著者
福井 真理子 阪口 紗季 松下 光範
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-39, no.1, pp.1-8, 2016-03-09

本研究では,実物体に映像を足し合わせることによって,秘匿された情報を視覚化する手法を提案する.提案手法では,錯覚を応用したエンタテインメントであるスキャニメーションの技法をプロジェクションマッピングに応用する.それによって,実物体の外観に付与されたパタンに対し,プロジェクタからの投影映像のパタンを重畳することによって,情報を視覚化することを可能とする.これにより,それぞれ単体では意味をなさない物体の外観と投影映像が重なり合ったときにのみ,意味のある情報として視覚化できるといったインタラクションが実現できる.
著者
阪口 紗季 白水 菜々重 島田 さやか 松下 光範
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2016-DCC-13, no.7, pp.1-8, 2016-05-23

パーソナル・ファブリケーションの発展に伴い,人々の DIY によるものづくりに対する関心が高まっている.一方で,ものづくりをするためにはまず知識や技術を習得する必要があり,初学者にとっては未だ敷居が高いものとなっている.こうした背景のもと,本研究では,初学者でも既に持っている知識や経験に基づいて電子工作を体験することができるキット “Haconiwa” をデザインしてきた.このキットでは,電子部品の外観が人形や模型といった,初学者にとっても馴染みのあるものに置き換えられており,各部品の接続部にはスナップボタンが採用されている.これにより,初学者にとって初見では難しいと感じる電子部品の見た目や操作を排除し,電子工作に対する抵抗をなくすことをねらいとしている.Haconiwa のハンズオン展示におけるユーザ観察と使用感に関する評価実験からは,電子工作初学者のユーザでも電子回路を完成させることが可能であることや,既存の手法に比べて導入のしやすさにおいて優れていることが示唆された.
著者
山西 良典 松下 光範 上野 未貴
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-11-01
著者
山下 諒 朴 炳宣 松下 光範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-D_1-11, 2017

<p>The purpose of this research is supporting information access based on the contents of comic books. To meet this purpose, it is necessary to obtain information related to the story and the characters of a comic. We propose a method to extract information from reviews on the Web by using term frequency-inversed document frequency (TFIDF) method and hierarchical Latent Dirichlet Allocation (hLDA) method, which intends to solve the problem. By using these methods, we build a prototype system for exploratory comic search. We conducted a user study to observe how a participant use the system. The user study showed that the system successfully supported the participants to find interesting unread comics.</p>
著者
山下 諒 朴 炳宣 松下 光範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-D_1-11, 2017-01-06 (Released:2017-01-20)
参考文献数
29

The purpose of this research is supporting information access based on the contents of comic books. To meet this purpose, it is necessary to obtain information related to the story and the characters of a comic. We propose a method to extract information from reviews on the Web by using term frequency-inversed document frequency (TFIDF) method and hierarchical Latent Dirichlet Allocation (hLDA) method, which intends to solve the problem. By using these methods, we build a prototype system for exploratory comic search. We conducted a user study to observe how a participant use the system. The user study showed that the system successfully supported the participants to find interesting unread comics.
著者
白水 菜々重 松下 光範 花村 周寛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.1, pp.3-16, 2014-01-01

本研究の目的は,通い慣れた場所や見慣れた風景に対する認識を異化し,新たな気づきを促すことによって,その環境に対する認識の深化や新たな発見を促す仕掛けを確立することである.その実践として,大学生を対象にキャンパスを「楽園」に見立てたガイドマップを作成させるワークショップをデザインした.ガイドマップを作成する過程にはフィールドワークや情報の収集が含まれており,これらを通じて知識が得られるような仕掛けが施されている.本論文では,学生らのキャンパスに対する意識や理解の変化について考察するために,ワークショップの事前と事後にキャンパスに対する印象を尋ねるアンケートとキャンパスの認知地図を描画させるテストを実施した.その結果,学生らのキャンパスに対する印象は改善されたが,一方で認知地図に変化は見られなかった.
著者
松下 光範
出版者
日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、ユーザが多量のデータから有益な情報を見出すために行う探索的な分析行為を支援する技術の実現を目的としている。このような分析行為の支援の枠組みとして、ユーザが自然言語でシステムに質問し、システムが可視化表現(統計グラフ)でユーザに応答するインタラクションモデルを提案している。本年度は、(1)昨年度に試作したシステムを用い、被験者実験を行ってユーザの自己内省行為がシステムの操作にどのように現れるかにっいての分析、(2)テキスト情報と数値情報を併用した探索支援システムのモデル化と実装、を行った。(1)では、5人の被験者を対象として、10年分の売上高データの分析結果から今後の販売指針を立案するタスクを課し、その様子を観察した。その結果、被験者らは、探索過程で生じた疑問や得られた知見を振り返る際の手掛かりとして、付箋機能を用いてテキスト形式で外在化した表現だけでなく、オブジェクトの位置やサイズ変更といった操作で生じた視覚情報を用いられている様子が観察された。この結果から、外在化表現と内的資源(記憶)とを適切に対応させる枠組みが、探索的データ分析支援にとって重要であることが示唆される。また(2)に関しては、動向情報を対象とし、それに対するユーザの関心(e.g.,最近数ヶ月のガソリン価格の変化、ここ数年の携帯電話加入者数の推移)に応じて時系列数値情報を統計グラフ(折線グラフ)として描画し、その上に関連する言語情報をその内容に応じたアイコンの形式で協調的に提示する方法を提案した。このアイコンは言語情報へのポインタの役割も兼ねる。これにより、ユーザは描画されたグラフ自体を自分の知りたい情報の概観(要約)として利用できるだけでなく、興味を持った箇所についてどのようなことが述べられているかを背景となっている文書群にアクセスすることで参照できるようになっている。
著者
山下 諒 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

本研究の目的はコミックの内容を考慮した探索的検索支援システムの実現である。その実現には、コミックの設定や登場人物に関する情報などの内容情報を獲得する必要がある。提案手法ではWeb上のレビュー文に含まれる表層情報と潜在情報を抽出し、コミックに紐付けることでコミックの内容推測を容易にする。また、コミック同士の類似性に基づいて視覚化し関連性を俯瞰できるようにすることで、検索結果の直感的な理解を促す。
著者
白水 菜々重 花村 周寛 月川 香奈子 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究の目的は、"これまでにないガイドブック”を作成するワークショップを通じて、参加者の場に対する理解を深めさせることである。これは、風景や場所に対する固定化された参加者らの観念をずらすために、普段とは異なる視点を引き出すキーワードを与えて対象を見つめ直させることで、新たな気づきを促す仕掛けである。本稿では、2つの異なる条件下でのワークショップの事例を報告し、それらの実践で得られた知見を報告する。
著者
白水 菜々重 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年、イベント開催時にTwitterやUSTREAMといった即時性が高いWebサービスの利用が進んでいる。これらのサービスが、イベントを取り巻くコミュニティに与える影響を分析するために、TwitterでのRTやReplyの参照関係の分析およびアンケート調査によって、会場参加者とWebを介して視聴する遠隔地参加者のインタラクション、ならびに経時的なTwitterユーザの参加形態の変遷を観察した。
著者
松下 光範 馬野 元秀 鳩野逸生 田村 坦之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.988-997, 1996-06-15

Reteアルゴリズムをはじめとする従来のプロダクション・システムの高速化手法では ルールの条件部をデータフローネットワークに展開し 作業記憶要素をトークンとして流している.これらの高速化手法は有効であるが 作業記憶の更新が頻繁に起こるような場合には そのネットワーク中の定数をテストするノードにおいてまだ無駄な処理を行っている.そこでこの無駄な処理を解消するために マッチング候補の概念を用いたデータフローネットワークによる高速推論アルゴリズムを提案する.このネットワークでは Reteネットワークでは定数をテストするノードとして同一に扱われているノードをパターン間テストノードとパターン内テストノードに分類して それらの間にマッチング候補メモリノードを持つことで 無駄な処理を行うことを従来手法に比べて少なくすることができる. また マッチする作業記憶要素と条件パターンの組を少ない比較回数で特定するために ID3決定木作成アルゴリズムの考え方を用いたパターン間テストノード作成アルゴリズムを提案する.Some fast pattern matching algorithms have been proposed to improve the reasoning speed of production systems. In almost all of these methods, rule conditions are represented in a data-flow network and elements in a working memory flow through this network as tokens. These algorithms are effective, however, excessive constant testing still cannot be avoided for instances when the working memory must be frequently updated. This paper proposes a fast pattern matching algorithm for a production system. It uses an improved reasoning network employing matched candidates to circumvent such constant testing which is inherent in conventional networks. Using an example conventional network, the Rete network, we classify constant-test nodes into inter-pattern test nodes and intra-pattern test nodes. Then we introduce memory nodes for matching candidates between these test node classes. This is done in order to find unnecessary matching patterns more quickly. The ID3 algorithm is used to make an efficient inter-pattern test network which is capable of finding patterns in the rule conditions for the working memory element. This algorithm is implemented in Austin Kyoto Common Lisp (AKCL) and is applied to several rule bases with good results.
著者
寺島 亜耶香 上間 大生 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究の目的はディジタルコミックに対して動的な表現を付与できる制作支援システムの実現である。ディジタルコミックの普及は著しいが、その大半は紙媒体のコミックを電子化したのみに留まっている。ディジタル特有の表現方法が確立していない事や、その制作ツールが実現していない事がこの問題の大きな要因だと考えられる。この問題を解消するため、ユーザが描画する効果線を基に動的な音喩を付与できるシステムを提案する。
著者
松下 光範
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的はテーブルを囲む少人数参加者の合議に焦点を当て、知識の非対称性を有する参加者間のコミュニケーション様態と議論結果との関連性を明らかにすること、及びその協同を円滑に支援するためのテーブル型システム実現のためのデザイン指針を明らかにすることである。そのために、対面協調作業参加者の間のコミュニケーション行為に着目し、そこで行われるインタラクションの特徴を3つの実験を用いて観察した。実験の結果、(1)反射的応答を必要とする課題では、指を用いた直示行為の利用可否が発話内容と課題達成度に影響する、(2)熟考することが求められる課題では、他の参加者の非言語モダリティの参照可否は課題達成度に大きな影響を及ぼさない、(3)発話長や発話頻度は課題のタイプや非言語モダリティの利用可否に影響を受けない、(4)結合型課題では、グループ全体の効用が参照可能な状況下、かつ全ての参加者の代替案集合に対する評価が静的である場合に、より参加者全体にとって効用の高い案で合意できる可能性がある、ということが観察された。
著者
加藤 恒昭 松下 光範
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.553-562, 2007 (Released:2007-07-17)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

Information compilation is a novel technology that allows it to compile various information intelligently, and to make it easy to understand and to access. In this paper, as an instance of the possibilities of information compilation, we show a framework that extracts and visualizes given time-series information and its changes, and provides users with a multi-modal summarization and also an interactive interface for accessing that information. It can meet information requests, in which users need to comprehend some trend and movement, and access a series of documents containing specific time-series information related. We emphasis the importance of changes of data during some time period rather than data points, as the unit of information extracted and represented. Based on this idea, we propose a visualization method in which qualitative and quantitative characteristics of changes of a given time-series information are plotted with textually represented comments, and a widely applicable information extraction method that regards the changes of time-series information as information primitives and extracts those for the visualization.