著者
西村 聡
雑誌
金沢大学文学部論集. 文学科篇 (ISSN:02856530)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-14, 1989-02-17

金沢大学文学部
著者
西村 聡
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

1.能楽雑誌とその複写物を種々入手して,東京及び地方の番組を豊富に収集できた。このことによって,金沢の番組の欠を補えるだけでなく,金沢の能楽師たちの他地方における活動の実態が明らかになってきた。基本資料の整備が進んだことが第一の成果である。2.本研究は金沢能楽会を事例とするが,同時代の状況の中にどう位置づけるか,全国的な傾向と比較することを絶えず心掛けている。たとえば明治の能楽復興が10年代の保護期と30年代の自立期の二つの山があることや,その間の20年前後には演劇改良の影響を受けることなどは,『明治天皇紀』の関連記事の分析によっても跡づけられた。3.一方,金沢に限って見れば,「加賀宝生」の語の使用は,藩末期の能楽の隆盛を回顧して,明治中期に行われるのが,文献上の早い例であることが分かった。また,昭和の戦後間もない頃に「加賀宝生」が金沢市の記念文化財に指定される際に,その定義に関する当時の公式見解が「指定理由書」の中に示されていて,同文書を再発見できたことは収穫であった。4.金沢は「空から謡が降る」土地柄と言われる。その根拠を何に求めるかが課題であったが,『北国新聞』の記事を整理して,そのいわれと変遷を明らかにした。そして,能楽協会会員名簿を基に都道府県別の在住会員の数を比べると,石川県は人口比で全国第2位に位置し,しかも三役が揃い,由緒ある舞台や装束等が伝存することからしても,現在も能楽が盛んな地域といってよいことが確認できた。5.金沢能楽会の設立趣意書の原態を推定し,発起人の顔触れから社会的背景を探り、趣意書の文体に見る金沢の事情と全国的な趨勢を浮かび上がらせた。同じ頃の『金沢開始三百年祭記事』『旧藩祖三百年祭記事』の新たな資料的価値についても明確にした。
著者
竹本 幹夫 山中 玲子 小林 健二 落合 博志 大谷 節子 三宅 晶子 天野 文雄 石井 倫子 稲田 秀雄 表 きよし 樹下 文隆 西村 聡 松岡 心平 三宅 晶子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

番外曲を中心に、カ行までの170番1020本ほどを翻刻した。また代表者・分担者・連携研究者はそれぞれ別記の論考を発表した。研究成果として発表した謡本以外にも、全国の謡本資料を博捜して、『国書総目録』未収の謡本を多数発見、デジタル化した。それらはハードディスクに複写して連携研究者以上の研究参加者がそれぞれ保管し、今後の作業のために役立てる。また竹本が監修し、分担者等の内、三宅晶子・山中玲子が中心となり、落合博志・大谷節子が補佐して編集実務に当たる形で、『現代謡曲集成』全6巻を企画し、勉誠出版より刊行の予定である。これについてはすでに第1巻が本年度中に刊行の予定で、数年以内に全巻刊行の後、別途全謡曲本文を網羅した『謡曲大成』を刊行の予定である。また分担者の内、大谷節子が、別記の著書『世阿弥の中世』により、2008年度角川源義賞を受賞したことも申し添えたい。
著者
井口 泰 西村 聡 藤野 敦子 志甫 啓
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
經濟研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.204-212, 2002
被引用文献数
1

雇用面からみた世代間利害不均衡の概念を確立し,その調整を図ることは,人口の少子・高齢化の下で,合理的な政策決定を促す上で重要である.雇用面からみた世代間利害調整に関し,これまで実施した理論・実証的研究の主要成果は次の通りである.①1990年代において,高齢者の雇用保障が若年者の失業を増加させるとの仮説は,マクロ・ミクロの両面から支持できない,②日本の育児の「機会費用」は欧米諸国と比較し非常に高く,このまま女性修業を拡大すれば少子化を促進し,世代間利害の不均衡を拡大しかねない,③労働時間短縮や柔軟化は,家計内分業や出生率の改善にプラスに作用し,世代間利害調整に貢献できる,④「地域統合」の枠組みで人材の国際移動を促進すれば,「頭脳流出」のリスクを抑制し,大量移民受け入れを回避し,世代間利害調整にも効果がある.総じて,世代間利害調整の視点から,少子・高齢化対策と外国人労働者政策の合理的な組み合わせを構想する必要がある.The authors try to establish a concept of "disequilibrium of inter-generational interests" in the field of employment and to explore possibilities to coordinate them. The main empirical findings are : 1) there is no empirical evidence that employment security of the elderly is creating more unemployment of the youth in Japan during the 1990s, 2) the "opportunity cost" of bearing children in Japan is extraordinarily high among the developed countries. 3) shortening of working hours may contribute to improvement of the division of labor within the family and to improve the rate of birth, 4) facilitating movement of the highly skilled via "regional integration" may reduce risks of "brain drain", avoid mass-immigration and facilitate coordination of inter-generational interests.
著者
松島 潤治 大西 晴夫 西村 聡子 持田 徹
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.58, pp.153-162, 1995-06-25 (Released:2017-09-05)
参考文献数
22

温熱環境の快適性・省エネルギー性の向上を図るうえで,着衣の影響の評価は重要である.本研究では,着衣量の差による断熱性の違いが人体の部位別温熱特性に及ぼす影響の実測を行い,下記の結果を得た.着衣量の増加による皮膚温の上昇は,下たい(腿)部・足背部の末しょう(梢)部において顕著であり,人体から環境への顕熱(対流+放射)放熱量の減少は,胸部・腹部の大幹部において顕著であった.またこれらの結果を,代謝量を1metとして2-nodeモデルの理論値と比べたところ,全身の平均皮膚温・顕熱放熱量について,定性的には比較的良い一致を示したが,定量的には若干の差異が生じた.
著者
西村 聡 竹村 裕 溝口 博
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp._2P1-D16_1-_2P1-D16_2, 2006

This paper introduces a person following shopping cart robot. The developed prototype robot is using a shopping cart as the robot's main body and attaching a driving module. The aim of this study is to develop a porting system for large-sized facilities (i.e. shopping mall, airport, etc.), where the object item is autonomously carried by a person following ("after you") porting robot. We believe such study on porting robots is highly practical and necessary in today's aging society. By using the computer's signal output for autonomous run and the radio control operation function for risk aversion, a compatible control with computer and radio control is realized. The structure and the principle of control system are described.
著者
西村 聡
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部論集. 文学科篇 (ISSN:02856530)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-37, 1985-02-25

金沢大学文学部
著者
西 義久 木下 泉 西村 聡
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.70, no.691, pp.715-722, 2004-03-25 (Released:2011-03-03)
参考文献数
17
被引用文献数
2

The experiments about the gas lift pump in lead-bismuth eutectic are performed with risers of three kinds of diameters [φ 69.3 mm (SD case), φ 106.3mm (MD case), φ 155.2mm (LD case)]. The main results are as follows : (1) The coefficient of the drift flux model was derived from the experimental results. (2) The LBE flow rate obtained from the design method based on water/gas system with the relation of the drift flux model corresponds to the experimental results obtained in the MD and the SD cases. It is considered that the evaluation method can be used for the LBE gas lift pump in a small diameter riser. (3) In the LD, the design method excessively evaluates the lead-bismuth circulating flow rate. It thought that the circulation head will not occur in the experimental loop. The following factors are considered to be the causes of this the three-dimensional behavior of bubbles becomes significant, and the local descending flow is generated in the riser when the riser diameter increases.
著者
西村 聡
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

戦後の舞台利用の変遷を番組に基づく能楽史年表を作成して明らかにした。また文献資料及び聞き取り調査により、各地の能楽関連施設の沿革や利用実態に関する最近の傾向を把握した。従来の地方能楽史研究には他地域との関係が視野に入っていないことを指摘し、それらを補う多くの資料を発掘した。能楽史研究の成果を同時代の文学作品の成立にどう関わらせるか、という視点で両者の融合のモデルを『歌行燈』論で作り上げた。
著者
西村 聡生
出版者
上智大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

以下の4研究を行い、他者の行為に関連した表象が自己の課題遂行に及ぼす影響に関する研究成果を得た。1.他者の指差し行為を示す課題とは無関係な画像が、観察者の反応行為に及ぼす自動的な影響について検討した。指差し方向での観察者の行為の促進がみられた。また、左手での指差し画像は左手での、右手での指差し画像は右手での反応を促進したが、この効果器プライミングの生起には時間を要した。他者の行為を知覚すると、自己の課題遂行に対して、その行為の記号的な意味と行為に関連した身体特徴に基づく影響が同時に、異なる時間特性を示しながら独立して自動的に生じることを明らかにした。2.隣接する他者と分担して課題を遂行する場合の認知表象特性について検討した。呈示された刺激に基づき自分の側での単純反応を行うかどうか判断する課題においては、隣接する他者の課題や両者の行動タイミングの相補性によらず、他者がもう片方の反応を担当していれば、刺激が自分の側に呈示された方が相手の側に呈示された場合よりも反応がはやかった。-一方、両者がそれぞれ異なる2反応を担当し選択反応課題を行う場合には、相互の課題間干渉は観察されなかった。他者と隣接して課題を遂行する場合、他者の課題や行為者のタイミングではなく行為そのものが表象され、自身の反応位置を空間的に定義する基準となることで、自己の課題遂行に影響することが示唆された。3.知覚と行為の相互作用において、刺激の知覚が反応行為に自動的に及ぼす影響についての知見を整理し、知覚と行為の表象特性が課題遂行に影響するメカニズムを明らかにし、個人内相互作用と個人間相互作用との異同の解明のための基準を明らかにした。4.行為と知覚およびそれらをつなぐ課題ルールの表象特性に関して明らかにするために、構えの準備、ルールの実現、行動決定とその評価に関連する神経メカニズムについて機能的MRIを用いて検討した。