と自動生成を行う計画である.
著者
豊澤 修平 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3L3OS22a03, 2019 (Released:2019-06-01)

本論文では星新一のショートショートにおけるSFジャンルのオチに至る物語構造の分析をするために,古典的なプロット分析を利用しオチパターンの抽出を行った.物語自動生成にはまずプロットを作製しこれを文章化する過程を必要とする.オチに至る物語構造を分析することにより,より自然な物語の自動生成を実現できる可能性がある.星新一の代表的なジャンルであるSFから「宇宙」,「薬」,「自動装置・発明・コンピュータ」,「ロボット」に作品を限定しオチのパターン化と必要条件,前提条件の抽出を行った.結果として各テーマにおける特徴的なパターンの抽出を行うことができた.テーマのパターン化及び必要条件と前提条件の記述の統一化と抽象化の結果を用いることで,今後より星新一らしい自然な物語の自動生成が可能になると考えられる.