著者
飯島 安恵 藤田 茂 今野 将
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.873-885, 2016-03-15

近年,iPadなどのタブレット型端末の普及にともない,電子譜面が注目・開発されてきている.また,電子譜面システムを演奏会(特に吹奏楽団など)で使用すると,紙の譜面を利用する際に演奏者にかかる負荷の軽減が期待できる.しかし,現状の電子譜面システムは個人使用(主にピアノ演奏者)を想定して開発されているため,吹奏楽団のような集団での使用は想定されていない.そのため,演奏者にかかる譜めくり作業の負荷が依然として大きい.そこで,本研究では,譜めくり作業負荷の軽減を目的として,現在吹奏楽団などで使用されている紙の譜面を再利用することを前提とした,タブレット型端末の特性を活かした吹奏楽団向け電子譜面システムPEANUTSの提案,試作を行った.PEANUTSシステムでは,吹奏楽団で楽曲を演奏する際に演奏者にかかる負荷の1つとして譜めくり作業に着目をした.譜めくり作業の負荷を軽減するために,譜めくりタイミングが同じ演奏者の中から,譜めくり作業を行う譜めくり担当者を,本論文で提案するモデルとアルゴリズムに基づいて選定する.この結果,演奏者全体での譜めくり負荷が,既存の譜めくり手法や電子譜面アプリケーションと比べて低くなる.本論文では,PEANUTSの評価実験と,PEANUTSを用いた実際の楽器演奏者による実地実験の結果を示す.In recent years, with the spread of tablet computers, such as the iPad, applications such as electronic musical scores have been developed that exploit the special features of tablet computers. However, existing electronic musical score applications were developed considering individual use (principally by pianists), and when using electronic musical score systems for a wind orchestra, for example, the load placed on the musical performers are effectively the same as when using paper scores. Therefore, in this study we're taking advantage of the characteristics of the tablet terminal and carrying out the proposal and trial production of the Electronic Musical Score System for Wind Orchestra called PEANUTS. It is presupposed to reuse the score of paper that is currently being used. PEANUTS, is focused on page turn as a load applied to the performer when playing musical piece in Wind Orchestra. We have proposed a system for designating the person in charge of page turn to reduce the load based on algorithm of designating the person in charge of page turn. In this paper, we carried out the simulation and perform experiments using PEANUTS.
著者
鈴木 弘孝 加藤 真司 藤田 茂
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.505-510, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

The purpose of this study is to evaluate the difference of the thermal environment at the outdoor balcony, such as mansions and so on, with or without the green curtain, which could be expected to come into wide as a measure of the heat island phenomenon in the near future. The actual experiment was carried out for the two classrooms almost as same as the direction, floor and area, and we analyzed measurement data, selecting three days of “Manatsubi” in August. As a result, the velocity of the wind reduced 40% behind the green curtain, compared with in front of it, and both values collated strongly. The value of MRT also was reduced about 30℃ (40 %) with green curtain, compared with no curtain. The value of WBGT reduced 0.7~1.3℃ at the peak in the daytime with green curtain, compared with no curtain, but the former showed tendency to be 0.7~0.8℃ more over than the later from midnight to early morning. It was suggested that using the thermal indices of MRT and WBGT, we could evaluate the improving effect of the outdoor thermal environment behind the green curtain.

1 0 0 0 OA 済民偉業録

著者
藤田茂吉 著
出版者
集成社書店
巻号頁・発行日
vol.前編, 1887
著者
小林 直人 赤松 幹之 内藤 耕 藤田 茂 小野 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.722-734, 2013
被引用文献数
1

2008年に第2種基礎研究を中心とした原著論文を掲載する学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)–構成学–」が創刊された。Synthesiology(シンセシオロジー)に掲載される研究論文は,研究開発がめざした目標,それを実現するためのシナリオ,シナリオを実践するための要素技術の選択と統合の方法,研究成果などを明確に述べることが求められている。本稿では,この学術誌がめざした理念や,発刊に至った経緯,発刊の趣旨などを述べた後,実際に掲載された70編の論文を対象にして,構成の方法論を分析した結果を紹介した。全体として,共通の構成方法として,「技術的な構成」とも呼ぶべき方法論が重要であり,さらに研究成果を社会に導入していくためには,「社会導入に向けた構成」と呼ぶものを連続して起こす必要があることが明らかになった。また,今後はさらにシナリオの構成方法とその使用,役割についても詳細に分析を進めていくことの重要性が認識され,これらを含む本学術誌の今後の課題についても言及した。
著者
藤田 茂 菅原 研次 木下 哲男 白鳥 則郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.840-852, 1996-05-15
被引用文献数
98

本論文では 最初に従来の分散処理システムのサービス機能を実現する種々の計算機プロセスをエージェント化して構成されるエージェント指向分散処理システムADIPS (Agent-based Distributed Information Processing System)の概念とそのアーキテクチャを提案する. 次に ADIPSの構築を支援する枠組み(ADIPSフレームワーク)を提案する. そして 目的とする機能をエージェントの協調によって自律的に構成するための拡張契約ネットプロトコルを提案する. ADIPSフレームワークの特徴は次の4つに集約される. (1)利用者要求駆動で自律的にシステムが構成される. (2)障害発生などのイベント駆動で自律的にシステムの再構成が行われる. (3)自律的なシステムの構成/再構成のために エージェントは設計者・運用技術者の知識を利用する. (4)エージェント化により既存プロセスの系統的再利用ができる. さらに 本論文では TCP/IPネットワーク環境で試作されたADIPSフレームワークを用いたエージェント指向テレビ会議システムの試作と実験により 提案した枠組みの有効性を確認した.In this paper, first, we propose a new concept of Agent-based Distributed Information Processing System (ADIPS) and its architecture, which is constructed by agentification technology of various kinds of computational processes which provide services of conventional distributed information processing systems. Second, an ADIPS Framework which provides facilities of constructing ADIPS is proposed. Third, Extended Contract Net Protocol (ECNP)is proposed to provide a protocol for cooperation to construct and reconstruct organizations of ADIPS agents. The advantages of ADIPS Framework are (1) Autonomous construction of systems driven by user's requirements, (2) Autonomous construction of systems driven by events such as system troubles, (3) Heuristics of designers and operators is used by agents to construct and reconstruct organizations of agents to deal with tasks, (4) agentification makes reusability of existing processes more efficient. Finally, a prototype of the ADIPS Framework is developed in the distributed environment of TCP/IP network protocol, and an experimental system of a TV conference system based on the ADIPS architecture is developed to validate the ADIPS Framework.

1 0 0 0 OA 観風叢話

著者
藤田茂吉 (鳴雀) 著
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
vol.上篇, 1890
著者
藤田 茂夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.833-843, 1993-08-25
被引用文献数
3

次世代の半導体レーザダイオードとして,現在,し烈な研究開発競争がくりひろげられている.ZnSe系II-VI族半導体による,量子井戸構造青色半導体レーザの研究現況と,将来展望について解説する.光情報処理関連分野への応用上のインパクトが大きい青色半導体レーザは,現在では室温パルス発振が実現している.実用上の必要条件である室温連続発振に向けての研究が,精力的に行われているが,なお技術上,物性上,特性上解決・解明すべき課題も多い.しかしながら,これらの課題を乗り越え,青色半導体レーザが実現される時期も,そう遠くない物と思われる.
著者
荒谷 寛和 藤田 茂 菅原 研次
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.196-212, 2006 (Released:2007-04-20)
参考文献数
21
被引用文献数
3

これまで我々は, ウェブ検索エンジンのランキング手法として, ウェブページ間相互評価手法を提案してきた. 従来のウェブページ間相互評価手法は, 適用対象とするウェブページ集合の中に高適合および適合ページが15%以上含まれていない場合に, ランキング精度が改善されないという課題が残されていた. この課題に対し, 本稿では, 新たにテキスト要約技術と適合度の推定を用いる評価関数を組み合わせる事で, 手法のランキング精度の改善を行った. 提案手法を評価するために, 第3回NTCIRワークショップのウェブ検索タスクで用いられたテストコレクションによる評価を行った. この結果, 従来手法で課題であった状況に対する改善が見られ, 同一のテストコレクションを用いた, 他の検索システムとの検索結果の評価尺度であるDCGによる比較において, 本手法がより良い順位付けを行っている事を確認した.