著者
山岡 傳一郎 伊藤 隆 浅間 宏志 佐橋 佳郎 三谷 和男 姜 東孝 安井 廣迪 渡辺 均
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.270-280, 2017 (Released:2017-12-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1 6

漢方製品の使用量と金額は近年増大しているが,輸入生薬単価の上昇と保険薬価低下のために,漢方薬を扱う業界には長期低落傾向がみられる。生薬国内生産はこの30年間減少し続けているが,状況改善への試みがなされている。福島県の会津産人参生産量は153トンから8トンに減少したが,圃場の拡大と栽培期間短縮の研究が開始された。奈良県では生産から販売までの一貫体制の構築に取組み,大和当帰を用いた新たな商品開発販売のため,生産者,製薬・食品メーカー,大学研究機関による協議会が活動している。また薬用作物の国内生産に向けて,農林水産省,厚生労働省ならびに日本漢方生薬製剤協会は,3年間にわたり生産者と製薬各社とのマッチング会議を各地で開催してきた。漢方による医療費削減のためには,漢方製剤だけでなく煎薬などの生薬を直接用いた治療のできる医療体制が必要である。生薬国内生産コストを賄う施策に関する議論が望まれる。
著者
梶田 秀司 谷 和男
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1705-1714, 1995-10-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
7 15

An experimental study of a biped robot is presented. A new scheme named “Linear Inverted Pendulum Mode” is utilized for controlling biped walking on rugged terrain. We developed a 6 d. o. f. biped robot “Meltran II” which has light weight legs and walks in a two dimensional vertical plane. After discussing the control systems for the support leg and the swing leg, we applied these control laws to the real robot and obtained following results.1. Support phase dynamics of the biped robot under the proposed control law can be well represented by a linear model with a viscous term.2. An adequate vertical speed at touchdown and a short duration of two-leg support after touchdown help smooth support leg exchange with a small loss of momentum.Based on these results, a whole biped control system was implemented. In our experiment, biped walking with a half step period of 0.5-1.0s and a half stride of 10-14cm was realized on a flat floor. The maximum walking speed was 24cm/s. Our robot also walked over a box of 3.5cm height at a speed of 20cm/s.
著者
安井 昌之 向山 昌邦 横井 風児 足立 皓岑 若山 育郎 三谷 和男 八瀬 善郎 吉田 博信 吉益 文夫 大田 喜一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.85-86, 1989-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

孤発性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)6例,神経学的に正常な対照5例の中枢神経組織(CNS)26部位について放射化分析法でアルミニウム(A1)を測定し, 2例のALSで高Al含有量を認めた.症例Iで136.5±99.3μg/g dry weight (Mean±SD),症例IIは88.3±52.0μg/g,他のALS4例で28.0±14.3μg/g,対照群は25.8±8.1μg/gであった.孤発性ALSのCNS内に高Alが沈着した2例を報告した.
著者
加藤 内藏進 松本 健吾 大谷 和男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

1.はじめに<br> 東アジアの暖候期には,グローバルな規模を持つアジアモンスーンの影響を受けて,梅雨等の顕著な雨季が現れる。しかし,日本列島付近は,ユーラシア大陸の高緯度域,南アジア域,北西太平洋の熱帯・亜熱帯域,北太平洋高緯度域のようなかなり異なるアジアモンスーンサブシステム間の接点にあたり,僅か1000km程度の東西の違いで,梅雨降水の特徴等も大きく異なる(Ninomiya and Mizuno 1987,等)。例えば,西日本の梅雨前線では組織化された積乱雲の集団に伴う集中豪雨の頻出で梅雨期の総降水量は東日本に比べてかなり多い。但し,東日本側でも,西日本側に比べると大雨日(以下,50mm/day以上の日をさすことにする)の頻度は少ないものの,東日本の大雨日には,10mm/hを下回るような「普通の雨」による総降水量への寄与が大きいタイプが半数程度を占めていた(松本他 2013, 2014,それぞれ,岡山大学地球科学研究報告,Vol. 20,21。本グループの松本他による1971~2010年の解析に基づくポスターも参照)。<br> 但し,種々の広域システムの接点にあたる日本付近では,日々の変動,季節内変動,季節変化,年々変動も大きく,しかも低緯度と中高緯度のシステムの関わり方の違いにより,降水量だけでなく「降水特性」の多様性も大きい。そこで本グループは,本大会の松本他の研究を踏み台に,梅雨期から盛夏期を中心とする降水について,降水量だけでなく降水特性の多様性や,西日本と東日本との違いの詳細についても注目して,1950年以前も含めた長期解析(日本の気象官署の日降水量や天気図などに基づき)にも着手した。長期的な気候変化・気候変動だけでなく,種々の現象を把握して気候学的平均像を長期的なパラメータレンジで把握することも狙う。その際に,限られた過去の地上データや天気図等から,どの程度,日々の現象の傾向を記述する気候学に迫れるかの検討も行う。<br> なお,気象庁が日原簿をスキャンしたPDFファイルも一部の気象官署に関しては古い時期のものも気象業務支援センターを通して入手出来たので,そこに記載された1時間降水量のデータも活用法を検討したい。<br> 2.日降水量データに基づく梅雨最盛期と盛夏期の降水量や降水特性の長期解析(長崎と東京との比較を例に)<br> 本研究ではまず,西日本(特に九州)の例として長崎,東日本の例として東京における長期間の日降水量データを中心に,比較解析した。1901年~2010年における梅雨最盛期(ここでは6月15日~7月15日とした),盛夏期(8月1日~31日)について,総降水量やそれに対する50mm/day以上の日(大雨日)の降水の寄与などの解析を行なった。<br> 従来知られているように,梅雨最盛期には長崎の方が東京よりも大雨日の寄与が大きく総降水量も大きかったが,110年間でみた年々の総降水量の変動も,長崎では大雨日の寄与の変動を大きく反映していた。しかし,東京では,基本的には大雨日で積算した降水量と総降水量の増減の対応も一応みられたが,大雨日の寄与は殆ど無いのに,総降水量は110年間の平均値を上回るような年もしばしば出現する等,降水特性の変動も大きいようであった。また,総降水量に対する大雨日の降水量の寄与の割合も(以下,寄与率と呼ぶ),長崎では11年移動平均ではあまり年々の違いはなかったが,東京では数10年周期で比較的大きな変動がみられる等,降水特性の平均ばかりでなく年々の変動にも東西の違いが見られた。<br> 更に,東京の大雨日の日降水量に対する1時間降水量の寄与も,110年間で集計した(図略)。東京では,110年間でみても,梅雨最盛期の大雨日に比べて盛夏期の大雨日の方が,1時間降水量でみた強雨の寄与が大きい等の季節進行もみられた。発表では,1950年以前の特徴的な状況における1時間降水量や天気図等による事例の吟味も行なう予定である。
著者
王子 剛 並木 隆雄 三谷 和男 植田 圭吾 中口 俊哉 貝沼 茂三郎 柴原 直利 三潴 忠道 小田口 浩 渡辺 賢治 藤井 泰志 喜多 敏明 小暮 敏明 小川 恵子 田原 英一 萩原 圭祐 矢久保 修嗣 南澤 潔 村松 慎一 和辻 直 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.224-230, 2014 (Released:2014-11-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

漢方医学では舌の色や形状を観察する舌診が患者の体質や病状を知る重要な手掛かりになると考えている。我が国において,舌診に関する書籍が複数発行されているが,記載内容が不統一で臨床的な舌診所見の標準的な記載方法はまだ確立してない。舌診の研究および学生への漢方教育において標準的な舌診臨床所見は必要である。そこで舌診の日本の文献(計12文献)を用いて,色調や形態の記載について比較検討した。その結果を用いて舌診に習熟した多施設の漢方専門医のコンセンサスを得た上で,舌診臨床診断記載の作成に至った。作成にあたり,実際臨床において短時間で観察し得る舌所見を捉える事と初学者でも理解し易いよう,微細な所見の違いよりも確実に捉えやすい舌診所見に重点を置いた所見記載とした。

2 0 0 0 OA 泌乳の生化学

著者
榑谷 和男
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.2-9, 1968-01-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
43
著者
角谷 和男
出版者
京都大學木材研究所
雑誌
木材研究 : 京都大學木材研究所報告 (ISSN:00497916)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.22-36, 1965-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
三谷 和男
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.673-685, 2007-07-20 (Released:2008-09-12)
被引用文献数
2 2

漢方医学の四診は「望・聞・問・切」であり, 舌診は「望診」の中核をなす。「望」という文字は人の跂立遠視の象形であり, 「古ク霊気ヲ望ンデソノ妖祥ヲミル」が本来の義とされる (白川静・字統より)。つまり「分析」的な見方ではなく, あくまで「全体を大づかみにする」という発想で行わねばならない。患者が診察室に入った瞬間から診療は始まり, その上で「大づかみ」ができるかがカギとなる。聴診器を創作したランネック (1781-1826) が「医学はすべて観察からはじまる」と述べているが, 「望診」のもつ意味は更に深い。舌診は, 神・色・形・態に分けて観察するが, この「神」は「神気」であり, 患者の全身状態を総合的にまとめ, 疾病の予後, 軽重を推察する上で意義がある。黄帝内経・霊枢に「神ヲ得ルモノハ昌ヘ, 神ヲ失フ者ハ亡ブ」とあるように, 神気を把握することは最も重要である。このように, 舌は, 病状の進展, 病態の陰陽・虚実, 気血水のバランスを反映すると考えられるが, 一方では重篤な疾病があるにもかかわらず所見にはそれほどの変化がなかったり, 健常人でも先天的な変化をみることができる。つまり, 局所の所見のみにとらわれず, 舌質や舌苔の変化を, 全身的な病態の部分現象や随伴症状として総合的にみることが前提である。
著者
松本 健吾 加藤 内藏進 大谷 和男
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

梅雨最盛期の東日本では,50 mm/日を超えるような「大雨日」の出現頻度は西日本ほど高くはないが,梅雨降水の将来予測などの際には,東日本のように大雨の少ない地域についても知見を整理する必要がある。また,長期間の「気候システムの平均像」としての「広いパラメータレンジでの種々の現象の振れ方」の把握の足がかりともなると考え,40年間の梅雨最盛期と盛夏期の東京を例とする東日本の大雨日について,解析を行ってきた。本講演では,降水特性や大気場について,降水域の南北の広がりも参照しながら吟味した。<br> ミニチュア版天気図が手元にある1971 ~2010年の6月16日~7月15日(梅雨最盛期)の東京での「大雨日」の日数は計31回であった(長崎よりかなり少ない)。これらの各事例における気圧配置の違いをパターン毎に分類した。 東日本では,梅雨最盛期の「大雨日」の約半分は台風が直接関連した事例(パターンA,B)であり,また,西日本の集中豪雨と違い,10 mm/h未満の「普通の雨」が持続することにより大雨日となる事例(パターンB,C)が少なくなかった。<br>&nbsp; パターンAでは,暖気移流の大きい領域が北海道東方までのびていたが,まとまった降水域はその南西方の暖気移流の小さい領域(宇都宮~八丈島,約380 km)だった。さらに,そこでの10 mm/h以上の強雨の寄与率は大きかった。パターンBでは大きい暖気移流域の中で多降水域は南北に広く分布していた(宇都宮~八丈島)。その南半分(館山以南)では10 mm/h以上の寄与率も大きかったが,北半分(横浜以北)では10 mm/h未満の「普通の雨」の寄与率が大きかった。<br> パターンA,Bの双方で高温多湿な空気が台風の東側の南風により北方へ侵入してくるが,下層を通過するパターンAに対し,梅雨前線の存在するパターンBでは関東付近で傾圧性が強い場に流入してくる。このような大気場の違いが降水特性の違いに影響しているのではないかと考える。<br> 盛夏期(8月1日~31日)でも東京について,同様に大雨日を抽出した結果,2/3以上が台風に関わる事例であった。梅雨最盛期の東京での大雨日のうち半数近くは,10 mm/h未満の「普通の雨」によるものだったが,盛夏期の東京の大雨日では全体的に,10 mm/h 以上の降水による寄与が非常に大きかった。この結果は,梅雨最盛期から盛夏期への季節経過の中,オホーツク海気団の張り出し方の変化に伴い,梅雨最盛期のパターンBのような状況の出現頻度が少なくなることを含めて影響していると考える。
著者
吉田 光二 星 昭夫 榑谷 和男 金井 貞 市野 元信
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.561-564, 1975-10-31 (Released:2008-10-23)
参考文献数
12

Effect of substitution of 5-position of cyclocytidine with fluorine on its antitumor activity in cultured cells was examined. 5-Fluorocyclocytidine was active against cultured L-5178Y cells similar to cyclocytidine. IC50 of the compound was 0.054μg/ml. This compound inhibited thymidine incorporation into acid-insoluble fraction of the cells. Cell growth inhibition by 5-fluorocyclocytidine was reversed by deoxycytidine but not by thymidine and deoxyuridine. On the other hand, cell growth inhibition by 5-fluorouracil was reversed by thymidine and deoxyuridine. As a result, site of action of 5-fluorocyclocytidine was considered to be similar to that of cyclocytidine and not to 5-fluorouracil.
著者
星 昭夫 飯郷 正明 実吉 峯郎 榑谷 和男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.1535-1538, 1973-07-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
4 4

Deamination of cytidine derivatives especially of cyclocytidine by mouse kidney cytidine deaminase was examined. Cyclocytidine was not deaminated at either pH6.5 or pH7.3 by the enzyme. Furthermore, cyclocytidine did not inhibit the deamination of aracytidine and ([I]/[S])0.5 value for cyclocytidine was over 100. As a result, cyclocytidine is found to be markedly active compound with resistance against cytidine deaminase.
著者
星 昭夫 官沢 文彦 飯郷 正明 榑谷 和男
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.539-546, 1975-10-31 (Released:2008-10-23)
参考文献数
12
被引用文献数
2

Combination effect of antitumor agents, including cyclocytidine and cytosine arabinoside, was evaluated on the conception of pharmacological synergism and not of therapeutic synergism. Ascites sarcoma-180 and L-1210 leukemia were used as tumor systems. In sarcoma-180 system, combinations of cyclophosphamide plus cyclocytidine or cytosine arabinoside by simultaneous administration and cyclocytidine plus Daunorubicin or Vinblastine by alternate administration provided synergism. In L-1210 system, many compounds in combination with cyclocytidine or cytosine arabinoside in both simultaneous and alternate administrations provided synergism. Combination effect of agents was affected by the schedule of drug administration. It was found that the combination effect of drugs in one tumor system cannot be generalized to that in other tumor systems, even though equally effective doses of agents were administered in both tumor systems. Toxicity of cytosine arabinoside in combination with other drugs was affected by the schedule of administration. Compounds which provided synergism in simultaneous administration provided antagonism in alternate one. As a result, it was found that alternate administration of drugs is advantageous for the activity and diminution of toxicity to the host animal.
著者
平山 八彦 杉原 太助 浜田 福三郎 金井 貞 疋田 重太郎 荒木 靖雄 博谷 和男 星 昭夫
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.153-161, 1974-04-30 (Released:2008-10-23)
参考文献数
23

The distribution in tissues and excretion of cyclocytidine (2, 2'-anhydro-1-β-D-arabinofuranosylcytosine hydrochloride) and its metabolites in urine and feces of macaca monkeys (Macaca irus, Macaca fuscata, and Macaca mulata) and in beagle dogs were examined by the spectrophotometric assay. Distribution of cyclocytidine in plasma and tissues of rats was also examined.The administered cyclocytidine showed a half-life of 22min in plasma of dogs and monkeys, whereas the half-life of aracytidine (1-β-D-arabinofuranosylcytosine hydrochloride) was 47min in plasma of dogs and less than 5min in plasma of monkeys, because of rapid deamination of the comvound to arauridine (1-β-D-arabinofuranosyluracil) in the latter species. Cyclocytidine exhibited maximum concentration in tissues of rats and monkeys at 20 to 40min after the administration, but its metabolites, aracytidine and arauridine, were not detected in these tissues. Cyclocytidine levels in tissues diminished thereafter but were detected within the next 40 to 80min, Neither cyclocytidine nor its metabolites could be detected in the brain. When cyclocytidine was administered intravenously in dogs and monkeys, 65-85% of it was excreted in urine, almost all as intact cyclocytidine, and small amounts of aracytidine and arauridine were detected. On the other hand, the administered aracytidine was excreted only as arauridine in urine of monkeys, and aracytidine and arauridine in dogs. Cyclocytidine and its metabolites were not detected in feces of both species.It might be suggested that the distribution and elimination rate of cyclocytidine after its intravenous administration is not affected by the presence of cytidine deaminase in plasma and tissues.
著者
星 昭夫 官沢 文彦 榑谷 和男
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.353-360, 1972-06-30 (Released:2008-10-23)
参考文献数
12
被引用文献数
4

The antitumor activity of cyclocytidine was examined in a variety of tumors. Cyclocytidine was active against adenocarcinoma-755, Nakahara-Fukuoka sarcoma, ascites sarcoma-180, Ehrlich ascites carcinoma, L-1210 leukemia, and C-1498 leukemia. Cures (60-day survivors) were observed at 500mg/kg/day×5 or more of the compound in the L-1210 system and therapeutic ratio was as high as 50, though that of other known antitumor agents tested, including 1-β-D-arabinofuranosylcytosine (Ara-c), was less than 12. Therapeutic index of cyclocytidine in the solid and ascites tumors was always greater than that of Ara-c. Cumulative toxicity of cyclocytidine was surprisingly low and LD10 was 790mg/kg/day×5, whereas that of Ara-c was 82mg/kg/day×5. Cyclocytidine appears therefore to have advantages over Ara-c for clinical use.
著者
星 昭夫 官沢 文彦 榑谷 和男 実吉 峯郎 新井 祥子
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.145-146, 1971-04-30 (Released:2008-10-23)
参考文献数
8
被引用文献数
4

2, 2'-O-Cyclocytidine was active against L-1210 leukemia. Cures were observed at the optimal dose of the compound, though no cures were obtained at any dose of any of the known antitumor agents. The compound was less toxic than 1-β-D-arabinofuranosyl-cytosine and resistant to cytidine deaminase.
著者
濱田 福三郎 杉原 太助 津山 伸吾 平山 八彦 金井 貞 西村 昌数 榑谷 和男 星 昭夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.586-591, 1975-03-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
1 1

Newly synthesized 5-3H-cyclocytidine was injected intravenously in rhesus monkeys having a high level of cytidine deaminase which inactivates aracytidine, an antitumor substance analogous to cyclocytidine, in human plasma and tissues. After rapid distribution as intact molecule in the liver, kidney, spleen, and other organs, 46.5% of the administered radioactivity was excreted via the renal pathway within 160min. Metabolite analysis of 5-3H-cyclocytidine in plasma, tissues, and urine of the monkeys revealed that extensive or rapid degradation of cyclocytidine did not occur, and confirmed the resistance of cyclocytidine against the deaminase activity and its stability in biological condition in vivo. Phosphorylated derivatives of cyclocytidine were also detected in the monkey liver after injection.
著者
官沢 文彦 星 昭夫 榑谷 和男
出版者
The Japanese Cancer Association
雑誌
GANN Japanese Journal of Cancer Research (ISSN:0016450X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.55-60, 1974-02-28 (Released:2008-10-23)
参考文献数
22
被引用文献数
3

Interaction of antitumor agents in activity and in toxicity was examined separately. Ascites sarcoma-180 and ddN mice were used as the tumor system.Interaction was evaluated on the concept of pharmacological synergism and not of therapeutic synergism. In activity, 18 out of 91 combinations provided synergism and most of them contained alkylating agents and antibiotics. Antitumor agents were therefore classified into two groups from the point of drug interaction. Synergism was observed in combinations of agents in Group I, alkylating agents, antibiotics, and alkaloids. In combination of agents in Group II (antimetabolites and others), additive action was observed. As a result, 18, 65, and 8 combinations provided synergism, additive action, and antagonism, respectively.On the other hand, in toxicity, 13, 27, and 38 out of 78 combinations provided synergism, additive action, and antagonism, respectively. The combination that provided synergism in activity and antagonism in toxicity were 8 out of 91 combinations tested. In general, fortunately, combinations of antitumor agents were more than additive in activity and less than additive in toxicity.
著者
吉田 光二 榑谷 和男 星 昭夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.429-434, 1978-02-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
2 3

5-Fluorouridine and 1-β-D-arabinofuranosylcytosine are active against various tumors as antimetabolites. Antitumor activity and mode of action of their nucleotides, 5-fluorouridine 5'-phosphate and 1-β-D-arabinofuranosylcytosine 5'-phosphate, were examined. 5-Fluorouridine 5'-phosphate was active similar to the nucleoside against L1210 leukemia, but the nucleotide showed higher therapeutic ratio than 5-fluorouracil and 5-fluorouridine. The mode of action of these nucleotides was examined by the incorporation of labeled precursors into acid-insoluble fraction of the cells for 30 min. Inhibition patterns of these nucleotides were the same as those of the nucleosides, but the potency of the nucleotides was very weak, and increased with time. Analysis showed that these nucleotides were dephosphorylated on the cell surface and the dephosphorylation was greater than that of phenolphthalein monophosphate. 5-Fluorouridine 5'-phosphate was considered to be a good candidate for an antitumor agent.
著者
三谷 和男 若山 育郎 吉田 宗平 八瀬 善郎 上林 雄史郎 三谷 和合
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.83-98, 1989-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

SMON患者は多彩な病像を呈するが, 疾病の長期化と加齢により漢方的に類似の証に収束する症例も見られる。このような一群の症例の中に「血痺」と捉え得る症例があり, 我々はこれまで黄耆桂枝五物湯加紅参煎剤を5例に6年間投与し, その効果を舌証を中心に検討した。5例全例で舌質の色調が淡紫紅色から淡紅色に変化し, 1例では地図状苔が一様な白浄苔となった。つまりSMONに特徴的な〓血証が全例で改善されたことが舌所見より明らかとなった。腹証でも, 臍下の抵抗等の改善を認めたが, 舌証ほど著明ではない。また, 神経学的にも知覚・運動共に改善を認め, その後の経過も良好である。副作用は, 現在認められていないが, 長期投与は加齢による影響を考慮し慎重に行う必要がある。