著者
藤田 弘夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.199-221, 2005-03

特集都市・公共・身体の歴史社会学-都市社会学誕生100年記念-B編 身体と公共の歴史社会学論文第一節. 人間の夢と科学・技術第二節. 人類の発展と地球環境第三節. 人類の進歩と社会の進化第四節. 生命への挑戦と豊かな生活第五節. 科学・技術と未来の神話While man realized the dream, he found out (lack) continuously and made a new dream. Man's dream is restricted and spreads that there is nothing. Man's greatest dream is release from the "death" which cannot be escaped as long as man is a living thing. Therefore, religion is securing a life in the next world, and established mighty power among people. However, man is going to live a present life the comfortable thing. And man has developed science and technology. Science and technology changed to God and have realized people's dream. However, development of science or technology does not have the use most important for anyone. The merits and demerits of science or technology are complicated. Man has realized various desires by picturing a dream to oneself. People's dream not only leads parents, a friend, and books, but now, it is transmitted through electronic media, such as television, a telephone, and a personal computer. The business by realization of a dream is acting [ man-like ] as man. Man can see various dreams also from not only the encounter with other human beings but one copy of mail, or one-sheet public lottery. Now, in the rich country, the birthrate is falling rapidly. Is this world such the pleasant world that it is difficult to induce for it and a child whether it is the world which does not deserve living? On the other hand, the poor country shows the high birthrate, it is going to tell man's importance-or is the child born in order to escape poverty? In advanced nations, while injuring health by overweight by delicious food, eating disorders, such as anorexia, have spread. However, in the developing country, health is injured by a poor meal and too much labor.
著者
藤田 弘夫
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.149-184, 2004-01

川合隆男教授退職記念号はじめに第一章 ソロキンと今日の社会学第二章 北ロシアでの漂泊と職人生活第三章 革命運動とペテルスブルク第四章 学者と政治家"革命と戦争第五章 アメリカでの栄光と孤立第六章 社会学会との対決と追放第七章 社会学界の無視と和解第八章 ソロキン評価の知識社会学第九章 ソロキンと二一世紀の社会学
著者
藤田 弘夫
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.56-70, 1976-07-31 (Released:2010-01-29)
参考文献数
43

現在、都市社会学は理論的危機のなかにあるといわれる。したがって、現在、都市を明らかにするには経験的調査ばかりでなく、まず理論構成によってなされなければならない。本稿は、現在の都市社会学理論の危機が、明確に論理的に区分されるべき地域研究のもつ、二重の性格の見落しに由来するものであることを明らかにする。なによりも、都市は村落と共に地域の一類型であり、都市は地域の部分社会である。このことを踏まえて、本稿は、地域上にすぐれて歴史的・文化的産物として存在する統合機関によって構成された人口集積が生み出す、相対的に自律的な社会現象のなかに、都市社会学の成立根拠を見出す。こうした観点から、都市社会学を再生させるには、地域社会学が地域的属性に連関させて、行為論・集団論・分業論・階級論 (階層論) ・体制論 (体系論) 等の、社会学の理論的成果を組替える一方で、都市社会学も、社会学のこれらの理論的成果を、人口の属性に連関させて組替えなければならない。本稿は、行きづまっている都市社会学理論に、こうして新たな理論の展開可能性を開き、枯渇しかけている社会学的想像力の回復を意図するのである。
著者
藤田 弘夫
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.55, pp.5-25, 2002

論文第1章 都会と田舎 【生活のなかの都鄙の問答】 【都会の魅力と魔力】第2章 都市主義と「反」都市主義の系譜 【古典古代の都市思想】 【中国における都市思想】 【イスラム社会における都市思想】 【西欧における都市思想】 【日本における都市思想】第3章 近代化と反都市思想 【資本主義の発展と都市】 【都市生活のイギリス型とフランス型】 【帝国主義と植民地の都市形成】 【社会主義の発展と都市の改良】 【共産主義の建設と都市の位置づけ】第4章 偉大な実験 【カンボジア内戦とプノンペンの陥落】 【大下放と都市の放棄】 【都市なき支配と文化の破壊】第5章 都市 : 善悪の彼方 【繰り返される都鄙問答】 【人類と都市の未来】
著者
藤田 弘夫
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.117-135, 2006-03-28

日本の社会学者は都市社会学者にかぎらず,何よりも「現代」社会の研究者であることに意義を見出してきた.したがって,都市の歴史社会学的な研究は多くはなかった.もっとも,これも都市の定義や歴史社会学をどう考えるかでかなりの違いがある.日本は都市社会学をアメリカから導入した.アメリカの都市社会学はアメリカ社会の非歴史的性格を反映して,歴史への関心が欠如している.このため日本の都市社会学は最近までほとんど歴史に関心を持ってこなかった.現在,都市社会学者は歴史家の研究に影響を受けながら研究を進めている.これに対して,都市社会学者の歴史家への影響は少ない.矢崎武夫の統合機関理論による日本都市の発展史,中川清の生活構造論による近代化論,藤田弘夫の権力論による都市の発生論や飢餓論などわずかしかない.とはいえ,最近の佐藤香の社会的移動論,中筋直哉の身体の本源的対他相関性論などにもとづく研究は,新しい歴史社会学的研究の可能性を拓いている.この意味では,都市の歴史社会学的研究はようやく,はじまったばかりである.
著者
藤田 弘夫
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3/4, pp.117-135, 2006-03-28

日本の社会学者は都市社会学者にかぎらず,何よりも「現代」社会の研究者であることに意義を見出してきた.したがって,都市の歴史社会学的な研究は多くはなかった.もっとも,これも都市の定義や歴史社会学をどう考えるかでかなりの違いがある.日本は都市社会学をアメリカから導入した.アメリカの都市社会学はアメリカ社会の非歴史的性格を反映して,歴史への関心が欠如している.このため日本の都市社会学は最近までほとんど歴史に関心を持ってこなかった.現在,都市社会学者は歴史家の研究に影響を受けながら研究を進めている.これに対して,都市社会学者の歴史家への影響は少ない.矢崎武夫の統合機関理論による日本都市の発展史,中川清の生活構造論による近代化論,藤田弘夫の権力論による都市の発生論や飢餓論などわずかしかない.とはいえ,最近の佐藤香の社会的移動論,中筋直哉の身体の本源的対他相関性論などにもとづく研究は,新しい歴史社会学的研究の可能性を拓いている.この意味では,都市の歴史社会学的研究はようやく,はじまったばかりである.
著者
冨谷 至 矢木 毅 岩井 茂樹 赤松 明彦 古勝 隆一 伊藤 孝夫 藤田 弘夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

「東アジアの法と社会」という研究題目の下、4年間に渡って続けてきた我々の共同研究の成果として、以下の成果を報告する。第一は、国内国外で二度にわたって国際シンポジウムをおこない、東アジアにおける空間的、時間的座標のうえに死刑・死罪を考え、各時代、各地域の相違が浮き彫りにされたことである。その適用理念は、応報にあるのではなく、一に予防と威嚇にあることである。それは今日の中国の死刑に実態をみれば、罪と罰が均衡をかくこと、死刑廃止の議論が希薄であることからもわかる。各担当者の課題を深めて論文にした当研究の成果報告『東アジアにおける死刑』(科学研究費成果報告:冨谷篇)において、かかる東アジアの死刑の歴史的背景、本質が明らかにされている。報告書には、スウェーデンのシンポジウムには、参加できなかった藤田弘夫、岩井茂樹、周東平の各論考の収録し、社会学の視座からの死刑問題の考察、現代中国の死刑制度をテーマとする。さらに報告書は、さきの平成15年のセミナーの報告も加えたもので、英語でなされたセミナーの報告は、英文で、その後の主として日本側の研究分担者、および周東平論文は日本語で掲載している。なお、本研究のさらなる成果として、京都大学学術出版会から、平成19年に『東アジアにおける死刑』(仮題)を出版する予定である。我々の研究成果が今日の日本の死刑問題を考える上で、寄与できるのではないかと自負している。
著者
田中 重好 藤田 弘夫 熊田 俊郎 友枝 敏雄 堀川 三郎 横田 尚俊 田中 重好
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

「生活公共性」という新しい社会学的な概念を検討し、都市環境や都市空間の実証的な研究に援用可能であることを確認した。その概念を用いて、日本、中国、イタリアやドイツの都市空間の実証的な研究を行った。公共性という概念は、実証的な国際比較研究において重要な鍵概念であるばかりではなく、危機にある社会学理論の今後の再建においても重要な概念であることを検討してきた。本研究の研究成果は、『東アジアにおける公共性の変容』(慶応大学出版会、2010、日本語)、『地域から生まれる公共性』(ミネルヴァ書房、 2010、日本語)、 The Comparative Study of the Publicnee(中国社会科学出版社、2013、英語)、科学研究費報告書『都市環境における生活公共性の比較社会学的研究』としてまとめ、公刊した。とくに、我々としては、国際比較社会学の研究成果を英文で出版しえたことは、重要であったと考えている。また、 2012 年日本社会学会大会において「生活公共性と比較社会学」という特別セッションを海外から 6 名の研究者を招聘して開催し、研究報告をおこなった。本セッションの全体は、科学研究費報告書『都市環境における生活公共性の比較社会学的研究』に収録した。