著者
竹内 孝治 小川 英明 小田 達郎 今村 太朗
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.177-188, 2010

本研究は,戦時期日本において活躍した建築家内田祥文の「國民主宅」構想を対象として,設計提案および,思想内容の読解を通して歴史的意義を明らかにするものである。まず,内田の経歴および建築活動を概観し,内田が建築競技設計において提案した「國民住宅」案の内容を整理した。次に,「國民住宅」案に関連して発表された諸論考の内容読解により,科学性・合理性と日本精神の称揚が併存した内田の思想内容を明らかにした。また,計画案の図面内容の検討およびCADによる3次元復元により,内田の「國民住宅」提案にみられる,モダニズムの手法と日本文化の融合がもたらした歴史的意義を明らかにした。
著者
竹内 孝 石黒 勝彦 木村 昭悟 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.71-83, 2014-03-28

行列分解には,観測行列に含まれる零要素の割合が大きくなるにつれて低ランク近似の汎化性能が低下する問題がある.本稿では,この問題を解決するための統計的機械学習アプローチとして複合非負値行列因子分解(Non-negative Multiple Matrix Factorization: NM2F)を提案する.NM2F は,観測行列と2つの補助行列の間に共通の潜在構造を仮定し,これらの行列を同時に分解する.本稿では,NM2F を非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization: NMF)の一般化として定式化し,補助関数法により一般化KLダイバージェンスを用いた場合のパラメータ推定法を示す.さらにNM2F は,ブロック未定義領域ありNMFとポアソン分布を用いた確率的生成モデルと等価であることを示す.人工データと実データを用いた実験から,NM2F と既存手法の汎化性能を比較し,NM2F の定量的な優位性を示す.また,実データを用いた実験では,NM2F が複数の行列から多角的な基底を抽出する定性的な利点を示す.Analyzing highly sparse data often results in poor generalizing performances of matrix factorization. To compensate data sparseness, in this paper, we introduce a novel machine learning technique called Non-negative Multiple Matrix Factorization (NM2F). NM2F factorizes multiple matrices simultaneously under a non-negative constraint. We formulate NM2F as a generalization of Non-negative Matrix Factorization (NMF) with the generalized Kullback-Leibler divergence. We derive multiplicative update rules for parameter estimation. We evaluate NM2F and other existing techniques in both the quantitative and qualitative ways. NM2F shows better performance than other techniques on both synthetic and real-world data sets.
著者
竹内 孝治 小川 英明 小田 達郎 今村 太朗
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.177-188, 2010 (Released:2018-01-31)

本研究は,戦時期日本において活躍した建築家内田祥文の「國民主宅」構想を対象として,設計提案および,思想内容の読解を通して歴史的意義を明らかにするものである。まず,内田の経歴および建築活動を概観し,内田が建築競技設計において提案した「國民住宅」案の内容を整理した。次に,「國民住宅」案に関連して発表された諸論考の内容読解により,科学性・合理性と日本精神の称揚が併存した内田の思想内容を明らかにした。また,計画案の図面内容の検討およびCADによる3次元復元により,内田の「國民住宅」提案にみられる,モダニズムの手法と日本文化の融合がもたらした歴史的意義を明らかにした。
著者
竹内 孝夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.234-235, 2009
参考文献数
2

超伝導線材は電気抵抗ゼロのままで電流を流せて磁場も発生できる。酸化物系線材による超伝導送電の実証試験が開始された。永久電流を利用して定常磁場を発生する核磁気共鳴(NMR)分光分析器等には,当面,金属系線材が使用される。核融合,高エネルギー粒子加速器などの大型応用機器には省エネルギーの観点から超伝導線材の利用が不可欠である。
著者
中村 和之 森岡 健治 竹内 孝
出版者
北海道大学総合博物館
雑誌
北海道大学総合博物館研究報告 (ISSN:1348169X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.58-65, 2013-03

Many glass beads have been found at archaeological sites in Hokkaido Prefecture. Two possibilities are pointed out in Japanese and Russian documents regarding the distribution of the glass beads. One theory is that they came from Honsh?, and another suggests that they were from the lower Amur Basin and came to Hokkaido through Sakhalin Island. Since the extent of literary research for these two possibilities are limited, we decided to take a different approach to obtaining information that would lead to finding the origin of the beads. We performed chemical analyses of glass beads discovered in Hokkaido by using scanning electron microscope (SEM) with energy dispersive X-ray spectrometry (EDX). Soda-lime glass beads were discovered at the sites of Epi-Jomon to Satsumon cultures in Biratori Town. Lead glass beads were discovered at those sites for dates before 1667, and soda-lime glass beads were discovered for dates after 1667 at the same sites.
著者
竹内 孝治 加藤 伸一 芝田 信人 高田 寛治 田中 晶子 吉川 由佳子
出版者
京都薬科大学
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
1999

ポリフェノールの一つとして、ウイスキー中に多量に含有されているエラグ酸(EA)が前年度までの検討により胃粘膜保護作用および抗酸化作用を有することが示してきたが、さらに今年度は、新たに開発された大腸デリバリー化のための圧感応性カプセルに封入したEAを用い、デキストラン硫酸(DSS)によって誘発される潰瘍性大腸炎の発症に対するEAの効果を検討した。1.圧感応性大腸デリバリーカプセルPressure-controlled colon delivery capsule(PCDC)の使用により、投与されたEAは盲腸部に到達した後に徐々にカプセルから遊離溶出することが判明した。2.ラットにDSSを7日間連続投与することにより、体重減少、大腸の短縮化ならびに下血および下痢を伴う重篤な大腸炎が発生した。DSSによる大腸炎の発生は、PCDCに封入したEA(mcEA : 1-10mg/kg)を1日2回、7日間連続経口投与することによって、用量依存的かつ有意に(>3mg/kg)抑制された。また、mcEAの投与はDSS処置下に認められる大腸の短縮化、脂質過酸化を正常レベルにまで低下させると共に、好中球の浸潤に対しても抑制傾向を示した。なお、DSS誘起大腸炎に対するmcEA(3mg/kg)の保護作用はスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD : 30000units/kg×2)の直腸内投与で得られた効果と同程度であり、また同用量のEA原末と比べて有意に強いものであった。3.これらの結果は、EAがポリフェノールとして抗酸化作用により、臨床における潰瘍性大腸炎の治療に有効性を発揮する可能性が示唆された。
著者
竹内 孝治 加藤 伸一 香川 茂
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.21-28, 2002 (Released:2003-01-28)
参考文献数
40

胃粘膜に軽微な傷害が発生した場合,酸分泌は著しく減少し,胃内アルカリ化が生じる.このような酸分泌変化は非ステロイド系抗炎症薬ばかりでなく,一酸化窒素(NO)合成酵素阻害薬の前処置によっても抑制される.特にNO合成酵素阻害薬の存在下に胃粘膜傷害を発生させた場合,胃酸分泌は“減少反応”から“促進反応”に転じ,この変化はヒスタミンH2拮抗薬,肥満細胞安定化薬,および知覚神経麻痺によって抑制される.すなわち傷害胃粘膜では,プロスタグランジン(PG)およびNOを介する酸分泌の抑制系に加えて,粘膜肥満細胞,ヒスタミンおよび知覚神経を介する酸分泌の促進系も活性化されており,両者のバランスによって傷害胃での酸分泌反応が決定されている.通常は抑制系が促進系を凌駕しているために“酸分泌減少”として出現するが,NO合成阻害薬では抑制系が抑制される結果,促進系が顕在化し,“酸分泌促進”を呈する.傷害発生に伴い管腔内に遊離されてくるCa2+はNO合成酵素の活性化において必要であり,管腔内Ca2+の除去も胃内アルカリ化を抑制する.興味あることに,PGは傷害胃の酸分泌変化において両面作用を有しており,“抑制系”の仲介役に加えて,“促進系”の促通因子としての作用も推察されている.また,傷害胃で認められる酸分泌変化に関与するPGやNOはそれぞれCOX-1およびcNOS由来のものであり,傷害後に認められる胃内アルカリ化は選択的COX-2阻害薬やiNOS阻害薬によっては影響されない.このように,傷害胃粘膜の酸分泌反応は正常胃粘膜とは明らかに異なり,内因性PGに加えて,NO,ヒスタミン,知覚神経を含めた複雑かつ巧妙な調節系の存在が推察される.このような酸分泌変化は障害発生に対する適応性反応の一つであり,傷害部への酸の攻撃を和らげることにより,傷害の進展を防ぎ,損傷部の速やかな修復を促す上で極めて重要である.
著者
竹内 孝一郎 河本 俊平
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空學會誌 (ISSN:18835422)
巻号頁・発行日
vol.2, no.8, pp.1166-1185, 1935-11-07 (Released:2009-07-09)
参考文献数
12

Flying tests made on an aeroplane have been presented in this paper. Lift and drag characteristics of the plane have been measured in two cases (1) with propeller thrust, (2) without propeller thrust. The results of flying test in which the pressure distributions over the main planes (at some 220 measured positions, in the above mensioned cases) were carried out, have been also described.The lift coefficients of the main planes (M-12 profile) have been compared with 3 wind tunnels' results, in the state of the same aspect ratio.The experiments of the propeller performance made on thrust, torque, efficiency and their distributions along the propeller radius were conducted, using so called "integrating tubes" equiped close behind the blade, and their results have been scussed.
著者
大木 基至 竹内 孝 植松 幸生 上田 修功
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

モバイルネットワークサービス提供社の課題の一つが安定した高品質なサービス提供である.しかしながら,ネットワークトラフィックの急増や設備の経年劣化がスループットの低下などの品質劣化やネットワーク故障を引き起こすことがある.そのような問題において,サービス利用者はサービス提供社よりも早くサービスの使用不能や品質劣化を発見することがある.利用者は彼らの体感をすぐにソーシャルサービス上で発信したり,故障情報を得るためのWeb検索などを迅速に行う.これらのデータから異常を検知することで,故障検知および予測に役立つと考えられる.この論文では,複数のユーザ行動データを用いて,故障を検知および予測するための機械学習モデルアプローチを提案する.モバイルネットワークサービスの実データを用いた複数の実験により,提案するフレームワークの有用性を検証する.
著者
田丸 恵理子 竹内 孝行 中村 新一 廣瀬 吉嗣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.409-420, 2009-01-15

人間の知的活動を支援するためには,思考の邪魔をしないインタフェースが必要である.これに対して,紙のように自然な「読み書き」を支援する新しいメディアの研究を,電子ペーパからのアプローチで進めている.ここで最大の技術的課題は,電子ペーパの技術的な特質からくる「表示の遅延時間」をどのように扱うかである.そこで,遅延時間がユーザに与える影響を理解するための評価実験を行った.その結果,対象に対して下線を引いたり円で囲んだりするマーキング行為と手書きで文字を書く行為とでは,それぞれ遅延時間に対する感度が異なり,受容性の度合いに差異が見られた.また,対象への注意の向け方,視線や身体の動きなどに関して,各々に特徴的な行動特性が抽出された.この差異を効果的に利用して遅延時間をマネジメントすることで,技術的制約を乗り越え,紙の良さを保持した新しいメディア・インタラクションを提供することが可能であることが示唆された.
著者
越田 賢一郎 高橋 毅 竹内 孝 中村 和之
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.51-56, 2014

Many glass beads have been found at archaeological sites in Hokkaido. We performed chemical analysis of glass beads discovered in Hokkaido by using scanning electron microscope (SEM) with energy dispersive X-ray spectrometry (EDX). Some glass beads were discovered from the Washinoki Site at Mori Town. These glass beads belong to Epi-Jomon culture and these are made from soda-lime glass.
著者
竹内 孝之
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.331-346, 2003-03

研究ノート香港の返還に伴う80 年代から今日までの香港政治経済の変化を、財界内部の変化と政府の関係から分析した。香港は自由放任経済といわれるが、実際はサービス産業には独占やカルテルが政府によって認めらている。また、末端の行政においても、各種委員会を設け、関連する企業の意向が反映される制度になっている。そのため、(返還前)香港政庁と英資財閥との関係は植民地体制下の癒着関係に見える。だが、1970年代より華資財閥が規模を拡大し、英資財閥の企業や財閥そのものを買収する例も見られた。その背景には、英資を支えていた香港上海銀行が華資財閥に買収資金を貸与した他、所有株式を譲渡するなどの支援を与えたことがある。また、香港政庁も華資財閥による英資企業・財閥の買収を妨害しなかった。つまり、英資財閥と香港政庁は互いの利益を守るために、癒着関係を形成してはいたが、必ずしも華資財閥を政治的に排除するものではなかった。そのため、中国政府は、中資企業を通して香港経済の脱植民地化(英資の特権排除と華資との協力)を試みるが、必ずしも華資財閥の利益には結びつかず、単に中資企業が利権を獲得しただけに終わる場合もあった。返還後は海運会社会長だった董建華が行政長官に就任し、華資財閥が香港の政治経済を掌握した。さらに、官僚の権限を財界人へ移すための閣僚制度の導入も検討されている。だが、政策の公平性や整合性に欠けるなど問題も出始めている。
著者
福地 絡逸 中嶋 凱夫 竹内 孝彦 土田 正義 小川 弘 新田 一夫 中沢 信彦
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1245-1253,1235, 1973

副腎スキャン剤<SUP>131</SUP>I-19一コレステロールの生体内代謝を検討した.有効半減期は1.77-3.74日, 被曝線量は0.60-2.13rad/mCiであつて, 頻回に検査を繰返さない限り安全に使用しうる薬剤と思われる.臓器別有効半減期は, 甲状腺と副腎で共に8.08日, その他の臓器では4.0日以内であつた.すなわち, 副腎の周辺組織では速かに代謝されるので, 投与8日目には副腎のみに放射能が残存して, 明瞭な映像を描出したものと考えられる.