著者
長濱 澄 名取 優太 岩附 直登 川島 一朔 森田 裕介 百瀬 桂子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42026, (Released:2018-09-26)
参考文献数
9

本研究では,映像コンテンツの高速提示により生じた認知負荷に関する客観的な評価指標として,振動プローブ刺激に対するP300振幅を活用することの有用性を検討し,映像コンテンツの視聴速度と注意配分量の関連性を明らかにした.実験では,被験者21名に対して,等質性が確認された2種類の映像コンテンツをランダム順に等倍速条件と2倍速条件で提示した.また,映像コンテンツ視聴中に振動プローブ刺激を与え,標的刺激に対するキー押し課題を課し,ワイヤレス生体計測器を用いて課題中脳波を記録した.P300振幅の分析の結果,2倍速条件におけるP300振幅は,他の条件に比べて有意に小さく,映像コンテンツを2倍速で視聴する場合,等倍速で視聴する場合に比べて,注意配分量が大きくなる可能性が示唆された.
著者
福山 佑樹 森田 裕介 松野 夢斗 浅見 智子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.177-180, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

反転授業の予習に用いるデジタル教材として,デジタルゲームを用いた場合の特性を検証するための試行を行った.実践の結果,ゲームを用いた予習教材は一定数の学習者にとって「エンタメとして楽しめる」ものであったが,応用問題や科学哲学的な問題の理解を深めるためには対面授業でのディスカッションを組み合わせることが重要になること,反転授業形式にすることでゲーム教材の「授業中に必要以上に時間がかかりやすい」という欠点を乗り越え,振り返りを充実化することで学習効果を高める特性がある可能性が示唆された.
著者
宮西 祐香子 長濱 澄 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.149-152, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
10

本研究では,指尖容積脈波を用いて学習活動時のストレス指標を計測し,従来の生体情報計測手法と比較して安価で容易に教育現場に導入しやすい計測手法の意義を検討することを目的とした.大学生7名を対象に,学習活動時における安静状態と心的負荷をかけた状態との,心拍変動のストレス指標を計測および比較した.また,ストレス指標と主観評価質問紙との関連性を分析した.重回帰分析の結果,主観評価質問紙で測定した項目のうち,理解度項目と疲労度項目それぞれの平均値でストレス指標値が推定できる可能性が示唆された.
著者
森田 裕介 中村 彰宏 室田 高志 瀧川 幸伸 長谷川 秀三 森本 幸裕
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.377-379, 2001-08
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

水位変動をともなう冠水, 湛水条件下が近畿地方に分布するヤナギ属8種の成長および生理特性に与える影響評価を行った。冠水, 湛水条件下では, 下流域を中心に分布するカワヤナギ(Salix gilgiana), オオタチヤナギ(Salix pierotii), タチヤナギ(Salix subfragilis)の成長抑制が小さく, 山地に分布するヤマナギ(Salix sieboldiana)は12時間冠水によって枯死した。このように, 分布が氾濫の多い下流域に近いほど, 冠水, 湛水に対する耐性は大きくなることが明らかになった。
著者
瀬戸崎 典夫 上妻 尭甫 岩崎 勤 森田 裕介
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.185-188, 2012
参考文献数
7

本研究は,タブレット端末によって視聴可能な天体学習用ARテキストを試作した.さらに,試作したARテキストが有するコンテンツを評価した.その結果,AR型動画コンテンツは,講師の解説による講義映像の提示が効果的であったことが示された.また,「見易さ」を考慮し,紙テキストに重畳表示する動画の画面構成や配置を検討する必要性が示された.AR型CGコンテンツにおいて,3DCGによる立体的な提示が有用であることが示された.また,タブレット端末を動かすことによる様々な角度からの能動的な観察が効果的であることが示された.
著者
瀬戸崎 典夫 森田 裕介 竹田 仰
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.370-377, 2009
参考文献数
15
被引用文献数
6

The purpose of this research was to examine the teaching effect of using a "Multi-view VR Teaching Material of the Solar System". The teaching experiment was conducted with elementary and high school students. The result shows that the VR Teaching Material improved the interest and attitude of the elementary school students. In addition, it was shown that when the VR Teaching Material was used as an introduction, the level of understanding improved. Moreover, high school students obtained a similar learning effect, regardless of the use of the VR Teaching Material. In addition, we suggeste that the VR Teaching Material improves the level of understanding of elementary school students, and high school students with low learning capacity.
著者
瀬戸崎 典夫 森田 裕介 竹田 仰
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.537-543, 2006
参考文献数
11
被引用文献数
18

The purpose of this paper is to elucidate the basic data for future study as estimated from the demonstration class. At first, we conducted a "needs based investigation" for teachers to examine the VR teaching materials available for educational purposes. The investigation contents dealt with "use of materials," "level of students to be taught" and "functional needs of the VR materials". We have made improvements in the portability and operability of the 3D VR system used for screen presentations based on the results of the "needs investigation." Following this, we brought the VR teaching materials, which we produced, to a senior high school and performed a teaching demonstration using the VR system. Furthermore, we performed a survey based on the subjective evaluations of both teachers and students who attended the demonstration. As a result, the VR teaching material we used left a positive impression on the students and teachers who were involved in our demonstration.
著者
森田 裕介 中山 実 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.167-175, 1999-12-20
被引用文献数
8

本研究では,図的表現のひとつであるコンセプトマップの効果的な表現形式を実験的に検証した.学習内容は,キーワードに包含関係または順序関係があるものを用いた.まず,コンピュータディスプレイを用いて,コンセプトマップ表現と文章表現を比較する提示実験を行った.次に,実際の授業を想定し,講義室でOHPを用いた提示を行い,コンセプトマップ表現と文章表現を比較した.そして,コンセプトマップ表現は,記憶学習に有効であることを示した.ただし,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させないものは,効果がないことを併せて示した.コンセプトマップは,キーワードの上位・下位関係を表示画面の上下方向に一致させて表現することによって,学習内容の全体構造を把握することが容易になる.そのため,学習内容の提示における有効利用が期待できる.
著者
森田 裕介
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,プログレスチャートシステムの構築,オンライン学習コースの作成とLMSへの実装,学習者特性の測定,ブレンディッド学習の実施と分析を行った.そして,WebベースPSIコースのようなブレンディッド学習において,効果的な学習支援の方法を検討した.MBTIを用いた学習者特性の調査から,Eタイプ,もしくはIタイプの場合,具体的にどのような支援をしたらよいか,その方法論に関する知見を示した.