著者
渡辺 弘
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.161-181, 1995-09

序論1. 「陽明学」の思想と江戸時代の「陽明学派」 (1) 「陽明学」の思想 : 「致良知」「心即理」「知行合一」を中心に (2) 江戸時代の「陽明学派」2. 陽明学派の学習思想 : 「宇宙(世界)観」・「人間観」に基づいて (1) 中江藤樹の場合 : 『翁問答』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想 (2) 熊澤蕃山の場合 : 『集義和書』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想In this paper, I will investigate the thought of learning in the Edo period in which it is thought, from the educational viewpoint, that people learned through activity and independence. Education in this case means supporting people intellectually and emotionally in order to allow them to live a good life. In Analyzing the thought of learning in the Edo period, firstly, I will take some people as example who were receptive to the thought of "the YOmei-Gaku School", which was one of the Cofucian schools founded in the Edo period. Secondly I will inquire into both their views of the world (universe) and views of human beings, in order to determine the basis of how their thoughts of learning were formed. In accordance with my previous research, and in conclusion, I would like to explain some of the more common characteristics of their thoughts of learning. This time I will place half of the content in Part I.
著者
小宮 元晃 柴田 昌三 神埼 護 渡辺 弘之 サン ファン ミン ナム ブー タン
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.55-61, 2001-03-20

株立ち型のタケ(Dendrocalamus membranaceus)は北ベトナムにおいて重要な造林種のひとつにあげられている。この竹林の適正な管理方法を示すために,2大産地のタインホアとフートにおいて地上部現存量と新竹生産量を調べた。調査はタインホアとフートにおいて,林齢2〜21年の林分の中からそれぞれ7林分と6林分,計13林分を選んで行った。その年の伐採開始前の各林分に400m^2の調査区を設置し,稈の齢,サイズなどの調査を行った。さらに標本竹として各齢階と直径階から計8〜10本を選び,地上部現存量を推定するために稈のサイズと稈,枝,葉の乾重との間の相対成長式を作成した。また1年生の竹より新竹生産量を推定した。現行の管理法による林齢10年を超える林分での地上部現存量は約39ton/haで,林齢6年を超える林分での新竹生産量は約12ton/ha/年で安定的に推移していくものと思われた。
著者
古野 東洲 渡辺 弘之
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 = BULLETIN OF THE KYOTO UNIVERSITY FORESTS (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.41-55, 1970-03-25

この研究は, 愛媛県下の西条営林署管内および今治市長沢にあるフランスカイガンショウ林のマツノシンマダラメイガによる被害と雪による被害を, 1968年10月21 - 24日および1969年1月30日に調査し, その被害の状況を記録したものである。雪害は1968年2月14 - 16日にみられた降雪のために, 冠雪によりおこったもので, 当時あ降雪量は西条の林分では40 - 50cm, 今治市長沢の林分では20 - 30cmであったようである。調査したフランスカイガンショウの林分は調査時つぎのような状態になっていた。西条の林分は, 約1haで, 1930年に造林され, 平均胸高直径は18. 5cm, 平均樹高は推定13m, ha当り1257本で, フランスカイガンショウの純林であったが, 雪害で大きな被害をうけていた。今治市長沢の林分は, 西南向きの斜面に成立し, 約0. 2haにフランスカイガンショウに少数のアカマツ, クロマツが混生していた。ha当りの立木本数は7033本の高密度で, そのうちフランスカイガンショウは6368本であった。この林分は, 1952年秋に40年生のフランスカイガンショウを伐採した跡地に天然更新でできあがったもので, 胸高直径は1cmから12cmまで, 樹高は2. 1mから8. 9mまでの各種の大きさの個体よりなり, それぞれの平均値は4. 5cmと5. 5mであった。この林分も雪害で激しい被害をうけていたが, 約100m離れた尾根に植栽されている約0. 1haの小林分 (平均胸高直径9. 7cm, 平均樹高7. 2m, ha当り2000本) では, 雪による被害は軽微であった。雪害調査は, 幹の折損および幹の曲りを記録し, 折れたものでは, その状況 (幹が全く切断されているもの, 幹は折れているが一部で付いているもの, 幹が割れているもの) およびその位置 (樹冠内および下枝より下部) を調べ, 折損高を測った。さらに長沢の林分では折損部の直径を測り, 折損部を分枝部, 分枝部上部, 分枝部下部および節間に分け調査した。フランスカイガンショウに対するマツノシンマダラメイガの加害はすべて幹に限られ, その被害率は, 西条の林分では43%, 長沢の斜面の林分では3%, 尾根の林分では6%で, 西条と長沢で差がみられた (表-1)。雪害は幹の折れと曲りが大部分で, 幹の割れや枝抜けは数例みられたにすぎなかった。雪害率は西条の林分では71%, 長沢の斜面の林分では80%で雪害は激しかったが, 長沢の尾根の林分では13%の微害で, 長沢での両林分の雪害差の原因は, 林分を構成している個体の形状比にあるようであった (表-1, 2, 3)。雪により激害をうけた両林分を比較すると, 西条では幹の折れが雪害木の大部分 (98%) を占めていたが, 長沢では幹の折れと曲りがほぼ半々であった。さらに, 幹の折損で, 西条では折損木のうち完全に切断されたものが72%であったが, 長沢では4%とすくなく, 両林分で雪害のあらわれ方に大きな違いがあった。この原因の1つに両林分の幹の形状比の違いが考えられる (図-1)。幹の曲ったものは形状比の大きいものに, また胸高直径の細いものに多くあらわれている。幹の折損部は胸高直径が太いものは樹冠内で, 細くなるにしたがって樹冠の下で折れる個体が多くなっているが, 長沢の林分では, 折損木の23%が, 西条の林分では75%が樹冠内で折れていた (図-3)。さらに長沢の林分では, 枝階の分枝部の直ぐ上で折れているものが67%で最も多く, 分枝部 (15%), 分枝部の直下 (10%), 節間 (8%) の順になった。折損高は, 長沢では樹高の0. 2 - 0. 5倍の位置に集中 (69%) し, 大部分 (91%) は樹高の0. 6倍より下で折れていた (図-4)。西条では樹高の0. 6 - 0. 8倍のところで折れたものが多かった。折損部の直径は, 大部分の個体では, 胸高直径の0. 7倍より太く, 折損個体の約半数は胸高直径の0. 7 - 0. 9倍の太さのところで折れていた (図-5)。附近のアカマツと比較して, フランスカイガンショウは雪に対してやや弱いようであった (表-1, 4)。西条の林分で, マツノシンマダラメイガの被害をうけていた73本中, 虫害部で折れていたものは4本で, また, 雪で折れた119本中, 42本は虫害をうけていたにもかかわらず, 健全部で折れていた。すなわち, 本調査でのフランスカイガンショウの雪による折損はマツノシンマダラメイガによる幹の被害とは, とくに関係がないことがわかった。以上の結果から, フランスカイガンショウは, マツノシンマダラメイガによる被害に加えて, 雪に対しても相当に弱いことがわかり, 生長が非常に良いということで, これらの要因を考慮せずに利用することには, 大きな危険がともなうのではないかと考えられる。
著者
渡辺 弘之 阿部 健一 星川 智之 Prachaiyo Buared Sahunalu Pongsak Khemnark Choob
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.45-54, 1990-06
被引用文献数
1

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
渡辺 弘之 登尾 二朗 二村 一男 和田 茂彦
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-25, 1970-03
被引用文献数
4

京都大学芦生演習林 (京都府北桑田郡美山町) においては, ッキノワグマは最も重要な林木への害獣である。クマは6月上旬から7月中旬にかけて, スギを主とし, ヒノキ, モミ, ツガ, ヒバ, ゴヨウマツおよび植栽されたカラマツ, ドイツトウヒなどの針葉樹とサワグルミ, シナノキなどの広葉樹の樹皮を剥ぎ, 形成層部をかじる。最も被害の大きいスギでは直径12α η, とくに20cm 以上のものを好み, 高さ2 - 4mまでの樹皮を剥ぎ, そのうちの地際より1 - 1. 5mまでの形成層部をかじる。一度に5 - 10本が被害を受け, その剥皮面積は0. 9 - 2. 1m_2にも達する。大面積を占める天然林中のスギでは胸高直径20cm以上のもの20 - 40%が剥皮の害を受け, 人工林ではまだ面積は小さいが, 地域によって80%に及ぶところもある。クマによって全周剥皮されたスギは枯れるが, ほとんどのものは部分的な剥皮であるので, 枯死することは少ない。しかし, 剥皮されたものは枯れなくても, 生長量は減少し, 剥皮部が腐朽し, 利用材積は小さくなるし, 品質は著しく悪くなる。また, 芦生演習林において観察されたクマの摂食あとや糞の内容物, 捕獲されたクマの消化管の内容物から, クマはクリ, ミズナラ, ヤマブドウ, アケビ, アオハダ, カナクギノキ, スモモ, カキなどの実, キイチゴ, クマイチゴ, バライチゴの実, ネマガリダケのタケノコ, ウバユリ, バイケイソウ, カンスゲ, シシウド, カニコウモリ, イタドリ, フキ, ウワバミソウなどの葉, 茎, 根とムネアカオオアリ, ミツバチ, スズメバチ, カニなどを食べていること, クマの越冬穴にはスギ, ブナ, ミズナラなどの大径木の空洞が利用されていることがわかった。
著者
鈴木 和夫 上原 勇三 渡辺 弘
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.289-292, 1988-02-05 (Released:2009-10-08)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
渡辺 弘
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.109-135, 2000-12

投稿論文1. はじめに2. 陽明学派の学習思想 : 「宇宙(世界)観」・「人間観」に基づいて (1) 佐藤一斎の場合 : 『言志四録』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想 (2) 大塩中斎の場合 : 『洗心洞箚記』 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観について (b) 学習思想 (3) 横井小楠の場合 : 『学校問答書』『沼山対話』「沼山閑話」 (a) 宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観 (2) 人間観 (b) 学習思想3. 共通した宇宙(世界)観・人間観 (1) 宇宙(世界)観において (2) 人間観において4. 学習思想の特徴5. 結びIn this paper, I will investigate the thought of learning in the Edo period in which it is thought, from the educational view point, that people learned through activity and independence. Education in this case means supporting people intellectually and emotionally in order to allow them to live a good life. In Analyzing the thought of learnig in the Edo perod, firstly, I will take some people as example who were receptive to the thought of "the Yomei-Gaku School", which was one of the Cofucian schools founded in the Edo period. Secondly I will inquire into both their views of the world (universe) and views of human beings, in order to determine the basis of how their thoughts of learning were formed. In accordace with my previous research, and in conclusion, I would like to explain some of the more common characteristics of their thoughts of learning. This time I will place half of content in Part 2.
著者
渡辺 弘之
出版者
上越ニックサービス
雑誌
NICかわらばん
巻号頁・発行日
vol.461, pp.2-2, 2011-03-03
著者
渡辺弘人 編
出版者
圭章堂
巻号頁・発行日
1881
著者
伊藤 景一 渡辺 弘美
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

(研究1)在宅ケアの質の測定はアウトカム評価に焦点が当てられているが、神経疾患を持つ在宅ケア患者へのケアの効果評価には、長期間のアウトカム指標を開発する必要がある。そこでケアの効果評価に活用する指標を開発し各種妥当性を検証した。指標開発のための追跡調査を2回実施。べースライン:5年間に大学病院神経内科を退院した463名(指標開発の対象者)。初回調査年から2年後フォローアップ:201名(妥当性検証)。開発手順は日常生活行動を遂行する困難度を基に5因子構造の指標項目を構成。構造方程式モデリング(SEM)と一般線形モデルから構成概念及び予測妥当性を検証した。臨床的関連性から指標の利用可能性評価。指標は25項目から成る5指標で構成。SEMから各指標の上位に総合的アウトカム指標を仮定した二次因子モデルのパス係数、適合度指標ともに受入基準を満たした。各指標は、疾病障害対処困難・不安指標、家族介護負担・Strain指標、運動機能不全指標、身体症状発現指標、地域医療・ソーシャルネットワーク利用阻害指標、と解釈。指標が2年後のHRQOLに及ぼす影響を、多重指標モデルで検証。5指標全てが有意に2年後のHRQOLに影響を与えていたが、第1指標と第3指標からのパス係数の値が大きかった。2年間における指標の改善の有無がHRQOLに与える影響をみると、各指標が影響を及ぼしている側面は異なっていた。身体機能と役割機能のドメインの改善群と非改善群間の差が大きかった。指標の改善率は26-40%、安定率は54-70%。第1と第3指標は在宅療養におけるHRQOLの多くの側面に関与することが示され、指標によるアセスメント結果を基に、在宅ケア患者の心理社会的問題の抽出とサービスの改善や新システムの構築に寄与できると考えられた。(研究2)追跡期間中の症状と機能レベルの変化が健康関連QOLに及ぼす影響をSEMによるパスモデルで解析し、先行研究の仮説を検証するべく各種臨床変数とHRQOLのリンケージを試みた。この結果は、Diseases→Symptoms→Change in physical disabilities→General health perception→HRQOLの順序で影響が及ぼされる階層的なパスモデル構造を見出した。