著者
庄司 道彦 王 志東 高橋 隆行 中野 栄二
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.36-42, 2001
被引用文献数
1 6

不整地環境で二脚ロボットに継続的な作業を行わせるためには佇立能力の向上が不可欠である.奉研究では,非平坦面でも静定接地できる足底3点支持構造と,開脚時に支持多角形面積を大きく保つ効果のある,足関節の斜行ロール軸を提案する.
著者
高橋 隆雄
出版者
熊本大学
雑誌
先端倫理研究 : 熊本大学倫理学研究室紀要 (ISSN:18807879)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-17, 2010-03

1981年にイタリアの小説部門で最高のストレーガ賞を受賞した「薔薇の名前」は、イタリアの哲学者であるウンベルト・エーコの著作である。映画にもなったので観た人も多いだろう。中世末の北イタリアの修道院を舞台にして、皇帝とローマ教皇の世俗レベルでの争い、それを神学上の教義に移して繰り広げられる清貧論争、異端審問、複雑怪奇な構造と謎に満ちた文書館、そして連続殺人とその謎解きは、神学上のまた現実の迷宮へと読者を誘ってやまない。本稿では、「薔薇の名前」に登場する清貧論争を権利概念の誕生史の中で捉えなおしてみたい。In one scene of the bestselling novel Il Nome della Rosa written by famous Italian philosopher Umbert Eco, the characters in the novel engaged heatedly in Apostolic Poverty Controversy. The issue of the argument was whether Jesus and the Apostles had propriety over their belongings. When we read the novel within the background of the history of human rights theory, e.g., within the context of Natural Rights Theories: Their Origin and Development, written by R.Tuck, we can find that at the dawn of human rights theory such a controversy in the late Middle Ages played a crucial role.
著者
小林 卓 高橋 隆一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.397-402, 2009-08-01

本稿では,まず,民族的,言語的,文化的少数者(マイノリティ)を主たる対象とする図書館サービスである多文化サービスの発展経緯を公立図書館,大学図書館それぞれについて,少し詳しく述べた後に,その意義について,1)知る権利,2)コミュニティの構成員としてのマイノリティ,3)人権の尊重,4)障害者サービスとの共通性,の4つの観点から論じる。続いてこの問題についての国際人権の動向や国際機関の動きを記し,それらを踏まえることの重要性に触れ,最後に,今後私たちが図書館関係者として,自分たちの関わるコミュニティ(地域・大学)において多文化サービスに関わっていく際に踏まえておくべきことについて提言を行う。
著者
高橋 隆一郎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.2095, 2020-11-30 (Released:2021-01-13)

2020年4月にCOVID-19感染拡大に伴う緊急事態宣言が発表され,多くの図書館が臨時休館した。本稿では,COVID-19感染第一波に直面したレファレンス担当者として見聞き・経験したCOVID-19関連資料の探索並びにオンラインレファレンスの経験の整理を通じて,図書館での資料・情報提供の意義を再確認する。さらにはこれからも私たちと感染症との闘いが続いていくことを踏まえ,今回の経験から今後に生かしていくべきことを考察する。
著者
高橋 隆宜 井上 健太郎 森 一彦 宮野 道雄
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.677-681, 2012 (Released:2013-01-30)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

〔目的〕本研究の目的は,歩行環境が虚弱高齢者の歩行動作に与える効果を検討することであった.〔対象〕実験参加者は15名の高齢女性であった.〔方法〕実験環境は,「手の届く範囲に壁がある」条件(条件①)と「手の届く範囲に壁がない」条件(条件②)で5 mの距離を自由歩行することであった.測定指標は身体加速度と身体動揺量,歩行速度とした.身体加速度より歩行時の動きの強度を算出し,その平均値を用いて動きの強度の弱群と強群に分けた.〔結果〕条件②では,強群は弱群に比べ身体動揺量が大きくなり,歩行速度も速かった.条件①では,弱群と強群に身体動揺量の差は確認されなかった.〔考察〕動きの強度に関わらず,手の届く範囲に壁がある歩行環境は虚弱高齢者の身体動揺量を軽減させ,転倒のリスクを軽減することが示唆された.
著者
石原 明子 奥本 京子 松井 ケティ 浅川 和也 アーノルド ミンデル エイミー ミンデル カール スタファー ダリル メーサー 高橋 隆雄 広水 乃生 桐山 岳大 梁 ビキ 石田 聖 田辺 寿一郎 李 ジェヨン
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

第一に、紛争解決の理論・手法同士の関係性について「紛争を構成する要素」「要素に対応した解決理論」「解決を実践するための手法」という観点から整理し、多様な紛争事例に対応できる「戦略的紛争解決」という枠組みを創出した。第二に、欧米で発展した紛争解決の手法をアジアや日本で活用する場合の適用可能性に関して日中韓等の方に質問紙調査を行い、知見を得た。第三に、原発災害被災者の家族や地域内での人間関係の葛藤のケアと変容支援のためアクション・リサーチを行った。「福島の若手らの水俣訪問ツアー」等を実施し、環境災害からの人生と地域再生に向けた日本型の修復的正義プロジェクトの一つのモデルが形成された。
著者
久保田 謙作 高橋 祐 高橋 隆男 南雲 一也 伊藤 正喜
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_227-I_232, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
4

消波ブロックの安定性については,海岸構造物を保全するうえで最も重要な要素のひとつであり,これまで水理模型実験など多くの研究が行われ,それにより求められた安定数算定式は設計手法として一般的に用いられるようになっている.一方,厳しい海象による海岸構造物の被災は留まることはなく,特に,最近の異常気象による被災は大きく,現地に応じた波浪対策設計が求められている.本研究では,被災した消波ブロックの詳細な現地調査を行い,既往の安定数算定式から算出された数値との比較評価により適用性を確認するとともに,近傍のナウファスデータを換算して波浪データに用いる手法を示している.これらについては,当海岸と同様な急勾配で岩礁を有する礫海岸での設計検討において大いに参考となるものと考えられる.
著者
高橋 隆雄
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.98-105, 2009-09-22 (Released:2017-04-27)
参考文献数
12
被引用文献数
1

臨床倫理支援を対象とする倫理委員会の主要な役割は、医療現場で判断しきれないことを法やガイドラインにもとづいて適切に判断することである。その内容は、法やガイドラインの適用に関することや、倫理的原理の間に生じる葛藤の解消などである。ここでは、知識と経験豊富な複数のメンバーによる議論は妥当な結論を導くという、現代版の「理性への信頼」が前提とされている。倫理委員会ではマニュアルを作ることが倫理学上も必要であるが、それに頼りすぎると判断が硬直化する。委員会は、状況に応じた適切な判断をするという一種の「徳」を要求されており、自らの判断能力を常に向上させなければならない。また、倫理とは本来つねに動的なのであり、倫理委員会は法やガイドラインに依拠しながら、それら自体の適否を問うようにもなるだろう。法に従う有徳な人々が社会を通じて法を改正するように、倫理委員会はネットワークを充実させることで、法やガイドラインの改正に働きかけることができる。
著者
高橋 隆
出版者
平安女学院大学
雑誌
平安女学院短期大学紀要 (ISSN:02870878)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.17-32, 1988
著者
堀井 周文 小此木 明 高橋 隆二 鎌倉 浩之 袴塚 高志 合田 幸広
出版者
一般社団法人 日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:13499114)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.46-57, 2020-02-20 (Released:2021-03-11)
参考文献数
29

Our previous studies [Horii, C., et al., Shoyakugaku Zasshi, 68(1), 9-12 (2014); Shoyakugaku Zasshi, 69(2), 59-65 (2015); Shoyakugaku Zasshi, 68(2), 65-69, (2014); Shoyakugaku Zasshi, 73(2), 73-83 (2019)], in which bioequivalence between the Kakkonto /Shoseiryuto decoction and its extract preparation was evaluated, revealed that some components can be marker compounds for bioequivalence but not others. In this study, we selected Hachimijiogan containing benzoylmesaconine, benzoylhypaconine, and 14-anisoylaconine specified as marker compounds by the Japanese Pharmacopoeia for quantification for quality control, and evaluated these components as possible marker compounds for bioequivalence.Six healthy adult males were randomly divided into two groups, and an oral administration crossover study was performed. Changes in the plasma concentrations of 10 components (benzoylmesaconine, benzoylhypaconine, 14-anisoylaconine, alisol A, alisol A monoacetate, alisol B, alisol B monoacetate, loganin, morroniside, and paeoniflorin) were evaluated. As a result, the plasma concentration of each component in both the decoction and extract preparation varied among blood collection sites. A t-test revealed a significant difference (p<0.01) in the plasma concentration of benzoylhypaconine 4 h after administration, a significant difference (p<0.05) in the plasma concentration of alisol A monoacetate 1 h after administration, and a significant difference (p<0.05) in the plasma concentration of loganin 4 h after administration, for the decoction and the extract. However, significant differences in the plasma concentrations of other constituents were not noted for the decoction and extract.Alisol B and alisol B monoacetate could not be quantified due to an inadequate SN ratio (SN rate 10 or more). Analysis of variance for 8 components after excluding alisol B and alisol B monoacetate showed a significant difference (p<0.05) in the area under the blood concentration-time curve (AUC0-8) for benzoylmesaconine in the subjects’ neck. The preparation, time and subjects did not differ significantly as a factor, so the statistical power (1-β) was calculated (except for alisol B and alisol B). Both the peak plasma concentration (Cmax) and AUC0-8 values for all 8 components had inadequate (< 80%) statistical powers (1-β).Next, the number of subjects needed to achieve sufficient statistical power was estimated based on the obtained results. The statistical powers of both Cmax and AUC0-8 were adequate (≧ 80%) when the number of subjects (1 group) was ≧ 24 (1 group) for benzoylmesaconine, ≧ 25 for 14-anisoylaconine, and ≧ 24 for alisol A. On the other hand, the statistical power was inadequate even when the number of subjects was 61 (1 group) for benzoylhypaconine, alisol A monoacetate, loganin, paeoniflorin, or morroniside.The contents of alisols have been reported to vary in Alisma Tuber. Considering conversion due to metabolism, alisol A is also difficult to use as a marker compound. Therefore, in this prescription, benzoylmesaconine and 14-anisoylaconine may be appropriate marker compounds.
著者
中村 正彦 鈴木 豊 小林 真 友田 春夫 高橋 隆
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.104-111, 1988-01-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
13

いくつかの成分曲線が線形に重畳した曲線群から,成分曲線の形を仮定せずにもとの成分曲線を復元する新しい方法,すなわち最大エントロピー原理を基礎とした方法を心RIアンジオグラフィから得られる時間放射能曲線に適用した結果について報告している.まず最初に最大エントロピー原理について概説し,ついで核医学動態画像解析の理論的基礎として本論文で取り扱う問題の定式化を行っている.3番目に,未知混合曲線からもとの成分曲線を復元する方法すなわち最大エントロピー原理を基礎とした新しい方法について概説している.最後に,心RIアンジオグラフィへの適用結果について示している.関心領域としては,心臓全体をカバーするようにしたもの,右心室領域をカバーするようにしたもの,左心室領域をカバーするようにしたものの3種を設定し,これら3種の関心領域から得られる時間放射能曲線群に方法を適用して,成分数を変えた場合の復元結果の違い等について検討している.これらの検討結果より,ここに示した方法は注意深く関心領域を設定することなしに対象臓器の時間放射能曲線を復元することが可能であり,従来核医学動態機能検査の基本的問題点の1つであった対象臓器の時間放射能曲線に重畳する他臓器由来の時間放射能曲線の除去に対する1つの解決法になることが示唆されている.
著者
高橋 隆雄
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.21-39, 1981-11-30
著者
近藤 修平 Luis CANETE 高橋 隆行
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1P2-G03_1-_1P2-G03_4, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)
被引用文献数
1 1

In this paper, a control method for controlling the dual arm manipulator of the inverted pendulum type assistant robot while performing object hand over is presented. To reduce the complexity and increase the robustness, a partitioned control that separates the body and arm control while treating the other as a disturbance is proposed. To estimate the disturbances, the ESO is implemented on both subsystems. The development of the control and results of actual tests are presented.
著者
高橋 隆雄
出版者
熊本大学
雑誌
先端倫理研究 (ISSN:18807879)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.111-126, 2013-03
著者
田中 康博 瀬尾 龍太郎 永井 雄也 森 美奈子 戸上 勝仁 藤田 晴之 倉田 雅之 松下 章子 前田 明則 永井 謙一 小谷 宏行 高橋 隆幸
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.71-75, 2008 (Released:2008-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

症例は58歳の女性.31歳より全身性エリテマトーデス(SLE)および抗リン脂質抗体症候群(APS)のためprednisoloneとazathioprineを内服しSLEとAPSは安定していた.2004年10月,発熱を伴う感冒様症状が出現したので近医に入院.抗生剤は無効で血小板減少が出現したので,SLEの増悪との診断のもとステロイドパルス療法が施行された.しかし,汎血球減少へと進展したので当院へ転院となった.骨髄穿刺で血球貪食像が認められ,胸部CTで肺門部を中心とするスリガラス影が認められた.同日のcytomegalovirus (CMV) antigenemiaが陽性であった.以上より,CMV関連血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome ; HPS)およびCMV肺炎と診断.azathioprineを中止しprednisoloneを減量してgancyclovirを開始.これにより解熱し汎血球減少は改善した.現在,外来通院中でCMV感染の再発を認めていない.SLEなどの膠原病にCMV関連HPSを併発することは稀であるため報告する.