著者
星野 裕司 萩原 健志 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.339-348, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

本研究では、事象を含めた景観を考察するためには、事象の想起とそれへの参画を主要な機構とする場所論的把握が必要であると考え、そのモデル化のための1つのサンプルとして明治期につくられた沿岸砲台から得られる眺望景観に着目した。九州内の3要塞 (下関・佐世保・長崎) を対象に、各砲台から得られる眺望景観を事象パターンの相違に着目し、4パターンに分類した。それらのパターンに対して、場所論的な考察を行い、現在公園化が進んでいない「疾走型」、「斜行型」は、観察者・事象・眺めの関係の中で何れかに不備があり、公園化の進んでいる「擦過型」、「周流型」は、事象の想起あるいは参画の何れかが優れていることを明らかとした。
著者
下村 智子 若林 一郎
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-21, 2010 (Released:2010-02-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

事業所での定期健康診断における貧血有所見率の地域差:下村智子ほか.兵庫医科大学環境予防医学―貧血項目は労働安全衛生法により定期健康診断の法定項目に含まれている.本研究では事業所定期健康診断における貧血有所見率の地域差について調査し,その要因について検討した.平成14年度の全国都道府県別の定期健康診断の有所見率について,生活習慣と関連する主な7項目中で特に貧血有所見率に注目し,都道府県別の諸因子との関連性についてSpearman順位相関係数を用いて検討した.貧血有所見率には地域差(5.2-11.7%)が見られ,岩手県,秋田県,山形県などの東北地方と,福井県,島根県,長崎県などで高い傾向を示した.都道府県別の貧血有所見率は血圧,血中脂質,肝機能,心電図,血糖,尿糖のすべての項目の有所見率と有意な相関を示した.都道府県別の貧血有所見率は貧血の受療率と有意な相関を示したが,子宮筋腫患者数や子宮悪性新生物粗死亡率とは有意な相関を示さず,鉄欠乏性貧血患者数や鉄摂取量との間にも有意な相関は見られなかった.都道府県別の貧血有所見率は,女性人口比率,女性就業者比率および就業者平均年齢と有意な相関を示し,一方,大規模事業所(300人以上の従業員数)の割合(50人以上の従業員数の全事業所数に対する)とは有意な負の相関を示した.事業所定期健康診断の貧血有所見率には大きな地域差が見られるが,その要因としての性器出血を伴う婦人科疾患の頻度や食事性鉄摂取量の関与は少なく,事業所での衛生管理状態や女性就業者比率を反映する可能性が示唆された. (産衛誌2010; 52: 21-27)
著者
藤山 千紘 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は、常に次の状態を予測しながら日常生活を送っている。これは、我々がもつ脳の大脳皮質における予測符号化の機能が行っていることであり、近い将来を予測することによって生物としての個体を守っている。 本研究では、この機能を模倣した深層学習モデルに対して、画像刺激を受けている際の脳活動との相関関係を考察する。
著者
大山 まりほ 小林 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

複数の異なる次元の時系列データの対応を考える際、それらのデータを共有する空間上で同じ次元に揃えて比較可能にする必要がある。本研究では、Gaussian Process Dynamical Modelsを用いた人の動作を対象にした複数時系列データの対応関係学習について考察する。
著者
星野 裕司 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.89-100, 2001-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
15

This paper studies on the battery site of Meiji period to analyze the fields and functions of the civil engineering heritage. Firstly, the current state of the battery site in the whole country was classified into four kinds (the unuse type, the single use type, the crowd use type, and the removed type). Secondly, the fields are divided into four levels (a structure level, a district level, a regional level, and the geography level), and the two functions (experience and imagine) are pointed out. Finally, the relations between the fields and functions are discussed.
著者
岩爪 道昭 小林 一郎 伊藤 紀子 高橋 祐介 藤城 浩子 菅野 道夫
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.181-185, 2002-11-01
被引用文献数
4 4

The aim of this study is to provide all people, from small children to aged persons, with a computational environment for everyday language communication. In order to achieve this, we propose a framework for a language-based operating system. In this paper, we explain our approach to dealing with the meaning of language, the architecture of the language operating system and its components. In particular, we describe the notion of language protocol and its resource representation (i.e., semiotic base), compared to the other protocols and their resource representations. We argue that by processing meaning of language rather than processing information, we attempt to provide a more human-like computer system and an intelligent computational environment to all people.
著者
小林 一郎 田中 尚人 星野 裕司 ギエルム アンドレ マルラン シリル 本田 泰寛 岩田 圭佑 永村 景子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,高齢化・過疎化の著しい中山間地の農村を対象に,歴史的構造物や文化的景観を含む土木遺産を基盤とした,地域コミュニティと基礎自治体の協働による持続可能な観光支援システムを構築することを目的とする.そのために,地方分権により既存の道路ネットワークと農村の持つ利点を活かした観光支援政策,事業の先進地であるフランスに範を求め,同地と地理的・歴史的に共通点を多く有する熊本県,鹿児島県の中山間地域の農村を事例として,日仏の事例分析を行う.さらに,フランスにおける現地事例調査,国内における実践的地域づくり活動を通して,農村観光支援のための政策,人材育成,道路ネットワークの活用手法を提案する.本研究の研究対象地は,全て農業を主産業として発展してきており,道路や橋梁,運河,水利施設などを社会的資産としてストックしてきている.フランスにおける先進事例分析として文化的景観保全調査を行い,観光支援に繋がる社会的資産を分析,評価する.さらに,自立した農村観光を成功させている基礎自治体の政策立案・実施システムについて調査する.国内では,文化的景観保全調査及び,先進事例分析を受けて,日本でも実施可能な政策としていくための,地域コミュニティと基礎自治体の協働による地域づくりとして実践する.さらに,このシステム開発に有用と考えられる,研究者,行政担当者,実務者の交流を行う.研究の成果として,フランスの文化的景観制度ともいえるシット制度について,策定手法,住民参加の意味合い,歴史・景観の価値共有手法を整理した.この文化的景観保全地域の現地踏査を行うとともに,海外事例との比較調査を実施し,さらにフランスにおける景域保全計画策定への地域住民参画について整理した.日本においては,各地において,着地型観光の担い手となる観光ボランティアガイド導入の支援を行い,農業や各地の生活・生業の持続可能性に着目した地域内外の交流促進に資する視点・手法の提供を行った.
著者
岩倉 大輔 小林 一郎 高岡 隆治 平松 秀世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08

今回、スロット内に心線余長を付与した100心タイプの自己支持型SZスロットケーブルを試作し、長期布設試験評価を行った。心線余長の付与は、現行のケーブル余長付与タイプと同様に、架空での高温・有風時におけるファイバ歪みを緩和することを目的としている。心線余長付与タイプの特徴は、ケーブル余長付与タイプに比較し布設後の景観が優れることにある。今回の試験は、強風で知られる北海道留萌にあるNTT殿所有の屋外試験設備にて行い、ロス変動・心線移動について約1年間調査を行った。
著者
若林 一郎
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.387-395, 2004 (Released:2005-01-27)
参考文献数
60
被引用文献数
1
著者
佐藤 馨一 清水 浩志郎 為国 孝敏 竹内 伝史 小林 一郎 馬場 俊介 古屋 秀樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

平成16年度の研究は個別の大規模社会資本の整備事例をもとに、これらの総合的な評価を行い、今後の課題を整理した。平成15年度は道路公団の民営化論議が集中的に行われたこともあり、その是非や問題点について活発な意見交換がなされ、研究分担者間の共通認識が確立した。以下に平成16年度の研究成果を取りまとめる。(1)「公共事業方式と政府企業方式の混同の危険性」が指摘された。最近の民営化論議は大規模社会資本の将来展望を持つこともなく、財務分析のみが突出している、との批判がなされた。また、中部国際空港の整備事例を研究した結果、大規模社会資本が公共事業方式でなくとも実施可能なことを検証した。(2)大規模社会資本の更新投資の問題が取り上げられた。新幹線も高速道路も減価償却という発想がなく整備されてきた。このことにより更新のための投資財源がまったく存在しない事態を招いている。その結果、「荒廃する日本」と言われる日も間近にせまり、民営化論議はそれに拍車をかけている。(3)受益者負担による社会資本の整備方式は社会的便益を無視しており、公的な財源を用いて大規模社会資本を整備し、その利用価格を安くすることによって社会的便益を増大するという基本的な考え方に立ち戻るべきである。(4)大規模社会資本は土地依存型であり、ITのように技術依存型とは整備の仕方や活用はまったく異なる。地形も気象条件も多様な国土において経済効率を追い求めると、地域格差が増大し、過疎地域の切り捨てにつながる。竹島という小さな島の領有をめぐって日本と韓国が深刻な諍いをしているとき、国内の過疎地域を無視する国土政策は根本的に間違っている。「均衡ある国土の発展」という目標は、極めて重要な国家政策となる。
著者
関 亜沙美 小林 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

時系列データの振る舞いを理解するために,多くの場合グラフなどに表現を変更する可視化の手法が用いられる.一方,株価などの動向を示すテキストが新聞やWebページに掲載されている.本研究では,時系列データの振る舞いを言葉で説明することに着目し,日経平均株価の動向を例とした時系列データの言語化手法の開発を行う.
著者
小林 一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.50-60, 2000-06-15
被引用文献数
3

本論文では、人の知的活動は言語の使用によって支えられているという日常言語コンピューティングの考えに基づき、意味をつくりだす方法となるする言いまわしがどのようにテキストの意味を表現するはたらきを担っているかについて考察をおこなっている。その計算機処理への応用として、非言語情報を言語情報で説明することを試み、海外為替の変動を示すグラフからその挙動を説明する文を修辞的に生成する枠組を選択体系機能言語理論を用いたテキスト生成の技術を導入し示している。。この中で、非言語で表現されるマルチモーダル情報を言語情報への関連づけに対してファジィが役立つことを示し、同時に、非言語情報を言語情報へ変換するひとつのアプローチを示している。