- 著者
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大口 健志
石山 大三
水田 敏夫
林 信太郎
佐藤 比呂志
石川 洋平
佐藤 時幸
- 出版者
- 秋田大学
- 雑誌
- 一般研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 1990
1.脊梁山地,出羽山地,男鹿半島域などに分布する台島-西黒沢期火山-堆積岩相について層位学・火山地質学的研究を行った結果,つぎのことが明らかになった;(1)新庄盆地北端部の模式地に露出する及位層から台島型に属する可能性の高い植物化石が発見され,さらに,秋田県南部の層序との連続からしても及位層の大部分は台島層に対比できること,(2)東北日本内帯における台島-西黒沢期末期の生層位学的対比基準面として扱われ,同時異相と考えられていた須郷田層と大森層は,互いに上(大森層)・下(須郷田層)関係にあり,石灰質ナンノ化石分帯のNN4-5帯に須郷田層が対比されること,(3)秋田一庄内油田域に伏在する西黒沢期玄武岩類は須郷田層の形成期間内に急激に噴出したこと,(4)寒河江川流域の大規模珪長質火山作用は大森層と同様,NN6/5境界以降に出現した陥没域で始まったこと,(5)男鹿半島の台島層(藤岡,1959)は下位から上位へ,帆掛島石英安山岩,館山崎玄武岩,館山崎緑色凝灰岩,台島層主部に4分され.広域火砕岩である帆掛島部層を不整合に被う館山崎玄武岩部層以降を台島層として扱うのが妥当であること。2.背弧海盆拡大期に活動した砂子淵層玄武岩類の層相解析から,多量のマグマ水蒸気爆発起源の火砕物質によって特徴づけられる砂子淵層は,乾陸から半深海性の海進にともなう堆積環境下において,当時の汀線付近で継続的に行われた火山作用によって形成されたものであることが判明した。3.北鹿・黒鉱鉱床形成期前後の玄武岩類と,砂子淵層玄武岩類は共通した岩石化学的性質を示し,back arcbasaltと類似している。黒鉱鉱化溶液の生成には玄武岩類からの金属元素の抽出が寄与したらしい。砂子淵層および新潟平野・七谷層の水冷玄武岩のrim部における発泡度は,由利原油・ガス田のものとくらべて低い。