著者
河合 靖 佐野 愛子 小林 由子 飯田 真紀 横山 吉樹 河合 剛 山田 智久 杉江 聡子 三ツ木 真実 今泉 智子 萬 美保
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は,東アジア圏における多層言語環境での複言語主義的な言語政策や人材育成の必要性の考察である。香港では多層言語環境が人々に日本と異なる影響を与えている。言語とコミュニケーション,言語教育政策と学習者,教育と技術の三つの視点からその影響を見ることで,多層言語環境化する日本が考えるべき問題を洞察した。日本がモノリンガル社会の心的制約を克服して,複言語主義的社会モデルに移行し,複数言語を行き来する態度と能力を持つトランスランゲージング的人材を育成するための知見が得られた。本研究の研究成果は,研究成果報告書(250頁)として編集・印刷された。
著者
今泉 智子
巻号頁・発行日
2020-03-25

北海道大学. 博士(学術)
著者
今泉 智子 宮崎 圭子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.A75-A91, 2009-03-15

本研究では、近年の子どもたちの遊びの形態の変化を受け、(1)テレビゲームでもゲームソフトの内容によって、「遊び能力」、「社会的スキル」、「コーピング」発達に何らかの有益な影響があるのではないか、(2)ひとり遊びにおいて、「社会的スキル」、「コーピング」発達に何らかの有益な影響があるのではないか、を検討することを目的とした。小学4 ,5 ,6 年生を対象に調査研究を行った。まずひとり遊びに関する質問紙を作成し、主因子法、プロマックス回転による因子分析を行い、I.『主人公への共感性』、II.『ひとり遊びのコントロール能力』、III.『ひとり遊びへの新奇性追求』、IV.『ひとり遊びによるポジティブ効果』、V.『ひとり遊びによる非影響力』の5 因子を抽出し、ひとり遊び能力尺度を作成した。テレビゲームのタイプ別に分散分析を行い、「共感タイプ」には子どもたちの発達に有益となる特性があることが示唆された。また、遊び能力と社会的スキル、コーピングの因果関係の検討から、「社会的スキル」と「コーピング」の積極的コーピングには、ひとり遊び能力が有益な効果をもたらすということが明らかとなった。
著者
岡田 澄子 才藤 栄一 飯泉 智子 重田 律子 九里 葉子 馬場 尊 松尾 浩一郎 横山 通夫 Jeffrey B PALMER
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.148-158, 2005-08-31 (Released:2020-12-26)
参考文献数
15

嚥下肢位として広く使用されているChin downを機能解剖学的肢位と関連づけることを目的に,摂食・嚥下障害を扱っている日本の言語聴覚士34名を対象に郵送と電子メールでアンケート調査した.回収率は88% (30名).1)Chin downの日本語名称は「顎引き」57%,「頚部前屈位」20%など様々で5通りの呼称があった.回答者の臨床経験年数,取り扱い患者数による傾向の違いはなかった.2)Chin downとして5つの頭頚部の機能解剖学的肢位像からの選択では,頭屈位53%,頚屈位30%,複合屈曲位17%の3肢位像が選択された.3)5つの頭頚部肢位像の呼称としては,肢位像おのおのが複数の名称で呼ばれ,逆に同じ呼称が複数の肢位像に対して重複して用いられ,1対1に対応させることが困難であった.4)Chin downに比べChin tuckという名称は知られていなかった.5)回答者のコメントとして「名称や肢位の違いは意識していなかった」などの感想があった.これらの結果は,Chin down肢位が機能解剖学的肢位としては極めて不明瞭に認識され,かつ,多数の異なった解釈が存在していることを意味した.Chin downをめぐっては,実際,その効果についていくつかの矛盾した結果が争点となっている.以上のアンケート結果は,その背景として様々な呼称と種々の定義が存在し,多くの混乱が存在する現状をよく反映していた.混乱の原因として,1)肢位が専ら俗称による呼称を用いて論じられ,また,具体的操作として定義されてきた,2)頭頚部肢位の運動が主に頭部と頚部の2通りの運動で構成されているという概念が欠如していた,3)訳語を選択する際に多様な解釈が介在した,などが重要と考えられた.今後,Chin downを機能解剖学的に明確に定義したうえで,その効果を明らかにしていく重要性が結論された.
著者
小泉 智子 矢矧 束穂 長島 孝行
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-7, 2009
参考文献数
8

組織学的な手法(ミクロトーム法)を用いて昆虫の組織の切片を作成し,それを観察することによって,死後の時間経過に伴う変化,および様々な条件下での細胞の変化を観察した.その結果,昆虫の筋肉組織は,死亡した時点からかなり短時間で変化が生じることが示された.また,加熱やエタノール浸漬など様々な条件に供試した場合も同様に変化が表れたものの,その変化の仕方には相違が認められた.このことから,昆虫の細胞の変化を観察することによって,製品に混入した時期をより詳細に推定できる可能性が示唆された.
著者
大谷 龍治 當別當 洋平 米田 浩平 泉 智子 安岡 辰雄 宮島 等 小倉 理代 弓場 健一郎 高橋 健文 細川 忍 岸 宏一 日浅 芳一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.657-663, 2016 (Released:2017-06-15)
参考文献数
20

症例は60歳, 男性. 2015年4月, 夜間嘔吐後に心肺停止状態となり, 救急要請された. 救急隊到着時は心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) で, 自動体外式除細動器 (automated external defibrillator ; AED) にて除細動後, 自己心拍が再開し当院に搬送された. 来院時, 心電図にJ波はみられず, 下・側壁誘導にST低下を認めたものの心臓超音波検査で壁運動異常はみられなかった. 意識レベルの低下が遷延しており, 呼吸状態も不安定なため, 鎮静・気管内挿管下に低体温療法を開始した. 治療開始30分後からVFを生じ, 体温が35°C以下に低下後は電気的ストームとなった. 抗不整脈薬による抑制効果はなく電気的除細動を繰り返した. 12誘導心電図を再検したところ, 初診時には認めなかったJ波が広範な誘導に出現しており, 低体温によって顕性化したものと判断した. 低体温療法を中止し, イソプロテレノールの持続静注を開始したところ, 速やかにJ波は消失し, VFの抑制が得られた. 体温が正常化後は, イソプロテレノールを中止してもJ波は出現せず, 以後VFを生じることはなかった. 心肺蘇生後症例の低体温療法時には, J波が顕性化してVFを生じる症例があることに注意すべきと思われた.