著者
若林 宏保 中村 祐貴 徳山 美津恵 長尾 雅信
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.13-21, 2021-02-26 (Released:2021-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

人口減少に喘ぐ地方都市は,人々との関係性を育むためにブランド戦略の再構築が求められている。その基となるブランド力指標の多くは,都市の相対的な位置付けを把握するには適するものの,人々を引きつけるブランド・ストーリーを導くような意味構造の把握は難しい。本研究ではその課題解決のために,都市に対する行動意向と意味構造の調査を実施し次の分析を行った。まず,従来の地域ブランド指標に関係人口の概念を包含し,都市への行動意向の指標化を試みた。因子分析によって3つの行動意向(生活因子,体験因子,貢献因子)を導出した。次に3つの因子の平均因子得点から階層的クラスター分析を行い,都市のイメージ連想を4つに類型化した。それぞれリッチ・ストーリー型,ユニーク・ストーリー型,コモディティ・ストーリー型,ノン・ストーリー型と命名した。最後に各クラスターにおける意味構造の特徴を「ワードの数」「ワードの意味」「意味や文脈の構造」の3つの観点から捉え,戦略的示唆を提示した。研究の展望では,外的妥当性とブランディングの有効性を高める方途について言及した。
著者
村瀬 菜都子 若林 宏明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.135-143, 2011 (Released:2011-06-01)
参考文献数
8

ラクオリア創薬株式会社は,2008年7月の設立当初よりリンクリゾルバを利用してきた。リンクリゾルバ導入により電子資料へのアクセスは飛躍的に効率化されたものの,情報検索ツールの検索結果から複数の論文について所蔵を確認する際には,1件ごとにリンクリゾルバのアイコンのクリックを繰り返す必要があるなどの改善すべき点があることがわかった。さらにアグリゲータ系電子ジャーナルを多く購読している環境では,閲覧禁止期間に該当する割合が高くなり,この問題はより顕著になる。この課題を解決した一括所蔵確認システムを中心に,ラクオリア創薬でのリンクリゾルバを用いて効率化した情報サービスについて報告する。
著者
若林 宏明 ワカバヤシ ヒロアキ
雑誌
流通経済大学流通情報学部紀要
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.119-150, 2003-03
著者
若林 宏輔 渕野 貴生 サトウ タツヤ
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.87-97, 2014 (Released:2017-06-02)

日本には、表現の自由を守る観点から刑事事件報道に対する規制はない。渕野(2007)は、日本の公判前報道(Pre-trial Publicity)の幾つかの内容が被告人に対する予断・偏見を作り、刑事裁判の公正性を阻害している可能性を指摘している。一方で、法務省(2009)は、報道規制の代わりに、裁判官の説示(Judicial Instruction: JI)によって市民は証拠能力のない情報を無視することができるとしている。本研究は、問題が指摘されている刑事事件報道と、それを無視するように促す裁判官の説示の効果の関係について調べた。本研究では、比較のために2つのタイプのJIが準備された。一つ目の説示は、証拠能力のない情報を無視する上での証拠法に関する説明が含まれていた(理論的根拠を含む説示)。そして、二つ目の説示ではこれらの説明を含まずに、これらの情報を無視することだけが指示された(公判のみ参照説示)。実験1では、渕野(2007)が問題ある報道と指摘している2種類-自白・前科情報を含む報道を用いて検討した。結果、いずれの裁判官の説示にも、報道によって得られた証拠能力のない自白の情報を無視させる効果はなかった。さらに実験2では、新聞報道に特有な表現方法の効果と説示の種類の効果について調べた。この時、理論的根拠を含む説示は裁判員を無罪の判断に導いた。これらの結果を踏まえ、刑事事件報道の在り方について議論した。
著者
柳下 和夫 若林 宏明
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究は海に近い砂漠に雨を降らせようというものである。その方法は砂漠に近い海の表面に黒色物質を浮かべる。これが太陽光を全部吸収し海面の温度が上昇する。すると海水の蒸発が増える。一方砂漠にも黒色物質を撒いておくと太陽光が全部吸収される。すると地面の温度が上昇し空気は膨張し軽くなる。そして上昇気流となる.その下は低気圧になる。そこへ海上の水蒸気が流れ込んでくる。すると上昇気流に引きずられて上昇する。そして上空で断熱膨張し、温度が下がり雲ができて雨が降るというのである。海に浮かべる物質としてどんなものが良いかいくつかの材料をテストした。水道水と塩水で差はあるが黒色物質を浮かべると最高41%も蒸発が加速されることが分かった。一方砂漠の上にも黒色物質を撒くとどれくらい太陽光熱が吸収されるかを調べるために、世界各国の砂漠の砂を入手し光の反射率を測定した。その結果砂の色にもよるが1/3ないし2/3の反射率であった。これを黒く塗れば吸収されるエネルギーは1.5倍ないし3倍増え、その分だけ余計に空気を暖めることができる。また一度砂漠緑化に成功すれば、植物からの蒸発水分により、自然の雨が降って緑化が持続するかどうかを,好塩性植物によるシミュレーションしたところ雨量が増えることが分かった。上昇気流を起こすものとして,大火や雨乞いがあるが、その後雨が降ったかは定かではない。この方法で砂漠に雨を降らせば良いこと尽くめかというと、マイナス面もある。そこでテクノロジーアセスメントを行ない、問題点を抽出した。海の生態系に対する配慮が必要なことなどが分かった。海と砂漠の距離がどれくらい離れていても水蒸気が移動するかについては,実験に失敗し分からなかった。
著者
高橋 彰 若林 宏 本多 和彦 加藤 忠哉
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.269-274, 1978
被引用文献数
1

ABおよびABA型のスチレン-テトラヒドロフランブロック共重合体 (テトラヒドロフランプロックの分子量60,000~70,000) のぬれと表面のモルホロジーを検討した. シクロヘキサン溶液から製膜したフィルムへの水の接触角 (θ) 測定とオスミウム酸で染色したフィルムの電子顕微鏡観察を行った. cosθはブロック共重合体の組成に依存せず, テトラヒドロフランに富む共重合体のぬれはポリスチレンにほぼ同じであり, スチレンに富む共重合体はこの逆であった. 電子顕微鏡写真の解析からスチレン部の表面組成を求めた. スチレン部あるいはテトラヒドロフラン部の表面への蓄積はテトラヒドロフラン部の結晶化または界面活性によることが示された. cosθ, すなわち, ぬれは表面のモルホロジーに無関係に共重合体の表面組成の関数であることが分かった.
著者
中川武夫 飯田弘之 若林宏明
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.15-16, 2013-03-06

著者ら(Iida et al. Game Information Dynamic Models based on Fluid Mechanics. Entertainment & Computing(2012) 3, 89-99 2012)により提案されたゲーム情報力学モデルを用いて将棋のプロ棋士とコンピューター(激指、習甦など)の試合経過を解析したものである。 解析結果はAdvantage,Winning Rate, そしてCertainty of Game Outcomeから成り立っており、これらの値が、それぞれの試合の時間経過に伴ってどのように変化するかが明らかにされた。 本研究を通して得られた新たな知見を要約すると以下のようになる。1.打ち合いの接戦になると、コンピューターが有利である。2.コンピューターは投了の時期を判断することが、現段階においてはできない。3.コンピューターに人間が勝ためには、人間と対局するのとは異なる戦略・戦術が求められる。 たとえば、眩惑、空かす、フェイントなど。4.人間vs.コンピューター戦を公正性と公平性が良く保たれ、かつエンタテイメント性豊か なものとするためには、適切なルールの制定が不可欠である。
著者
芝 祐輔 坂井 亮太 綿野 亮太 奥田 泰考 若林 宏海 荒川 昌史 中澤 寛仁 須藤 俊明 梶井 英治 長谷川 剛 岡山 雅信
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.23-26, 2013 (Released:2013-05-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

要 旨目的 : これまで長期災害支援の報告は数少ない. そこで今回我々が経験した東日本大震災の長期災害医療支援として巡回診療で得られた診療記録と処方箋から薬剤関連データを解析した. 方法 : 巡回診療で得られた診療記録と処方箋から患者数と医薬品の処方件数ならびに処方件数の多かった上位3位の医薬品使用量の推移について解析した. 結果 : 患者数は支援を開始した3/26から1週間後の166名/日 (中央値48.5名, 範囲14-166) をピークに減少し, 4/11以降は24名 (中央値)/日 (範囲0-47) であった. 医薬品の処方件数は感冒薬, 降圧薬, 抗アレルギー薬の順で多かった. また医薬品の使用量は感冒薬と降圧薬は時間経過とともに減少したが, 抗アレルギー薬は継続的に処方されていた. 結論 : 災害医療支援チームは被災地の医療機関の復興状況に応じて急性期だけでなく長期の支援を行うべきである. また支援の介入が早いほど, 急性疾患と慢性疾患の両方の治療薬を災害医療支援チームは必要とする.
著者
飯田弘之 中川武夫 ApimukMuangkasem 神谷俊裕 曾根彰吾 森近泰匡 石飛太一 若林宏明
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-4, 2011-12-10

ゲーム中における個々のプレーヤーの感じ方、すなわち感情 (Feeling) は本質的に異なる。本研究は、この感情が Game Progress Pattern, すなわち Balanced Game, Seesaw Game および One-sided Game にどのように依存するかをアンケート調査の分析結果に基づいて検討・考察を加えたものである。