著者
高橋 菜奈子 庄司 三千子 山本 淳一 餌取 直子 豊田 裕昭 立石 亜紀子
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.2035, 2019-08-31 (Released:2019-09-26)

千葉大学,お茶の水女子大学,横浜国立大学は平成26年に図書館間連携に関する申し合わせを結び,単独大学では不可能な課題解決手法の開発・実施に取り組んできた。5年間という当初に設定した期間を経過し,三大学が当面の検討事項として掲げた6つの課題について,これまでの活動を総括し,成果と課題をまとめる。特に三大学連携の発端となったシェアード・プリントについては,電子ジャーナルのバックファイルがあるものについて実験を行い,利用の実態を明らかにし,本格的な実現に向けた課題点を整理した。
著者
宮川 卓 徳永 勝士 豊田 裕美
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ナルコレプシーを対象としたゲノムワイドメチル化解析を実施した。さらにそのデータとナルコレプシーのゲノムワイド関連解析を統合した解析を行い、ナルコレプシーの新規感受性遺伝子としてCCR3遺伝子を同定した。平成29年度から特発性過眠症の研究も開始した。特発性過眠症は長時間にわたる睡眠エピソードが出現し、日中に強い眠気を感じ、総睡眠時間が11時間以上となる特に重症な中枢性過眠症である。その病態及び原因が解明されていないため、治療法が確立しておらず、対症療法に用いられる薬剤は副作用が多いことが問題となっている。そこで、特発性過眠症の遺伝要因を探索するために、ゲノムワイド関連解析を実施した。ゲノムワイド有意な一塩基多型(SNP)は同定されなかったが、疾患関連候補SNPを抽出した。平成28年度までの研究で、ナルコレプシーと真性過眠症を含む中枢性過眠症のゲノムワイド関連解析によりCRAT遺伝子の近傍のSNP(rs10988217)が真性過眠症とゲノムワイドレベルで有意な関連を示すことを見出している。発現解析及びメタボローム解析の結果を統合的に解析した結果、rs10988217遺伝子型は血中スクシニルカルニチン濃度ともゲノムワイドレベルで有意な関連を示すことがわかった。上記のようなSNPだけでなく、頻度の低い変異も睡眠障害に関わる可能性が高いと考えている。平成28年度までに、PER2遺伝子上に頻度が低く、アミノ酸置換を伴う疾患関連の候補変異(p.Val1205Met)を見出している。そこで、実際に睡眠障害と関連するか検討した結果、当該変異が睡眠相後退症候群及び特発性過眠症と有意な関連を示すことを見出した。
著者
河合 美香 那須 清吾 豊田 裕貴
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.21-31, 2017 (Released:2019-03-05)
参考文献数
17

本研究では、日本企業がビッグデータ、IOTなどの概念が先行しているわりには、うまく進んでいないことを問題意識としている。この問題意識から、データを使ったビジネス変革をデジタルトランスフォーメーションと呼び、初動のステップに影響する要素を事例から抽出し、それらの事象から質的比較分析(QCA分析: Qualitative Comparative Analysis)を用いた分析を行い、メカニズムを明らかにすることを目的とする。事例から導きだした原因要素が結果に関連するメカニズムを分析することによって、QCAのアプローチが事例にもとづく研究に有効であることを示し、デジタルトランスフォーメーションを進める上での必要要素によるメカニズムのパターンを抽出した。
著者
木村 遊 大野 敦生 豊田 裕司 高須 孝広 下川 翔平
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.O-001, 2020 (Released:2020-01-01)

【はじめに】本症例は肩関節初動時に放散痛と挙上最終域で衝突感を訴えていた.この原因が頚部の椎間関節障害によると仮説を立て介入を行い,改善が得られたため報告する.【症例】50代女性.平成31年1月に当院に受診し頚椎症,肩関節周囲炎と診断された.介入時は4月であり主訴は右肩関節挙上困難と運動時痛であった.【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき,目的および方法を説明し同意を得た.【評価】疼痛:挙上初期から頚部右側〜右前腕尺側に放散痛(NRS7),挙上80°で衝突感(NRS4).筋緊張:僧帽筋上部線維,頭半棘筋の緊張亢進.肩関節ROM右:屈曲:80 °,外転:60 °.頚部ROM右:側屈:15 °.MMT(右/左):三角筋,棘上筋,上腕二頭筋(3 /4).整形外科テスト:Neer・Hawkins test,Spuring test右側陽性.動作観察:挙上運動で肩甲骨挙上,前傾が先行的に起こる.画像所見:頚椎MRI:C5 /6,C6 /7狭窄.【仮説】本症例の疼痛は筋力低下部位,頚椎MRIより椎間孔での狭窄によるものと考える.挙上困難な原因は椎間関節障害により主動作筋の筋力低下が生じ,大胸筋等で代償運動が出現した結果,ROM制限や衝突感が出現したと考えた.【治療】1.頚部筋緊張緩和2.頚椎モビライゼーション【結果】疼痛:放散痛消失,挙上110°で衝突感(NRS4).肩関節ROM右:屈曲110°,外転100°.頚部ROM右:側屈:30°.MMT(右/左):三角筋,棘上筋,上腕二頭筋(4 /4).整形外科テスト:Spuring test陰性.【考察】疼痛と挙上困難の原因は整形外科テストや主動作筋の筋力低下を生じていたことから神経根症状とインピンジメント徴候が考えられた.肩関節周囲炎が拘縮期に移行しており,ROMのEnd feelから軟部組織の伸張性が低下している.このことから上腕骨頭の骨頭偏位によりインピンジメント徴候が起こることも予想されるが,主訴である疼痛の質や部位がC5 〜C7神経支配領域であるため椎間関節障害の問題と考えた.
著者
勝俣 昌也 石田 藍子 豊田 裕子
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.164-172, 2013-12-26 (Released:2014-05-01)
参考文献数
15
被引用文献数
4 2

生産現場で栽培した飼料用米の化学組成の情報をえるために,国産飼料資源活用総合対策事業に参加した17協議会から,平成20年と平成21年産の飼料用米(玄米が14品種25サンプル,籾米が10品種17サンプル)を入手して分析した。さらに,保管条件による酸化劣化の程度を明らかにするために,玄米と籾米を28°C相対湿度80%の条件で保管して脂肪酸度の変化を調査し,4°Cで保管したときと比較した。測定したすべての玄米の化学組成と籾米の化学組成のあいだに差があった(P<0.01)。総エネルギー,粗蛋白質,粗脂肪,総リンの含量は玄米のほうが高く,粗灰分,カルシウム,NDF の含量は籾米のほうが高かった。さらに,玄米の必須アミノ酸含量のほうが,籾米の必須アミノ酸含量よりも高かった(P<0.05)。また,調査した玄米と籾米の粗蛋白質含量と総リン含量には正の相関があった(P<0.05)。28°C相対湿度80%で保管すると4°Cで保管するよりも脂肪酸度が高く(P<0.01),玄米として保管するほうが籾米として保管するよりも脂肪酸度が高かった(P<0.01)。28°C相対湿度80%で保管しても,籾米であれば脂肪酸度は変化しなかった。玄米と籾米の粗蛋白質含量と総リン含量の正の相関は,施肥量が多いと粗蛋白質含量が高くなったことを示唆している。保管中の酸化劣化の結果は,常温で保管するなら,籾米で保管するのが望ましいことを示唆している。
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.152-157, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
218 210

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子をKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本とする 培養液内に懸濁させ,5%CO2,95%空気,温度37°Cの条件で3~120分の種々の時間培養した後,体外受精に供した。卵子としてはHCG注射後16~17時間の過排卵卵子を用いた。その結果,体外に培養された精子は雄から採取直後の精子よりも早く卵子に侵入することが明らかとなり,in vitroにおいてマウス精子の受精能獲得が起こることが示唆された。追記: 本報の投稿後に知ったIwAMATSU&CHANGの最近の報告(J.exp.Zool.175,271,1970)によると,1)精巣上体精子は牛の卵胞液の存在下に授精後約1時間から卵子への侵入を開始し侵入率は授精後5時間まで漸増する。2)牛の卵胞液とともに3~4時間体外培養された精子は新鮮精子よりも早く卵子へ侵入する,ことが報じられている。前報の成績17)に比し侵入時期が早くなっているのは技術的な改良によると推察している。ただし,牛の卵胞液を用いずに精子を前処理する試みはなされていない。
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.147-151, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
236 259

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子と,HCG注射後16~17時間の成熟雌マウスの卵管膨大部から採取した過排卵卵子を用いて体外受精を試み受精の初期の過程を観察した。培養液としてはKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本としたものを用い,5%の割合で炭酸ガスを混じた空気の下に37°Cで1/2~5時間培養した。その結果,培養開始後30分では卵子への精子侵入(透明帯通過)は認められなかったが,1時間後には約23%の卵子に侵入がみられ2~5時間後に検査された331個の卵子の約94%に精子侵入がみられた。このうち卵細胞内に明らかに精子が認められ受精の初期の過程にあると認められたものは294個(88.8%)であった。
著者
豊田 裕貴 木戸 茂
出版者
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
雑誌
イノベーション・マネジメント (ISSN:13492233)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.89-100, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
5

本研究の目的は、QCA(質的比較分析)とMDSO-MSDOによる質的分析手法と、ソフトクラスタリングといった定量分析手法とを活用し、個々の顧客の差異を検討し、ブランドマネジメントに資する情報抽出方法を提案することにある。QCAは、ブール代数をもとにした集合論的方法である。本研究では、個々人のブランド評価構造の多様性と因果条件を明らかにする目的で応用する。もう一つのアプローチであるMDSOおよびMSDOとは、Most Different cases, Similar Outcome/Most Similar cases, Different Outcomeの頭文字からなる手法である。MDSOは「結果が類似しているグループ内で評価基準が最も異なるケース」を特定し、MSDOは「結果が異なるグループ間で評価基準が最も類似しているケースを特定する」ために用いられる。本研究では、対象となる顧客データの中から詳細に検討すべき対象を特定する目的に応用する。ただし、MDSO-MSDOアプローチでは、極端に変わった対象が抽出されてしまう可能性があり、特定された対象が深く検討すべき対象であるかという懸念が残る。この点に対しては、ソフトクラスタリングを用いて抽出された顧客と類似する個客がどれくらいいるかを確認することで対象の非特殊性を担保する手順についても提案する。
著者
笠井 健吉 杉本 正仁 豊田 裕
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.885-890, 1979
被引用文献数
1

体外受精卵の移植によって得られた雌および雄マウスの繁殖能力について検討した.PMSG及びhCG(各5iu)を投与して過排卵を誘起したF<sub>1</sub>(C3H/He&times;C57BL/6J-at/at)成熟雌マウスを卵子提供雌とし,一方,精子提供雄としては,JCL:ICR系成熟雄マウスを用いて体外受精を行った.授精後6時間に第2極体放出の有無で判定した受精率は,80.9%(418/517)であった.培養した受精卵405個のうち受精後24時間で2細胞,48時間で4-8細胞及び~2時間で桑実胚あるいは初期胚盤胞へ発生したものはそれぞれ,99.8%,97.5%,及び97.0%であった.体外培養によって得られた桑実胚及び初期胚盤胞245個を21匹の偽妊娠雌マウスの子宮へ移植した結果,雄29匹及び雌23匹の合計52匹の新生子が得られた.生後3週で離乳した後に,7匹の雌とその同腹子の雄を選び2~3か月齢できようだい交配を行った.7匹の雌マウスのすべてが妊娠し,雄37匹及び雌41匹の健康な新生子が得られた.外形異常は認められず,3週齢での雄,雌の平均体重はそれぞれ,12.2&plusmn;2.7g及び12.3&plusmn;1.7g(Mean&plusmn;S.D.)で対照区と差のない成績であった.本研究の結果から,体外受精卵の移植によって得られた子の成熟後の交配,妊娠,分娩及び哺乳に関する一連の繁殖能力は正常であることが明らかにされた.
著者
中條 早織 豊田 裕也 北原 鉄朗
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.591-592, 2016-03-10

演劇は様々な芸術的表現が組み合わさり作られるものである。舞台によって演出プランや役者の動き方は変化する。しかし本番の舞台で練習することはあまりできず、多くの場合本番の直前のみになってしまうのが現状である。さらに初心者にとって舞台全体を頭の中でイメージすることや、スタッフ全員でそのイメージを共有することは容易ではない。そこで本研究では演劇初心者へ舞台づくりの支援となる Android 端末を用いた Unity3D アプリケーションによるシステムを提案する。本アプリケーションを使用することでよりよい演出プランが生まれたり、スタッフ全員での演出との意図を合わせやすくなり、より一体感のある舞台の完成が期待できる。
著者
豊田 裕之 森 晃爾
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.153-159, 2017

<p>大規模災害が発生した際,災害対応を行う労働者は,日常業務とは異なる健康障害要因に曝される恐れがある.そのような課題に対して適切な準備や対応を行うためには,過去の大災害の知見を参考にすることが有効と考えられるが,公開されている情報は少ないことが現状であるので,大規模災害発生時の労働衛生活動の在り方を検討するために,関連情報が比較的多く報告されている世界貿易センター倒壊テロ事件(WTCテロ)と福島第一原子力発電所事故(第一原発事故)を対象に文献上の知見について,比較検討を行った.WTCテロについて7編の文献が抽出され,1. 労働衛生管理を含む緊急時体制に関連したもの,2. 健康影響や労働衛生面の改善・予防に関連したもの,3. 健康影響の緩和を目的としたケアに関連したものに分類された.一方,第一原発事故については,先行レビューで整理された文献を用いた.大規模災害発生時に対応する労働者の健康確保のためには,防災基本計画に関連した諸規程に労働衛生に関する規定を盛り込むとともに,長期にわたって支援を行うことを前提とした実務的な支援機能,災害対応に関わる可能性のある労働者に対するトレーニングの仕組み,健康影響の緩和を目的としたケア体制などを構築することが必要と考えられた.</p>
著者
平野 賢治 豊田 裕司 木邊 厚視 山本 直嗣 中島 秀紀
出版者
九州大学大学院総合理工学府
雑誌
九州大学大学院総合理工学報告 (ISSN:13467883)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-5, 2013-09

The abundance ratio of the doubly charged ions in an ion thruster plume was measured in order to estimate the thrust and validate a numerical simulation code for lifetime validation of ion thruster. An E×B probe was used for the estimation of the ratio of doubly charged ions to singly charged ions. The ratio of doubly charged ions to singly charged ions is 0.04 at an incident microwave power of 8 W and a mass flow rate of 20 μg/s. The ratio is decreased with increase in mass flow rate. This is because the increase in mass flow rate leads to the decrease in mean free path, and electrons get less energy from the microwaves. The E×B probe can estimate the ion velocity and the average velocity of the accelerated ions is estimated as 3.7×10^4 m/s at a screen voltage of 1000 V, which is reasonable compared to the theoretical value.
著者
豊田 裕 中潟 直己 馬場 忠 佐藤 英明 斉藤 泉 岩倉 洋一郎
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1)卵成熟と受精の制御A)卵胞液から卵丘膨化を促進させる熱に安定な物質を分離した。また本物質は精子核の膨化に対しても促進的に作用することを明らかにした。B)c-mos遺伝子欠損マウスの卵成熟と受精について解析するとともに、c-mos遺伝子欠損により単為発生が誘起されることを明らかにした。また、遺伝子ターゲット法によりアクロシン遺伝子欠損マウスを作製した。このようなマウスから得た精子は透明帯を通過し卵子に侵入するものの、受精成立に要する時間が長くなることを明らかにした。C)膨化卵丘に含まれる液状成分に受精促進作用のあること明らかにした。2)初期卵割の制御A)プロジェステロンにより単為発生の誘起されることを明らかにした。また、XX型胚とXY型胚を凝集したキメラ胚は雄になるが、組織学的に解析しキメラ胚における性腺の分化過程を明らかにした。B)エンドセリン遺伝子欠損マウスを作製しホモ化したものでは頭蓋顔面に奇形を誘発することを明らかにした。C)ラット初期胚の内部細胞塊に由来する多分化能細胞株を樹立した。3)初期胚保存の制御A)マウス初期胚の凍結保存条件、特に凍結に用いる溶液や平衡時間について解析し、胚保存の最適条件を決定した。また、超急速凍結法によりラットの受精卵の凍結保存に成功した。