著者
荒川 正幹 長谷川 清 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-7, 2000 (Released:2000-08-03)
参考文献数
6
被引用文献数
5 2 6

3次元構造活性相関において活性コンフォメーションと重ね合わせルールを決定することは、モデルの適用能力を左右する重要な因子である。これら因子は互いに密接な関連があり、X線結晶解析などの構造情報がない場合には、容易には推定できない。本論文では、4way PLS法による合理的な活性コンフォメーションと重ね合わせルール推定法を提案する。4way PLS法はPLS法の変数を2次元の行列から4次元配列へと拡張した手法であり、PLS法と比較しノイズに強い安定なモデルを得ることが可能である。本論文では、Glycogen phosphorylase b(GPb)の阻害剤であるGlucose誘導体47サンプルを用いたCoMFA解析に本手法を適用した例を示す。サンプル、フィールド変数、コンフォメーション、重ね合わせルールからなる4次元配列を説明変数とし4way PLS法で阻害活性との関係を検討した。そしてモデル係数値を用い阻害活性に大きく寄与する活性コンフォメーションと重ね合わせルールの推定を行い良好な結果が得られた。またX線結晶解析によるGPbの3次元構造との関係について考察を行った。
著者
荒川 正幹 長谷川 清 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.99-106, 2002 (Released:2002-08-23)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

CoMFA法をはじめとする多くの3D-QSAR手法において、対象とする分子構造を適切に重ね合わせることは、解析を成功させるための重要な因子であるため、種々の重ね合わせ手法が提案されている。著者らもHopfield Neural Network(HNN)を用いた新しい分子構造重ね合わせ手法を提案しており、COX-2阻害剤のCoMFA解析に適用し良好な結果を得ている[M. Arakawa, K. Hasegawa, K. Funatsu, Journal of Computer Aided Chemistry, 3, 63-72 (2002)]。本研究ではこの重ね合わせ手法のさらなる有用性を検証するため、human epidermal growth factor receptor-2 (HER2)阻害剤の3D-QSAR解析を行った。HER2阻害剤27化合物について、HNNによる重ね合わせを行い活性配座を推定した後、CoMFA法による3D-QSAR解析を行った結果、R²=0.805、Q²=0.701の良好なPLSモデルが得られた。また、その回帰係数の等高線図についての考察を行い、このモデルが妥当であるとの結論を得た。
著者
山本 和義 西川 和宏 平尾 素宏 福田 泰也 中山 環 永妻 佑季子 谷川 清 前田 栄 原口 直紹 三宅 正和 濱 直樹 宮本 敦史 大宮 英泰 池田 正孝 高見 康二 中森 正二 関本 貢嗣
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.35-41, 2015 (Released:2015-05-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

胃癌患者は高齢者や低栄養症例も多いため,術前からサルコペニアの有病率が高いことが予想される.2012年7月~2014年2月の期間で当科にて行った65歳以上の胃癌手術症例69例中38例(55.1%)にサルコペニアを認めた.サルコペニア群で有意に摂取エネルギー量が少なく(25.6 vs. 29.9kcal/(IBW)kg, p=0.0060),摂取タンパク質量が少なかった(0.95 vs. 1.12g/(IBW)kg, p=0.0041).Clavien-Dindo分類Grade Ⅲ a 以上の重篤な合併症発生率はサルコペニア群で有意に高かった(23.7 vs. 6.5%, p=0.043).サルコペニア有りは重篤な合併症発生に関する独立した危険因子であった(OR 5.86, 95%CI 1.06? 51.65, p=0.042).サルコペニア合併高齢胃癌手術症例に対し,適切な栄養介入が重篤な合併症を回避するうえで有用であると考える.
著者
江尻 芳則 櫻井 健久 黒川 博 鈴木 邦司 坪松 良明 畠山 修一 有家 茂晴 荒山 貴慎 廣山 幸久 長谷川 清
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第25回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.217-218, 2011 (Released:2014-07-17)

近年、Au価格の上昇に伴い、AuワイヤボンディングからCuワイヤボンディングの適用の割合が増えてきている。セカンド側(パッケージ基板との接続)において、Cuワイヤボンディングにした際の接続信頼性について報告が無い。そこで、パッケージ基板の端子の表面処理とCuワイヤボンディング接続信頼性について検討した。Cuワイヤと十分な接続信頼性を得るためには、Auワイヤの場合と比較してAuめっき皮膜を厚くする必要があることが分かった。また、無電解Ni/Pd/Auめっき技術において、従来のAuワイヤボンディング同様に優れた信頼性を得られることが分かった。
著者
相馬 充 上田 暁俊 谷川 清隆
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

日本・中国・韓国・インド・越南に残る日食や星食の古記録を調査し,それらを用いて紀元1000年までの地球自転角パラメータの値ΔTと月潮汐加速項の決定を行った.また,日本で9世紀からの800年余にわたり使用された宣明暦について具体的な計算方法を調査し,問題点を明らかにした.日食や星食の予報を正確に計算するため,日本の月周回衛星「かぐや」とアメリカNASAの月周回衛星LROによる精密月地形データを使って月縁の凹凸の効果を計算する計算機プログラムを完成させ,実際の予報に役立てた.
著者
長谷川 清三郎 山口 禎
出版者
神戸大学
雑誌
兵庫農科大學研究報告. 農芸化学編 (ISSN:04400216)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.61-62, 1958

本実験は水稲の出穂直前に台風(暴風雨)にあてたものについて, その後の水分と炭水化物含量を測定した。茎葉3部位別の水分は処理区の方が対照区よりも常に[table]若干少く, その後回復の見込は殆んどない。また3部位別に水分の多少をみると葉身の含量は最も少く茎は最も多く葉鞘は両者の中間にあたり, これらの差は何れも僅少であるが全て有意差をもつている。全糖と澱粉含量は処理区の方が多い傾向を示した。これは前報の結果とともに出穂期或はその後に台風をうけた稲は穂への同化産物の移行が若干妨げられて3部位に貯蔵的な状態で一時存在しているものと思われる。
著者
谷川 清隆 河鰭 公昭 相馬 充
出版者
国立天文台
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

申請者らは、四庫全書から順次天文史料を抜き出し、史料をパソコンに蓄積した。史料は漢書から明史におよぶ。一部は国立天文台報において印刷中である。地球自転鈍化パラメータΔTと月運動の鈍化パラメータを紀元前700年から紀元1000年までの期間で精度よく決定した。日本の天文史料は新たに2つの日食を今江廣道氏の協力を得て史料に加えた。日本の天文史料の信頼性は時刻制度の検討とともに行った。また紀元前188年と紀元873年の日食同時観測データであることを発見した。2003年8月には箱根において「授時暦合宿」を行い、そこでの合意の下に、藪内清・中山茂の授時暦研究ノート、建部賢弘の授時暦議解をデータベースにする作業を始めた。打ち込みは終了し、校正の段階に進んだ。研究成果は2003年8月シドニーにおけるIAU総会、2003年9月サンクトペテルブルグでのシンポジウムにおいて発表した。そのほか、慶應大学、科学博物館において一般講演を行い、2003年6月には京都コンピュータ学院主催のシンポジウム「歴史を揺るがした星々」において招待講演を行った。申請者らの成果は一般の注目するところとなり、朝日新聞2003年5月31日夕刊の14面、京都新聞2003年6月29日26面、および毎日新聞2004年2月7日科学欄で紹介された。