著者
水田 貴将 田中 直人 塩津 翠彩 村瀬 ゆり 張 海峰 趙 暁婷 解 爽 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2017論文集
巻号頁・発行日
pp.186-189, 2017-02-23

本研究では漢字形状記憶の損失を防ぐための漢字入力方式G-IMにゲーミフィケーションの要素を取り入れることで,G-IM使用の際に生じる抵抗感を低減するシステム「BanG-IM」を提案する.G-IMは,文字変換時の候補の中に,誤形状漢字をランダムに差し込むことで利用者が持つ漢字形状記憶の再構築を支援するものであるが,利用者が使いたいと思わないという問題がある.そこで,我々は罰ゲームの一種として浸透している風船割りゲームに着目した.本システムは同一室内での複数人での利用を想定している.利用者の個人ブースの頭上には,それぞれ風船が設置してあり,誤字入力が行われると該当する利用者の風船が膨らんでいく.また,中央にある共有スペースにも大きな風船が設置してあり,すべての利用者の誤字入力に対してその都度膨らんでいく.実装したシステムの評価実験を行ったところ,本システムを利用することでG-IM特有の抵抗感を低減できる可能性が示唆された.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.328-331, 2019-02-27

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習を活用した古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲームBNO-Storyを潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する.
著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.20, pp.1-8, 2012-05-25
被引用文献数
2

本稿では,大皿料理のように,共食者が料理を共有する共食場面において,しばしば見られる「遠慮のかたまり」という状況がどのような状況かを明らかにすべく,大皿上の料理の残量が最後の一個,最後の一口に近づくにつれ,食事をしている人々の取り分け行動にどのような特徴,変化がみられるのかに着目した分析,考察を行った.その結果,食事開始中盤から終了前にかけて,取り分け行動の停滞,停止が起こり,その停滞,停止直後に起こった取り分け行動が短い間隔で 2,3 度連続して起こることがわかった.この,停滞→取り分け行動の活発化という流れが「遠慮のかたまり」につながる最後の一個に向けての準備行動である可能性があることがわかった.In this paper, we try to analyze serving food to reveal a situation of "the last on piece of food". When we analyzed video data of table talks with some platters, we focused on serving food for each platter and for dining table. As a result, we confirmed situations of suspending serving foods from middle stage to end often occurred. In addition, we found after suspending serving food, serving food occurred continuously for short time span. A series of suspending and activating serving food is important for us to handle a situation of "the last one piece of food".
著者
水田 貴将 高島 健太郎 西本 一志
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.1-7, 2018-03-09

バンド活動などにおけるドラム演奏は,主にパターン演奏とフィルインという演奏技法で構成されている.フィルインとは,パターンとパターンの間やパターンの最後などに差し込まれる即興的な演奏のことで,うまく活用することで楽曲に変化をつけることができる.しかし,フィルインでは自由な演奏が可能にも関わらず,毎回どこか同じような演奏してしまいうといった問題を抱えているドラム奏者も少なくない.これは,ドラム演奏における自己表現機会の損失と言える.我々は,この問題を解消すべく,「ExHabitter」を開発した.このシステムは,行き詰りの原因の一つと想定される「奏者の癖」をシーケンシャルパターンマイニングによって抽出し,GUI上で奏者の演奏に対するフィードバックを行うことで,行き詰まりからの脱却を支援する.本稿では,ExHabitterの構成について述べるとともに,ExHabitterを用いたユーザスタディの結果を示し,それに基づき提案手法の有効性について検証する. : A drum performance can be classified into two parts: "Pattern" and "Fill-in". Fill-in is an improvised performance, commonly performed at the end of a pattern or between patterns. A drummer can express his / her own creative idea in the fill-in performances. However, there is a problem that many drummers often unconsciously perform similar fill-ins. To solve this problem, we developed a system named "ExHabitter," which supports the drummers to get rid of the habitual fill-in performances. This system extracts "habits of the player" from his / her performances by using a sequential pattern mining technique, and provides feedback to him / her so that he / she consciously grasp his/her habitual performances to get out of the deadlock situations. This paper describes the setup of ExHabitter, and investigates its effectiveness based on results of user studies.
著者
張 海峰 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.370-374, 2019-02-27

日常生活の中では,ある願望の実行を先延ばしすることがよく行われる.これを防ぐために,願望の実行を開始するためのモチベーションを喚起することが重要である.先行研究では,すでに遂行中のタスクのモチベーションを維持させる試みが多く行われてきたが,行動する「前」のモチベーションの喚起を試みた事例は少ない.そこで本研究では,行動開始のモチベーションを高めることを目的として,SNS上で表明された願望に対し,ユーザとそのフォロワーに対して,願望に関連する情報を継続的に提供することで実行開始を促す言霊テロシステムを提案し,その有効性をユーザスタディによって検証する.
著者
張 海峰 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, グループウェアとネットワークサービス (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2019-GN-107, no.6, pp.1-8, 2019-03-11

日常生活の中では,何度も 「あることをしたい」 と言いつつ,長い時間が経っても行動に移さないという先延ばし行為がよく行われる.これを防ぐために,願望の実行を開始するためのモチベーションを喚起することが重要である.先行研究では,すでに遂行中のタスクのモチベーションを維持させる試みが多く行われてきたが,行動する 「前」 のモチベーションの喚起を試みた事例は少ない.そこで本研究では,行動開始のモチベーションを高めることを目的として,SNS 上で表明された願望に対し,ユーザとそのフォロワーに対して,願望に関連する情報を継続的に提供することで実行開始を促す言霊テロシステムを提案し,その有効性をユーザスタディによって検証する. : In our daily life, many people often procrastinate various things although they frequently say “I want to do that.” Such procrastinations cause a decline in the quality of life. In order to prevent the procrastinations, it is important to motivate them to start practice of their desires. In the preceding studies, there have been many attempts to maintain the motivation of tasks that are already underway. However, few cases tried to evoke motivation before starting acts. In this study, we propose a support system that motivates people to start action. This system watches tweets in Twitter to find manifests of desires. If a tweet including a manifest of a desire is found, this system starts to send related pieces of information to the desire to its sender and his / her followers until he / she achieves the desire. We conducted user studies and confirmed this system is effective to let the procrastinators to start actions on their desires.
著者
趙 暁婷 高島 健太郎 西本 一志
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
情報処理学会研究報告. GN, グループウェアとネットワークサービス (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.1-6, 2018-03-12

アイデア生成の上流過程である発散的思考活動では,幅広い視点から様々な知識や関連情報を収集することが求められる.特に新奇性が高いアイデアを産み出すためには,一見飛躍しているように思える意外な関連性のある知識や情報を得る必要がある.しかしながら,特になんらかの専門的な知識を有する者にとっては,その知識の枠を超えて発想を飛躍させることは容易ではない.この問題を解決するために,本研究では「子供の発想」に注目する.子供はしばしば,大人が思いつかないようなアイデアを思いつく.しかしながら,ほとんどの場合,子供のアイデアは非現実的なものであり,そのままでは役にたたない.そこで,同じ課題に対する子供のアイデアを,専門知識を有する大人に提供し,これを参照しながら実用的なアイデア生成を行う手法を提案する.被験者実験により,提案手法の有効性を検証する. : In the divergent thinking process, an upstream process of idea generation, it is required to collect various knowledge and related information from a wide viewpoint. In particular, in order to produce ideas with high novelty, it is necessary to obtain unexpectedly relevant knowledge and information which seems to be leaping at first glance. However, it is not easy for a person with some specialized knowledge to leap the idea beyond the boundary of that knowledge. In order to solve this problem, we focus on "children's ideas" in this research. Children often come up with ideas that adults cannot think of. However, in most cases, the ideas of children are not feasible and it is not useful as they are. Therefore, we propose a novel divergent thinking method where children's ideas are referred to. We conducted user studies and verified the effectiveness of the proposed method.
著者
織田 慎一郎 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
vol.3P-72, pp.954-957, 2019-02-27

多様な人材間でのコラボレーションを促すため,マッチング,交流イベントの開催やコワーキングスペースなどの場所作りが積極的に行われている.しかし,初対面の者同士でコミュニケーションを開始,継続することは容易ではなく,効果的な自己開示が求められる.本研究では,これまで検討がされていなかった,嫌いなものや苦手なものといったネガティブな情報に着目し,その共有によるコミュニケーションの触発効果について調査する.予備実験の結果,シングルケースではあるが,ネガティブ情報の提示により,コミュニケーションが開始されることが確認された.また,ポジティブ情報と比べ,ネガティブ情報では好き/嫌いの程度と理由の個人差を意識せず済むという意見が得られた.
著者
星野 佑輔 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.13, pp.1-8, 2019-02-15

人は仕事や勉強などのやらねばならない必須タスクでも,「やる気が出ない」 という理由で後回しにしてしまうことがよくある.この問題に対し,たとえばゲーミフィケーションのように,従来はタスクの実行中やタスク自体に動機づけのための要素や機能を付け加えて支援する試みが多くなされてきた.これに対して本研究では,ビデオゲームによって好ましい効果が得られるといういくつかの先行研究で得られた知見に基づき,タスクの性質や構成に手を加えるのではなく,タスクの直前にビデオゲームをプレイすることで,タスクに対するやる気を向上させることができるのではないかという仮説を立てた.この仮説が支持されるかどうかを調査するための実験を 2 つ実施した.第 1 の実験では,ビデオゲームの難易度がタスクへのモチベーションにどのように影響するかを評価した.第 2 の実験では,ビデオゲームをプレイすること自体がタスクに対するやる気向上に影響があるかどうかを調査した.結果として,ゲームをプレイすることによるモチベーションへの有意な影響は認められなかったが,ゲーム難易度の違いが影響を与える可能性が示唆された. : People often postpone even mandatory tasks such as business or study on the grounds that they do not get motivated. To solve this problem, there have been many attempts that add some elements and / or functions that evoke people's motivation to the tasks themselves and / or during execution of the tasks: gamification is a typical approach. In contrast with these conventional approaches that modifies the nature of the tasks, based on several preceding works on the positive effects of the videogames, we made a hypothesis that playing videogames just before the tasks positively affect the motivation for the tasks. To investigate whether this hypothesis is supported or not, we conducted two experiments. The first experiment was to estimate how the difference of difficulty of a videogame affects the motivation, and the second one was to investigate whether playing a videogame affects the motivation or not. As a result, it was suggested that the difference of difficulty affects the motivation, although playing the videogame does not significantly affect the motivation.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.14, pp.1-7, 2019-02-15

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習論に基づき,古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲーム BNO-Story を潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する. : Recently, many local idols play an active part in vitalizing local regions. In these activities, continuous acquirement of new fans is important. However, enthusiastic cheering and unique rules of the existing fan community form a barrier that prevents potential new fans from joining the fan community. In this research, in order to alleviate this barrier, we create a novel-game based on the role action learning methodology, which allows the potential new fans to vicariously experience the old fans' experiences, and examine whether it can effectively increase understanding and affection to the local idols as well as their old fans. As a model case, we collected actual experiences from the existing fan community of the Nishi-Kanazawa Shoujo-dan, which is a local idol group based in the shopping district of Nishi-Kanazawa, Ishikawa Prefecture. We implemented a novel-game named BNO-Story to which the collected episodes are incorporated. We conducted experiments in which we asked some subjects to play this game to evaluate whether the game is effective.
著者
大島千佳 中山功一 伊藤直樹 西本一志 安田清 細井尚人 奥村浩 堀川悦夫
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddle というシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
田中 唯太 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2012論文集 (情報処理学会シンポジウムシリーズ) (ISSN:13440640)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.917-922, 2012-03-17

食卓で共有されている大皿料理から料理を取るとき,共食者間でのインタラクションが期待されるが,大皿料理が持つコミュニケーション活性化機能が十分発揮される形で共有されていない為に,大皿料理を介したインタラクションは限定的である.本研究では,お酒の「お酌」行為に注目し,お酌が持つコミュニケーション機能を「自分の皿に料理を取ることを禁止する」という手法を用いて大皿料理に持ち込む.提案した手法の妥当性を検証しつつ,食卓コミュニケーション支援メディアGiantCutleryの実装を行い,食卓で用いることで初期的な評価実験を行った. : It is expected that interactions among tablemates arise when tey dish out foods from a platter at a dinner time. However, the interactions are actually restricted because the platter's potential of vitalizing dinner-table communications is not effectively exploited. We focus on "Oshaku", a Japanese habit: the tablemates pour the platters at a dinner time. This paper investigates whether Oshaku behavior can be incorporated into the platter. Inaddition, we developed GiantCutley, which is a support medium for dining-table communications. We report results of apilot study for estimating effectiveness of GiantCutlery.
著者
小林 智也 西本 一志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-21, 2012-01-15

近年,チャットやTwitterなどの短いテキストを即時交換できるメディアを対面口頭での発表・質疑と並行させる試みが増えてきている.こうした試みは対面口頭対話のような制限がないチャットというメディアを聴衆に提供することで,より広い視点からの意見をより多く議論に取り込む目的で行われている.しかし,発表者が発表中や質疑応答中にもチャットに注意を払い続けることは困難であり,発表者が重要だと思うようなチャット発言を議論に取り上げることが難しいという問題があった.本論文では,チャットから対面口頭対話上での話題に対して返信することのできるクロスチャネル返信という概念を提案し,クロスチャネル返信を分析することによって,発表者が重要だと思うチャット発言を自動的に学習・推定することを試みた.クロスチャネル返信を実装したChatplexerシステムを使用して実験したところ,チャット上の発言の過半数はクロスチャネル返信に対する返信とその子孫ノードであり,発表者が重要だと思う発言もそれらのチャット発言であることが多いことが分かった.また,クロスチャネル返信の情報を用いると,発表者が重要だと思う発言をJ4.8で学習・推定させた場合に適合率が大きく改善されることが分かった.
著者
金澤 優太 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2017論文集
巻号頁・発行日
pp.597-600, 2017-02-23

動画投稿サイトに見られる「弾いてみた」動画を楽器演奏の練習に活用している事例は多い.しかし,ほとんどの動画投稿サイトでは,演奏技術が巧みな卓越した演奏の動画が優先的に表示されるようになっている.お手本動画の技術レベルが,自分のレベルとあまりにかけ離れている場合,練習モチベーションを低下させることが危惧される.そこで本研究では,動画投稿サイトに投稿された「弾いてみた動画」の技術レベルを集合的に順位付けし,各楽器演奏練習者がそれぞれのレベルに応じた動画を探しやすくする手法を提案する.これにより,楽器練習の継続意欲を維持することができるようにすることを目指す.本稿では,提案手法の基本的動作を確かめるために,シミュレーション実験を行った.理想順位との一致率はあまり高くなかったが,ある程度レベルの近いものを塊として提示することができることが示唆された.
著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.15, pp.1-8, 2012-01-12

大皿料理が食卓で共有されると,場の一体感が生まれ,一見すると円滑かつ楽しいコミュニケーションが繰り広げられる.しかし,実際には,言葉をかわす範囲は限定的であり,さらには,日本特有の食文化である 「遠慮のかたまり」 からわかるように,個々人の意思疎通が必ずしもうまくいっているわけではなく,大皿を介した食卓でのコミュニケーションは,さらなる拡がりの余地が残されていると言える.そこで本研究では,大皿のとりわけに 「お酌」 行為を取り入れ,個々人のインタラクション機会を増加させるというアプローチをとることで大皿を介した食卓コミュニケーションの潜在可能性を引き出す試みを行った.We seem to enjoy conversations because we have integrated feelings when we share platter-foods. But we have a limitation of communications. In addition, we can't communicate freely as we know "the last piece we are waiting for someone to eat" as a Japanese food culture. We have a room for expanding and activating communications. In this study, we try to adapt 'oshaku' when we serve a food from big plates because we make many chances to communication and we draw possibilities of communication on platter-mediated communication.
著者
大島千佳 中山功一 伊藤直樹 西本一志 安田清 細井尚人 奥村浩 堀川悦夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddle というシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
沼野 剛志 北山 史朗 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2014論文集
巻号頁・発行日
pp.440-445, 2014-02-20

本稿では,出会いの初期障壁を軽減する第三者介入型友人推薦システム“NARESOMAKER”を提案する.従来の出会い系のシステムの多くは,システム登録者のプロフィールから自分の気に入った相手を見つけ,自発的にコンタクトを取る手法が一般的に用いられている.しかしながら,自分と相性が良い人を見つけることや,全くの他人に自分からいきなりコンタクトを取ることが難しいなどの障壁が多く存在している.そこで,提案システムでは第三者による推薦と、 話しかけるきっかけを生み出すためにQ&Aシステムを用いることで,それらの障壁を軽減する.システムの評価を行った結果,出会いの初期障壁を軽減するシステムとして性能を発揮できる可能性が示された. : In this paper, we propose “NARESOMAKER” system that is a matchmaker-intermediating recommendation system of new friends. NARESOMAKER alleviates initial barriers of the first encounter. Many of ordinary dating site’s system adopted systems where users chose partners based on their profiles and contacted them by themselves. However, this method has some barriers. For example, it is difficult to find a compatible person and even if you can find a compatible person, it is very difficult to greet for the first time. Therefore, NARESOMAKER incorporated a Q&A system to provide initial topics of communications and employed the third persons’ recommendations to find the compatible persons. As a result of user studies with NARESOMAKER, we obtained some possibility that NARESOMAKER can alleviate the initial barriers of encounter.
著者
長谷部 礼 西本 一志
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-94, no.8, pp.1-7, 2015-03-05

ブレインストーミングに代表される既存の発散的思考技法は,アイデアを発想する手段として企画や開発を行う場面で多用されている.しかし,このような技法を用いても,思考者が自分の固定観念から脱却することは容易ではなく,固定観念の外側にある新奇なアイデアを得ることは依然として難しい.この問題に対して本研究では,代表的な発散的思考技法であるブレインストーミングを,アイデア生成の手段としてではなく,思考者が持つ固定観念を発見する手段として使用し,その結果をもとにさらにアイデアを拡げることを支援する,新規な発散的思考技法 BrainTranscending を提案し,ユーザスタディによりその効果を検証する.
著者
生田 泰章 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-168, no.6, pp.1-8, 2016-05-26

文章作成過程において、執筆者は考えや思想の表出と表出内容の修正を繰り返し行う。その際、執筆者は不用と判断した本文の一部を棄却する。本稿では、棄却された本文の一部(棄却テキスト断片)を知的資源として捉え、棄却テキスト断片を収集可能な文章作成支援システムText ComposTerを提案する。Text ComposTerは、ユーザがカード状のエレメントに「作成対象の文章の一部を記入し、このエレメントを二次元平面上に配置することで本文を形成することができ、文章作成の上流工程から執筆者の文章作成を支援することができる。エレメントを配置するための二次元平面には、配置されたエレメントに記入された内容を本文に反映する領域と、反映しない領域が含まれる。Text ComposTerは、本文に反映しない領域に配置されたエレメントに記入されたテキスト断片を、後に知的資源として活用すべく収集する機能を有する。本稿においては、Text ComposTerを用いた実験を行い、有用性を確認することができた。
著者
伊藤 直樹 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.127, pp.53-58, 2008-12-12
参考文献数
12

ギターの MIDI フレーズ作成を行う際に発音タイミングやベロシティなどのばらつきを意識してエディットするのは手間がかかる.MIDI ギターシステムが市販されているが,ギターをある程度弾けたり,弦を押さえられる必要がある.また楽譜情報がないフレーズの場合,音高が分からず押さえるポジションの特定が難しいこともある.そこで我々は,鼻歌入力機能と市販のギター型電子楽器インタフェイスを組み合わせ,歌唱から音高を,弾弦からタイミングやベロシティを取得して,パワーコードによるギターフレーズや単音フレーズの入力(および演奏)が可能なシステム 「吟たぁ」 を開発した.ギター上級者 1名にシステムの試用を依頼し,評価を行った.VOUITAR is a Voice-to-MIDI system that employs a guitar like user interface. VOUITAR merges two kinds of input; singing voice for obtaining pitch data and picking/cutting strings for obtaining rhythm data. VOUITAR can input not only monophonic melody data but also chord backing accompaniment data: it provides a function to add the 5th note to the input note to make it a power-chord by natural string cutting performances. Using VOUITAR, the user can input his/her cool phrases as well as backings by the hot guitar-like performances only if he can sing the phrases, even if he/she does not know fret positions of the guitar. We evaluate VOUITAR with a guitarist.