著者
長谷川 忍 柏原 昭博
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.9-20, 2011-01-31 (Released:2018-07-27)
参考文献数
61

Education/learning in network communities involves activities in which the members acquire, share, publish and create knowledge by joining in the communities to communicate with each other. The main topic addressed in this review paper is to classify fundamental technologies for scaffolding and promoting such education/learning activities. The key idea on this classification is to organize the fundamental technologies in each type of network community, with which social capital in the community increases, and with which the sustainability of the education/learning activities could be maximized.
著者
長谷川 忍
雑誌
科学研究費助成事業研究成果報告書
巻号頁・発行日
pp.1-6, 2014-06-03

本研究の目的は,研究グループによる研究活動で創発されるインフォーマルな経験則を研究活動スキルであると捉え,新たに研究グループに配属される研究初学者が研究活動スキルを学習する過程を支援するSNS(Social Networking Service)を開発することである.本システムの特徴は,論文やプレゼンテーションの作成過程において教員と学生の間で交わされるコメントをバージョンやメタデータとともに管理することで,研究グループ内で重視されているコメントや典型的な進捗状況プロセスを経験情報として抽出することや,修正の難しいコメントへの他の学生の対応過程をピアレビューすることが可能である点である. : The main topic addressed in this research is to develop a social networking service (SNS) system to support new graduate/undergraduate students belonging to a laboratory to learn the research activity skills which are regarded as informal experiential knowledge created by the laboratory members. The main point of the developed system is to store/manage the comments attached by the researcher and the students in conjunction with the versions of the documents and metadata in making process of the research papers and presentations. This enables the students to extract/find important comments or typical progress situation as experiential information of the laboratory, and to conduct peer review of others responses about complicated comments.
著者
高橋 尚志 礒田 誠 大浦 みゆき 西原 浩 高木 由美子 佐々木 信行 藤原 佳代子 高橋 智香 金子 之史 末廣 喜代一 松本 一範 稗田 美嘉 森 征洋 松村 雅文 寺尾 徹 川勝 博 北林 雅洋 笠 潤平 福家 弘康 西川 健男 高橋 正人 久利 知光 林 雄二 東条 直樹 横川 勝正 上村 和則 武藤 成継 石川 恭広 長谷川 忍
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.35-43, 2008

学部の理科教員全員によるチームティーチングを実施している「理科授業研究I」の内容を,附属学校教員の立場から評価した。その観点は教育現場での実験教材としての有効性と教育実習の事前の指導としての意義であり,本報告は授業の概要の紹介を行った後に考察結果と今後の課題をまとめたものである。
著者
佐藤 禎紀 柏原 昭博 長谷川 忍 太田 光一 鷹岡 亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1P3OS2103, 2019 (Released:2019-06-01)

Web調べ学習では,Web空間を探索して与えられた課題(初期課題)に対して網羅的,体系的な学習が求められる.一方Web空間では,学ぶべき項目や順序(学習シナリオ)は与えておらず,学習者は学習課題に対する知識構築と次に学ぶべき課題の展開を並行して行うため,認知的負荷が高い.筆者らはWeb調べ学習におけるプロセスをモデル化したWeb調べ学習モデルを提案し,そのモデルに沿った学習を促すシステムiLSBを開発した.一方で学習者はiLSBを用いても初期課題と関係ない課題を展開する場合があり,学習シナリオの診断が必要である.しかし一般的な,解となるシナリオと学習者のシナリオの比較による診断は学習者の主体性を阻害してしまう.そこで本研究では,Web上の関連データをリンク付けしたLOD(Linked Open Data)を用いて,学習者の主体性を阻害せず課題展開を診断することで,より妥当なシナリオ作成を促す手法を提案する.また,本稿では提案手法の評価実験を行った.その結果,提案手法は学習者の課題展開への見直しを促し,妥当なシナリオ作成に有効であることが示された.
著者
矢口 少子 中保 仁 亀淵 興紀 岡 信恵 谷川 忍 粥川 一成 長 和彦 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.90-100, 1999-02-10

旭川市内にある小学校特殊学級1年生で「精神発達遅滞と注意欠陥症候群」と診断されているHちゃんの,家庭における「食器ならべ」学校における「一人でべんきょう」の実践を通して,特に「注意欠陥症候群」の状態像を明らかにし,そのかかわりを述べたものである。かかわり合いの中でHの多動の意味するものは,1つは「混乱している困っている自分を受け止めてほしい」ということ,そして「どうしたらよいのか教えてほしい」というアピールであり,もう1つは「学びたいの,学ぶことをさがしているの」という動きであり,「本当はほめてもらいたいと思っているのだ」という訴えではないかということを感じることができた。肯定的な受け入れと,好きなことや興味関心に沿った内容の提示と,つまづいたときは手を添える援助と,できたらおおいにほめるということで行動に落ち着きやまとまりをもたせることができるのではないか,その1事例としてとらえることができた。また一方でHを支える家庭への支援連携の在り方について大きな示唆を得た。
著者
長谷川 忍 鈴木 亮一 相原 昭博 豊田 順一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.41, pp.33-40, 2001-05-04

ハイパー空間における探究学習は, 学習者が主体的かつ構成的に探究することができるため, 高い学習効果が期待できる. その反面, 探究可能な経路が複数存在するため, どの経路を探究すればよいかについてあらかじめ見通すことができず, しばしば探究学習に行き詰まる. このような問題を解決するために本研究では, 学習者自身が「どのような経路(バス)で探究を進めるか」についてプラニングすることによって, 探究に先立ってバスの見通しをつかむことを可能にする適応的パスプレビューを提案する. 本支援手法の特徴は, プラニング時の文脈を反映したページの概要情報を比較・参照しながらプラニングする環境を提供する点にある.
著者
長谷川 忍 高橋 咲江 柏原 昭博
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.199-210, 2010
被引用文献数
2

<p>The main topic addressed in this paper is to support university students who start their job-hunting activities by sharing information of job-hunting and work experiences their old boys/girls in the same department had. However, it is not so easy for the students to obtain information concerning such experiences since there are few opportunities to make personal connections with their old boys/girls. In order to resolve this issue, we had developed a SNS (Social Networking Service) system, which helps students gather informal and experiential information. It includes two main services as follows: one is to gather information concerning job-hunting and work experiences from the old boys/girls by means of a theme blog service, and the other is to make personal connections between the students and old boys/girls by means of a search engine and a tracer that allow the students to find informative blog entries contributed by the old boys/girls. This paper demonstrates the SNS system, and reports a preliminary case study in a laboratory scale. The results of the case study suggest that the system enables the old boys/girls to write down their informal experiences with the theme blog, and that the system allows the students to have instructive information from the blog entries via the tracer.</p>
著者
宮地 利幸 三輪 信介 長谷川 忍 丹 康雄 篠田 陽一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.235-248, 2010
被引用文献数
1

「技術」の習得には理論的な学習に加え,実践的な学習が必須である.特にネットワーク技術に関していえば,自律的に動作する要素の集合であるネットワークの挙動を理解し,その管理・運用技術を習得するためには,実環境で利用される機器を用いたネットワーク管理経験が重要である.しかし,実験的なネットワークであったインターネットが社会的インフラの一つとして認められるようになり,オペレーションのミスが許されない現状では,ネットワーク技術者がその技術を育むためのインフラが不足している.このような問題を解決するため,さまざまな体験演習環境が提案されている.その一方でネットワーク技術の検証の重要性が認識され,世界各地にネットワークテストベッドが設置されるようになってきている.本論文では,ネットワークテストベッドの一つであるStarBEDおよび実験支援ソフトウェアであるSpringOSを用いた体験演習環境構築についてまとめる.また,実際にStarBEDを利用して行われた体験演習例「SOI Asia 2008 Spring Global E-Workshop」,「インシデント体験演習」について紹介し,その有用性を示す.
著者
岡田 昌也 長谷川 忍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.269, pp.77-82, 2012-10-20

本研究の目的は,近年社会問題となっている"就職活動"の中でも,「数ある企業の中で,どの企業をなぜ選んだのか」を考える"企業研究"を対象としたWeb情報検索において,就職活動中の大学院生が検索を行う目的や興味,検索結果の関連性を,企業研究の「観点」として検索活動に反映させる手法を提案することである.これを実現するために本稿では,学生が設定した希望や優先度に基づいて検索クエリとなりうる企業の候補を提示することに加えて,学生が選択した企業に関する企業研究のための情報検索を支援し,その検索結果をグルーピングして提示するシステムを開発した.また,本学大学院生によるケーススタディを通じて,その有効性について検討した.
著者
高橋 咲江 長谷川 忍 柏原 昭博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.35-40, 2009-02-28

就職活動中の学生にとって,自分の専門性と類似した社会人がどのような就職活動を行ってきたか,また入社した企業に対してどのような考え方を持ち,活躍の場を得ているのかといった経験情報を参考にすることはキャリアプランを描く上で重要になる.こうした経験情報を得る手段の一つとして,学生は着目している企業の社員訪問を行うが,パーソナルコネクションを駆使し,アポイントを取って有用な情報を得ることは地理的・時間的制約が非常に大きい.本研究では大学生とそのOB・OGをメンバとした,経験情報の共有によるパーソナルコネクション構築のためのSNSの開発を行った.本SNSは,OB・OGと就職活動中の学生間のパーソナルコネクションの構築を支援し,メンバ間でOB・OGの就職活動中や入社後の経験情報の共有を図る機能を有している.ケーススタディの結果,本SNSによってOB・OGからの経験情報の提示が促進され,学生は就職活動に有用な経験情報が得られることが示された.
著者
柏原 昭博 齊藤 圭祐 長谷川 忍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.141, pp.23-28, 2011-07-09
参考文献数
11
被引用文献数
2

プレゼンテーションドキュメントの作成では,伝えたい内容に関して「何を・どのような順序で」提示するかを表すドキュメントの意味的構造を構成することが重要である.本稿では,大学などの研究グループにおける研究プレゼンテーションを対象として,グループ内に蓄積されたドキュメント群に共通する典型的な意味的構造(プレゼンテーションスキーマ)を手本に,ドキュメントを『書く』・『読む』・『聴く』という文脈で意味的構造を作らせ,ドキュメント作成スキルの向上を図る枠組みについて述べる.本枠組みの特徴は,認知的徒弟制の考え方に基づいてシステマティックなスキルアップを図る点にある.
著者
粥川 一成 中保 仁 岡 信恵 亀淵 興紀 谷川 忍 矢口 少子 長 和彦 古川 宇一
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.113-120, 1999-02-10

6年生の自閉的傾向を持ったA君は思春期を迎え,これまでに見られなかったような様々な行動が目につくようになった。A君とかかわりをもった粥川は,まず彼にふさわしい指示理解の方法を探った。その結果,絵または文字によるカード等を用いて視覚的に見通しを持たせる支援をすると,指示理解ができやすくなり,意欲的に行動できることがわかった。また,青年前期に求められるものとして「家事の分担」があげられるが,この取り組みとして家庭での「おつかい」ができることををめざした。この場合にも,視覚的に見通しの持てる絵または文字カードを提示するなど,一定の条件があれば取り組めると実感した。その実践を報告する。
著者
王 文涌 池田 満 仲林 清 柏原 昭博 乙守 信行 林 公生 長谷川 忍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.315, pp.11-16, 2008-11-14

本研究はカスタマイズ可能な学習コンテンツを中心にした知識循環型e-Learning環境を提案する.本環境では,SCORM,LOMという標準化技術とオントロジーに基礎にして,学習コンテンツをカスタマイズする機能を提供することにより,学習者が学習共同体に蓄積された学習コンテンツやWeb学習リソースから学習情報や経験知,応用知,理解知などを参照・利用しながら,自分自身の知識を獲得・再構成する場を提供する.そして,再構成された知識を学習共同体に蓄積して,集合知の形成と知識の再利用に貢献しながら,自らの学習を続けるという知識循環型e-Learningを実現する.
著者
谷川 忍 植竹 敦子 土谷 智子 高橋 絵理子 阿部 聖子 林 明子
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.21-28, 2002-02-05

函館市立柏野小学校では,4月に「たんぽぽ」「ひまわり」の知的障害児学級2学級に加えて,新たに情緒障害児学級「なのはな」が開設され,児童数12名,スタッフ5名という数字的には大変恵まれた体制となった。本学級では本紀要19号20号で報告してきたように,保護者そして児童のニーズに応えるべくIEP ・ TEACCHの手法に学んだ実践により,ようやく学級のカラーが出来上がってきたと自負していたところであったが,今年度はなかなか思うように進まず,自閉症センター「あおいそら」のアドバイスも得ながら,子どもたちへの対応を見直してきた。また保護者へのインフォームドコンセントとアカウンタビリティーの充実を図るために,IEPについても見直しを図ってきた。 IEP・TEACCHに学んで,子どもたちの指導の最適化を目指した学級づくりも3年がたとうとしている。日々試行錯誤の毎日であるが,少しずつ子どもたちも落ち着き,変容が見られてきた。