著者
西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
pp.2020.002, (Released:2020-02-18)
参考文献数
84
被引用文献数
6

【背景】貧困や孤立等,患者の社会リスクへの対応は医療現場において不可欠とされながら,標準的な手続きや制度はない。対応策としてsocial prescribing(社会的処方)という概念が注目されているが,明確な定義やその効果についてはまとめられていない。そこで第一に,文献レビューにより社会的処方の包括的な定義づけを試みた。第二に,その定義に合う日本の活動をレビューし,日本の医療現場での患者の社会的課題に対応する活動の現状と普及に向けた課題を整理することを目的とした。【方法】(1)Social prescribing等をキーワードに検索し抽出した文献について国や地域・定義・対象・方法・効果等を評価し,社会的処方を包括的に定義づけた。(2)日本の事例を抽出し,活動の現状と普及に向けた課題を整理した。【結果】34文献をレビューした。社会的処方に関する報告は,英国からのものが多数であり,社会的な課題を抱えた患者を医療機関が“link worker”に紹介することや,地域での多様な交流活動等,患者にとって有益な非医療的な社会資源を患者とともにつくっていく活動の紹介やその効果評価の論文であった。医療費削減や救急受診減少の効果を示唆する研究があった。そこで,社会的処方を「医療機関等を起点として,健康問題を引き起こしたり治療の妨げとなる可能性のある社会的課題を抱える患者に対して,その社会的課題を解決し得る非医療的な社会資源につなげること,またケアの機会となる社会資源を患者とともにつくる活動」と定義した。この定義に合致する活動の報告は日本国内でも観察された。【考察】日本での活動の普及に向けては,活動の効果評価,方法論の標準化,必要なツールの開発,地域資源の開発,保健・医療・介護・福祉・その他の地域の社会資源のネットワークづくりが求められる。また,本研究では英国の“social prescribing”を直訳し社会的処方と表現したが,国内での活動の呼称の検討も必要である。
著者
西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.527-544, 2020-02-28 (Released:2020-03-05)
参考文献数
84
被引用文献数
13 6

【背景】貧困や孤立等,患者の社会リスクへの対応は医療現場において不可欠とされながら,標準的な手続きや制度はない。対応策としてsocial prescribing(社会的処方)という概念が注目されているが,明確な定義やその効果についてはまとめられていない。そこで第一に,文献レビューにより社会的処方の包括的な定義づけを試みた。第二に,その定義に合う日本の活動をレビューし,日本の医療現場での患者の社会的課題に対応する活動の現状と普及に向けた課題を整理することを目的とした。【方法】(1)Social prescribing等をキーワードに検索し抽出した文献について国や地域・定義・対象・方法・効果等を評価し,社会的処方を包括的に定義づけた。(2)日本の事例を抽出し,活動の現状と普及に向けた課題を整理した。【結果】34文献をレビューした。社会的処方に関する報告は,英国からのものが多数であり,社会的な課題を抱えた患者を医療機関が“link worker”に紹介することや,地域での多様な交流活動等,患者にとって有益な非医療的な社会資源を患者とともにつくっていく活動の紹介やその効果評価の論文であった。医療費削減や救急受診減少の効果を示唆する研究があった。そこで,社会的処方を「医療機関等を起点として,健康問題を引き起こしたり治療の妨げとなる可能性のある社会的課題を抱える患者に対して,その社会的課題を解決し得る非医療的な社会資源につなげること,またケアの機会となる社会資源を患者とともにつくる活動」と定義した。この定義に合致する活動の報告は日本国内でも観察された。【考察】日本での活動の普及に向けては,活動の効果評価,方法論の標準化,必要なツールの開発,地域資源の開発,保健・医療・介護・福祉・その他の地域の社会資源のネットワークづくりが求められる。また,本研究では英国の“social prescribing”を直訳し社会的処方と表現したが,国内での活動の呼称の検討も必要である。
著者
西岡 大輔 上野 恵子 舟越 光彦 斉藤 雅茂 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.461-470, 2020-07-15 (Released:2020-07-31)
参考文献数
43

目的 経済的困窮や社会的孤立など,生活困窮状態は健康の社会的リスクであり,医療的ケアの効果を阻害する要因でもある。近年,患者の社会的リスクに対応する医療機関の取り組みが広がりを見せつつあり,その対象者を適切にスクリーニングできる方法の確立が求められる。そこで,医療機関で活用することを想定した生活困窮評価尺度を開発しその妥当性と信頼性の一部を検証した。方法 5つの医療機関を新規に受診した成人を対象に横断研究を実施した。生活困窮に関する25の質問の回答結果を用いて探索的因子分析を行った。反復主因子法により因子数を規定し因子を抽出した。プロマックス回転を用いた。抽出された因子の妥当性と信頼性を検証した。信頼性の検証には標準化クロンバックα係数を算出した。得られた結果から因子負荷量が高い設問を選択し,簡易尺度の問診項目を選定した。結果 対象者は265人であった(回答率:75.1%)。因子分析の結果,経済的困窮と社会的孤立の2因子が抽出され,因子負荷量が0.40以上のものとして,経済的困窮尺度では8問,社会的孤立尺度では5問が主要な設問の候補として抽出された。標準化クロンバックα係数は,経済的困窮尺度で0.88,社会的孤立尺度で0.74であった。さらに,簡易尺度の問診項目を各因子の因子負荷量が高いものから2項目ずつ選定した。すなわち「この1年で,家計の支払い(税金,保険料,通信費,電気代,クレジットカードなど)に困ったことはありますか。」「この1年間に,給与や年金の支給日前に,暮らしに困ることがありましたか。」「友人・知人と連絡する機会はどのくらいありますか。」「家族や親戚と連絡する機会はどのくらいありますか。」であった。考察 医療機関で患者の生活困窮を評価することを想定した尺度を開発し,一定の妥当性・信頼性を確認した。尺度の実用化に向けては,保健・医療・介護・福祉・地域社会の十分な連携のもと,質問項目の回答に対するスコアリングと地域や医療機関の特性に応じた本尺度のカットオフ値の設定,さらなる一般化可能性の検証等が必要である。
著者
村山優子 向井未来 西岡大 齊藤義仰
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.873-879, 2013-07-03

2011年3月11日の東日本大震災では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)による情報交換が活発に行われた。特にTwitterは,行政やマスメディア等の企業が迅速な情報発信のツールとして,ユーザからはリアルタイムな情報収集源として重宝された.しかし,根拠のない噂や悪意のある冗談などのデマ情報のツイートが広く拡散される問題も発生し,ユーザに無用な不安や混乱を招いた.本研究では,ユーザがデマ情報の拡散を防ぐため,リツイートに関する意思決定プロセスのモデル構築を行った.モデルでは,ユーザが興味を持つことがリツイートに非常に大きく関わっていることが示唆された.
著者
西岡 大輔 栄原 智文
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.153-155, 2017-09-20 (Released:2017-09-29)
参考文献数
5

緒言:Ambulatory Care-Sensitive Conditions (ACSCs)とは「適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院を減らすことができる状態」のことであり,ACSCsである患者の入院回避は重要である.ACSCsの高齢心不全患者に慢性疾患ケアモデルを適用し再入院までの期間を延長しえた事例を報告する.症例:92歳男性.慢性心不全のために定期通院しており,2014年4月まではコントロール良好であった.その後の入院頻度が増えたため,2015年2月より慢性疾患ケアモデルを適用した.その結果,心機能は継時的に増悪していたにも関わらず,再入院までの平均日数が適用前後で30.5日から64.3日と延長した.考察:利尿剤のスライディングスケールを用いた治療は,欧米では慢性疾患ケアモデルに基づき実施されている.慢性疾患ケアモデルのもとでフロセミドのスライディング療法を開始したことでACSCsにある患者の再入院までの期間が延長できた.
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-070, (Released:2021-10-29)
参考文献数
29

目的 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。方法 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。結果 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。結論 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.48-58, 2022

<p><b>目的</b> 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。</p><p><b>方法</b> 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。</p><p><b>結果</b> 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。</p><p><b>結論</b> 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。</p>
著者
中村 有里 長谷田 真帆 西岡 大輔 雨宮 愛理 上野 恵子 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-118, (Released:2022-07-29)
参考文献数
40

目的 人とのつきあいのわずらわしさなど対人関係上のストレスから対人関係や社会的場面を避け,たとえ危機に陥っても他者に援助を求めない傾向が若者を中心に見られている。他者に援助を求める行動には,子ども期に両親に援助を求めた経験が関係することが報告されている。しかし,家族への援助の要請が難しい場合でも,近隣住民との関係の中で,他者に援助を要請するようになることも考えられる。そこで本研究では,子ども期の両親への援助要請の経験と成人期の対人関係の忌避傾向の関連における地域交流の経験による効果の修飾の有無を検討した。方法 名古屋市の18~39歳を対象にした調査より,1,274人のデータを分析した。修正ポアソン回帰分析を用いて,子どもの時に父親・母親に対して援助を要請した経験,小・中学校の時の地域行事に参加した経験,およびこれらの交互作用項による対人関係の忌避の割合の比を男女別に算出した。年齢・両親の最終学歴・子どもの時の母親の就労状況および主観的経済状況,もう片方の親への援助要請経験を調整した。また,援助を要請した経験,地域行事に参加した経験それぞれの有無別に対人関係の忌避の状態にある者の割合の予測値を算出し,効果の修飾の有無を評価した。結果 父親への援助要請経験と地域行事への参加経験の交互作用項を入れた多変量解析および算出された予測値からは,地域行事への参加経験による効果の修飾は男女とも観察されなかった。母親への援助要請経験に関しては,男性で,地域行事への参加経験による効果の修飾が観察され,母親への援助要請経験があり,かつ地域行事への参加経験があった場合は,なかった場合の予測値よりも低い傾向があった。女性では,地域行事への参加経験による効果の修飾は観察されなかった。結論 対人関係の忌避を抑制する上で,とくに男性では,子ども期の母親への援助要請経験があった場合に,地域行事への参加経験があることの重要性が示唆された。親からの適切な援助を得ることに加えて子どもの地域交流を促すことで,将来の社会生活で困難に陥るリスクを緩和できる可能性がある。
著者
村山 優子 齊藤 義仰 西岡 大 佐藤 英彦 向井 未来
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.43, pp.113-119, 2013-05-09

本予稿では,本研究では,災害発生直後から必要な当事者間の意思疎通である緊急時のクライシスコミュニケーションを災害コミュニケーションと呼び,関連する研究課題を4件紹介する.災害から4ヵ月後に,被災者が避難所から移動した仮設住宅では,未だに立地条件の悪さから不便な生活が続いている.今回,無人の商店システムを運用した結果を報告する.また,復旧時には,情報の提供や取得に通信環境が整わない間,twitterが活用された.しかし,誤報も多く,その解決のために,何故,人は,他人のツイート・メッセージを転送(リツイート)するかを調査したので,報告する.また,復興状況を逐次確認できる定点観測のシステム,復興ウォッチャーについて報告する.さらに,津波の脅威を後世に伝えるための試みの,オンライン津波資料館の研究課題を述べる.以上,実践的な災害コミュニケーション支援の研究課題を紹介する.
著者
上野 恵子 寺本 千恵 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.455-467, 2023-08-31 (Released:2023-08-31)
参考文献数
20

目的:地域包括ケアでは個人のニーズに応じた支援が不可欠であり,医療現場でも患者の社会的ニーズが顕在化し対応を求められることがある。しかし,救急車を利用して医療機関を受診し入院せずに帰宅する患者にそのニーズを満たすような支援が提供されることはほとんどない。そこで,軽症の救急車利用者のなかでも支援の必要性が高い高齢者の社会生活状況を簡便に把握し多職種で共有するチェックシートを作成した。方法:質問紙調査3回の修正デルファイ法。救急救命士,医師,看護師,医療ソーシャルワーカー,地域包括支援センター職員,保健師が参加。結果:1回目調査は28人(回収率100%),2・3回目調査は25人(回収率89.3%)が回答した。住環境,世帯構成,キーパーソンや介護者の有無,経済状況などの28項目を共有するチェックシートを作成した。結論:実用化に向けて項目の信頼性・予測妥当性の検証や運用プロトコルの構築と効果検証を進めていく。
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.48-58, 2022-01-15 (Released:2022-01-28)
参考文献数
29

目的 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。方法 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。結果 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。結論 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。
著者
内野 伸勝 初田 亨 平井 充 小黒 康典 西岡 大輔
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学研究報告 (ISSN:03685098)
巻号頁・発行日
no.100, pp.145-152, 2006-04

This study is a part of the investigation and the analysis of the market places in Tokyo through the transitional periods in modern urban history. The purpose of this study is to clarify the characteristics and the developmental process of the urban space. The investigation and the analysis are focused on the area around the east gate of Shinjuku station through the functions of the commerce and office buildings. The buildings have generally several stories in height. However, as part of the analysis of urban space, the street level would represent an important characteristic of the buildings. Therefore, this study investigates and analyzes only the first floor, the street level that directly relates to the urban space. The commerce and office buildings are functionally classified in twelve types.
著者
西岡 大輔 富田 詩織 高岡 沙知 田中 雅之
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.220-223, 2019-12-20 (Released:2019-12-27)
参考文献数
16

筆者らは,2018年10月,第5回日英プライマリ・ケア交換留学プログラムに参加した.本報告書では「家庭医の労働環境」と「家庭医療指導医の要件」に注目し,一部日英比較を交え紹介する.それにより,日本プライマリ・ケア連合学会が参考にできる点をまとめる.提案として,学会内の多職種による意見交換の機会を持つことや,指導医養成のプログラムの充実,指導医が備えるべきコンピテンシー項目の作成を提案する.
著者
小鷲 宏昭 西岡 大輔 山口 咲子 安達 恵利香 松岡 久美子 林 孝雄
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.231-237, 2017

<p><b>【目的】</b>色覚検査において正常と診断されても色弁別能が弱いものは、Low normal color visionと呼ばれる。今回我々は、色覚検査では正常色覚と診断できるが、アノマロスコープにて混色等色域の拡大がみられる、Low normal color visionと考えられた父娘例を経験したので報告する。</p><p><b>【症例】</b>17歳、女子。母親に色覚異常を指摘され来院した。今まで色覚検査を受けたことはなく、私生活においても不便さを感じていなかった。石原色覚検査表Ⅱで誤読3表、Panel D-15はminor errorsであった。アノマロスコープでは正常Rayleighにて混色30-40へ等色範囲の広がりがみられたが、1型・2型Rayleighでは等色は起こらなかった。日常生活では赤と茶、青と緑を誤認することがあった。後日、両親に色覚検査を施行し、母親は全検査において正常であった。父親は石原色覚検査表Ⅱにて誤読1表、Panel D-15はno errors、アノマロスコープにて混色35-40へ等色範囲の軽度な広がりがみられたが、色誤認の経験はなかった。</p><p><b>【結論】</b>父娘ともアノマロスコープにて等色域の拡大がみられたことから、Low normal color vision と考えられた。石原色覚検査表やPanel D-15においておおむね正常と判定されても、僅かな誤りがある場合はアノマロスコープで精査することが重要である。</p>