著者
金子 真理 八木 久子 小山 晴美 中嶋 直樹 村松 礼子 滝沢 琢己 荒川 浩一
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.698-703, 2013-06-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
16

症例は13歳男児.運動後のアナフィラキシー症状を2度呈し,food-dependent exercise induced anaphylaxis (FEIAn)を疑われ当院にて運動誘発試験を行った.2回のエピソード前の食事に共通してリンゴが含まれていたこと,リンゴのプリックテストが陽性であったことから,リンゴ摂取後に運動負荷試験を施行したところ,鼻汁,くしゃみ,咽頭の違和感口蓋垂の腫脹を認め,リンゴによるFEIAnと診断した.その後,リンゴ摂取は禁止せず摂取後の運動を控えていたが,約5カ月後にはリンゴ加工品摂取のみでアナフィラキシー症状が出現するようになった.FEIAnの予後に関する報告は少なく,中長期的な予後は不明である.リンゴという特殊性の高いアレルゲンによるFEIAnの中には,本症例のように運動と関連のないアレルギー反応へと変遷する症例もあり,注意深く経過観察する必要があると考えられた.
著者
金子 真理子
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.69-89, 1999-10-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
23

This paper analyzes the processes in the classroom, in which the teacher's evaluation affects pupils' involvement in various activities at school. In this paper, I aim to understand social meanings of evaluation in the classroom. In so doing, I hope to shed new light on the sociology of school.Based on ethnographic research conducted at an elementary school, I found the following:1) Among pupils, their recognition of teacher's evaluation is differentiated, because evaluation in the classroom is getting multifarious and the criteria of report cards are not open to pupils.2) Patterns of pupils' reaction to the teacher's evaluation are differentiated based on both “pupils' recognition” and “grades on test”. Differentiation of pupils' reaction to evaluation is a result of pupils' strategies, based on their own recognition, for making difference and getting a respectable position in the classroom. For example, lowly-graded pupils recognize their teacher's evaluation in everyday life positively and react to it accordingly. Through such strategies in dealing with teacher's evaluation, pupils make their own positions in the classroom as a social space.3) Pupils' involvement in school activities is differentiated, depending on patterns of their reaction to the teacher's evaluation.As is discussed above, the process of evaluation in the classroom is a social interaction process. Lastly, I suggest that this process makes various patterns of pupils' adjustment to school, and on the other hand it can cause a part of “self-selection”.
著者
樋田 大二郎 岩木 秀夫 耳塚 寛明 大多和 直樹 金子 真理子 堀 健志 岡部 悟志
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

実証研究の結果、日本の高校では確かにゆとりから学力回帰の流れが起きており、学力向上のためには、かつてのメリトクラシーとトラッキングの組み合わせによる構造に起因する動機付けでは無く、また内発的動機付けに期待する多様化の制度改革も一段落して、今日では学校生活の楽しさと個別的面倒見主義による動機付けが強調され、あるいはそれを支える新自由主義的競争原理の導入などが進行していた。しかし、そうした動向は主体性や創造性などの従来からの教育的価値を損なう危険を秘めていた。研究グループは、シンガポールとの国際比較研究から、代案として複線型教育体系もしくはその要素の一部を日本に導入することを検討した。
著者
樋田 大二郎 岩木 秀夫 耳塚 寛明 苅谷 剛彦 金子 真理子 大多和 直樹
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

われわれが1979年以来行ってきたデータの再分析、および日本、シンガポールの再調査を行っている。シンガポールは、非常に学歴が重視される国であり、研究者の間ではメリトクラシー(能力と努力の結果が支配する)の国であると考えられている。こうした背景には、シンガポールの国際社会やアジアにおける軍事的、経済的位置づけやさらには多民族の融合というこの国独自の事情がある。しかし、それだけでなく、人々を学習に駆り立て、学習の結果を人材の社会的配分の基準にすることを正当化するような考え方や仕組みが存在する。一昨年度以来のわれわれの調査では、シンガポールは、教育政策においてアファーマティブ・アクション(マイノリティへの優遇:大学入学枠の確保、点数の加算など)や救済重視的な社会的敗者対策はとらずに、競争参加への機会均等をすべての国民に対して保証する/競争の結果に基づいて地位配分を行う/競争の結果に基づいて地位配分が行われるプロセスと基準を明確化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を明示化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を「学問中心」ではなく、生徒の興味、企業からの要請や国際社会からの要請に応じたものにしている/競争の内容(学習の内容と方法)が卒業後の生活と結びついていることを生徒に認知させ、納得させる/競争の結果に基づいて手厚いエリート教育と手厚い大衆教育を行う/敗者復活の機会を用意する、などの教育政策を採っている。しかし、こうしたシステムのあり方に加えて、授業面で、私たちの知見では、シンガポールは、授業内容が卒業後の進路とレリバンスが高く、それを可能にするために、コース設置、教員採用、カリキュラム、教科書などが、現場裁量に任せられる部分が大きく、ガンバが進路先とコミニュケーションを親密にとっている。