著者
岡本 隆
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.37-51, 1984

Nipponitesのら環のシミュレーションおよび標本の形態解析を行った結果, 次のような結論が得られた. (1) Nipponitesの巻きのパターンは全部で9つの係数を有する指数関数と三角関数の組み合わせによって説明することができる. (2) このパターンはx, y, zのどの成分についても原点を中心とした振動関数を示していて, しかも巻きの中心からら環中心までの距離Rの増加率が常に一定となるような, きわめて求心的な関数である. (3) Nipponites 3種(1変種)について, これらの変異を検討した結果, 巻きの基本的なパターンは種間でもほとんど一致していることが分かった. (4) これに対して種間変化の著しい形質は, i) ら環半径の長さに対する成長率とその初期値, ii) Uカーブの程度, iii) 変移点の現われる位置の3点である.これらの形質の違いは, "空間の占有率"に関して大きな差異を生じる原因となっている.
著者
岡本 隆明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.181-188, 2016-06-01 (Released:2016-06-01)

京都府立総合資料館では,所蔵している東寺百合文書の全点をデジタル化し,Webで公開している。利用を促進するため,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに依拠し,適切なクレジットを表示すれば自由に複製や再配布ができるという利用条件にしたことで,これまで東寺百合文書とはあまりかかわりのなかった分野からも関心を集めた。「『東寺百合文書』や古文書とはどういったもので,これまではどのように利用されていたのか」から始め,それをデジタル化してWebで公開し現在に至るまでの概要を紹介する。
著者
岡本 隆
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.37-51, 1984-11-16 (Released:2017-10-03)

Nipponitesのら環のシミュレーションおよび標本の形態解析を行った結果, 次のような結論が得られた. (1) Nipponitesの巻きのパターンは全部で9つの係数を有する指数関数と三角関数の組み合わせによって説明することができる. (2) このパターンはx, y, zのどの成分についても原点を中心とした振動関数を示していて, しかも巻きの中心からら環中心までの距離Rの増加率が常に一定となるような, きわめて求心的な関数である. (3) Nipponites 3種(1変種)について, これらの変異を検討した結果, 巻きの基本的なパターンは種間でもほとんど一致していることが分かった. (4) これに対して種間変化の著しい形質は, i) ら環半径の長さに対する成長率とその初期値, ii) Uカーブの程度, iii) 変移点の現われる位置の3点である.これらの形質の違いは, "空間の占有率"に関して大きな差異を生じる原因となっている.
著者
岡本 隆司
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.84-117, 1999-06
著者
東浦 幸平 岡本 隆
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.19-30, 2012-09-28 (Released:2017-10-03)
参考文献数
18

To restore the living attitude of Eubostrychoceras muramotoi Matsumoto, 1967, from the Upper Cretaceous of Hokkaido, Japan, computer simulations based on a newly developed hydrostatic model with hypothesizing negative buoyancy were carried out. The adequacy of restorations was tested by the inclination of ribs which depends tightly on the life orientation of the ammonite during growth. The results of computer simulations suggest that a rapid upside-down of the shell would take place at about one and a half whorls after the shell apex when the ammonite had a small and light phragmocone. This stage corresponds well to the changes in rib inclination observed in the actual specimens, whereas it is significantly late comparative to the previous calculation with hypothesizing neutral buoyancy. These results suggest that E. muramotoi was negatively buoyant and probably had a nektobenthic mode of life. Since the life orientation is essential information for living animals, ammonites would have used it as a "guide" for morphogenesis. The establishment of the new technique covering negatively buoyant shells enables us to make some farther computer simulations in order to understand the meanings of ammonites' shell forms.
著者
岡本 隆典
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.704-709, 1994-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

バイオリアクターによるビ-ル連続醸造に関する研究は1970年代前半から始まり, 数多くの研究結果が発表されている。しかし, 商業べースでの実用化はほとんど例がなく (ビールの後発酵工程で7インランドのビール工場が実用化している), キリンビールがサイパンにおいて世界で初めて主発酵も含めたビール醸造を連続発酵法により成功させている。バイオリアクターを用いると酵母密度等が従来の回分式発酵と大きく異なるため, 品質や成分も大きく影響を受ける。これらの問題点をどのようにして解決し, 実用化に槽ぎつけたか。その興味ある経過を解説していたたいた。
著者
岡本 隆寛
出版者
日本リハビリテーション連携科学学会
雑誌
リハビリテーション連携科学 (ISSN:18807348)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.11-22, 2020-06-30 (Released:2020-12-01)
参考文献数
36

【目的】地域生活する統合失調症者の利用する施設・就労状況の違いやセルフスティグマ, 対人関係因子と, リカバリーレベルとの関連を明らかにすることを目的とした. 【方法】デイケア, 就労継続支援A/B型事業所, 特例子会社を利用する342名を対象に, 日本語版 Recovery Assessment Scale によるリカバリーレベルと Link スティグマ尺度, 情緒的支援ネットワーク尺度, ピアサポート経験, 趣味, 病名開示などの個人属性を評価した. 【結果】統合失調症者のリカバリーレベルは, 利用するサービスや就労状況により差異がみられなかった. 重回帰分析では, 職場や友人/医療者からの高い情緒的支援の認知, 低いセルフスティグマ, 趣味, 高年代, 初診年代の低さが有意な変数として選択された. 【結論】就労の有無や利用施設の違いよりも, 他者からの情緒的支援やセルフスティグマの軽減がリカバリーを促進する可能性が示唆された.
著者
岡本 隆一 畑中 博文
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.208-216, 1981-06-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7

The Abo Tunnel is planning as a vehicular tunnel with a length of 4.3km from Takayama city to Matsumoto city. The area is occupied by Paleozoic clastic rocks and Quapernary pyroclastic rocks and lava. These rocks distributed in Nakanoyu hot spring, east. portal of this tunnel, were subjected to hydrothermal alteration. So following geological investigations have been conducted for the past 10 years.1) Survey on distribution characteristics of hydrothermal altered zones.2) Estimation of underground structure of hydrothermal altered zone by geothermal prospecting.3) Geophysical logging of vertical and horizontal drilling hole and laboratory tests of obtained core.The results are summarized as follows.1) The methods of 1) and 2) are effective at early geological survey stage.2) Geothermal zones are associated with hydrothermal solution and overheated vapour rich in poisonous gas. Geothermal gradient falls off in proportion to the distance from Azusa river bed.3) At the same point, the temperature measured in horizontal drilling hole is mostly higher than that of vertical drilling hole because of pressure depression. Long horizontal boring is necessary to estimate a discharge of hydrothermal solution.4) Along this tunnel, high-temperature zone is traceable for a distance of 1.5km, and there, the temperature reaches from 60°C to 90°C for a distance of 1.0km.
著者
岡本 隆
出版者
PALAEONTOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.154, pp.117-139, 1989-06-30 (Released:2010-05-25)
参考文献数
28

Nipponitesおよび近縁種Eubostrychoceras japonicumについて, 層序学的な形態変化をできる限り詳細に検討したところ, 各々の系統では, 時代と共に少しずつ, しかしながら段階的に殼表面の彫刻が変わっていくことが明らかになった。一方, Nipponitesの系統で最も原始的な形態型の殼彫刻やその他の形質は, 同時代のEubostrychocerasのそれと, ほとんど区別できない。両者は, 殼の三次元的構造が全く異なっており, これらの中間的形態も知られていないが, 前者は後者から派生したことが強く示唆される。本研究で示されたデータは, 先に筆者によって理論形態学的に帰結された, "Nipponitesは, Eubostrychocerasから全く突然に(中間型なしに)生じた"という仮説を, 比較形態学的および層序学的側面から支持するものである。
著者
岡本 隆司
出版者
慶應義塾福沢研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
no.28, pp.143-175, 2011

特集1 : 近代日本の外交はじめに一 「大君」の消滅二 明治維新と「独立」概念三 江華条約と「自主」概念四 「自主」の分裂五 朝鮮における「自主」の重層化六 「自主」の一元化まとめ
著者
岡本 隆司
出版者
講談社
雑誌
(ISSN:03850366)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.6-13, 2014-09
著者
川島 真 茂木 敏夫 岡本 隆司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本科研は、所期の計画に従って、主に以下のような事例研究を提示した。第一に、冊封や朝貢に代表される中国の諸王朝と周辺諸国との関係は19世紀末に終焉するが、その過程で、清と周縁諸国との冊封・朝貢関係が言わば近代的国家関係を利用しつつ再編されたことに関する事例研究を示すことができた。第二に、20世紀に入り、中国が19世紀以前の周辺諸国との関係を、ナショナリズムの動向や日本との戦争、その時々の外交政策などとも関連させながら、伝統的な周辺との関係として記憶化してきたことが事例研究で示された。
著者
大科 枝里 小林 正典 金城 美幸 中川 美奈 大塚 和朗 赤星 径一 田邉 稔 松木 裕子 小林 大輔 岡本 隆一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.119, no.7, pp.683-691, 2022-07-10 (Released:2022-07-11)
参考文献数
24

52歳,女性.胆道閉鎖症にて生後120日で胆囊十二指腸吻合術が行われた.反復する胆管炎に対して内視鏡治療を行った際の胆汁細胞診でClass Vが検出された.マッピング生検で胆囊管肝管合流部に癌を確認し,肝外胆管切除術,胆管空腸吻合術を行った.胆管癌はBilIN-3までの粘膜内癌でR0切除であった.胆道閉鎖症に対する胆囊十二指腸吻合術はまれで,術後長期の胆管癌合併の報告はなく,文献的考察を加えて報告する.
著者
岡本 隆嗣 橋本 圭司 大橋 正洋 宮野 佐年
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.868-874, 2004-12-18
参考文献数
25

2000年5月から2003年11月までに,当院入院しリハビリテーションを行った蘇生後脳症患者14名(男性13名,女性1名,平均年齢45.3歳)の機能予後および問題点を,当院入院時データより検討した.発症から入院までの期間は264±294日であった.家族の介護負担感の観点から,発症より1.5~6.5年経過した2004年5月現在の監視の程度をSupervision Rating Scale (SRS)により評価し,自立~部分監視(SRS 1~7)であった6名を予後良好群,常時監視(SRS 8~13)が必要であった8名を予後不良群とした.診療録より後方視的に,Japan Coma Scale(以下JCS)3桁持続期間,脳画像所見でのびまん性脳萎縮の有無,神経心理学的検査,Functional Independence Measure (FIM),当院退院時の転帰,現在の社会参加状況,障害者手帳取得状況について検討を行った.2群間の比較で,JCS 3桁持続時間,びまん性脳萎縮の有無,Mini-Mental State Examination(以下MMSE),Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised(以下WAIS-R),FIM運動・認知でそれぞれ有意差を認めた.リハ病院入院時における,予後予測因子として,これらは有用であると考えられた.予後良好群では,退院後,社会復帰可能となった例が多く見られた.予後不良群では,入院中,神経心理学的検査を施行できない例がみられ,またFIM認知項目は入院中に有意な改善を認めなかった.また身体・認知の両方とも障害されている例が目立ち,退院時と1.5~6.5年経過時の監視程度はほとんど変わらず,手帳・介護保険でのサービスを多く利用していた.
著者
岡本 隆司
出版者
東京大学連携研究機構ヒューマニティーズセンター
雑誌
Humanities Center Booklet (ISSN:24349852)
巻号頁・発行日
no.4, pp.5-10, 2020-07-10

「社会科学と人文学の対話――『国書がむすぶ外交』総論を素材に」東京大学ヒューマニティーズセンター オープンセミナー特別回より
著者
坂野 翔子 岡本 隆二 鈴木 康夫 山本 彩人 中谷 仁 村田 智博 洪 英在 藤井 英太郎 山田 典一 伊藤 正明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.564-570, 2018-03-10 (Released:2019-03-10)
参考文献数
10

68歳,男性.1カ月以上続く不明熱の原因検索目的で当院に紹介された.各種検査で異常を認めず,詳細な問診で発汗の自覚がないことが判明したため,発汗テストを行った.広範囲で発汗を認めず,特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis:AIGA)と診断した.炎症反応上昇を伴わず,発汗障害を認める患者には,本疾患を鑑別疾患に挙げる必要がある.