著者
堤 浩之 平原 和朗 中田 高 杉戸 信彦 DELA CRUZ Laarni. S. RAMOS Noelynna T. PEREZ Jeffrey S.
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

フィリピン断層の地形・歴史地震・古地震調査に基づき,この断層から発生する地震の規模や頻度が走向方向に大きく変化することを明らかにした.フィリピン断層のほぼ全域の縮尺5万分の1の活断層分布図を作成し,フィリピン火山地震研究所のホームページで公開した.完新世隆起サンゴ礁段丘の調査により,海岸部を数m隆起させるような巨大地震がフィリピン海溝やマニラ海溝で繰り返し発生してきたことをはじめて実証的に明らか
著者
平原 和朗
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.291-306, 1990-06-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
107
被引用文献数
1

Seismic tomography has revelaed the three-dimensional structure of Earth's interior in several scales, which has improved our understanding of geophysical and geological processes in the Earth. The present paper reviews three-dimensional inversion methods of seismic body-wave data, stressing the technical details encountered in actual analyses of travel time data. Especially, the paper gives the detailed description of the formulation of three-dimensional inversion problems, the parameterization of structure, the technique of parameter separation, and solving methods of observational equations with resolution analyses (a matrix and interative back-projection methods).
著者
澁谷 拓郎 平原 和朗 上野 友岳
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.61, no.Supplement, pp.199-207, 2009-07-31 (Released:2013-11-21)
参考文献数
38
被引用文献数
2

Receiver function analyses have been developed since the late 1970s. Receiver functions are calculated by deconvolving the vertical component from the horizontal components of teleseismic P waveforms in order to remove the complexities of the source time functions and to extract the structural information beneath seismic stations. The receiver functions are sensitive to impedance discontinuities of the earth’s interior, especially to the shear wave velocity discontinuities. Therefore, the receiver function analyses have advantages in estimating the shear wave velocity structure and imaging the shear wave velocity discontinuities. In this paper we introduce several basic topics of the receiver function analyses. Firstly, we discuss the method of the calculation of the receiver functions, pointing out weaknesses in the water level method and the multitaper method and introducing the extended-time multitaper method. Secondly, we describe the inversions of the receiver functions for the shear wave velocity structure. We show two examples with the genetic algorithm. Thirdly, we introduce the way and several examples to image the shear wave velocity discontinuities with the use of the receiver functions. Finally, we discuss issues in the receiver function analyses which have not been addressed yet but should be in the near future.
著者
篠原 雅尚 村井 芳夫 藤本 博己 日野 亮太 佐藤 利典 平田 直 小原 一成 塩原 肇 飯尾 能久 植平 賢司 宮町 宏樹 金田 義行 小平 秀一 松澤 暢 岡田 知己 八木 勇治 纐纈 一起 山中 佳子 平原 和朗 谷岡 勇市郎 今村 文彦 佐竹 健治 田中 淳 高橋 智幸 岡村 眞 安田 進 壁谷澤 寿海 堀 宗朗 平田 賢治 都司 嘉宣 高橋 良和 後藤 浩之 盛川 仁
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2010

2011年3月11日、東北地方太平洋沖でM9.0の巨大地震が発生し、地震動・津波被害をもたらした。この地震の詳細を明らかにするために、各種観測研究を行った。海底地震観測と陸域地震観測により、余震活動の時空間変化を明らかにした。海底地殻変動観測及び地震波反射法構造調査から、震源断層の位置・形状を求めた。さらに、各種データを用いて、断層面滑り分布を明らかにした。現地調査により、津波の実態を明らかにし、津波発生様式を解明した。構造物被害や地盤災害の状況を明らかにするとともに、防災対策に資するデータを収集した。
著者
堀 貞喜 石田 瑞穂 青井 真 井上 公 大久保 正 岡田 義光 小原 一成 笠原 敬司 木村 尚紀 熊谷 博之 汐見 勝彦 関口 渉次 根岸 弘明 野口 伸一 松本 拓己 山水 史生 藤原 広行 功刀 卓 浅野 陽一 関根 秀太郎 廣瀬 仁 松原 誠 安逹 繁樹 伊藤 喜宏 針生 義勝 松林 弘智 松村 稔 宮川 幸治 山品 匡史 坂無 雅子 雷 楓 伊東 明彦 岩田 知孝 ト部 卓 川勝 均 木下 繁夫 工藤 一嘉 纐纈 一起 佐藤 春夫 佐藤 比呂志 武井 恵雄 中尾 茂 平田 直 平原 和朗 堀家 正則 松澤 暢 山北 聡 綿田 辰吾 山野 誠
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術研究所年報 (ISSN:09186441)
巻号頁・発行日
vol.15, pp."I-12"-"I-16", 2004-09-06

地震調査研究推進本部の総合基本施策(「地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策(平成11年4月23日)」)、及び調査観測計画(「地震に関する基盤的調査観測計画(平成9年8月29日)」、「地震に関する基盤的調査観測計画の見直しと重点的な調査観測体制の整備(平成13年8月28日)」、「地震に関する基盤的調査観測等の結果の流通・公開について(平成14年8月26日)」)等に基づき、高感度・広帯域地震観測施設と強震観測施設を整備し、観測網の維持・管理・運用を行う。これら基盤的観測網と防災科研の在来地震観測網から得られるデータの収集・処理を行い、気象庁、大学等のデータと合わせて蓄積・流通・公開を行う。また、防災科研が海外に整備した観測施設についても、円滑な維持・管理とともに、観測方式の高度化を行いつつ、データの収集・処理・蓄積・公開を行う。さらに、各観測網から得られるデータを用いて、高度な地殻活動のモニタリングを実施し、地震活動状況の推移を判断するための研究成果を創出する。
著者
安藤 雅孝 田部井 隆雄 渋谷 拓郎 大倉 敬宏 平原 和朗 鎌田 浩毅 石川 尚人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

[GPS観測]1.フィリピン諸島の南方の海域(モルッカ海)におけるプレート沈み込み様式を推定するために、インドネシア・スラウェシ島北東端のManadoとミンダナオ島中央のDavaoなど10カ所でGPS観測を行ない、これらの地域の変動速度を(傾斜角30度,固着域下限の深さ60km),南部では東傾斜モデル(傾斜角50度,固着域下限の深さ40km)が得られた。2.マコロード回廊周辺およびフィリピン断層沿いの14カ所でGPS観測を今年度も継続して行った。ユーラシアプレートに相対的な速度場を求めたところ、すべての観測点で西ないし北北西向きに5-9cm/yearの値が得られた。しかし、マコロード回廊の北側と南側ではユーラシアプレートに対する速度が系統的に異なり、マコロード回廊内および回廊の南側が、北側の地域に対して年間2cmの大きさで東ないし北東方向に変位していることが明らかになった。また、マコロード回廊内で2〜4×10E-7の南北ないし北北西-南南東方向の伸長成分が検出された。[地球年代学]フィリピン海溝での沈み込みの開始時期に制約を与えることを目的として,ルソン島ビコール半島の13の火山から37試料を採取し,そのK-Ar年代と化学組成の測定を行った.その結果,ビコール半島のフィリピン火山弧の活動は約7Maにまでさかのぼることが分かった.本研究のデータとSajona et al.(1993,1994)のデータをあわせてみると,沈み込みが北から南へ伝播したというモデルと調和的である.また,パラワンブロックの衝突時期が8-9Maと推定されていることと今回のデータは矛盾しない.[火山地質]1991年ピナツボ山噴火時に形成された火砕流堆積物に対して残留磁化の段階熱消磁実験を行った。結果、ある地点の試料は320-440℃まで温度領域で方向が類似する安定な磁化成分が検出された。これは、火砕流中央部が定着時に最大その温度まで上昇したこと示唆する。また、別の地点の試料のほとんどはマグネタイトのキュリー温度(580℃)までの温度領域で認められる類似した方向をもつ安定な一つの磁化成分を示した。このことは、その温度以上に最下部が上昇していた可能性を示す。