著者
FARRER GRACIA 川上 郁雄 イシ アンジェロ 田嶋 淳子 超 衛国
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、日本における移民と、移民国家であるオーストラリアにおける中国、韓国、ブラジルからの移民またベトナム難民の第1と第2世代の人々が、受け入れ社会に対してどのような市民意識と帰属感を持つかを比較研究することによって、日本社会が「移民国家」となりうるのかを検討することを目的とした。インタビューとアンケート調査を通して、同じ国からの移民が受け入れる環境が異なると、違った市民意識とアイデンティティーが形成されることがわかった。その結果、多様な背景をもつ市民を受け入れる日本側の課題が明らかになった。
著者
舩橋 晴俊 壽福 眞美 徳安 彰 佐藤 成基 岡野内 正 津田 正太郎 宮島 喬 吉村 真子 上林 千恵子 石坂 悦男 藤田 真文 奥 武則 須藤 春夫 金井 明人 池田 寛二 田中 充 堀川 三郎 島本 美保子 樋口 明彦 荒井 容子 平塚 眞樹 三井 さよ 鈴木 智之 田嶋 淳子 増田 正人 小林 直毅 土橋 臣吾 宇野 斉 鈴木 宗徳 長谷部 俊治 原田 悦子 羽場 久美子 田中 義久 湯浅 陽一 伊藤 守 上村 泰裕 丹羽 美之 宮本 みち子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは、グローバル化問題、環境問題、移民・マイノリティ問題、若者問題、メディア公共圏、ユビキタス社会、ケア問題といった具体的な社会問題領域についての実証的研究を通して、社会制御システム論、公共圏論および規範理論に関する理論的研究を発展させた。公共圏の豊富化が現代社会における制御能力向上の鍵であり、それを担う主体形成が重要である。また、社会制御には合理性のみならず道理性の原則が必要である。
著者
田嶋 淳子 鄭 暎慧 高 鮮徽
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、日本国内および中国東北地方における移住者調査を通じ、以下の点が明らかとなった。1)中国系移住者の日本への流入は1980年代以来就学生、留学生が中心だが、日本人配偶者、研修生およびIT技術者としての来日が増加傾向にある。また、在日中国人の2割はすでに永住権をもつ。このことから定住化傾向が指摘できる。定住化は中国系移住者が送り出し地域への再投資を可能とする資力を持ち始めていることを示す。2)遼寧省大連および藩陽における調査から、研修生の来日が主には日系企業の工場設置と不可分に進んでいることが示された。また、IT関連では日本への派遣労働者としての導入も同時に進んでおり、日本語と技術を併せ持つ人材への需要とそれに応じた中間組織(派遣業者および付随するシステム)の形成が進んでいる。3)吉林省延辺朝鮮族自治州における海外出稼ぎ経験者調査からは、彼らの出国が親族関係(8割が韓国内に親族関係をもつ)により、可能となっており、比較的容易と考えられている。ただし、彼らの出国は地域経済に一定の影響を与えており、残された子どもの教育問題など今後の影響が懸念される。4)黒竜江省では、残留日本人孤児および残留婦人らの出身地域の一つであるF県を対象とする聞き取り調査をおこなった。彼らは帰国したが、地域にはその関係が埋め込まれている。このことから、周囲の人々と日本への移住者とが独自の社会空間を作り上げていることが明らかとなった。以上の結果から、中国系移住者の移動と定着が地域レベルで周囲の人々の目を日本社会へと向ける要囲となっており、さらなる日本への流入が継続していく社会的基盤ができあがってきていることが示された。