著者
岩城 麻子 藤原 広行
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.4_1-4_18, 2013

広帯域地震動計算のために実用的に広く用いられるハイブリッド合成法においては、低周波数側と高周波数側の地震動がそれぞれ差分法等による決定論的地震動計算手法と統計的グリーン関数法に代表される半経験的・統計的手法によって別々に計算される。このとき低周波数側と高周波数側でそれぞれ全く独立のデータと手法を用いて合成されることになるため、時刻歴波形の経時特性まで含めて両者の整合性を保つことは困難である。本稿では、周波数帯間の地震動特性の関係に着目し、低周波数地震動が持つ情報を利用して高周波数地震動を合成する手法を提案し、関東地域において適用性を検討した。観測地震記録に基づいて各評価地点における加速度エンベロープの経時特性の周波数帯域間の関係性を抽出し、その特徴を関係式として整理した。求められた経時特性を基となる低周波数地震動に掛け合わせ、適当な位相情報を与えることにより高周波数地震動の合成が可能であることを示した。
著者
堀 貞喜 石田 瑞穂 青井 真 井上 公 大久保 正 岡田 義光 小原 一成 笠原 敬司 木村 尚紀 熊谷 博之 汐見 勝彦 関口 渉次 根岸 弘明 野口 伸一 松本 拓己 山水 史生 藤原 広行 功刀 卓 浅野 陽一 関根 秀太郎 廣瀬 仁 松原 誠 安逹 繁樹 伊藤 喜宏 針生 義勝 松林 弘智 松村 稔 宮川 幸治 山品 匡史 坂無 雅子 雷 楓 伊東 明彦 岩田 知孝 ト部 卓 川勝 均 木下 繁夫 工藤 一嘉 纐纈 一起 佐藤 春夫 佐藤 比呂志 武井 恵雄 中尾 茂 平田 直 平原 和朗 堀家 正則 松澤 暢 山北 聡 綿田 辰吾 山野 誠
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.15, pp."I-12"-"I-16", 2004-09-06

地震調査研究推進本部の総合基本施策(「地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策(平成11年4月23日)」)、及び調査観測計画(「地震に関する基盤的調査観測計画(平成9年8月29日)」、「地震に関する基盤的調査観測計画の見直しと重点的な調査観測体制の整備(平成13年8月28日)」、「地震に関する基盤的調査観測等の結果の流通・公開について(平成14年8月26日)」)等に基づき、高感度・広帯域地震観測施設と強震観測施設を整備し、観測網の維持・管理・運用を行う。これら基盤的観測網と防災科研の在来地震観測網から得られるデータの収集・処理を行い、気象庁、大学等のデータと合わせて蓄積・流通・公開を行う。また、防災科研が海外に整備した観測施設についても、円滑な維持・管理とともに、観測方式の高度化を行いつつ、データの収集・処理・蓄積・公開を行う。さらに、各観測網から得られるデータを用いて、高度な地殻活動のモニタリングを実施し、地震活動状況の推移を判断するための研究成果を創出する。
著者
田中 博通 藤原 広和
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

研究実績の概要は下記の通りである。1.多点風速計と超音波風速計を使用して自然風を観測した結果、以下の知見を得た。(1)平均風速の鉛直分布は対数分布となった。地表から1〜2mまでは、地表の粗度の影響を受けて乱れ強さは増加するが、地表から離れるにつれ測定した10mまでは風速が増加しても乱れ強さはほぼ一様な分布となった。(2)鉛直断面における変動風速の横相関係数C(r)は、r=9.5mの場合でも0.6以上の値となり、自然風はかなり大きなスケールであるといえる。(3)水平方向風速と鉛直方向風速の乱れ強さは、水平方向の平均風速が大きくなると増加する特性がある。2.リンゴ果樹の枝のヤング率について、様々な枝の付き方があることから、今回は直接現場で引張り試験を行った。その結果、以下の知見を得た。(1)枝のヤング率は枝の高さや枝の勾配や枝の太さに関係なくほぼ一定になった。(2)リンゴの枝のヤング率の平均値はE=3.3×10^7gf/cm^2となり、柿の枝のヤング率と同程度となった。3.自然風によるリンゴの揺れは、2台のCCDカメラでステレオ撮影し、それを画像処理して求めた。その結果は下記の通りである。(1)自然風によるリンゴ果実の変動は、前後の変動が大きく、上下・左右の変動はそれに比べ小さい。(2)自然風によるリンゴ果実の変動は、風速の大きさよりも、風速の変動の大きさに関係する。(3)風速が強い時は枝は大きく揺れないが、風速が弱まったとき力が解放され揺れる。従って、枝揺れやそれにともなうリンゴ果実の振動は風の息に関係する。(4)防風ネット背後でのリンゴ果実の変動は、風速の強弱、変動に左右されない。