著者
塩田 琴美 細田 昌孝 高梨 晃 松田 雅弘 宮島 恵樹 相澤 純也 池田 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.817-821, 2008 (Released:2009-01-28)
参考文献数
21
被引用文献数
3 3

[目的]本研究は,静的・動的なバランス能力と筋力の相関性および静的・動的バランステストの特異性について,検討することを目的として行った。[対象]対象者は21名(21-82歳)であった。方法:はじめに,静的バランス能力として,開眼および閉眼での30秒間の静止立位での重心動揺面積を測定した。次に,動的バランス能力として,Equi-testを用いてAdaptation testを施行した。更に,筋力テストとして,膝関節伸展筋力,足関節底屈および背屈筋力を測定し,静的・動的バランス能力との相関関係を明らかにした。[結果]今回の研究結果から,静止立位での重心動揺面積と筋力には相関は認められなかった。一方で,動的バランス能力と筋力においては,有意な相関関係が認められた(p<0.05)。[結語]これらの結果より,静止立位で重心動揺面積などを単に測定することは,姿勢定位のみに対する評価であり,対象者の動作課題に対する身体能力を反映しえないと考えられた。しかしながら,動的バランス能力の測定は,下肢筋力などと相関が高く,日常生活に即した有用な姿勢制御の安定性の評価となりえると考えられた。
著者
池田 誠 福島 淳一 横尾 公博
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.51-54, 2016-03-15 (Released:2017-03-21)
参考文献数
1

Mt.Sinabung, which is located in the north side of Sumatra Island, has made the first steam explosion in the historical record in August 2010. After three years of the lull, the volcano became active again in September 2013 and it has continued until now. This report describes the field reconnaissance results conducted in December, 2015. The pyroclastic flow deposits were widely spread from the east to south-southeast slopes of the volcano, and the tongueshaped deposit of lava flow has been accumulated in the center of the pyroclastic flow deposits. The riverbed of Borus River rose remarkably at the downstream. It is thought that the sediment supply of pyroclastic deposit has continued flowing into the Borus River until now. On the other hand, debris flows have occurred frequently in the rivers/stream located in south to south-west slopes, and have caused damages to villages, main roads, and the bridges. It is assumed that debris flows easily occur after the eruption. The residents in the village of the east to south slopes have been already evacuated, and gabions and check dams are currently under construction as the emergency measures. Permanent measures are required to be implemented subsequently.
著者
松嶋 美正 池田 誠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A3O2070, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】地域在住高齢者において総合的に身体機能の把握が可能な評価スケールは少なく,包括的身体機能評価スケールは,項目数が多く,取り扱いが不便であり測定に時間を要するため時間的に簡便であるとは言い難い。日常生活動作により包括的に身体機能を把握可能な評価スケールの一つにBerg Balance Scale(BBS)ある。しかし,屋内歩行が自立している地域在住高齢者の場合,項目によっては天井効果も見受けられるため,項目数の減少による簡略化が可能であると考えられた。したがって,本研究においてBBSの評価項目を精選し,項目数を減少させた簡略化BBSを開発することと,簡略化BBSの信頼性,他の身体機能や転倒との関連性を検証することを目的とした。【方法】対象は,病院・施設に外来,通所,入所しており屋内歩行自立している高齢者120名(年齢79.2±6.9歳)とした。男性57名,女性63名であった。主要疾患としては,脳血管障害が38名,整形外科疾患が51名,神経筋疾患が13名,循環器疾患が11名,その他が7名であった。歩行レベルは,独歩が68名,T字杖が37名,四点杖が4名,歩行器が11名であった。身体機能評価としてBBSの測定,BBS項目にある「リーチ動作」はファンクショナルリーチテスト(FRT)として計測した。また,BBS測定中,各項目の測定に要する時間を計測した。その他の身体機能評価としては,握力,最大10m歩行の測定を行った。転倒に関する調査として改訂転倒自己効力感尺度(MFES),転倒・つまずき経験の有無を聞き取り調査した。データの分析方法は,BBSのデータを統計ソフトのBIGSTEPSを用いてラッシュ分析を行い,対象者とBBS項目の関係を直線上に表し簡略化BBSを作成した。BBS原法と簡略化BBSの比較はPearsonの相関係数,簡略化BBSの信頼性分析(クロンバックのα)を検証した。簡略化BBSとその他の身体機能評価,転倒に関する調査との関連性はPearsonの相関係数を用いて検討した。いずれの解析も有意水準は危険率5%未満とした。【説明と同意】本研究の主旨を説明し同意の得られたものを対象とした。また本研究は,首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理審査委員会の承認を得て実施された。【結果】BBS項目の難易度は,「座位保持」,「閉眼立位」,「立位保持」,「腰掛け」,「拾い上げ」,「立ち上がり」,「移乗」,「閉脚立位」,「リーチ動作」,「振り向き」,「ステップ動作」,「360°回転」,「継足立位」,「片脚立位」の順に難易度が高くなった。14項目のうち対象者の分布範囲内(±2SD)に難易度の高い8項目が含まれ,そのうち3項目がラッシュモデルとの適合度が不十分であった。8項目のうち適合度が不十分であった項目は,「ステップ動作」,「閉脚立位」,「移乗」であった。項目難易度と適合度からBBS14項目中,5~8項目(5~8BBS,簡略化BBS)を抽出した。クロンバックのαは,BBS原法で0.86,簡略化BBSで0.78~0.86であり,BBS原法との相関係数は,項目数が多いほど高くなり8BBSでr=0.99となった。BBSの評価時間においては,BBS原法で8.8±1.8分,簡略化BBSでは,4~6分程度であった。BBS原法,簡略化BBSと他の身体機能などとの関連性は,最大10m歩行やMFESで中程度の相関を示した。また,BBS原法や簡略化BBSと実際の転倒経験とは関連性が認められず,BBS原法でカットオフ値を45点と設定した場合の感度は41%,特異度は62%であった。【考察】BBSの各項目の難易度は,対象者が屋内歩行の自立しているものとしたため,日常的な基本動作能力は獲得されていると考えられ,本研究の対象者の場合,応用的動作から低下していくことが示唆され,BBS項目でも難易度が高い項目が身体機能の能力低下の抽出に有用だと推測される。簡略化BBSの信頼性,妥当性に関しては,包括的なスケールであることを維持し,原法と同等の信頼性を得るためには8項目は必要であると考えられる。内容的妥当性としては,対象者の分布範囲内である運動課題を実施することで十分であると考えられる。その他の身体機能との関連性としては最大10m歩行との関連性が認められたことから,基準関連妥当性が証明された。予測的妥当性は,BBS原法に転倒経験と関連性が認められなかったこと,また,BBS得点の45点をカットオフ値とした場合,感度も低く転倒に対するスクリーニングテストとしての妥当性は低いと考えられる。この点においては,今後も検討する必要性はあるが,信頼性,妥当性に関する原法との比較から8BBSに簡略化することは可能であると考えられた。【理学療法学研究としての意義】評価スケールの中には,開発段階から考慮すると必ずしも様々な臨床場面の対象者において,相応しいスケールであるとは限らない。日頃使用している評価スケールが,その臨床場面,対象者に相応しいかどうか,一つの評価スケールについて検証した研究である。
著者
池田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.308, pp.21-26, 2012-11-14

近年,移動体通信のトラヒックは飛躍的に増加しており,高いシステム容量と耐障害性のある柔軟なネットワークが要求され国内外を問わず多くの研究が行われている.無線メッシュネットワークは学術や産業団体の両方から多くの注目を集めており,コスト効率の高い広帯域無線接続を提供する重要なネットワークインフラとなっている.本稿では無線メッシュネットワークのメッシュルータ配置問題へのアプローチ,無線メッシュネットワークの研究動向,そしてこの分野での将来の方向性について述べる.
著者
池田 誠
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本年度はコード帳符号化方式において、コード帳をデータに応じて更新し、時系列データのの繰り返しにたいして効果的に信号遷移頻度の削減を可能とする適応型コード帳符号化方式の検討を行い、試作したチップの測定評価を行った。この結果、乱数データを用いた場合、信号遷移頻度を25%から50%削減出来ることが分かった。この結果を実証するために次の特徴を有するチップの設計試作を行った。1)コード帳のコード数16,ワード幅:16ビット,2)距離最小コード検出回路としてはWallance-tree型コンプレッサー回路を使用。本チップの測定の結果、符号化回路の消費電力が電源電圧3.3V,動作周波数10MHzにおいて3.6mWとなり、16ビットのバスにおいては、負荷容量が30pF以上場合に本チップが有効であることが分かった。また、本チップは0.5umプロセスで試作を行っているが、現在の最先端プロセスである0.18umもしくはそれより微細なプロセスで試作することで符号化回路の消費電力の削減が可能となり、さらに適用範囲が広まるものと期待できる。また、更なる消費電力削減およびデータ転送効率の向上を目指して、これまでに提案されている圧縮アルゴリズムのうち代表的なものとして、ハフマン符号化、LZ77符号化,LZ78符号化手法を取り上げ、そのLSI化を行った場合のハードウエア量とデータ圧縮効率のトレードオフに関しての検討を行った。その結果、データが既知である場合にはハフマン符号化が圧縮率が最大となるが、一般の場合、過去のデータ列を保持し、その最大一致長を送信するLZ77方式およびその派生の符号化方式であるLZSS方式が、ハードウエア量に制約を課した場合、他と比較して圧縮率が高くなることが分かった。
著者
粟津原 昇 池田 誠
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.262-268, 2005-03-25
被引用文献数
1

目的 : 介護保険制度及び東京都A区の高齢者住宅設備改善費助成事業を利用し住宅改修を行った者311人を対象に, 住宅改修計画の立案に関連する要因を明確にすること。方法 : 理学療法士, 作業療法士の訪問記録から調査対象者の属性(基本属性, 移動能力, ADL, IADL, 要介護度等)と住宅改修内容(玄関, 浴室, 便所等について, 手すりの取り付け, 段差の解消, 扉の交換等)を調査し, 関連する要因についてロジスティック回帰分析を行った。結果 : 手すりの取り付けは「要支援」, 「要介護3」と関連し, 階段, ベランダは, 「掃除(介助)」, 「洗濯(介助)」等のIADL項目と関連していた。段差解消として用いられる浴室すのこは, 「同居家族あり」や「住居(賃貸)」との関連が認められた。結論 : 手すりについては, 介護度にかかわらず取り付けの必要性を示した。住宅改修計画は, 移動能力や要介護度のみならずADLやIADLの要因までを含めた総合的な視点で立案する必要がある。
著者
中島 祐介 池田 誠 浅田 邦博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.295, pp.17-22, 2000-09-14

近年の集積システムのサイズの増大化や、動作周波数の上昇に伴いこれまでのRC回路シミュレーションにおける誤差の増大が懸念されている。これに伴って、近年誘導性の要素であるシンダクタンスを考慮するという研究が行なわれてきているが、インダクタンスは既に確立した計算手法が提案されている抵抗やキャパシタンスと異なり、抽出のための計算コストが膨大となる。本稿では、このインダクタンスの抽出に関して、効率的に計算する方法を提案し、それを用いて簡単な回路シミュレーションを行い、インダクタンスの影響を見積もっている。
著者
中島 祐介 池田 誠 浅田 邦博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.293, pp.17-22, 2000-09-14

近年の集積システムのサイズの増大化や、動作周波数の上昇に伴いこれまでのRC回路シミュレーションにおける誤差の増大が懸念されている。これに伴って、近年誘導性の要素であるインダクタンスを考慮するという研究が行われてきているが、インダクタンスは既に確立した計算手法が提案されている抵抗やキャパシタンスと異なり、抽出のための計算コストが膨大となる。本稿では、このインダクタンスの抽出に関して、効率的に計算する方法を提案し、それを用いて簡単な回路シミュレーションを行い、インダクタンスの影響を見積もっている。